ユグドラシルメシア   作:仮面ピコ

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やっと一話書けたー!
マジで時間掛かるので改めてプロの小説家には憧れます!


第97話 乙女はDo My Bestでしょ?

リサ「ん……ぅん……」

 

深い昏睡状態から漸く覚醒した。

蛍光灯の光さえ眩しく感じ、慣れていくよう徐々に目を開けていく。

 

見知らぬ天井が視界に映る。

体を覆う柔らかな感触が伝わり、自分がベッドの上で横になっているのが分かる。

自分が今いるこの場所は何処なのか、何故ベッドの上で寝かされているのか、さっぱり理解できなかった。

 

そして更に分からないのは、左目を覆うように包帯が巻かれていたこと。

 

リサ「えっと…あたしは、確か……」

 

強烈な衝撃により一時的な記憶の傷害が発生しているせいか、自身に何が起きたのか思い出せなかった。

取り乱すことなく冷静に考えるため、一度大きく深呼吸をし、一つずつ脳内を探るようにして思い出そうと試みる。

 

自分が孤独に過ごしてきたこと。

謎の怪物が現れ街を破壊したこと。

正体不明の誰かが自分を助けてくれたこと。

逃げている最中に謎の空間に落ちてしまったこと。

 

現実とは思えぬ非現実な出来事。

鮮明に思い出すと、自分が死にかけたという恐怖が襲い、自然と体を抱き締め震えてしまう。

 

?「良かった、目が覚めたのね」

 

部屋に入室してきた女性、結愛はリサの意識が戻ったことに安堵の息を漏らした。

 

リサ「あの、あなたは誰?」

 

結愛「私の名前は光明寺 結愛。時空防衛局に所属している…と言っても、分からないわよね。突然のことで頭の中が整理できていないと思うだろうし…」

 

リサ「教えて。何が起こったのかを。全部話してちょうだい。それと、あたしのお父さんとお母さんのことも」

 

結愛「っ…!あなた、父親と母親の記憶があるの?」

 

リサ「分からない。あたしは物心付いた時から一人だったから、勿論顔も分からない。でも、あの時いたお兄さんはあたしのお父さんとお母さんについて何か知ってるみたいだった。お姉さんも知ってるの?」

 

結愛「え、えぇ。私も知っているわ。でも、それを語るのは私じゃ「わしが教えるよ」…彼に答えてもらうわ」

 

見計らっていたかのような丁度良いタイミングでリョウとピコが入室してきた。

 

リョウ「色々と混乱しとるやろうけど、先ず名前から教えとくね。わしの名前はリョウ。大体周りからは『世界の監視者』って二つ名で覚えられてる。隣にいるのはピコ」

 

リサ「あの時のお兄さん…それと、変な生き物」

 

ピコ「失敬な!いや、そう思われても仕方ないかもね。僕は種族的に言えば消しゴムだよ」

 

リサ「そんな種族聞いたことないんだけど…やっぱり変な生き物だ」

 

ピコ「ぐぬぬ…まあいいか」

 

リョウ「ええんかい。それより、無事に目が覚めて良かった。一ヶ月近くも眠っていたから心配してたんよ」

 

リサ「あたしそんなに眠っていたの!?」

 

ピコ「実感ないのも無理はないかもね」

 

リョウ「説明する前に、改めて謝罪をさせてほしい。両親を守れなかったこと、リサを守れず危険な目に合わせただけでなく、亜空流に巻き込ませてしまった影響で得たくもなかった力を得ることになってしまった。本当に申し訳ない」

 

腰を曲げ頭を下げ謝罪をする。それしかリサに出来ることがなかった。

必ず守ると大言壮語していたのに、命の灯火が消え去る危険な場面に直面させてしまった己の不甲斐なさを呪うしかない。

 

リサ「お兄さん、頭を上げてよ。お兄さんはあの怪物を相手にしてたんだし、あたしを守ってくれたし、あの変な空間でもあたしを救ってくれたんでしょ?なら、それで充分だよ」

 

リョウ「そうもいかへん…。だって、もう取り返しの付かんことをしてしもうたんやから…!」

 

リサ「取り返しの付かないこと?それってどういうこと?」

 

ピコ「実際に見た方が早いかもよ。結愛、鏡って持ってる?」

 

結愛「ええ、手鏡で良ければあるわ。その前に包帯を外さなきゃいけないわね。リサ、ちょっとごめんなさいね」

 

この世を去る運命にあった自分を救い守ってくれた恩人を責めるつもりなど端から毛頭なかったが、リョウの発言した取り返しの付かないことに心当たりがなく頭に疑問符を浮かべる。

疑問に応えるべく結愛はリサの左目を覆う包帯を外し始めた。

リサは何故自分に包帯が巻かれているかまだ知らされてはいないし、特に痛みを感じてもいないため尚更包帯を巻かれている理由が分からなかった。

包帯が丁寧に全て外され、結愛が持参していた手鏡を渡され左目を見るよう促される。

痣か何か残ってしまったのだろうかと思い、恐る恐る鏡に映る自分を見る。

 

リサ「え?な、何、これ…」

 

鏡に映っていた自身の左目の瞳は、六芒星のハイライトが入った、魅了されてしまう程に鮮やかな翡翠色に染まっていた。

 

思わず目を擦り何度も瞬きをし凝視するも、元の瞳には戻っておらず、宝石のような輝きを放つ翡翠色のまま。

頭を金槌で殴られたかのような衝撃が走る。

痣などと考えていたの浅慮な自分が可愛らしく思えた。

 

リサ「ねえ、リョウさん…あたしに、何が起こったの?」

 

リョウ「順を追って一つずつ説明していく」

 

頭を上げたリョウは宥めるように優しく声を掛け説明した。

 

ヴィラド・ディアの存在と性質について。

両親が喰われたことにより存在が消失してしまった事実。

走り逃げている最中に落ちた場所は亜空間と呼ばれる存在。

亜空間の中で発生する亜空流に巻き込まれ掛けてしまったこと。

 

リョウ「亜空流ってのは時空の乱れから発生する嵐みたいなもんなんよ。世界が誕生したり崩壊したりするエネルギーの残留が入り交じり衝突し合うことで発生するみたいじゃ」

 

ピコ「発生するだけならいいんだけど、亜空流が大きすぎると異世界に影響が出たりするんだよね。人体に直撃するなんてもう考えただけでも恐ろしいよ」

 

リョウ「元が世界を産み出し、破壊されたエネルギーだっただけに、直撃すると勿論死ぬこともあるけど、存在そのものが変化したり、種族が変化する場合もあったりする」

 

リサ「変化する…?」

 

リョウ「パッとせぇへんやろうけど、言葉通りなんよ。人間が亜空流に呑まれると、天使や悪魔、魔族、亜人等といった別の種族へと変化してしまう。人間の見た目とは程遠い自我を失ったモンスターに変化してしまう場合もあれば、特殊能力もない人間が突然謎の力に開花してしまう場合もある。リサの場合、今回は一番最後に言ったことが当てはまる」

 

リサ「元には、戻らないの?あたしの眼も、両親のことも」

 

リョウ「……申し訳ないんやけど、元に戻す方法は未だに発見されてない」

 

リサ「そっか………仕方ない、よね」

 

リョウ「いや、わしがもっと迅速に動けていたら、リサの両親も消えずに済んだし、亜空流に呑み込まれることもなかったんよ」

 

ピコ「全てがリョウの責任じゃないよ。ヴィラド・ディアは神出鬼没だし、崩壊しかけてた世界だから時空の裂け目は広がっていつ何処に出るか分からないんだし」

 

リョウ「それでも!結果が全てなんよ…わしはまた、大切な人を救えなかった。それは、変わりようのない事実なんよ…!」

 

非力な己を呪い、約束一つ守れない無力な己は無力だと痛感させられる。

止めどなく溢れる憤怒と悲哀を隠忍したがったが、強く握り締めた手からは鮮血が溢れ、白いタイルの床へと一滴、また一滴と滴り落ちていく。

 

リサ「リョウさん、あんまり自分を責めないで。結果が全てって言うんなら、あたしが救われたのだって、変わりのない事実だと思うよ。リョウさんがヴィラド・ディアから守ってくれなきゃ、あの変な空間で救ってくれなきゃ、今のあたしはここで感謝を伝えることはできなかったから。だから、自分を責めないで」

 

リョウ「………」

 

結愛「リサの言う通りよ。過剰な自己嫌悪に陥るのは昔からだけど良くないわ。私達はユグドラシルメシアだけど、全ての世界の人々が救えるわけではないし、変えられない運命だってある」

 

リョウ「『力』を使えば…いや、よそう。本来使用してはいけない、存在してはならないものに縋ってもしゃあない。リサの言葉はごもっともなんじゃろうね。ありがとう、少し気が楽になったわ」

 

リサ「どういたしまして。そういえば、ヴィラド・ディアはどうなっちゃったの?」

 

ピコ「僕達が倒したよ。でも…勝利を得るにはあまりにも大きい代償だけどね」

 

リサ「代償って、あたしの目のこと?」

 

リョウ「それもある。もう一つは…リサの住んでいた世界は崩壊が進行し続けていて、生物が生息するのは不可能と断定されたんよ」

 

リサ「え、それって、もしかして…」

 

ピコ「ご明察、だね。…リサはもう、自分の住んでいた世界に帰省することは不可能になっちゃったってことだね」

 

リサ「そう、なんだ…。あたしはこれからどうなるの?」

 

結愛「私達時空防衛局が責任を持ってあなたを保護するわ。ヴィラド・ディアによって世界を滅ぼされ行く宛のない人の衣食住を確保するのも私達の仕事だから」

 

リサ「結愛さん達が何とかしてくれるなら安心かも」

 

ピコ「自分の世界が滅んで両親も存在を消されちゃった割には結構平然としてるような…」

 

リサ「勿論ショックはしてるけど…あんまり悲しくはない、かな。両親がいた記憶はないし、あの世界では特にこれといった思い出もないから、そこまで悲しくはないのかも。それに、あたしは今、一人じゃないから。そうなんだよね、リョウさん?」

 

リョウ「……あぁ。リサは孤独なんかじゃない。わし等がおる」

 

ヴィラド・ディアによる無差別な暴食により受けた傷心は浅くはなく、悲しみが消えたわけではない。

悪夢とも言える悲惨な経験をしたにも関わらず気概を持っていられるのは、孤独な過去と新たな希望を得たからだろう。

孤独ではなく、寄り添ってくれる人がいる。

その事実があるだけでリサにとっては生きる希望となっていた。

現に、リサの瞳は絶望の色に染まってはいない。

 

ピコ「知ってはいたけど、強い子だね」

 

リョウ「あぁ。ホントにな」

 

リサ「え、ちょ、えへへ…」

 

幼さからは見れぬ芯が強く、諦めず生きようとする姿勢に逞しさと愛らしさを感じ、リョウは自然とリサの頭を優しく撫でていた。

リサは最初は戸惑いを見せたが、今まで感じてこなかった人の温もりに心地好さを覚え自然と受け入れており、ここに来て初めて笑顔を見せた。

 

その様子は、親と子供と見間違えるほど仲睦まじかった。

 

 

~~~~~

 

 

リョウ「それで、改まって話って?」

 

時空防衛局に来て一週間が経過した。

亜空流に巻き込まれた影響もあり、体に異常がないか何度か検査と診察を受けるためにも局内にある医療施設で入院をしていた。

特に異常が見られなかったため、近々退院することが決定しており、リサと同様にヴィラド・ディアやエクリプス等からの被害により住む世界を失った人達が居住、一時的に保護されている居住区で衣食住をすることになっている。

 

そんなある日のこと、リサから話があると局員から伝言を受けたリョウはピコと共に病室へと訪れていた。

呼び出されたということは雑談をするためではないと理解していたため、謹厳な態度でリサと向き合う。

 

リサ「あたしって全ての検査が終わって異常が終わったら居住区に住むんだよね?」

 

リョウ「その予定やけど、それがどうしたん?」

 

リサ「もし、可能だったらなんだけど…あたし、リョウさんと一緒に生活したい。あと、あたしをリョウさん達と戦えるように鍛えてほしいの」

 

リョウ「………は?」

 

聞き返したくなるような内容に素っ頓狂な声が不意に漏れ、鳩が豆鉄砲を食ったような顔になる。

そんな彼の表情を見てピコは苦笑いを浮かべるしかない。

 

ピコ「これは、何て言うか、予想外な内容だったね」

 

リョウ「えっと…わしと暮らすのは置いといて、戦えるようにって、何でまた急にそんなことを…!?」

 

リサ「ユンナさんから聞いたんだけど、ヴィラド・ディアやエクリプスっていう悪い人達から受けた被害者って、万単位の数がいるんだよね?あたし、そんな人達を増やしたくないって思ったんだ。だから、あたしにも戦える力が欲しい。そのためにも、あたしを戦えるように鍛えてほしい!」

 

リョウ「口で言うのは簡単じゃけど、戦うってのは、命懸けなんやぞ。誰かを助けるために尽力するその誠意は良いことじゃけど、自分の身を虎穴に入るってことやで。思い付きで出来ることやない。いつ死ぬかも分からん死地に、自ら飛び込む覚悟はあるんか?」

 

リサ「覚悟なら出来てるつもりだよ。死ぬのは怖いよ。怖いに決まってる。ヴィラド・ディアに襲われた時、死ぬかと思ったから。あの時のことを思い出すだけで、まだ震えたりするよ」

 

ヴィラド・ディアが襲い来る恐怖の瞬間が脳裏を過ったのか、リサの体は小刻みに震えている。

 

リサ「あたしと同じ想いをする人がいるかもしれない。あたしのお父さんとお母さんみたいに、人知れず存在が消える人もいるかもしれない。それ以外の事でも、エクリプスの粗悪な悪行や紛争で被害に遭う人もいる。他にも色んなことで悲しむ人はいる。あたしは少しでも、誰かの笑顔を守れるように、悲劇がなくなるように戦いたい。それが、リョウさんの恩返しにもなると思うから」

 

リョウ「恩返し?」

 

リサ「リョウさんも誰かのために戦ってるんだよね?『世界の監視者』っいう大変な立場にある中でも、エクリプスを壊滅させるために日々奮闘してるってアレクとアリスが言ってたから」

 

リョウ「あいつら余計なことを…っつーか、いつの間にあの二人と接触してるんや」

 

アリス「時間が空いてて暇なら来てるよ!」

 

アレク「おっすリサ!にゃんぱすー」

 

リサ「にゃんぱすー」

 

リョウ「ホいつの間に!?だから急に出てくるなって言うとるじゃろ!お前ら、リサに余計なこと言うたりしてへんやろうな?」

 

アレク「安心しろって。何も言っちゃいねぇよ。現実世界のアニメや漫画を一緒に見たりはしてたけどな」

 

アリス「リサも色んな作品に興味を持ってくれたから私達も俄然やるきまんまんマンとウーマンになって教えちゃうよね~!」

 

リサ「アレクとアリスの話凄くおもしろいよ!また後で魔眼のことについて教えてね!」

 

アリス「まかせて!チン・トン・シャン!序でに火中天津甘栗拳も教えてあげる!」

 

何処からともなく現出した、正に神出鬼没と言えるアレクとアリス。

人知れずリサと交流があったらしく、現実世界に存在するありとあらゆるネタを話していたらしい。

要らぬ知識を吹き込まれたことにリョウは頭を抱えるしかなかった。

 

アレク「リサが言ってた恩返ししたいって気持ちは本当だぜ。よっぽどお前達に助けられたのに恩義を感じてるんだろうぜ」

 

リョウ「感謝されてるのは分かったけど、身を削ってまで恩を返す必要はないんよ」

 

リサ「そう言われるのは分かってたよ。それでもあたしは、戦いたい。リョウさんの隣で戦えるように、少しでも負担を減らせるように、あたしと同じような悲劇を誰かに繰り返させてほしくないから、だから戦いたい!改めてお願いします!あたしを戦えるように鍛えてください!」

 

リョウ「悪いけどお断りじゃ」

 

誠心誠意を込め頭を下げるが、リョウは眉をひそめながら即答した。

間髪入れない答えにリサは頭を上げ納得のいく説明を求め、すがるような目付きでリョウの険しい目を剃らすことなく真っ直ぐに見つめる。

 

リョウ「心意気はええけど、さっきも言うたように、そんな簡単に成し遂げられることじゃないんよ。こういう異世界で起きた出来事は、時空防衛局に任せればええんよ。それが仕事なんじゃから。力を持たない赤の他人が命を掛けてまで首を突っ込む必要やない」

 

リサ「力ならあるよ。だからお願いしてるんだよ」

 

リョウ「力がある?何を…っ、おい、まさか…!?」

 

アリス「残念だけど、リサはもうただの一般人とは言えない。亜空流によって得てしまったその眼、事例もないものだから仮に『封眼』って名付けさせてもらったけど、眼の力の影響からなんだろうけど、普通の人間より身体能力が著しく向上してる。後はその眼、封印術に特化した能力があるみたい」

 

リサ「アリスはこの眼の能力を一瞬で理解しちゃうから凄いよねー!ヤックデカルチャー!」

 

アリス「勿論です、プロですから」

 

ピコ「何のプロなんだか。多分アルシエルでも分かりそうだから」

 

リョウ「マジかいな…リサに能力が…」

 

頭を金槌で殴られたかのような衝撃が走り、力なく壁に背中を付け俯く。

額を押さえ項垂れる表情は、悲哀と後悔。

掛ける言葉が見当たらず沈黙が続く。

それを破ったのは、他ならぬ親友であるピコ。

 

ピコ「リサがこうなったのは決してリョウのせいなんかじゃない。僕達はユグドラシルメシアだけど、全ての人達が幸せの運命になるよう導けるわけじゃない。なってしまったものは仕方ないんだよ。リョウができることは、守りきれなかったことを後悔するんじゃなくて、前を向き未来を歩もうとしているリサに寄り添い支えることなんじゃないの?」

 

リョウ「………うん、確かに、その通りじゃな。でも、戦いたいって願いは…」

 

アレク「その願いを叶えるのもお前だろ。責任感じてるんだったら、願いの一つや一億くらい叶えてやれ」

 

リョウ「いや大分ちゃうんやけど。だけどな、実戦経験もないのに願望だけでなんとかならないような世界に飛び込もうとしとるんやで」

 

アレク「実戦経験ないなんて最初は誰でも当たり前だろ。お前だって最初は実戦経験ないくせに俺達の役に立ちたいからってビビってほぼ何もできないながらも我武者羅に戦ってただろ」

 

ピコ「懐かしいな~。腰抜かしそうになりながらも立ち向かってたよね」

 

リョウ「そんな大昔のことを…」

 

アレク「お前を鍛えたのは俺達みたいなもんなんだし、同じことをリサにしてやればいいんだ。教える自信がないなら俺達も時間があれば手伝ってやるよ」

 

アリス「封印術は専門じゃないけど多少は分かってるつもりだから、眼の力を最大限まで使えるように特訓することはできるよ。あ、因みに使いすぎたら暴走したり死んだりはしないから安心して!」

 

ピコ「勿論僕も手伝うよ。対戦相手なら時間に余裕があればいつだってなってあげるから!」

 

リョウ「お前ら……」

 

アリス「や、ヤン○ミ…!」

 

リョウ「違う、そんなつもりで言ってない。…はぁ、しゃあない。わしも腹を括ろうかね」

 

リサ「え、じゃあ…!」

 

リョウ「あぁ。戦えるようにわし等が鍛えるよ。わし達に追い付くとまではいかんが、ヴィラド・ディアと肩を並べる程にまで鍛えることになるから、生半可な修行ではないことは覚悟しといてな」

 

リサ「勿論。頑張るよ」

 

リョウ「あともう一つ言うことがある。戦うからには、絶対に死なないこと。これだけは何があっても、守ってもらう。何があっても、じゃ」

 

リサ「うん、分かった!必ず守る!リョウさん達が紡いでくれたあたしの命、大事にするからね!」

 

リョウ「あと堅っ苦しいけぇ、さんはいらへんで。そのままリョウって呼んでちょうだい」

 

ピコ「僕も呼び捨てでいいよー!そっちのが仲良い感じでいいよね!」

 

リサ「正直あたしもそう思ってたから、そうさせてもらうね!改めてこれからよろしくね!リョウ!ピコ!」

 

真面目で真っ直ぐな視線を向け、約束を守るよう差し出された小指。

必ず成し遂げるという強い意志を秘めた目で見つめ返しながら、自身の小指をリョウの小指に絡ませ指切りを交わした。

交わし終えると、二人は自然と笑みが零れた。

 

アレク「さてさてさ~て、これから大変になるだろうけど、リョウもリサも気合いを入れて死ぬ気の炎を灯して張り切っていかなきゃだな!あ、きあいのハチマキいる?」

 

リョウ「いらん」




これが今年最後の投稿になる…かも笑
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