ユグドラシルメシア   作:仮面ピコ

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ポケモンの厳選疲れるわ~
小説がぜんぜん進みません…ダレカタスケテー!


第57話 星間飛行

アイリ「遠い昔、はるか彼方の銀河系で…」

 

リョウ「ス○ー・ウォーズみたいな始まり方やな」

 

アイリ「おっきな冒険が始まる予感がするでしょ? あ、ヤッホー画面のみんな! 前回で死んじゃったかと思った? ところがどっこい生きてるアイリちゃんです!」

 

テュフォン「アイリお姉ちゃんは誰と話してるの?」

 

リョウ「気にする必要はないよ。 こういう病気に掛かる年頃なんだ」

 

テュフォン「あ、分かった! ユンナ姉が言ってた、ちゅーにびょーって名前の病気だよね!」

 

アイリ「うっ…心が痛い」

 

休憩を終えたアイリ達はアンドロメダ星雲へ向け出発した。

 

『天使の加護』の白い粒子に包まれ銀河を横切るそれは彗星そのもの。

暗黒の中に輝きを放つ故に、大変目立ってしまう。

悪魔達にアイリの存在を認知されたため、いつ何時にでも襲撃されてもおかしくはないため、速度を上げ目的地へ移動していた。

 

テュフォン「見えてきたよ! あれがアンドロメダ星雲だよ!」

 

星々が周囲に存在しない寥々たる光景の中に、視界全体に広がる巨大な雲が広がった。

地球上の上空に広がる白色とは違い淡黄色で、ラメが混ざったかのように煌めいており、幻想的なもの。

 

淡黄色の霧に近い星雲に混濁するかの様に、豆粒の何かが蠢いていた。

遠目からでははっきりと視認することはできなかったが、悪魔ということは理解できる。

極力戦闘は避けて向かいたかったが、どの方向からでも認知できるよう見張りを張り巡らせているようで、戦闘は回避できそうもなかった。

 

ラミエル「えらく厳重だな。 そこまでするのかよ」

 

ピコ「アイリの抹殺は勿論だけど、まるで僕達を見つけると言うより、アンドロメダ星雲に何者も寄せ付けないようにしてるようにも見えるね」

 

ラミエル「あいつらが守るような物なんてここには無いと思うんだけどな…」

 

リョウ「考えるだけ無意味じゃ。 さて、どのようにして突入したものか」

 

ピコ「ここまで来たなら正面突破あるのみでしょ。 どうせ直ぐに僕達の存在は明るみになることだし」

 

リョウ「そうしますかねぇ。 んじゃま、挨拶変わりに痛烈な一撃を与えてやろうか」

 

アイリ「よっしゃー! 最初からクライマックスでいくよ!」

 

強行手段で潜り抜けるため、突入口となる道を開ける必要がある。

初っ端から強力な一撃を与えるため各々武器を構えた。

 

ラミエル「俺は遠距離技はねえから、みんな頼むぜ」

 

アイリ「任された! 『ロイヤルストレートアロー』!」

 

リョウ「『ソードビーム』!」

 

ピコ「ウルトラ…威力ヤバイからやめとこ。 『ピコビーム』!」

 

シャティエル「リミッター解除。 エネルギー全開放。 『ハイプラズマエネルギーキャノン』、発射!」

 

テュフォン「『ダイナミックブレス』!」

 

アイリは弓から目が眩む程の輝く光の矢。

リョウは剣から放つ黄金の光線。

ピコは口から放つ光線。

シャティエルは胸元にエネルギーを収束し放つ高エネルギーの光線。

テュフォンは星の力が加わった藍色の炎。

 

各々遠距離に適した技を繰り出した。

湾曲することなく直線に進行を続けた技に、悪魔兵達が気が付かない筈がなかった。

反応仕切れたものの、高威力の技を防ぎきる術を持たないため、回避行動を行うしかなく、散り散りに移動し始めた。

乱離骨灰となり、誰から見ても強襲に混乱している現状を見逃す訳にはいかない。

 

ラミエル「突っ込むぞ!」

 

アイリ「今のあたしは激突王だ! どけどけ〜どけどけ〜邪魔だ邪魔だどけどけ〜どけどけ〜!」

 

アイリの存在に気付いた悪魔兵達が雲霞の如く押し寄せようとするも、リョウが発生させている『天使の加護』の前には手も足も出せずにいた。

更に接近を許さぬようシャティエルが二丁の『ライトガトリング』を乱射し、次々と悪魔兵の体を射ち抜いていった。

無碍となった正面を通り、淡黄色の霧のような星雲に突入した。

 

黒一色だった世界が消え、淡黄色が視界全体に広がる。

 

シャティエル「リョウさん、酸素があるようなので、『天使の加護』を解除しても問題なさそうです」

 

リョウ「そうなのか? 了解した」

 

シャティエルの言葉を信じ、数時間と展開し続けていた『天使の加護』を解いた。

確かに星雲の中は酸素で満たされているようで、地球にいる時と同様に呼吸を行うことができる。

アイリは廃棄物の混合していない新鮮な空気をこれでもかと言わんばかりに吸い込んでいた。

 

テュフォン「うーんと、クラウソラスを探すんだよね?」

 

リョウ「そうそう。 とは言っても、アンドロメダ星雲はとてつもなく広いからな。 わしも来るのは始めてやし、詳しいことは分からへんからなぁ」

 

アイリ「クラウソラスは光の力を司るらしいけど、それっぽい気は全く感じ取れないね」

 

シャティエル「私もそのようなエネルギーは感知できていません。 望遠レンズを使用したいのですが、周囲を漂う霧の影響で使用不可能な状態です」

 

ピコ「自力で見つけ出すしかなさそうだね。 このまま何事もなくいく…訳ないよねー」

 

喋る途中、ピコの背後から悪魔兵が槍を掲げ襲撃してきた。

自身の武器であるピコピコハンマーを取り出し、振り返り様に強力な打撃により槍を粉砕、追撃による『ピコビーム』を撃ち、悪魔兵を跡形もなく消し飛ばした。

 

不意な攻撃により陣形が崩されていた悪魔兵はアイリ達を追うため星雲の中へ入ってきたようで、囲まれてしまった。

 

進路も退路も塞がってしまったが、焦燥感に駆られることはなかった。

カイだけはアイリの腕の中で恐怖に震えていたが、アイリは落ち着かせるため頭を優しく撫でた。

 

アイリ「カイ君、怯えなくても大丈夫だよ。 あたしが絶対、守ってみせるからね」

 

リョウ「良い覚悟やね。 アイリは先に行かしたいから、わし等が残って雑魚の相手をしようか。 テュフォン、アイリに付いてやっててくれへん?」

 

テュフォン「了解だよ!」

 

アイリ「みんな、絶対死なないでよ」

 

ピコ「僕達は幾つもの修羅場を乗り越えて来てるんだから心配ないよ。 さあ、行って!」

 

シャティエル「アイリさん、御武運を」

 

後を任せるのは気が引けたが、自分を先に行かせる覚悟を持った仲間の意思は無駄にはできない。

目的であるクラウソラスを探すことだけに傾注し、テュフォンと共に更に奥へ進むため真っ正面を突き抜ける。

数人の悪魔兵が道を阻むも、リョウとラミエルがアイリ達を追い抜き、仇為す悪魔兵の攻撃を防いだ。

自身を抹殺しようと荒れ狂う声が背後から聞こえてくるが、仲間の援護もあって攻撃が襲い来ることはなかった。

 

ひたすら前へ、前へと進む。

クラウソラスの気配を感じないため、ほぼ我武者羅に進んでいた。

星雲の中にも悪魔兵が至る箇所にいるようで、荒々しい声が四方から耳に入る。

目的地が見出だせず、雑音にも似た獰猛な声の出所が視界に入らず、不安を掻き立たせる。

自身の趨勢が見通せず、不安の色が表れていたのか、並走していたテュフォンがアイリの手を握った。

 

テュフォン「アイリお姉ちゃん。 テュフォンが付いてるから大丈夫だよ!」

 

アイリ「テュフォンちゃん…ありがとう」

 

四面楚歌にある状況下の最中ではあったが、テュフォンという頼れる仲間と共にいることに安堵する。

幼い割には泰然自若としているのは、戦闘経験が豊富である証なのだろうか、アイリを気遣い笑みを浮かべる余裕まで見せている。

テュフォンがどれ程の修羅場を潜り抜けたかは不明だが、年長者である自分が敵が跳梁する場所で怖じ気付いている場合ではないと言い聞かせ鼓舞する。

 

もう一度クラウソラスの気を探ろうと目を閉じ集中する。

 

『お前も蝋人形にしてやろうかー!!』

 

『ムスタディオをやっつけろ♥』

 

『みんな! 抱きしめて! 銀河の果てまで!』

 

『環境破壊は気持ちイイZOY!』

 

『ミュウミュウストロベリー、メタモルフォーゼ!』

 

『汝は知るだろう、幾何なりし封縛、いかなる訃音を告げるものか! デルタストライク!』

 

『人間が何故泣くのか分かった。 俺には涙は流せないが…』

 

集中する度に、現実世界のネタが脳裏を飛び交う。

最早伝統芸になりつつある自身の煩悩を呪いながらも、己の直感を信じることにし開眼する。

目の前に広がったのは、立派な肌色の双丘、女性の胸元だった。

 

アイリ「へ?」

 

思考回路が追い付かないまま、突如現れた双丘に激突してしまった。

柔らかな感触に包み込まれ衝撃は和らいだが、完全に威力を殺せたわけではなかったので、後ろへ仰け反ってしまう。

ぶつかってしまった何者かが手を伸ばし、アイリの腕を掴んだ。

 

?「あら、こんな場所に天使族の女の子がいるなんて、驚き!」

 

テュフォン「あー! ヴァルゴ!」

 

偶然にも遭遇したのは、十二星座神官乙女座担当ヴァルゴ。

胸元が大きく露出した白と金を基調とした服を纏い、艶のある先端が銀河の様にきらびやかになっている金色の髪が特徴的な、超絶美女だった。

 

表情豊かな彼女はテュフォンを見るなり胸の前に両手を合わせ、広大な宇宙で会えた邂逅に喜びを体現した。

 

ヴァルゴ「あらー! テュフォンちゃん! お久し振り! ここには何か用があって来たのかしら?」

 

テュフォン「えっと…えっとねー…何でだっけ?」

 

笑みを浮かべながら頬をポリポリと掻く様子に、可愛いと思いながらも二人は宙でずっこけた。

 

アイリはアンドロメダ星雲の何処かにあるとされるクラウソラスを探索する目的を告げた。

 

ヴァルゴ「凄いことしようとしてるのね! アイリちゃん…よね? あれは尋常じゃないくらい凄まじい光の力があるのよ? 手に取ったりしたら、逆に命を奪われちゃうんじゃないかしら?」

 

アイリ「え、そうなんですか? リョウ君達はそんな情報何も言ってなかったけど?」

 

ヴァルゴ「そう…リョウが言ったのね…」

 

先程の喜びの表情とは打って変わり、沈んだ表情となった。

急激な変わりようは間違いなくリョウにあると睨んだアイリは擁護するため口を開く。

 

アイリ「あの、ヴァルゴさん。 リョウ君は…」

 

ヴァルゴ「アイリちゃん、あなたの言いたいことは分かってるわ。 リョウの過去の過ちは、決して許されるものではない。 私もカプリコーンさんと同様で、全てを妥協して禍殃となる存在をこの世界に滞在させたくはないの。 でもね、昔の事をいつまでも引き摺ってばかりじゃ何も変わらないと思うの。 だから、自身から厄災を持ち込まなければ、追い払うような野蛮な事はしないから、安心して」

 

微笑みを浮かべているも、アイリにはそれが本心ではない笑みに見えてしまった。

アイリのリョウを拒みたくない気持ちに同情し、無理をしてリョウの存在を受け入れ賛同しているのだろう。

ヴァルゴ成りの気遣いだと察したアイリは快く受け入れることにした。

 

アイリ「ヴァルゴさん…ありがとうございます」

 

ヴァルゴ「きっと、事情があるんだと思うし、何でもかんでも悪いように捉えちゃいけないもんね。 よし! 私もアイリちゃんのこと手伝っちゃおうかな!」

 

アイリ「ホントですか!? 助かります! あ、でも、ヴァルゴさん達は悪魔兵の掃討をしなくちゃいけないんじゃ…」

 

ヴァルゴ「同時進行でいくわ! 私の仕事もできてアイリちゃんの目的も果たせる。 一石二鳥ね! さあ、行きましょう!」

 

くるりと身を翻し、周囲を睥睨する。

 

ヴァルゴ「『スピカディフォメーション』!」

 

手に光を収束させ、腕を振るう。

光は刃の形状へと変形し、視認こそできていなかったが、接近してきた悪魔兵を一刀両断した。

 

アイリ「ゴウランガ!」

 

テュフォン「えっと、たしか、アレクパパが言ってた! 素晴らしいって意味だったっけ?」

 

アイリ「その通り!(タ○モトピアノ)」

 

ヴァルゴ「素晴らしいって言ってくれるなんて嬉しい! 乙女座の名にかけて頑張っちゃうわ!」

 

アイリ「あたしもじっちゃんの名にかけて頑張ろう! …まあ、じっちゃんの顔なんて見たことないけど。 悪魔なんて返り討ちにしてやるんだから。 クサヴァーさん、見ててよね!」

 

テュフォン「クサヴァーさんって誰?」

 

ヴァルゴ「う~ん…私には分かんないかも」

 

アイリ「カイ君、しっかり掴まっててね」

 

カイ「はーい!」

 

アイリはカイを肩車させ、ガーンデーヴァを召喚し、果敢に接近しつつある悪魔兵に向け光の矢を放つ。

光の力により浄化されていくが、肉薄してきた敵を倒そうと躍起になっている悪魔兵は倒しても倒しても切りがない。

数の暴力で敵を捩じ伏せる、塵も積もれば山となるという考えで突貫してくる。

抹殺対象であるアイリを集中的に狙ってくるが、アイリは短い期間の中で得た戦闘経験を活かし向かい来る火の粉を払っていく。

 

『シャインアウト』で牽制し、怯んだ隙を突き懐に矢を撃ち込んでいき、再び接近する者がいれば『光弓三日月斬』で斬り裂いていく。

近距離と遠距離、即座に切り替えながら戦うその様を見れば、元人間とは思う者はいないだろう。

天使という種族になってしまったとは言え、身の熟しが完璧という訳ではない。

数十という群れを成して突撃されては対抗する手段は無いに等しい。

 

テュフォン「アイリお姉ちゃんに近付かないで!」

 

一人ではどうにもならない局面でも、仲間がいれば優勢へと傾く。

 

アイリの真横を通り過ぎたテュフォンは腰の後ろから太い鱗に覆われた尻尾を出し、振り返り様に横に一閃する。

剛力による尾の一撃を受けた数十という数の悪魔兵は叩かれた虫の様に飛んでいく。

付近にいる悪魔兵は、瞬時に伸びた鋭い爪で引っ掻き斬り裂いていく。

竜の混血なだけあって、幼い体には似合わないパワフルで力強い戦闘を繰り広げている。

 

テュフォンの特攻により数は減少してはいるものの、茫洋たる星雲を蚕食するかのように配置されてある悪魔兵の勢力は劣ることはなかった。

 

ヴァルゴ「まあ、凄い数。 でも、怖じ気付いてなんていられないわよね。 アイリちゃん、テュフォンちゃん、頑張りましょう!」

 

テュフォン「うん! 頑張ろー! ファイトー!」

 

アイリ「いっぱーつ!! こんな時でもネタを出しちゃうあたし。 我ながらホントぶれないな~」

 

光の矢を番え、いつ終幕するかも分からぬ戦闘に身を投じるため気合いを込めて、矢を引き放った。




ヴァルゴが性格的に甘露寺さんみたいになってしまっていたことに書き終えて気付いた。
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