僕の彼女は曜ちゃんです⚠再編集中 詳しくはあらすじへ   作:ゆうきoog3

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こんにちは!

もうそろそろお気に入りが50件!ありがたき幸せです!!

これからもよろしくお願いします!

今回はダイヤさんが出てきます!

それでは本編をどうぞ!


18話

土曜日部室には、午後の柔らかい日差しが差し込んでいた。

黒板の前では果南とダイヤが振り付けの確認をしていて、千歌はそれを食い入るように見つめている。

曜は鏡の前でストレッチ、善子と花丸はなにやら言い合い、ルビィはその横でおろおろしていた。

 

そんな光景を、雄飛は部室の隅から眺めていた。

 

(……すごいな)

 

三年生の動きは無駄がなく、言葉も的確だった。

引っ張る人間がはっきりしている。

場はもう、自然と回っていた。

 

まだ手助けできることがないなと思い、水を飲みにいこうとしたその時

 

「梨子ちゃん、大丈夫?」

 

曜の声に、雄飛はふと視線を向ける。

 

ピアノの前に座る梨子が、譜面を見つめたまま固まっていた。

指は鍵盤の上に置かれているのに、音が出ない。

 

「……うん、大丈夫」

 

そう答えた梨子の声は、少しだけ硬かった。

雄飛は気づく。

——“大丈夫じゃないときの声”だ。

 

(……あ)

 

気づいた瞬間、体が動いていた。

 

――さりげない一歩

 

「ちょっといい?」

 

雄飛の声に、梨子が顔を上げる。

 

梨子「え、ゆうくん?」

 

雄飛「その譜面さ、もしかして……途中で迷ってない?」

 

梨子は一瞬だけ驚いたように目を瞬かせ、それから小さくうなずいた。

 

梨子「……転調のところ。頭では分かってるのに、指がついてこなくて」

 

果南やダイヤは振り付けに集中していて、ここまでは気づいていない。

曜も距離がある。

 

雄飛は梨子の横に立ち、譜面を覗き込んだ。

 

雄飛「ここさ、無理に弾こうとしなくていいと思う」

 

梨子「え?」

 

雄飛「一回、歌から作ろう。千歌たちが“一番伝えたいところ”を先に決めてさ。それに合わせて音を置けばいい」

 

梨子「……」

 

雄飛「今は“正しく作ろう”って気持ちが強すぎる気がする」

 

少しの沈黙。

それから梨子は、ふっと肩の力を抜いた。

 

梨子「……そっか」

 

鍵盤に置かれていた指が、一度離れる。

 

梨子「ありがとう。なんだか、救われた気がする」

 

雄飛「大げさだって」

 

梨子は小さく笑った。

 

梨子「でも……ゆうくんだから、言われてよかった」

 

その言葉に、雄飛は一瞬だけ言葉を失ったが、すぐに照れ隠しのように視線を逸らした。

 

雄飛「……ほら、みんな呼ぼう」

 

 

 

「みんな、ちょっといいか?」

 

雄飛の声に、部室の空気が一度止まる。

 

千歌「どしたの?雄飛」

 

雄飛「新曲の作り方、少し変えてみない?」

 

ダイヤ「と、申しますと?」

 

雄飛は黒板に歩み寄り、チョークを手に取った。

 

雄飛「まず、“技術”とか“完成度”は一回置いとこう」

 

果南「お?」

 

雄飛「この曲で、Aqoursは何を伝えたい?」

 

一瞬の静寂。

それから、千歌が前に出た。

 

千歌「……楽しい、だけじゃなくて」

 

曜「一緒に前に進む、かな」

 

ルビィ「怖くても……手、つないでくれる感じ」

 

善子「堕天使の……」

 

花丸「善子ちゃん、それは一回置いとくずら」

 

笑いが起きる。

 

雄飛はその様子を見て、少しだけ胸が温かくなった。

 

雄飛「そういう“言葉になる前の気持ち”を、曲にしたい」

 

梨子が、ゆっくりとうなずいた。

 

梨子「……うん。できそう」

 

ダイヤ「なるほど……」

 

ダイヤ(これは……指示でも命令でもありませんわね)

 

ただ寄り添い、相手が一歩前に進める“道”を示しただけ。

しかし、その結果、梨子さんの表情は明らかに変わっていた。

 

ダイヤ(……あの方、場を動かしている)

 

ダンスでも、練習でもない。

人の心の立ち位置を、ほんの少し整える役割。

 

ダイヤ(これは……マネージャー、という枠ではありませんわね)

 

果南「いいね、それ。雄飛らしい」

 

果南もダイヤに続いた。

 

「雄飛らしい」

 

その言葉が、胸にすっと落ちた。

 

――役割は、与えられるものじゃない

 

その日の帰り道。

部室を出たあと、雄飛は一人、夕焼けの校舎を振り返った。

 

(俺にしかできないこと)

 

それは、前に立って引っ張ることじゃない。

誰かの代わりに輝くことでもない。

 

(“止まりそうなところ”に気づいて、背中を押すこと)

 

音楽も、気持ちも、人も。

全部をつなぐ、橋みたいな役目。

 

「……悪くないな」

 

ぽつりと漏れた独り言は、夕風に溶けていった。

 

遠くで、曜の声が聞こえる。

 

曜「ゆうくーん!置いてくよー!」

 

雄飛「待て待て!」

 

走り出しながら、雄飛は思った。

 

(まだ、やれる)

 

それは確信じゃない。

でも、確かな“一歩目”だった。

 

 

あれから数日後、俺はマネージャーとして練習を一生懸命サポートした。

 

 

 

そしてある日…

 

ダイヤ「ゆうさん。少しお時間よろしくて?」

 

ちなみにダイヤさんとはここ数日の間に生徒会の仕事の手伝いをして、苗字呼びではなく「ゆうさん」「ダイヤさん」と下の名前で呼び合う仲になった。

 

雄飛「どうしたんですか?」

 

ダイヤ「今後のAqoursのリーダーをゆうさんにしようかと思っているのですが、」

 

雄飛「あー、なるほど。わかり……え?」

 

ダイヤ「ですから、今後のAqoursのリーダーはゆうさんが…」

 

雄飛「えぇぇぇ!!!???お、おれがですか?!」

 

ダイヤ「はい、あなたが、ですわ」

 

雄飛「俺なんかにつとまりますかね…」

 

ダイヤ「大丈夫ですよ。ここ数日間、あなたをマネージャーとして、そして一人の生徒として見てきましたわ」 

 

雄飛「え…、見てたんですか?!」

 

ダイヤ「ええ。しっかり見させていただきましたわ」

 

雄飛「そ、その…どうでしたか?」

 

ダイヤ「正直、初めて出会った時は、ただの見せつけてくるだけのリア充かと思っていましたが…」

雄飛「り、リア充…」

 

多分、曜を廊下でくすぐってたときのことだよな…。

残念ながらリア充じゃないんだけど…。

 

ダイヤ「ルビィを助けてくださった時も、あなたは自分よりも先に人のことを考える、とても良い人だとわかっていました」

 

雄飛「そこまで褒められると…」ダイヤ「しかし、」

 

雄飛「?」

 

ダイヤ「あなたは人の心配をし過ぎなのです。まずは自分のことを大切にしなければ、より良い人にはなれませんわ」

 

雄飛「だったら、どうしておれをリーダーに?」

 

ダイヤ「ここ最近のあなたの行動は、周りのことをよく観察して動いているように見えましたわ。自分のこともしっかりとして、なおかつ人の心配もできる。そんな人がリーダーにふさわしいと思いました」 

 

雄飛「そ、そうですかね…。おれはやれることが少ないから、みんなに頑張ってもらえるように自分の直感でいろいろしてるだけですよ。それが正しいことなのかも、正直よくわかってませんし…」

 

ダイヤ「それで十分ですわ。一番大切なのは、メンバーを気遣う気持ちです。あなたはご自身が思っている以上に、周囲が見えているのですよ。あなたこそ、リーダーにふさわしい」

 

まさかダイヤさんが、自分に対してそんなふうに思ってくれていたなんて…。

 

ダイヤ「ということで、引き受けてくださいますか? 練習メニューの組み方などは、そちらにお任せします」

 

雄飛「でも、みんなはなんて…」

 

ダイヤ「もちろん、皆さん大賛成でしたわ」

 

雄飛「な、なるほど…」

 

ダイヤさん、そしてみんなが、おれのことを信頼してくれてたんだな……よし!

 

雄飛「ありがとうございます!精一杯やらせていただきます!」

 

ダイヤ「ふふ、期待していますわよ」

 

 

ーーーー教室{休憩時間}ーーーー

 

 

 

雄飛「とは言ったものの…」

 

雄飛「練習メニューって何を考えればいいんだ?!」 

 

梨子「ゆうくん、ちょっと…」小声

 

雄飛「ん?どうしたんだ、梨子」

 

梨子「みんな見てるよ…」

 

言われてから周りを見渡してみると、さっきまでにぎやかに話していたクラス全員が話をやめ、心配そうな顔でこちらを見ていた。

 

すると曜と千歌が寄ってきた。

 

曜「ど、どうしたの?ゆうくん」

千歌「みかん食べる?」

 

曜「千歌ちゃん、みかんは置いとこう…。それより、本当にどうしたの?」 

 

雄飛「実は…」

 

千歌・曜・梨子「えー?!」 

 

千歌「あのダイヤさんに?!」

 

雄飛「うん」

 

千歌「生徒会長のダイヤさんに?!」

 

雄飛「うん」 

 

千歌「硬度10のダイヤさんに?!」

 

雄飛「いや、うんじゃねぇ!!千歌、それはさすがに怒られるぞ」 

 

千歌「えへへ…」

 

ダイヤ「千歌さん」 

 

ふと見ると、千歌の後ろにダイヤさんが立っていた。

満面の笑みを浮かべて…

 

ダイヤ「雄飛さんの様子を見に来たのですが……あらあら」ニコニコ

 

千歌「……」

 

ダイヤ「少し、こちらへ…」ニコニコ

 

千歌「はい…」トボトボ

 

雄飛・曜・梨子「「「ご無事を祈ります」」」敬礼

 

 

曜「ゆうくんをAqoursのリーダーにするって話、実はダイヤさんからだったんだね…」

 

雄飛「曜、それってどういうこと?」

 

曜「前に部室で果南ちゃんが『雄飛をリーダーにしたいんだけどいいかな?』って聞いてきたからさ。てっきり果南ちゃんがそうしたかったんだと思ってた」

 

梨子「あ、私はまりちゃんから聞いたわよ?」

 

千歌「なるほど。でも、なんで自分で言わないんだろ?」

 

曜「んー、三年生で決めたとか?」

 

千歌「みかん占いで決めたのかな!」

 

曜「多分ね(適当)」

雄飛「まあ、いいや!話を戻そうか!」

 

梨子「うん。たしか、練習メニューを考えるんだったよね」

 

雄飛「ああ。俺的には、もう少しランニングの時間を増やしたほうがいいかなって思うんだけど…どう?」

 

梨子「たしかにそうね。正直、体力が足りなくて練習が止まっちゃうときもあるし…」

 

曜「私はいいと思うよ!」

 

雄飛「曜と梨子、千歌は賛成ってことでいいか?」

 

曜・梨子「「うん!」」

 

雄飛「よし。せっかくだし、他のメンバーにも聞いてみよう。そうしたほうが、いい練習メニューができそうだし…」

 

曜「私たちもついて行こうか?」

 

雄飛「んー、でも曜は委員会、梨子は日直の仕事があるんじゃない?」

 

曜・梨子「「あ…」」

 

雄飛「だから、一人で行くことにするよ。ありがとな!」

 

そうして雄飛は、教室を後にした。

 

 

千歌「え…、あれ?私こんなに影うすかったっけ。というか、、ゆうくんの千歌の扱いが日に日に美渡姉に似てきてる…」

 

 

曜、梨子「今回は千歌ちゃんがわるい…」

千歌「味方ゼロ?!」

 

 

雄飛「とりあえず、一年生のところに行ってみるか」

 

 

 

 

 

 

 

 

 




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