沼津に行って意欲が復活しました。
堕天使も更新していきたいと思います!
先生「さて、みな聞きたまえ。
今年の修学旅行の行き先は‥」
一同ゴクリ
先生「北海道だぁぁぁ!!!!」
一同「え?」
先生「え?反応薄くない?」
一同「だって、去年と一緒じゃない?」
先生「あー、まあ、はい‥。」
高校あるある。修学旅行の行き先が毎年同じ。
「ねえねえ!班決めどうする?」
「おれは、曜と同じならどこでもかな。」
「もう‥///」
「きゃー!熱いねりこちゃん!」
「そ、そうね‥。」
千歌とは反対に苦虫をかみつぶしたような顔をする梨子。
先生「いまから配る紙に班のメンバーを書いてくれ。」
なんやかんやで班のメンバーは千歌、梨子。曜、雄飛となった。
帰宅中…(バスの中)
「つーん」
「よ、曜。悪かったよ。べつにそういう気持ちがあってやったんじゃ…。」
「つーん。」
後ろの席
「り、梨子ちゃん。」ボソッ
「どうしたの、千歌ちゃん?」ボソッ
「なんで曜ちゃんと雄くんあんな感じになってるの?」ボソッ
「あーそれは…。」
…放課後の屋上
「…ってことで2週間後の日曜から北海道に行くから練習には数日参加できなくなる。」
「そうですか、、それは残念ですわ…。」
肩を落として残念そうにするダイヤ。
「ダイヤはさみしがってるみたいだけど、こっちのことは気にせず楽しんできてね!」
「な!鞠梨さん!そういう適当なことは言わないでくださいまし!」
「まあ、楽しんできてね。あ、お土産、期待してるよー。」
「ふふ、2週間後雄飛たちは堕天するのね!」
「何わけわかんないこと言ってるずら。」
「うう、。雄飛さんに練習みてもらえないのはさみしいなぁ…。」
小動物のようにしょんぼりするルビィ。
帰ったらいつもより多めに練習見てやるよと頭をなでていたタイミングで、、
「曜ちゃん、帰還であります!」
「「あ、」」
「あ。」
…
「ってことがあって…。」
「ふ~ん、やきもちやくっていうやつ?」
「ふふ、そうね。曜ちゃん雄くんのこと大好きだから。」
「甘いなぁ~」
「なんだか千歌ちゃんさっきからおじさんみたいよ?」
前の席
「よ、曜」
「ふん!」プイッ
「今度、駅前のスイーツを…」
「ふん!」プイッ
(いつもならこれくらいで許してくれるのに…ど、どうしたら…)
「デート…」ボソッ
「え?」
「今度の日曜日、デートしてくれたら許す。最近二人きりであんまり行けてなかったし…。」
「ッ!ああ!もちろんだ!」
「やった!」
後ろの席
「甘々だねぇ〜」
「…ええ、そうね。」
少し羨ましそうな梨子であった。
「じゃあ、また明日ね!」
「「「またね~」」」
…十千万前の海
曜ちゃんと別れた千歌ちゃんとゆうくんは、旅館の仕事があると急いで帰っていってしまった。
「はぁ…」
(なんか、もやもやするなぁ。)
バス内の出来事である。曜と雄飛のイチャついているのをみて、千歌のような祝福?のようなものではないなにか、梨子自身の内面に変化を感じのである。
「もしかして、私、、。ゆうくんのこと…」
…デート当日
「おはよーそろー!」
「おはよーそろー、曜。ごめんな、わざわざ旅館まで来てもらってしまって…。」
「うんん、全然大丈夫だよ!今日はミトシーにいこうよ!」
「おう!」
…水族館前
「…相変わらず、入場料たけぇなぁ…。」(2200円)
アルバイトをしていない雄飛にとって2200円はとんでもないほどの高額である。一応、志満姉からのおこずかい制度はあるものの、基本的には住まわしてもらっている側のため受け取らないようにしているからである。
「払ってあげようか?」
「え、」
「え?」
財布の中を覗き込むおれに曜がそんな言葉を投げかけてきた。
「いやいや、そんなの悪いよ。自分の分くらいは、、」
「私、お母さんからゆうくんと使ってってたくさんもらってきたから出すよ!チケット2つください!!」(4400円)
「あっ!ちょっ!」
(勢いで買われてしまった)
「はいっ!」
チケットをこちらに差し出してくる曜
「あ、ありがとう…。」
「うん!」
(ああ…、なんていい彼女なんだ…)
この間の埋め合わせのためのデートだったのにも関わらず、そのお代は曜もちであることのかなりの罪悪感を感じながら二人で水族館のゲートを通って行った。
みとしーの入場ゲートを通ってすぐのスロープで俺の手を引く曜の顔はいつもみんなといる時とは少し違う別の笑顔であった。
「曜。」
「ん?なあに?」
雄飛はその場に片膝をついて曜の手を握りなおした。
「これからもお前の…、曜の笑顔を守り続けるからな」
「えっ///そ、その、これからもよろしくお願いします…///」
二人はお互いを見つめ合いながらしばらくの沈黙が流れた。
パシャッ!
「「え?」」
「いやぁ、お暑いですね!私長らくここでカメラマンをしておりましたが、あなた方ほどのアツアツのカップルは見たことがありませんでした!」
そういう彼女の手には、水族館にきた記念写真の撮影用カメラが握らており、その状況と先ほどの発言から一部始終を見られていたことは安易に想像がついた。
「「////」」
二人は、これまで史上最大に顔を赤くしたという。
…
「写真もらっちゃったね…。」
「ああ…」
あのあとカメラマンから写真をまさかのタダで受けとった俺たちは、イルカショーを見るために中を進んでいった。
「ここ、何度見てもすごいよな。」
「ん?なにが?」
「なんていうかな、雰囲気が懐かしい水族館なんだよな。」
雄飛の住んでいた兵庫県には須磨水族園や城崎マリンワールドがある。
特にマリンワールドに関しては、ミトシーのように海の上につくられている箇所が数か所あり親近感を案じていたのである。
「雄くんの実家があった近くの水族館にもいつか行ってみたいな。」
「実家の近くといっても、ちょっと遠いけどな」
「雄くんと一緒ならどこまでもついていくよ?」
(幸せそうな笑顔でそんなことを言うなんて反則級だろ…)
雄飛は曜の手を少し強く握り直した。
「ああ、おれも曜と一緒ならどこまででも行けそうだ。」
「えへへ///」
アナウンス「あと五分でイルカショーおよびアシカショーが始まります。ご入場するお客様はお急ぎください。」
「あっ!始まっちゃう!」
「よし!行こうか!」
「うん!」
「全速前進~」
「「ヨーソロー!!」」
…十千万前の浜辺…
「あー!楽しかった!」
両腕を上に伸ばして背伸びをする曜
「今日は誘ってくれてありがとな!」
「うん!」
「ゆうくん…」
「ん?どうしてた?yっ?!」
チュッ
「曜…、いきなりだな。どうした?」
「私ね、ちょっとだけ独占欲強いかもしれない…」
「どうしてそう思うんだ?」
「この前の練習の時、ルビィちゃんの頭なでてたでしょ?」
「あ、ああ…」
(そのお詫びのデートだったことを完全に忘れて楽しんでしまっていた…)
「その時、最近、そういうことしてくれてないなぁって。」
「なんだ、そんなことか。」
「そんなことっt!?」
ナデナデ
「曜がそんなこと思ってたなんてわからなかった。ごめんな。」
「ち、ちがうの。私の独占欲が強いだけで…」
雄飛はそういう曜の唇を自分の唇でふさいだ。
「んっ…」
今回はさっきのとは違う少し長くて濃厚なキス。
「も、もう///雄くんずるいよう…///」
「満足か?」
「もうちょっとだけ…」
「全く、曜は欲しがりだな。」
「むっ。こんな曜ちゃんは嫌いですか?」ムスッ
「いや、むしろ大好きだ。」
「えへへ//」
なんやかんや一時間近くいちゃついた。
「じゃっ!帰ろうか!」
「うん!帰ろ!」
そういって二人は肩を並べて歩き出した。
二人のかばんには、今朝まではなかった色違いのイルカのキーホルダーがつるされていたという。
おわり。
次回は北海道に旅立ちます。