ユグドラシルメシア   作:仮面ピコ

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前書き書くことが思い浮かばないから取り敢えず思ってることを一言書く。

焼き肉食べたい。


第21話 特撮でもよくある地下での激闘

アイリはディアグルム、アルカディアはセラヴィルクと戦闘を開始しており、どちらも一歩も退かぬ激しい奮闘を繰り広げていた。

 

ディアグルム「貴様を消去する、天使の娘」

 

アイリ「やれるもんならね! 荒れるよ~! 止めてみな!!」

 

ディアグルムの鎌による熾烈な攻撃が始まり、アイリは防御に専念せざるを得なかったが、いつまでも受け止めるばかりではない。

鎌をガーンデーヴァで受け止めると弓全体が輝き、小さな光の衝撃波、『シャインアウト』を放ち距離を取ることができた。

ディアグルムの赤黒い体からは光属性を受けたことにより、微小ではあるが白い煙が立ち込めている。

一目で弱点である属性が光ということを理解したアイリは追撃を行うため光の矢を召喚する。

 

ディアグルム「相性は最悪だが、力押しでは負けぬぞ! 死に急げ、『禍嵐』!」

 

何本かの触手に変化した腕が鞭のように振り回され空を斬り裂きながらアイリへと襲い掛かる。

数本かは防ぎきれてはいたがその内の一本が腕に直撃してしまい、手の力が緩みガーンデーヴァを地面へと落としてしまった。

 

アイリ「あっ! きゃあ!」

 

即座に拾おうとしたが、無数の触手が猛烈な勢いで全身を叩き付け、体を裂くような痛みが走る。

足に力が入らず膝を着くも、ディアグルムの攻撃は止むことなく再び触手が動き始めた。

歯を食いしばり痛みを堪え襲い来る触手を纏めて掴み、力よく横へ回転し遠心力をつけ投げ飛ばした。

宙へ浮いたディアグルムが体勢を崩している間にアイリはガーンデーヴァを拾い素早く光の矢を召喚し『ストレートアロー』を連続で放った。

高速で放たれた矢を体を器用にくねらせ避け、地に足を着け再び触手を伸ばして攻撃を行う。

 

アイリ「うえぇ。 赤黒くて何本もあって気持ち悪いなぁもう。 捕まったら間違いなく同人誌みたいな展開になっちゃうよ」

 

触手がアイリに巻き付く寸前、疾風の如く速度で駆け付けたリョウが剣を振り下ろし触手を斬り落とした。

斬り裂いた箇所からは紫色の血が吹き出し、コンクリートの床を不気味な紫色に染め上げた。

 

アイリ「リョウ君!」

 

リョウ「護ると言ったやろ。 大丈夫か?」

 

アイリ「うん! ちょっと痛いけどこれくらいなら問題ないよ!」

 

リョウ「なら良かったわ。 じゃあここからは共闘していこうか」

 

アイリ「いいですとも!」

 

お互いが武器を構えディアグルムを見据える。

 

ディアグルムは牙をガチガチ鳴らしながら腕を鎌に変化させ二人の頭上目掛けて鎌を降り下ろす。

アイリは足を華麗に運ばせ横へ回避し、リョウは剣で鎌を受け止め防御し、続けて薙ぎ払われた鎌も素早い剣捌きにより弾き、それから何度も剣と鎌がぶつかり合い火花を散らしてゆく。

アイリは激戦を繰り広げる二人を暫し傍観していたが、ふと我に返り、弓を構え光の矢をつがえる。

誤ってリョウに命中しないよう精神を研ぎ澄ませ、全神経を射ることに集中させる。

手の震えが収まり、奮闘するディアグルムの体の芯に狙いを定めた矢を力一杯引き放った。

 

ディアグルム「ぐあっ!? くっ、小娘がぁ!」

 

姿に似合わず機敏な身の熟しでリョウと奮闘していたディアグルムの脇腹に見事に命中、動きが鈍り苦悶に満ちた表情でアイリを睨み付ける。

 

リョウ「ナイスやでアイリ。 んじゃこれでトドメやな! 『ソードエクスプロージョン』!」

 

隙を見逃さずリョウは剣をディアグルムへ向け光の爆発を至近距離で放った。

手加減なく全力で放たれた攻撃を真面に受け、ディアグルムは上半身と下半身が別れ地面に倒れる。

 

ディアグルム「ぐ、がっ……馬鹿な……この俺が、容易く倒れるとは…」

 

体の半分が千切れたにも関わらず、己の体に鞭を打ち、腕を触手に変形させ戦いの意を見せている。

 

リョウ「今日が命日やと思え。 また再生でもされたりでもしたら厄介やからなぁ」

 

リョウは無惨な姿となったディアグルムをゴミを見るような目で俯瞰し、剣先を向け歩みを進める。

敵ならば相手が誰であろうと、瀕死の重症を負っていようと情けや容赦など一切なく斬り伏せる。

リョウの出す異常とも言える膨大な量の殺気を感じ取ったのか、アイリは大きく身震いした。

エネルギーを蓄積させ輝きを放つ剣を振るい再起不能になるまで肉体を斬り刻もうと断つつもりだったが、リョウが振るった剣は空を斬り地面へと勢いよく深く刺さった。

ディアグルム本人が避けたわけではなく、アルカディアと戦闘をしていた筈のセラヴィルクが目にも止まらぬ迅速な足取りでディアグルムを掴み抹殺を阻止していた。

 

リョウ「ちっ、避けられてしもうたか。」

 

恐らくエクリプスを壊滅させようとする高邁な精神を持っているためか、敵の息の根を止めるまであと僅か一歩のところだったものを邪魔された事に苛立ちを隠せずにいる。

 

ディアグルム「感謝します、セラヴィルク様」

 

セラヴィルク「危ねぇところだったな。 しかし世界の監視者は相変わらず無慈悲だな」

 

リョウ「敵に慈悲なんてもんは不要じゃ。 次はお前共々斬り裂いて地獄に墮として…っ、なんだ?」

 

何かに気付いたリョウは目で見て分かるほどの殺意を収め天井付近を見詰める。

 

リョウ「……この糞忙しい時に限って」

 

アイリ「…あっ! リョウ君! この気配って…!」

 

アイリも能力で異変を察知したようで、驚愕と憂懼の目でリョウの顔を見る。

 

セラヴィルク「余所見するとは余裕をかましてくれるな!」

 

地を蹴りセラヴィルクがリョウに重い拳の一発を叩き込む。

咄嗟に剣で拳を真っ正面から防ぐが、威力を殺せず後方へ大きく下がり体がバランスを崩すところをアルカディアが受け止めた。

先程の一撃で腕全体に衝撃が伝わり、電気を流されたような痺れが走り腕がだらりと下へ落ちている。

アルカディアは多少息切れはしているものの、大した傷を負ってはおらずまだまだ戦闘は可能といった様子だ。

 

リョウ「一つ問うんやけど、地下駐車場以外からも進攻を開始しているのか?」

 

セラヴィルク「確かに何ヵ所からか攻めれば作戦の効率も跳ね上がるが、今回は世界の監視者や時空の放浪者の二人がいるとなると作戦の成功率は一段と低くなる。 そう考えた俺は今回は一点から集中して攻め入る作戦を実行した。 だからここ以外には入り口を開けてはいないぜ」

 

リョウ「やっぱりそうか。 アイリ、結愛、退け!」

 

叫んだと同時に天井が轟音を鳴り響かせ破壊された。

天井だった物は瓦礫と化し崩れ積もり一つの山が生成される。

セラヴィルクと別れた体を繋ぎ合わせ再生が終えたディアグルムは天井が崩れた場所からは離れていたため大事には至らなかったが、アイリとリョウは回避に間に合わず巻き込まれてしまっていた。

リョウはアイリを傷付けまいと上に覆い被さり守っていたためアイリには一切傷を負うことはなかったが、リョウは落下してきた瓦礫が頭部、背中全体に直撃し、更には左足に一際巨大なコンクリート片が落ち身動きが取れなくなってしまっていた。

 

アイリ「けほっ、けほ…煙が凄いな。 あ、リョウ君! 足が!」

 

リョウ「あぁ分かってる。 アイリ、怪我はないか?」

 

アイリ「あたしは大丈夫だから! それよりリョウ君の足が!」

 

砂埃を吸い噎せるなか、アイリは弓を置きコンクリート片を移動させようとするが、明らかに人の手ではどうにかなるようなものではない大きさで、押しても引いても寸とも動く気配がなかった。

 

アルカディア「アイリ、離れてなさい!」

 

紙一重で難を逃れたアルカディアが走りながらコンクリート片へ電気を纏った正拳突きを放つと、コンクリート片は粉々に砕け散った。

リョウは自由に動けるようにはなったが、左足は痛々しい傷ができており出血していた。

足首も捻ってしまったせいか、剣を杖変わりにし体を支えなければ立てなくなっており、満足には戦えない状態となってしまっていた。

リョウの戦力が削がれた最中、不運が重なるような状況に陥っていた。

 

穴が空いた天井からは黒い翼を生やした悪魔兵達が次々と出てきており、武器を携え眼光鋭くアイリ達を射竦めている。

その中でも特に異彩を放つ悪魔がいた。

 

ツンツンした黄色の髪に額からは虫のような長い触覚が生えており、紫色の刺々しいベネチアンマスクを付け、背中から4枚の昆虫の翅が生え、全身が濃い藍色の悪魔が瓦礫が積もりできた山の頂きに立っていた。

 

?「天使の嬢ちゃん、見ぃ~つけた」

 

アルカディア「悪魔!? 何故シェオルに入ることが…!?」

 

?「シェオルの門を突破してきたのよ。 ディーバが天界でライブをするとなりゃシェオル中は大騒ぎになる。 天界を守護する天界騎士団の多くもディーバの守護に回り門の警護が手薄になると考えた俺達は攻め込むことにしたってわけよ」

 

リョウ「おいおい、天界の警備ガバガバじゃないか。 しかもサタンフォーの一人がお出ましとはなぁ」

 

アイリ「こいつもサタンフォーの一人なの?」

 

?「会うのは初めてだったな。 死ぬ前の奴に自己紹介するのも可笑しな事だが、冥土の土産として聞いておけ。 俺はサタンフォーの一人、ベルゼブブだ!」

 

声高らかに自己紹介し、腕と翅を広げ自身の存在を大きく見せる。

 

セラヴィルク「ほう、悪魔も現れるとは、混沌としてきたな」

 

ベルゼブブ「たしかお前達はエクリプスとか言われてる連中だったな。 どうだ? 俺達と手を組まないか? 目的は違うが目の前にいる敵を消し去るのは同じなんだからよ」

 

セラヴィルク「生憎と、俺達は他の組織とは組まない。 お前達がどうしようかは勝手だが、邪魔をしようするならば容赦なく叩き潰す。」

 

ベルゼブブ「ちっ、つれないな」

 

目的は違えど、戦場に闖入し敵が増えてしまった事に変わりはない。

アイリの守護とドームの警護、二つの義務を強敵揃いのなか果たさなければならない厳しい状況だが、リョウとアルカディアは屈する事なく戦おうとアイリの前に出た。

 

ディアグルム「では続きといこうか? 『禍嵐』!」

 

再び無数の触手を振るい攻撃を開始した。

アイリは咄嗟に前に出て『エンジェルリフレクション』を展開させ迫り来る触手を全て防いでいく。

 

ベルゼブブ「バリアも展開できるのか。 報告と違う技を使ってるみてぇだけど、大した驚異じゃねぇな」

 

指をパキポキと鳴らし翅を広げアイリ達へと接近する。

 

ベルゼブブ「『デスペラードクラッシャー』!」

 

紫色の波動を纏った拳がアイリが張ったバリアに直撃すると、ヒビが入る間もなく一瞬で砕け散った。

アイリは信じられないといった表情でその場で固まってしまっている。

ベルゼブブは続けてアイリに鋭い蹴りを顔面に向けて放ったが、リョウが翼を広げ空中を浮遊しながら右足を振り上げ寸のところで攻撃を受け止めた。

足を負傷してしまい戦闘の続行は不可能ではあったが、空中では足を必要としないためリョウは低空飛行しつつ戦闘を続行可能としていた。

 

アルカディア「『エレキシューティングスター』!」

 

流星の如く速さで電撃を纏った蹴りをベルゼブブに放つが片手で受け止められ、電撃が受け止められた手から溢れんばかりに周囲に流れる。

セラヴィルクとディアグルムは二人掛りでリョウに挑み猛攻を続け、着実に追い込んで行く。

 

ベルゼブブ「どきなよ時空防衛局のねえちゃん。 俺はあんたには用は何一つないんだよ」

 

アルカディア「退くわけにはいかないわ。 私の味方であるアイリを傷付けようとするならば許さないわ!」

 

ベルゼブブ「お前に何ができるってんだよ。 嘗てお前が未熟だったがために友人を救えなかったお前に」

 

アルカディア「っ! 黙りなさい! あの時の私とは違うわ!」

 

口調を荒らげ、戦い方も先程のものよりも粗笨ものへと変化していく。

ベルゼブブは未だに余裕な笑みを浮かべたままアルカディアの攻撃を受け止め続けており、一歩も下がる気配がない。

 

アイリ(結愛さんをサポートしないといけないけど、今はリョウ君をサポートしないと!)

 

光の矢を召喚し構えをとろうとするが、湧き出るように現れる悪魔兵達の数の暴力とも言える攻撃に防戦一方となってしまっている。

 

リョウ「アイリ! もう暫く持ち堪えてくれ!」

 

セラヴィルク「まるで直ぐにでも向かえるような言い方だな。 お前はここで行けずに終わる! 『大いなる鉄槌』!」

 

両手を合わせ回転により威力が跳ね上がった拳を諸に受け、壁を突き破り地面へと倒れ伏せる。

ディアグルムが倒れたリョウに触手を収束し一本の太い触手に変え、『嘆きの鞭』を連続で放ち追い討ちを掛ける。

防御する手段のないリョウは立ち上がることもできず、歯を食い縛り耐え凌ぐしかなかった。

 

アイリ「もう! リョウ君も結愛さんもピンチなのに、あたしもピンチだったら助けに行けないじゃん!」

 

多勢に無勢とは正にこの事だろう。

近付く悪魔兵を斬り伏せ対処はできてはいるが、徐々に数の暴力に押され始めており、力尽きるのは時間の問題だった。

 

初めて苦戦を強いられる状況にアイリは焦りと不安、恐怖を感じ始めていた。

毅然とした態度で今まで戦いに挑んでいたが、改めて自分の未熟さを知り心奥から低落していた。

結愛を筆頭に稽古を付けてもらったにも関わらずこの様だ。

情けないとしか思えなかった。

 

だが今は自責の念を抱いている時ではないと自身の心に言い聞かし、奮い立たせ無理矢理にでも鼓舞する。

目の前の敵へと集中しようとした刹那、悪魔兵の一人が槍を振りアイリの持つガーンデーヴァを叩き落とした。

武器を失ったアイリの腕を悪魔兵が掴み、身動きが取れないようにされた。

拘束を解こうと必死に踠くが一向に腕が動くことはない。

 

「我らの害となる光の天使よ、今ここで散れ!」

 

槍の穂がアイリの心臓向けて突き出された。

アイリは訪れるであろう痛みと死の恐怖に思わず目を瞑り顔を背けた。

 

体を貫かれ鮮血が飛び散る筈であったが、その様な惨い有様になることはなかった。

何故激痛が訪れないのか不思議に思い、ゆっくりと目を開けた。

目の前には槍の穂を素手で掴み相手の動きを封じ、痛みを堪え顔を歪めたリョウが立っていた。

穂を力強く掴み、刃が深々と皮膚に食い込んだ手からは血が溢れ出ており、血が滴り落ちた場所には真っ赤な水溜まりが生成されている。

 

リョウ「ごめん、待たせちゃって」

 

一言謝ると足を頭上高く振り上げ踵落としを繰り出し槍を真っ二つにし、血の滲んだ拳を固く握り、その拳で悪魔兵を殴り飛ばした。

更にアイリの腕を掴む悪魔兵を義足である右脚から放たれたミサイルにより爆散させ、周囲に立ち並ぶ悪魔兵をアルティメットマスターを振るい蹴散らしていく。

左脚の鈍痛と刃を握り掴んだ手の疼痛に耐えながらもアイリを護るために己の身の事も考えずひたすらに剣を振るう。

 

リョウ「アイリ、まだ行けるか?」

 

アイリ「うん。 でも、あたし…」

 

リョウ「おっと、自分がまだまだ未熟とか思うなよ。 わしらはアイリの実力を認めるんやから。 もしそれでも自分が認められないって言うんなら、自分が認める自分になるまで努力してみればいい。 それだけのことや。 難しいならわしらが手を貸しちゃるから」

 

アイリ「…うん! ありがとう、リョウ君」

 

リョウの激励の言葉に調子が戻ったアイリはガーンデーヴァを拾い再び闘志溢れる瞳で悪魔兵達を見据える。

 

セラヴィルク「しぶとい連中だな。 二人纏めてあの世へ送ってやる」

 

後方にはセラヴィルクとディアグルム、前方には悪魔兵の大軍。

不利な戦況に変わりはなく、リョウはアイリを護りながらもこの危機をどう突破するかを頭を捻り策を練っていた。

 

双方睨み合いの沈黙の時間が数秒続いていたが、突如耳につんざく爆音により終わりを告げた。

悪魔達が開けた天井から多数の小型ミサイルが豪雨の如く降り注ぎ、悪魔兵達を消し炭にしていく。

セラヴィルクとディアグルムの二人にも小型ミサイルが降り注ぎ、回避行動を取っていたが爆発による衝撃で宙を舞い地面へ叩きつけられた。

結愛と交戦していたベルゼブブにも小型ミサイルが命中し後方へと吹き飛びうつ伏せに倒れた。

アイリとリョウは何が起きたのか分からず天井に空いた穴を凝視すると、見知った顔が目に映った。

 

アイリ「え…シャティ!?」

 

フサキノ研究所を調査する途中に出会ったエンジェロイドの一人、シャティエルだった。

ライトグリーン色の透き通るような光の翼を展開させ宙を浮遊しており、周囲には小型ミサイルを発車するためのユニットが多数浮かんでいる。

 

シャティエル「お久し振りです、アイリさん、リョウさん。 私も加勢させていただきます」

 

アイリとリョウの方を見つめ優しい笑みを浮かべ地へ降り立った。




でもやっぱりSUSHI食べたい♪
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