ユグドラシルメシア   作:仮面ピコ

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コロナウイルス怖いですね。
皆さんも、周りの人の事も考え自分がコロナウイルスにかからないよう自粛しましょう


第5話 光弓ガーンデーヴァ

 

 

ーアイリside

 

 

スラマッパギー!

永遠の17歳、アイリだよ♪

画面の前で鼻で笑ったそこのあなた!

ガキ使みたいにタイキックするからね!

さて、あたし達がこの『天界』で住む家に着いたと思ったら謎の二人の人物が!

あたしの物語はまだ始まったばかり!

これからどうなっていくのかみんな見物だよね?

答えは聞いてない!

 

結愛「そう言えばまだあなたには自己紹介していなかったわね。 私の名前は光明寺結愛(こうみょうじ ゆあ)。 時空防衛局の第一時空防衛役員の一人よ」

 

また分からない単語が出てきたけど今はスルーしとこう。

リョウさんが教えてくれるから。たぶん。

長い茶髪を靡かせあたしの前まで歩いてきて優しい笑みを浮かべ手を差し伸べてきた。

ここは勿論握手するよ。

ライダー部みたいに友情の握手は流石にできないけど。

 

フォオン「では話を…したいところなんですが、アイリ、あなたは私と共に部屋の外で待つことにしましょう。 リョウと結愛はこれから重要な話があるので」

 

アイリ「重要な話? はっ、まさか、結婚!?」

 

リョウ「今度余計なこと言うと口を縫い合わすぞ?」

 

アイリ「ちょ、冗談だってリョウさん。 はーい先生、あたし廊下に立ってまーす、なんて」

 

…ふぅ、平静を装うので精一杯だった。

リョウさんネタのセリフを言ってたけど、目がぜんぜんっての笑ってなかった。

ピコさんに向けていたあの目と同じだった。

何て言うのかな、あの全てを圧倒する、言葉にできない力が込められてるようなあの目。

しかも初めて会ったときと同じでまたリョウさんの背中辺りから白い粒子出てたし。

何か、あたしに聞かれたくない重要なことなのかな?

 

兎に角、これ以上刺激したら憤怒したお猿さんを見ることになりそうだから言われた通りフォオン様と一緒に部屋の外に出て、扉を音が立たないようゆっくり閉めとこう。

 

フォオン「アイリ、あなたはリョウの力に気が付いているようですね」

 

アイリ「力って、リョウさんが出していた白い粒子の事ですか?」

 

フォオン「それもあるのですが、先程リョウに目を向けられたときに、何かを感じ取ったとのではないのですか?」

 

流石神様、あたしのことは何でもお見通しってことなんだ。

読心術でもあるのかな?

もしそうだったら覚妖怪もビックリだよね。

 

フォオン「反応を見る限り、やはりそうなのですね。 思った以上に力の成長が早いようですね」

 

成長って、何の?

あたしの体のこと?

まだまだ成長中よあたしのボディーは!

フォオン様よりはまだ小さいけどね。

何処が小さいかって?

言わなくても分かるよね~そんなこと言わせないでよ。

くっ。

 

フォオン「貴方には天使に種族が変わった際に、あらゆる力を読み取るという能力が備わっているようですね」

 

アイリ「おー。幻想郷に住んでる人みたいに言うと、力を読み取る程度の能力ってところですか?」

 

フォオン「そうです。そして貴方にはまだ他の能力が備わっているようですね。 今の貴方にはまだ使用したり発動させる事はできないようですが、貴方の中には、光の力が感じ取れます」

 

アイリ「あたしの中に、光の力があるんですか? 他にもあったりするんですか!? 火属性や水属性とか!?」

 

フォオン「どこかのRPGのようですが、残念ながら今貴方に使えるのは光の力だけですね」

 

ちぇー、メラやヒャドとか使えると思ったのにな。

ん? でもさっきフォオン様は今使えるのはって言ってたよね?

 

フォオン「誰でも修行を重ね極めれば他の属性を使うことは可能です。 アイリ、貴方も同じです。 努力家の貴方ならば、きっといつか使いこなせますよ」

 

アイリ「フォオン様に言われると自信が沸いてきますね。 あたしも早く使えるよになりたいな!わくわくもんだぁ! 早くリョウさんの戦力になれるようにあたしも頑張らないとね!」

 

フォオン「リョウの戦力に?」

 

アイリ「はい。 恩返しになるんでしょうけど、あたしはリョウさんに助けられたから、今度はあたしがリョウさんを助けられたらなって思ったんです。 まだ初めて会って間もないのに、まるであたしの友達、家族みたいに接して、手を差し伸べて助けてくれるのが凄く嬉しかったんです」

 

あたしは、物心が付いたときからずっと一人だった。

 

横浜にある孤児院で育ったあたしには友達や親戚、家族は一人もいなかった。

両親は不慮な事故で亡くなったと聞いていて、写真も残っていなかったから両親の顔を見たこともなかった。

何故だか探そうという気持ちにはならなかった。

当時のあたしは人見知りで引っ込み思案で、孤児院にいた職員さんと最低限必要なことを話す程度で誰とも話もせずに伸う伸うと暮らしていた。

小学校になり学生となってからも、あたしは相変わらず誰とも接することなくゆっくりと過ぎていく日常を過ごしてきた。

 

そしてある日、楽しみもない日常を過ごしているときに、あたしを夢中にさせるものがあった。

それは漫画やアニメ、ゲームだった。

 

正直言って友達がいないあたしには暇潰しの物でしかなかったけど、充分楽しめた。

中学生になってからも相変わらず二次元の世界の虜になって楽しんでたけど、この歳になるとあたしは周りから言われるオタクだってことは分かってはいたけど、そんなのは気にはならなかった。

 

自分で言うのは皮肉だけど、友達なんてぜんぜんいないあたしにはそんなこと指摘する人はいなかったからね。

人見知りは相変わらず直らなかったけど、妄想の中のあたしは明るくて活発で良く冗談を言う性格っていう設定で楽しく自分で描く世界を堪能していた。

 

自分でも痛いって思ってきた。

でもそんなの関係ねぇ!

 

高校に入ってからも人見知りで気弱なのは直らなかったなぁ。

直そうと思えばできたんだけど、今更直したりしたら周りから急にキャラが豹変したとか思われるのが嫌だったから。

 

…あたしは逃げてただけなんだよね。

 

友情も愛情も知らないような寂しいあたしが逃げる場所が二次元の楽しさだったのかもしれない。

唯一あたしを受け入れてくれるただひとつの居場所だったから。

 

勉強は割りとできている方だったから、将来的には安定して大丈夫かなって思って何事もない、悪く言えばつまらない、良く言えば平和な日常が流れていたときに、今回の出来事が起こった。

どんな事が起こったのかはショックのせいか全く思い出せなかったけど、非現実的な事が起きてわくわくしていた自分がいたな。

 

ベッドで目が覚めたときは夢だと思った。

だからつい、リョウさんが夢の中の登場人物だと思って妄想の時のあたしが出ちゃった。

だから初めて会った、知らなかったとは言え命の恩人であるリョウさんにでか耳とか言っちゃったし。

リョウさんが優しい人じゃなかったら今頃あたしはマミっていたかも。

 

久し振りなのか、初めてなのかはもう分からないけど、誰かと話して心の底から楽しめた。

自然と誰かと話しててここまで楽しくなるのは初めてだった。

 

天使に種族が変わっちゃったけど驚き半分、嬉しさ半分だったな。

ピコさんを見たときに更に驚いたけど、これであたしは本当に非現実的な世界にこれたのかなって実感して嬉しさもあった。

 

非現実的なこの世界に来てから事の進むのが激流の如く早く感じたけれど、時が進むのが早く感じるのは、きっと、楽しいからかなって思ってる。

楽しいことやってる時ってあっという間に時間が過ぎちゃうよね?

それと同じだとあたしは思ってる。

 

こういう体験はしたことはなかったら凄く新鮮だから大事にしていきたい。

あたしに二次元以外の楽しみと、友情とかそんなかんじのもの(語彙力不足)を感じさせてくれたリョウさん達には感謝しないといけない。

 

だから今は無力なあたしでも、努力して、心身共に強くなってリョウさん達の手助けをしたい。

世界の監視者ってのがどんな仕事かは分からないけど、少しでも役に立ちたい。

フォオン「なるほど。 私も貴方の過去を知る者なので、貴方の思いは痛いほど分かります」

 

アイリ「分かっていただけたのは嬉しいんですが、あたしの個人情報をなんで知ってたんですか? あたしのスリーサイズまで」

 

フォオン「そこまで細かいところまで調べるつもりは無論なかったのですが、経歴を調べていくうちに表記されていたためついつい目を通してしまい、分かってしまったことなんです。 申し訳ありません。恨むのならば世界の監視者であるリョウを恨んでくださいね☆」

 

この神様、偶然犯してしまった失態を人に擦り付けちゃったよ。

こんな大人にはなりたくない。

でもリョウさんがあたしのスリーサイズを知っていることには変わりはないから後でトルネードフリップをぶっ放しとこう。

悪く思わないでねリョウさん☆

 

フォオン「兎に角、貴方がリョウの手助けをしたいのは分かったのですが、恐らく、リョウはあなたを巻き込ませたくはないと思います」

 

アイリ「え、どうして…あ、もしかして、あたしが戦えるようになったら、シェオルに着く前に起きたような戦闘にあたしをすることになるから?」

 

フォオン「その通りです。 貴方は一度危険な目に会い消えかけてしまった。 リョウは再びあなたが消滅したりするのを恐れているのです。 リョウはもう今現在は気付いているのでしょうが、貴方は特異体質であらゆる魔の力を退ける力を持っておられます。 光の力があるのもそうなのですが、光の力を持っているのが特別ではないのです。 光の力は正直言って天使と言う種族なら誰でも取得しているものです。 ですがそれぞれ個人が持つ光の力には個体差があり、誰もが全ての魔の力を退けれる訳ではないのです」

 

そうだったんだ。

あたしだけの力かと思っていたけど、天使と言う種族は相反する悪魔と戦うために生まれた時から既に光の力を体に宿してるってことなんだね。

でもどうしてあたしだけそんなに凄い力を持っているわけ?

転生ものの作品によくあるチート能力ってやつがあたしにもあるわけ?

 

フォオン「アイリの場合は異端中の異端なのです。 種族が変わり天使になったときには既に、あらゆる魔の力を退けれる程の力が備わっていた。 天使と悪魔の力がぶつかった時のエネルギーと、更にそこにリョウの力、正確には貴方を助ける時に使用したワールドゲートから流れ出ている時空の力がぶつかり発生したエネルギーが貴方の魂に何らかの影響を与えたか、もしくは貴方が本当にそれ程の力を持つ特異体質の持ち主だったか。 その二つしか私には考えられません。 計りきれないような力を持つからこそ、悪魔は恐れていたのでしょう。 新たなる驚異となる貴方を消すために早速攻撃をされたはずです」

 

アイリ「確かに攻撃を受けましたね。 ちょっぴり怖かったですけど、非現実的な事が起きたことに興奮してたあたしがいますし、リョウさんが必ず護ってくれると信じてましたから大丈夫でしたよ」

 

フォオン「ふふ、貴方らしい答えですね。

これから先、悪魔のどのような攻撃が来るか計り兼ねません。 貴方を守る為に、リョウは命を掛けてでも守るはずです。 貴方には傷一つ負ってほしくはないでしょうから」

 

アイリ「そこまでして、あたしのことを…」

 

フォオン「それでも、リョウの為に役に立ちたいですか? 悪魔達と合間見え恐れることなく戦う事はできますか?」

 

アイリ「はい、できます! やってみせます!」

 

フォオン「迷いがない、随分と早い返答ですね」

 

だって迷うことなんて何一つないもん!

あたしはあたしの考えを信じて突き進むだけだから。

 

アイリ「あたしの中に凄い力が眠っているなら、それを呼び覚ましたい。 あたしがリョウさんと同等の強さになれるまで努力して強くなってみせる。 そしてリョウさんの隣に立って助けていきたいと思ってる。 自分が強くなれれば自衛だってできるし、悪魔達が襲ってきても返り討ちにできるんだから問題ナッシングだしね。 あたしは天使だから、天使らしく使命を尽くして悪魔達をやっつけていける。 リョウさんの役に立てて、あたし自身が強くなって自衛もできて、悪魔達も倒せる、一石三鳥ですよ!」

 

フォオン「数多の戦いをすることになります。 辛い現実とも向き合わなければならないときもあるのですよ? それでも恐れはしませんか?」

 

もうフォオン様、そんなのアニメや漫画を読んでたりしてるんですから分かってますよ。

そんなこと経験したこともないあたしが言うのもなんだけど、今のあたしになら言える事がある。

 

アイリ「あたしは恐れずに立ち向かいますよ。 あたしには支えてくれる人が、リョウさんやピコさんがいるから何も怖くなんかないです!」

 

今までいなかった、あたしの側にいてくれる大切な人達がいるから。

まぁピコさんに至っては人ですらないけど。

 

フォオン「…貴方の覚悟は本物のようですね。 真の貴方は自信に満ち溢れ、人を思いやる心とどんなことも恐れず立ち向かう勇気ある人物なのですね。 流石、あの人の娘ですね」

 

アイリ「ほえ?」

 

フォオン「い、いえ、何でもありません。 アイリ、戦うと決めた貴方に答え、私から贈り物をしたいと思います。 この先、未来永劫必要となる、貴方を導いてくれる物になるでしょう」

 

フォオン様は右手を前に出すと、手の平に光の球体が出現した。

 

贈り物ってなんだろ?

あたしが今欲しいPS4だったら嬉しいな。

まぁ誕生日プレゼントじゃないんだから、こんな真面目な場面に現実世界の遊具なんて出てこないよね。

もしPS4が出てきちゃったらあたしはこのまま部屋に閉じ籠ってバイ○ハザードを始めちゃうよ。

ゲーム○ンターCXの某課長の如く長時間ゲームをすること待ったなし。

この小説の内容が、天使になった少女がゲームするだけの誰得なのか分かんない、ただでさえしょうもない小説が更に面白くなくなっちゃうからまずいよね?

 

って、あたしは何を言ってるんだろ。

早いところ今現在あたしの目に映っている出来事を実況(?)しないと。

そうしないと話が進まないもんね?(笑)

あたしがしょうもない洒落を今この文章にして話していたこの間、僅か0.5秒!

驚き桃の木!だよね?

 

閑話休題。

 

フォオン様の手の平に浮いている光の球体はみるみる形を変えていき細長くなっていく。

最終的には素人のあたしでも分かる弓の形へと変形した。

 

良くテレビ等で見る弓とは違い、全体的に本体が太く、弓の両端の先端部分、末弭(うらはず)は羽の形をしており、矢を放つ際に持つ部位、握(にぎり)は普通の弓であれば下部にあるのだが、この弓は中心に弓体を持つための取っ手があり、弓本体の前側にはオーロラ状のドームがあるという弓体中(きゅうたいちゅう)、弓の放たれる中心部分を覆っているという変わったデザインだ。

オーロラ状のドームがある上下に中央に沿って突き出しているというのもまた歪なデザインだけど、全体的に白とラムネ色を基調とした大型の弓は、神秘的なオーラを放っていた。

 

フォオン「この弓の名前は、ガーンデーヴァ。 とある世界で、放った矢で空間をも切り裂いたとも言われる伝説の弓です。 悪しき者には決して使用する、況してや触れることすらできず、天使のように心優しく勇気ある者にしか触れることを許されない代物です。 この弓を持てたとしても、弓の持つ力に耐えられず手放す者もいれば命を落とした者もいました」

 

アイリ「そんな代物を、あたしに授けてくれるんですか?」

 

フォオン「貴方なら使いこなせると見越しました。 ガーンデーヴァは自身を使いこなせる者を選びます。 私は、私の目で見て、貴方の事を聞いたからこそ信じて差し上げることができるのです。 私の勘ですが、外れることは6割りくらいはないので大丈夫ですよ」

 

アイリ「それってつまり4割程の確率で外れるってことじゃないですか!? 4割ってそこそこ高い方ですからね!? せめて10割大丈夫って言い切ってくださいよ! と言うより勘はやめてくださいよ!」

 

ホントにこの神様誰かどうにかしてよ!

あたしのことを見込んでくれてサーヴァントが使用しそうな宝具を託してくれるのはありがたいんだけど命がなくなるのは流石にゴメンだよ!

いつかこの神様のせいで本当にゴートゥーヘブンしそう…。

ダレカタスケテー!

 

まぁおふざけはここまでにしておいてと、あたしは深呼吸をして心を落ち着かせて、覚悟を決め、ガーンデーヴァの持ち手を掴む。

するとガーンデーヴァは白く輝き始めた。

あまりの眩しさにあたしは目を瞑ってしまい周囲にどのようなことが起きているのか分からなくなってしまった。

目を瞑ってしまってはいたが、ガーンデーヴァを触る感触だけは残っていた。

その触れていたガーンデーヴァが突然消えてしまった。

持ち手の感覚に流石に驚いたので目をゆっくり開け確認してみると、ガーンデーヴァは先程フォオン様が手の平に出した時と同じ様な球体に変わっていた。

その球体は蝶の様に周囲を小さく飛び回るとあたしに向かって来て、あたしの体の中に入っていった。

 

アイリ「えっ、どうなったの? もしかしてだけどあたしの体に入っちゃっていつでも出せることができるって感じなのかな?」

 

フォオン「どうやら貴方が疑問に思っていることが正解のようですね。 おめでとうアイリ、ガーンデーヴァは貴方の事を受け入れ主人と認めたようです」

 

フォオン様は優しい笑みを浮かべながら微笑んでくれた。

あっという間に終わってしまったけど、正直言ってあたしには砂時計が落ちていくくらいの時間の流れに感じたよ。

天界に来てから一番緊張しちゃったな。

フォオン様から授かったガーンデーヴァがあたしの中にあるのを感じ取ることができる。

うーん、言葉で言うならどんなのだろ。

胸の中に温かい光があるって感覚、みたいな。

 

アイリ「ありがとうございますフォオン様! いつかリョウさんを抜かすくらい強くなってみせますから、見ていてくださいね!」

 

フォオン「うふふ、楽しみにしておきますね。 この私すらも一度倒してしまったリョウを抜くのは、生半可な努力では成し遂げられないでしょうけど」

 

アイリ「えっ!? リョウさんってフォオン様を倒したことあるんですか!?」

 

フォオン「えぇ。昔に色々有りまして、ぶつかり合った事があるのですが、彼は全世界を統一、創造したこの私を九分殺しにまで追い込んだ事があるので。」

 

え…一体何がどうなってそんな出来事になっちゃったのよ。

神様とバーサスする時点で世界の監視者だとしてもリョウさんヤバすぎでしょ。

 

フォオン「リョウにとっては私には勿論苦戦をしてはいましたが、他の異世界の神とも戦ったこともあるんですよ。

当時の彼ならば、『所詮、神如きか…』と言うでしょう」

 

ホントに何があったのよリョウさん!?

今日あたしと話してたのと全くと言っていいくらい雰囲気が違う力を使い回し暴れまくる悪キャラになってるよ!?

 

アイリ「な、なんか到底信じることができないですね。 あの温厚なリョウさんが邪悪さてんこ盛りみたいなんて」

 

フォオン「昔の話ですから、大丈夫ですよ。 多くは語りませんが、現在は改心し、世界の監視者としての使命を全うしています。 貴方は今の心優しいリョウを信じてあげてください」

 

あたしの両手を優しく握り、全てを包み込むような優しい声で言ってくれた。

あたしの知る心優しいリョウさんの事を信じて一緒に歩んでほしいということを伝えたかったのは分かった。

 

でも、その反面、話に出てきた昔のリョウさんを忘れてほしいと言っているようにも思えた。

 

フォオン様、貴方が本当に忘れてほしいと思っていたのかは分かりませんが、あたしはリョウさんの事を信じていますから大丈夫ですよ。

どんな過去があったとしても、それはもう過去にあったこと、いつまでも気にして引きずってばかりじゃキリがないもんね。

あたしは今まで通り接してくれたリョウさんを信じ続けるよ!

 

アイリ「フォオン様、あたしなら大丈夫ですよ。 それはフォオン様が一番分かっているんじゃないんですか?」

 

フォオン「…そうだったのかもしれませんね。 若者である貴方に言われてしまうなんて、私もまだまだ未熟なのですね。 ふふ、貴方は本当に素敵な魅力を持った人物ですね」

 

アイリ「誉め言葉ありがとうございます。必ずフォオン様の期待に答えられるようにできますんで期待しててくださいね♪」

 

ウインクしてヒロインみたいにきめてみる。

あたし完璧、なんてね♪

 

 

ー三人称side

 

 

アイリとフォオンが話を終えて暫く時間が立つと、リョウとの話を終えた結愛が扉を開き玄関ホールにいた二人を迎え入れた。

 

結愛「フォオン様、アイリ、お待たせしてしまって申し訳ありません」

 

フォオン「大丈夫ですよ。 リョウとは、納得のいく話ができましたか?」

 

結愛「はい。事情が事情だけに、納得していただくには難儀でしたが最終的には解決したので」

 

リビングには両肘をテーブルに着け手を顔に当てているリョウが席に座っていた。

余程大切な話だったのか、疲労が感じ取れる。

カイはソファーで横になり寝ていた。

 

アイリ「リョウさん、オツカーレ」

 

リョウ「よぉアイリ。 …フォオン様、アイリに何かされましたか?」

 

疲れ表情から一変し、真面目な顔になり目を少し細めアイリを見ていた。

体内に収めたガーンデーヴァの力を読み取ったのだ。

フォオンは隠すことなく先程アイリと話したこと、ガーンデーヴァを授けたこと等を全て話した。

 

リョウ「そうですか…。 自分のために、そしてわしのために強くなりたいのは嬉しいことなんやけど、アイリはホンマにそれでええんよな? 後悔はないな?」

 

アイリに危険な出来事が増え、彼女の身を守れるか不安が過ったのか、心配そうな目でアイリに問い掛けた。

 

アイリ「後悔なんてあるわけないじゃん!あたしはリョウさんのことを信じてるから、リョウさんもあたしのことを信じといてね?」

 

リョウ「…覚悟はできとるみたいやね。分かった。 精々わしを超えられるよう修行をすることやね。わしも全力でサポートするで」

 

アイリの決して折れることのない強い決意を受け入れたリョウは親指を立て笑顔でサムズアップした。

アイリも嬉しそうにリョウと同じようにサムズアップをした。

結愛は二人の様子を見て思わず笑みが溢れた。

二人が仲の良い友達の様に、家族の様に見えたから。

 

リョウ「あぁそうや。 わしとアイリ、ピコでこの家に住むことになるんやけど、カイもこの家でわし等と共に住むことになったから。 カイは時空防衛局で保護されてるんやけど、何故かわしに一番なついているみたいやから一緒に住むって言う結論になったんよ」

 

アイリ「そうなんだ。 まぁこの家広いから問題ないっしょ。 住む人は多い方がドンパチ賑やかになるからね」

 

リョウ「ドンパチはすんな」

 

結愛「さて、私は用が済んだからそろそろ本部へ戻るわ。 また別の世界の調査やら防衛やらに行けと命令されるでしょうから」

 

アイリ「結愛さんはあたし達とここで住まないんですか?」

 

結愛「ごめんなさいアイリ。 私には私のすべき事があるから行かなくちゃいけないの。 でも、またリョウに用がある時や、空いている時間があればこの世界に寄らせてもらうから、その時にゆっくりお話をしましょう。 次に会う時に貴方がどこまで成長しているか楽しみだわ。 それじゃ、またね」

 

アイリにウインクをし、踵を返し長い茶髪を靡かせながら歩いていき、フォオンの前で一礼しリビングを出ていった。

 

フォオン「それでは私もここで御暇させてもらいますね。 私にも成すべき事がありますので」

 

リョウ「どうせ帰って溜まっているドラマを見るだけですよね?」

 

フォオン「あらあら、バレてしまいましたか。 続きが見たくて夜も眠れないんです」

 

アイリ「さっきまでの神様の威厳はどこへやら…」

 

フォオン「そ、それでは失礼しますね。リョウ、アイリをよろしくお願いしますね。アイリ、修練し日々精進して頑張ってくださいね」

 

フォオンは白い光に包まれたかと思うと一瞬で消えてしまった。

 

アイリ「リョウさん! あたし早速強くなるための修行してみたいんだけど、あたしまだ飛べないからまず飛び方を教えてほしいでーす!」

 

アイリはやる気に満ちた目で片腕を上げその場でぴょんぴょん跳び跳ねながらリョウに指導を懇願する。

目は漫画で描いたかの様に星が映っている様にも見えるが、やる気に満ち溢れた炎が燃えているように見えた。

 

リョウ「よし、早速やるか!無茶なことはしてほしくないのは本音じゃけど、アイリの思いはしかと受け止めたからな。それを無駄にするわけにはいかへんな!」

 

リョウもアイリの誠意に答えるためにテンションを高める。

庭に出るためリビングを出る際にソファーで寝息を立てすやすやと眠るカイに毛布を掛け、アイリは足早に庭に向かって行った。

そして家を出て玄関の扉を閉めるときピコはあることを思い出したかの様に呟いた。

 

ピコ「あー、前向きな姿勢で望んでいるところを悪いんだけど…」

 

アイリ「なにーピコさん? あたし今やる気まんまんでボイスミサイルだって出せそうなのに。」

 

ピコ「ごめんごめん。そういやここの家の鍵をフォオン様から貰ってないよね?」

 

アイリ・リョウ「あっ…」

 

住居に住まう際に最も必需品と呼べる物がないことに気付いた時、アイリとリョウは奇遇ながらも同時に心の中で同じ事を呟いた。

 

『あの人って本当に神様なの?』

 




一日中家にいると小説書くのがはかどります。

コロナウイルスが落ち着くまでは外出は控えましょう。
お兄さんとの約束だ☆
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