「…え?嘘でしょ?」
「嘘じゃないよ。ほんとだもん。出会った時に好きになったんだ。」
空気が一気に重くなる。
(梨子ちゃんがゆうくんの事…)
……
[ごめん、曜。俺、梨子と付き合うことにしたんだ。]
[私、ゆうくんと付き合うことになったから、ごめんね。曜ちゃん。]
そ、そんな。嫌だ。嫌だよ。ゆうくん…。
チュンチュン
「はっ!」ガバッ
「なんだ…、夢かぁ…。」
カレンダーに目をやると
日付は梨子ちゃんの告白があったその日であった。
「今日、学校いきたくないな…。」
(でも、これで休んで授業受けないのもなぁ。)
結局、学校に行き夢と同じように梨子ちゃんに歌詞を渡した。
「もうかけたの?早いね。」
梨子ちゃんは私が書いた詞を読んでいく。
数分後
「うん!いいと思うよ!恋の歌かぁ~、もしかして曜ちゃん、恋してるの?」
夢でみたのと同じ質問が投げ掛けられ、変な緊張感に満たされる。
「ま、まあね。」
「ふーん、あ、わかった。ゆうくんでしょ?」
「えっ、そ、そ、そんなわけ///」
「嘘だ、顔真っ赤だよ?」
(やっぱり二回目でも恥ずかしい。一回は夢だけど。)
「そ、その、梨子ちゃん。」
「ん?なに?」
「梨子ちゃんもゆうくんの事好きだったりする?」
「えっ?」
私は聞いてしまった。夢が正夢でないことを願いながら。
「ゆうくん、かっこよくて優しいけど私のタイプとはちょっと違うかなぁ?」
「えっ?!ほんと?!」ガタッ
思わず、身を乗り出してしまう。
「え、あ、うん。なんか、今日の曜ちゃん変だよ?」
「あ、ごめん。ちょっと今朝変な夢見ちゃって。」
「ふーん、よくわかんないけど、色々あったんだね。」
「うん。」
ガラガラ
そこからは夢と同じだった。
変わっているところと言えば、梨子ちゃんが音楽室に呼び出した理由が曲のイメージとあっているか聞くためのものだった。
(正夢じゃなくてよかった。)
そっと胸を撫で下ろす曜であった。
…(雄飛視点)
なんやかんやで二週間が過ぎた。
今回もまた曜の家に来ている。
でも、今回はなんだか前回と様子が違う。
「ゆうくん…。」スリスリ
そう、あの歌詞を書いてからと言うものの曜がめちゃくちゃ甘えてくるようになった。
理由を聞いても、ゆうくんのことが好きだからという理由の一点張り。
おれが思うにあきらかに何かあったよなぁ。
まあ、そんなことはどうでもよくなるくらいおれの肩に頬をすりすりしてくる曜がかわいいんだけど…。
「曜?今回は緊張してる?」
「うん…。前よりかは大丈夫なんだけどね。でも、今回のライブは緊張よりも楽しみが勝ってるかな!」
曜はいきなり元気になり立ち上がった。
「お、おう。それはなぜ?」
「なぜってあたりまえでしょ!ゆうくんに想いを、っ!」
曜は俺に何かを伝えようとしたがやめてしまった。
「ん?どした?」
「な、なんでもない!明日のライブを見たらわかるよ!」
なんだか落ち着きがない曜を見ながら、曜のお母さんから出されたポテチを口にいれる。
「なんだか、心配だなぁ。」
「む?なんでなのさ!」ムスッ
「だって、練習も自分達で全部管理してやったんでしょ?俺の仕事なくなって次のラブライブに向けての練習に邪魔だからもうこないでとか言われそうだなって。」
すると、曜は顔を勢いよく近づけてきた。
「そんなこと私が許すわけない!!」
「お、おう。」
あまりの威圧に倒されそうになる。
「と、とりあえず、明日のライブ、楽しみにしてるぞ!」
「うん!楽しみにしててね!」
曜は太陽のような笑顔で言った。
…(入浴後)
さて、おれはどこで寝ようか…。
部屋に帰ると明日に備えて先に布団に入った曜が静かな寝息をたてていた。
部屋を見渡すが案の定、俺の布団は見つからない。
そして、曜のお母さんからは「ゴムはするのよ♡」という意味深発言をされた。
俺そんなに性欲の塊じゃないんだけもなぁ…。
床で寝たら曜に怒られるだろうしと曜と同じ布団に入った。
布団に入った直後、
「んっ…」ゴロン
曜が寝返りを打ってきた。
そのせいでおれと曜の顔はほぼゼロ距離。曜の吐息が当たり変な気分になる。
や、ヤバい。無性にムラムラしてきた。
今日の曜の寝顔はなぜか色気に満ちたおとなの顔に見えた。
おれは必死に理性と格闘しながら眠りにつくのであった。
そしてなんとか迎えた朝、曜の胸の中で目覚めたのはまた別の話。
おまけ
朝、曜ママとの会話
「昨日はよく寝れた?」
「ま、まあ、いい眠りでしたよ。}
「…。ゴムはちゃんとした?」
「してません!!」
「えっ?!ってことは生で…」
「そう言う意味じゃなぁぁぁい!!!!!!!」
おわりよ。
ひさしぶりに投稿しました!
それでは次回もお楽しみに!