僕の彼女は曜ちゃんです⚠再編集中 詳しくはあらすじへ   作:ゆうきoog3

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よろしくです!!


28話

ステージに響くイントロ。

 

青い光が会場を包み込み、まるで本当に海の中へ潜ったような幻想的な空間が広がる。

 

『恋になりたいAquarium』――Aqoursの新たな物語が、今始まった。

 

客席から歓声が上がる。

 

中央に立つ曜は、ライトを浴びながら静かに目を閉じた。

 

曜(届けるんだ――)

 

この歌を。

この想いを。

 

雄飛へ。

 

♪ 空色カーテン Open! 海色ゲート Welcome!

 

歌い出しと同時に、会場の空気が一気に変わった。

 

曜の声は真っ直ぐだった。今までの不安も迷いも、全部吹き飛ばすくらいに。

 

その姿を、スタッフ席から雄飛は見つめていた。

 

雄飛(……すげぇ)

 

知っている。曜がどれだけ悩んで、どれだけ考えて、どれだけ想いを込めてこの曲を書いたのか。

 

でも今の曜は、そんな努力すら超えていた。

 

楽しそうで。

苦しそうで。

恋していて。

眩しかった。

 

♪ もっと知りたい

 

歌詞が胸に刺さる。

 

♪ 離さないで

 

その瞬間。

 

雄飛の中で、点と点が繋がった。

 

雄飛(……あ)

 

この曲――曜の気持ちそのものじゃねぇか。

 

気づいた瞬間、胸が熱くなる。

 

曜が何を伝えたかったのか。

誰に向けて歌っていたのか。

 

全部、分かってしまった。

 

その頃――客席上段。

 

一人の少女が、静かにAqoursのライブを見つめていた。

 

銀色の髪。凛とした雰囲気。そして圧倒されるような存在感。

 

彼女は、センターで歌う曜から目を離せずにいた。

 

???「……これが、Aqours」

 

隣に座る妹が小さく笑う。

 

理亞「すごいでしょ? 姉さま」

 

少女――聖良は静かに頷いた。

 

聖良「ええ……まだ未完成。ですが、人の心を動かす力があります」

 

理亞「ふん、」

 

ライブはそのままクライマックスへ突入していく。

 

♪ Aquariumでー♪

 

最後のフォーメーション。

水のように広がる九人の動き。

会場を埋め尽くす歓声。

 

曜は最後に、ほんの一瞬だけ雄飛を見た。

 

その目には、隠しきれない想いが宿っていた。

 

――好き。

 

その感情が、歌声に乗って真っ直ぐ届く。

 

曲が終わる。

 

一瞬の静寂。

 

そして次の瞬間、会場を揺らすほどの大歓声が響いた。

 

「Aqoursー!!!」

「曜ちゃーーん!!」

「最高ー!!」

 

ステージ上で肩を震わせる曜。

 

やり切った。

全部出し切った。

 

その時だった。

 

スタッフ席から、雄飛が小さく笑っているのが見えた。

 

その笑顔を見た瞬間、曜の目から涙が溢れた。

 

曜(……届いたんだ)

 

――ライブ終了後。

 

控室へ戻る途中。Aqoursのみんなは興奮冷めやらぬ様子で騒いでいた。

 

千歌「やったよぉぉぉ!!!」

ルビィ「す、すごかったぁ……!」

善子「当然よ! 堕天使ヨハネの力だからね!」

花丸「途中普通に息切れしてたずら」

善子「言うなぁ!」

 

そんな中、雄飛はスタッフへの挨拶回りを終えて、一人で廊下を歩いていた。

 

「失礼します」

 

前から聞こえた、落ち着いた声。

 

振り向くと、そこにはさっき客席にいた銀髪の少女が立っていた。

 

雄飛「あれ……?」

 

聖良「先ほどのライブ、拝見させていただきました」

 

雄飛「え、ああ……ありがとうございます?」

 

突然話しかけられ少し困惑する雄飛。

 

しかし、聖良は真っ直ぐ雄飛を見ていた。

 

聖良「あなた、Aqoursの関係者ですよね?」

 

雄飛「まあ、一応マネージャーみたいなことやってるけど……」

 

聖良「なるほど」

 

彼女は納得したように小さく頷いた。

 

聖良「ステージを見れば分かります。あのグループは、あなたを中心に回っている」

 

雄飛「え?」

 

予想外の言葉だった。

 

聖良「もちろん、センターは高海千歌さんです。ですが、グループ全体を支えている軸があなたなのでしょう」

 

雄飛「そんな大したもんじゃないよ。俺はみんなの背中押してるだけだ」

 

聖良「それが難しいんです」

 

静かな声だった。

 

でも、その言葉には重みがあった。

 

聖良「……Aqoursは、これからもっと強くなります」

 

雄飛「そっか」

 

聖良「次に会う時が楽しみです」

 

そう言って聖良は軽く会釈し、廊下の向こうへ歩いていく。

 

その途中、少しだけ立ち止まり――。

 

聖良「それと」

 

雄飛「ん?」

 

聖良「渡辺曜さんの想い……ちゃんと受け止めてあげてください」

 

雄飛「っ?!」

 

驚いて顔を上げた時には、聖良はもう歩き出していた。

 

雄飛「……なんなんだ、あの人」

 

でも、不思議と嫌な感じはしなかった。

 

むしろ、背中を押された気がした。

 

 

控室へ戻ったあとも、Aqoursのみんなの興奮は冷めなかった。

 

千歌「やったよぉぉぉ!!!」

ルビィ「す、すごかったぁ……!」

善子「当然よ! 堕天使ヨハネの力だからね!」

花丸「途中普通に息切れしてたずら」

善子「言うなぁ!」

 

曜はそんなみんなの輪の中で笑いながらも、どこか落ち着かなかった。

 

ライブ中、何度も雄飛と目が合った。

その度に、胸が苦しくなるくらい熱くなった。

 

――伝わったのかな。

 

そんなことを考えていると、控室の入口から雄飛が入ってきた。

 

スタッフへの挨拶を終えたばかりなのか、少し疲れた顔をしている。

 

でも、その視線は真っ直ぐ曜を探していた。

 

曜「っ……」

 

一瞬目が合う。

 

すると雄飛は、小さく手招きした。

 

雄飛「曜。ちょっといいか?」

 

曜「えっ……」

 

突然のことに固まる曜。

 

その隣で、梨子が静かに二人を見ていた。

 

梨子「……」

 

その表情は、どこか切なくて、それでいて優しかった。

 

曜の恋が、届いた。

 

さっきのライブを見れば分かる。

雄飛の表情を見れば、なおさら。

 

胸の奥が少しだけ痛む。

 

でも同時に、不思議なくらい納得している自分もいた。

 

梨子(……そっか)

 

曜がどれだけ真っ直ぐ想い続けてきたのか。

ずっと近くで見てきたから。

 

だから梨子は、小さく笑って曜の背中を押した。

 

梨子「行ってきなよ、曜ちゃん♪」

 

曜「梨子ちゃん……」

 

梨子「大丈夫。ちゃんと、行っておいで」

 

その言葉に、曜は少しだけ目を潤ませながら頷いた。

 

曜「……うん!」

 

そうして曜は、雄飛の後を追って控室を出ていった。

 

残された梨子は、静かに閉まる扉を見つめる。

 

鞠莉「……行っちゃったわね」

 

隣に来た鞠莉が、優しく声をかけた。

 

梨子「うん……」

 

鞠莉「平気?」

 

梨子は少しだけ黙ったあと、小さく笑った。

 

梨子「……ちょっとだけ、胸が苦しいかも」

 

鞠莉は何も言わない。

ただ、急かさず隣にいてくれる。

 

梨子「でもね、不思議なの」

 

鞠莉「?」

 

梨子「曜ちゃんが笑ってるの見ると……応援したいって思っちゃうの」

 

その声は少し震えていた。

 

梨子「私も、ゆうくんのこと好きなのにね」

 

鞠莉「……恋って難しいわね」

 

梨子「ほんとに」

 

そう言って、梨子は少しだけ寂しそうに笑った。

 

その頃――。

 

人気のない通路。

遠くからメンバーたちの騒ぎ声が聞こえる。

 

曜は、雄飛と向かい合っていた。

 

いつもみたいに軽い雰囲気じゃない。

 

曜は息を飲んだ。

 

雄飛「……ちょっといいか?」

曜「う、うん……」

 

でも今、曜には雄飛の声しか聞こえなかった。

 

雄飛「今日のライブ……すげぇよかった」

曜「えへへ……ありがと」

 

曜は少し照れながら笑う。

 

雄飛「……それでさ」

 

そこで言葉が止まった。

珍しく迷っている。

 

曜は胸の前で手を握りしめた。

 

雄飛「俺、今日やっと気づいたんだ」

曜「……え?」

 

雄飛「この曲、曜の気持ちだったんだな」

 

曜の肩が震える。

 

もう、誤魔化せなかった。

 

曜「……うん」

 

小さく頷く。

目には涙が滲み始めていた。

 

雄飛は曜を真っ直ぐ見つめる。

逃げずに。

真正面から。

 

雄飛「曜」

 

曜「……っ」

 

雄飛「好きだ」

 

曜の呼吸が止まる。

 

雄飛「俺と、付き合ってくれ」

 

その瞬間、曜の目から涙が溢れた。

 

曜「……っ、ぅ……」

 

ずっと伝えたかった。

でも怖かった。

 

嫌われたらどうしよう。

今の関係が壊れたらどうしよう。

 

そんな不安全部が、涙と一緒に溢れていく。

 

曜「……うれしい……っ」

 

曜は泣きながら笑った。

 

曜「私も……っ」

曜「私も、ゆうくんが大好き……!」

 

その言葉と同時に、曜は一歩前へ踏み出した。

 

そして――。

 

チュッ

 

曜から、そっとキスをした。

 

雄飛「っ?!」

 

顔を真っ赤にする雄飛。

曜も涙を流しながら顔を真っ赤にしている。

 

曜「えへへ……しちゃった……」

雄飛「曜、お前……」

 

でも、嫌なわけがなかった。

 

雄飛は曜を優しく抱き寄せる。

 

曜「っ……///」

 

雄飛「これからも――ずっと隣にいてくれ」

 

曜は涙を拭きながら、何度も頷いた。

 

曜「うん……!」

曜「ずっといる……!」

 

そして二人は、もう一度静かに唇を重ねた。

 

ステージの熱気がまだ残る廊下。

 

Aqoursの輝きの中で――渡辺曜と吉田雄飛は、正式に恋人になった。




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