僕の彼女は曜ちゃんです⚠再編集中 詳しくはあらすじへ   作:ゆうきoog3

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今回もやっていきます!




13話

 

 

点滴の管が外れ、短時間だけ外の空気を吸ってもいいと許可が出た日。

雄飛は車椅子に座り、曜に押してもらいながら病院の中庭に出ていた。

 

雄飛は、まだ腹部に残る鈍い痛みを意識しつつも、風の匂いに少しだけ気持ちが軽くなるのを感じていた。

 

曜「ゆうくん、無理してない? ちょっとでも痛かったらすぐ言ってね」

 

雄飛「大丈夫だって。こうして外に出られるだけで、だいぶ違うよ」

 

曜はまだ少し不安そうな顔をしていたが、雄飛の言葉に小さく頷いた。

 

そのときだった。

 

「あれ? もしかして……」

 

聞き慣れない、けれどやけに明るい声。

 

振り向くと、健康的に日に焼けた肌の少女が、病院のフェンス越しに手を振っていた。

その足元には、大きめのクーラーボックス。

 

「やっぱり! 千歌から聞いてた人だよね?」

 

雄飛「え?」

 

曜「あっ、果南ちゃん!」

 

松浦果南は、にっと歯を見せて笑うと、フェンスを回って中庭へ入ってきた。

 

果南「初めまして、松浦果南! 曜と千歌の幼なじみ!」

 

雄飛「あ、は、はい。よろしくお願いします!」

 

果南「雄飛はお魚好き?」

 

雄飛は一瞬、思考が止まった。

 

(い、いきなり呼び捨て……!? 距離感近いな……)

 

雄飛「す、好きかどうかは……知識はほとんどありませんけど、苦手ではないです」

 

果南「そっか! じゃあよかった!」

 

雄飛「え? なにがですか?」

 

果南は答える代わりに、持ってきたクーラーボックスを地面に置き、ぱかっと開けてみせた。

 

果南「じゃーん!」

 

雄飛「うおっ……!?」

 

中には、氷に埋もれた大量の魚。

銀色の鱗が光を反射し、どれも今さっきまで海を泳いでいたかのような瑞々しさだった。

 

雄飛「す、すご……」

 

雄飛は魚の価値などさっぱりわからなかったが、“新鮮”という言葉だけは全身で理解できた。

 

雄飛「これ、どうしたんですか……? もらったにしては、さすがに新鮮すぎません?」

 

果南「うん。さっき獲ってきた」

 

雄飛「……え?」

 

果南「今日、朝イチで潜ってさ。病院に行くついでに持ってきたんだ」

 

雄飛「……すごすぎて、言葉が出ません……」

 

果南はくすっと笑い、雄飛をじっと見た。

 

果南「千歌たちから聞いたよ。ルビィを助けたって」

 

雄飛「……たまたまですよ」

 

果南「たまたまで、あんなことできないって」

 

そう言って、果南は少しだけ真剣な目になった。

 

果南「だからさ。お礼……って言うのも変だけど」

 

そう前置きしてから、明るさを取り戻す。

 

果南「よかったら、これ食べてみない?」

 

雄飛「……生で?」

 

果南「お刺身で!」

 

雄飛「ぜひお願いします!!」

 

即答だった。

 

曜「ちょ、ちょっとゆうくん!? お医者さんに怒られないかな……」

 

果南「大丈夫大丈夫! 量も考えてるし!」

 

雄飛(……病院で刺身って、いいのかな……)

 

内心でそう思いつつも、差し出された皿を前にした雄飛の目は輝いていた。

 

その様子を、曜の隣で静かに見ていた梨子。

 

梨子(……不思議)

 

梨子は、雄飛が果南と話している姿から、目を離せずにいた。

 

梨子(あんなふうに笑うんだ……)

 

病室で見せる、どこか無理をした明るさとも違う。

痛みを忘れた一瞬の、素の表情。

 

梨子は、胸の奥がほんの少しだけざわつくのを感じて、慌てて視線を逸らした。

 

梨子(……だめ。曜ちゃんが、ずっと支えてるんだから)

 

自分に言い聞かせるように、小さく息を吐く。

 

曜はそんな梨子の変化には気づかず、雄飛の様子だけを見つめていた。

 

曜「……よかった。元気そうで」

 

その言葉には、付き添い以上の想いが、確かに込められていた。




投稿遅れてすみません!

次はもう少し早く頑張ります!!
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