ユグドラシルメシア   作:仮面ピコ

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新しく始まったプリキュア…可愛い(ブ○リー)


第63話 他人の家だけど愛さえあれば関係ないよねっ

世界十二聖剣の一本、クラウソラスを手にすることが出来ず星空界を後にして、早くも一ヶ月が経過した。

天界に戻るなり、アイリとラミエルはいつか迫り来る脅威に備え特訓に励んでいた。

 

ラミエルはルシファーとの敗戦を気にしていないと発言していたが、相当引き摺っていた。

己の実力の無さに滅入ることはなく、シェオルの街を離れ独自の特訓を行っていた。

未だにルシファーの事を諦めきれていない気持ちもあるが、悪魔と対を成す光の力を司るクラウソラスを、何故命を投げ捨てるような真似をしてまで手にしたのか、その意図は不明なまま。

何が目的か不明瞭で、どのようなものでも肯定できはしないため、ルシファーを止めなければならない使命に駆られ、日々修練に明け暮れている。

 

アイリも更に力を引き伸ばすためにリョウとピコに協力してもらい、技に磨きを掛けるため特訓を行っていた。

技の精度を高めるため、実戦を交えて四六時中戦闘を続けており、毎夜死んだように眠りについていた。

 

カイは天界に戻り一日経過した頃に目を覚まし、何事も無かったかのように無邪気に笑みを浮かべ元気な姿を見せており、アイリは安堵の表情を浮かべていた。

 

ミカエルは事の顛末をリョウから聞き、残念そうに唸るように声を上げた後、流石に情が沸いてしまったのか、アイリに再度『天使の加護』を授けようと話題を出した。

いつ悪魔から襲撃を受けるか分からない最中、戦力は増強しておきたいと思っていたリョウ達だったが、アイリは首を縦には振らなかった。

他人に与えられた恩恵ではなく、認められる強さ引き出しを己の力で会得したいと決めているようで、曲げるつもりは毛頭なさそうだった。

アイリの意思と志を尊重し、ミカエルは納得すると同時に感服したのか、特に何か言うこともなくブレイザブリク宮殿へと帰っていった。

 

アイリを更に強化させるためにリョウは助っ人として十二星座神官の一人であるサジタリウスを呼んだ。

サジタリウスは弓の名手として星空界では名を馳せており、右に出る者はいないとされている程の実力の持ち主なため、アイリの特訓を付けさせる教官としてはうってつけだった。

 

今日も朝食を終えた後、庭でサジタリウスと特訓を開始しており、二時間が経過した頃。

 

アイリ「はあ、はあ…」

 

サジタリウス「よし、ちょっと休憩するか」

 

肩で息をするアイリを見てサジタリウスは休息をとる案を出した。

相当な数の矢を射っていたせいか、ガーンデーヴァを掴む握力は殆ど残っておらず、傷付かぬよう注意を払いながら地面にゆっくり置くと大の字に倒れた。

力を付けようと奮闘するアイリにカイが近寄り、手にしたポ○リスエットを渡した。

 

アイリ「あ、ありがとうカイ君…。 これで生き返る~」

 

手渡されたドリンクを死に物狂いで口に付け、喉を鳴らしながら体へと流し込む。

 

アイリ「くうううぅぅぅ~! 元気ハツラツ!」

 

リョウ「それ違う飲み物やろ」

 

ベランダではリョウとシャティエルが椅子に座り優雅にティータイムをとっている。

更にもう一人、木製のベランダの柵に身を寄せ『どろり濃厚ピーチ味』と書かれた紙パックの飲み物を口にしアイリの様子を伺っているアリスがいた。

 

アリス「朝っぱらから頑張るね~。 私はさっきまで仮○ライダー見てたのに」

 

リョウ「お前はぐうたらしすぎなんよ」

 

アリス「失敬な! リョウに会ってない間にわくわくざぶーんでバイトに駆り出されたり、エンドレスエイトに巻き込まれたり、不思議時空に飛ばされたり、数百羽のコッコに追い回されたりして大変だったんだから!」

 

リョウ「濃い一ヶ月やな。 何だかんだ言って最後のが一番怖い気がする」

 

アリス「ということでここで暫く休ませて♪」

 

リョウ「まあええよ。 賑やかなのは嫌いやないし」

 

先日、唐突にリビングに現れた、と言うより戻ってきたアリスを迎え、賑やかな雰囲気となり今日を迎えていた。

賑やかを通り越し騒がしくなりそうな出来事が起こるのではないかと危惧してしまうが、余計な心配だとその考えを切り捨てる。

 

サジタリウス「良くなってきたと思うぜ。 俺が伝授した技も大分形になってきたし、後は形が崩れないよう回数を重ね極めていけばものにできると思うぜ」

 

アイリ「ありがとうございますサジットさん! 今までとは弓を射る感覚が全然違うのが分かります!」

 

サジタリウス「体に染みているのならなによりだぜ。 俺も教えた甲斐があるってもんだ」

 

サジタリウスは歯を見せにこやかに微笑む。

仕事の合間を縫い、態々別世界である天界へと足を運んで来てくれているので、感謝の言葉しかない。

特訓の成果は身に染みて実感しており、サタンフォーと比較すれば実力は及びはしないが、抵抗できるには十分と言える程にまで力が付いた。

 

アイリが力を蓄えている一ヶ月という期間、悪魔は動きを見せることはなかった。

ルシファーが悪魔と対となる光の力が籠められた剣、クラウソラスを手に入れ、天界に攻め入って来るのかと思われた。

ルシファーの件を報告し終えた後、シェオルに攻め込んで来るであろう悪魔に対抗するため、万全の体制で臨もうとしていたのだが、戦いの萌芽が見られることはなかった。

平和に越したことはないのだが、異常に思える静寂が凶兆ではないかと、逆に不気味で不安に駆られてしまう。

シェオルの外部周辺を調査させたが、悪魔が訪れたであろう痕跡も見当たらなかった。

ルシファーがクラウソラスを入手した目的も不明で、幾ら頭を捻ろうが答えを導き出すことが出来ず、本人に直接聞くしか答えには辿り着けそうにない。

 

アイリ「ちょっとお花を摘みに行ってきますね」

 

カイ「カイもおはなつむー!」

 

サジタリウス「カイ、アイリはトイレに行きたいそうだから待っておこう」

 

カイ「おトイレ? わかったー!」

 

アリス「アリスも行く!」

 

リョウ「アリスちゃんはここにいな~」

 

アリス「トイレくらい行かせてよ~」

 

リョウ「ネタじゃなくてガチだったか。 いっトイレ」

 

アリス「うわっ…」

 

リョウ「自分でもつまんないって分かっちょるよ。 傷付くからガチで引くのはやめてくれ。 わしもコーヒー淹れるから入ろうかね」

 

アリス「アイリ、リョウはこれから私達を盗撮する気だよ」

 

アイリ「マジ? 今すぐジャッジメントタイムしてもらおう!」

 

アリス「即座にデリート許可が下りる筈だよ! この変態を豚箱にぶち込もう!」

 

リョウ「……許可が下りる前に今すぐお前等にギャバン・ダイナミックしてやってもええんやで?」

 

アイリ「ヤバい、絶対死ぬやつだ。 逃げるが勝ちだね!」

 

アリス「何ビビってんのさアイリ! こうなったら…私も逃げよ」

 

何気ないやり取りを済ませ、三人は共にベランダから家へと入室する。

 

アイリ「そういや、翔琉殿と真琴ちゃんは上手くいってるかなー?」

 

リョウ「大丈夫やろ。 付き合い始めて長くないし、今が一番熱い時期やろうし、あの二人が喧嘩するところなんて想像できへんな」

 

アリス「ハッピーシュガーライフを送ってる二人の姿が脳内に浮かぶ。 夜は突撃ラブハートでちゅっちゅらびゅらびゅしてるよ」

 

アイリ「そ、そうだよね。 二人もカップルなんだし、あんなことやこんなことまで…///」

 

リョウ「お前は相変わらず下ネタには耐性ないんやな」

 

アイリ「いや、えっと、想像したら恥ずかしいなって…あはは」

 

リョウ「意外とうぶなんだよな~」

 

アリス「アイリの可愛い一面が見れた。 写真に納めとこ。 富竹フラッシュ!」

 

アイリ「ちょ、やめてよアリスちゃん恥ずかしい~!」

 

リョウ「こりゃタクトとレアにあった時はアイリは恥ずかしすぎて卒倒しちゃうんやないか?」

 

アリス「あー…確かに。 あの二人の熱愛っぷりは見てると砂糖を吐きたくなるもん」

 

リョウはアイリの年相応の乙女な反応に新鮮に感じながらも視線をふとソファーの方に向ける。

ソファーには毛布を掛けられすやすやと寝息を立てている銀髪の赤ん坊が確かにそこにいた。

いる筈のない存在にリョウは思わず二度見してしまった。

 

リョウ「えっ…何でマナがここに?」

 

アリス「マナ? あ、ホントだ。 ってことは、タクトとレアが来てるの?」

 

アイリ「さっき名前出してた二人がいるの? 噂をすればなんとやらだけど、見当たらないよ?」

 

リビングには隠れる身を潜める空間はないため、この部屋にはいないことは明瞭だった。

アリスとリョウの知人であるため不審者ではないので警戒することはないだろうが、不法侵入していることに変わりはないためリョウの眉を顰めている。

屋内にいるのは明らかだったので、捜索しようと玄関ホールへ続く扉を開いた。

 

視界に映ったのは、二人の男女が抱擁し、熱い口付けを交わしている衝撃的な絵面。

 

アリスとリョウは見慣れているのか苦笑いを浮かべるだけだったが、アイリは男女同士の口付けをアニメや映画以外で見たことがなかったので、見ている此方が恥ずかしくなり頬を紅潮させ口をパクパクと動かしており動揺を隠せないといった様子。

 

アリス「またやってるよこのバカップル」

 

リョウ「人ん家に来てまでイチャイチャしてんじゃないよ」

 

アイリ達の存在に気付いた二人は重ね合っていた唇を離した。

接吻を他人に見られていたにも関わらず一切の恥じらいを見せず、忸怩の思いを抱いたことはないのかと言わせる程堂々としている。

 

ワインレッドのシャツと黒のテーラードジャケット、黒のズボンを着こなしており、鼻の上辺りと右頬には大きな傷があるサングラスを掛けた茶髪のいかつそうな男性。

 

肩が大きく露出した色のトップスに赤のチェック柄のスカート風ショートパンツを着こなしており、透き通るような雪肌とは対照的に漆黒に染まった右腕、毛先に薄い桃色のメッシュが入った艶のある長い銀髪に右前頭部から生えた赤い角が特徴的な女性。

 

どちらも美男美女と言え、スタイルが良く誰が見ても理想的なカップルに見える。

アイリは何時かは自分も恋人が出来たならば、末永く仲睦まじく過ごしていきたいと思っていたが、人の目を気にせず自分達の世界を展開し接吻に忘我してしまうのは流石に気恥ずかしく、火照った顔の熱は冷め切っていない。

 

口元に着いた唾液を手の甲で拭き取り男性、タクトがアイリ達の方に向き歯を見せニヒルな笑みを浮かべる。

 

タクト「よお、久し振りだなアリス、リョウ。 俺達のイチャイチャを覗くとは趣味が悪いな」 

 

リョウ「覗いてないしそんなつもりもなかったわいね。 それより勝手にわし等の家に不法侵入する方がどうかと思うで?」

 

?「あーし達はリョウが新しい家に住んだって言うから来てやったんよ。 感謝しいよ?」

 

タクトの腕に抱き付く女性、レアがタクトを庇うように弁論する。

 

リョウ「…まあ、感謝しとくわ」

 

レア「かるく流された気がするんやけど~。 マジ悲しい、ぴえん。 ぴえん超えてぱおん」

 

タクト「レアを泣かせたなら吹っ飛ばすしかないな(黒笑)」

 

リョウ「お前が言うと洒落に聞こえんのんじゃ。 で、ホンマに特に用もなく来たん?」

 

レア「そうやって言ってんじゃん! リアルガチで!」

 

アイリ「特に何もないですけど、ゆっくりしていってね!」

 

リョウ「何もないとは失敬な。 お茶くらいは出せるやろ」

 

レア「そのエンジェルちゃんがアリスが話してた子?」

 

アリス「そうそう。 最近転生しちゃった女の子」

 

アイリ「あ、えっと、アイリです! よろしくです!」

 

レア「アイリちゃんね、よろよろー。 あーしはレア。 タクトのフィアンセでーす」

 

腕に抱き着く力を強めピースしながら自己紹介を行う。

続けてタクトがサングラスを外し自己紹介を行う。

 

タクト「俺の名前はタクト・オオガミ。 よろしくな、アイリ」

 

アイリ「はい、よろしくです! あの、リビングにいたのって二人の子供ですか?」

 

タクト「堅っ苦しいから敬語じゃなくてもいいぜ。 俺が許可する。そうだぜ、マナは俺とレアの子だぜ」

 

レア「タクトとあーしの愛の結晶! マジきゃわたんっしょ! キュン死にするっしょ!」

 

アイリ「マジきゃわたんだった! あたしより天使してる!」

 

自慢の愛娘の話題になるとレアの目が星のように輝きを放っていた。

やはりどの親も子供の事が可愛く思う子煩悩で、自慢したくなるのだろう。

レアはスマホを取り出し今まで撮影してきた写真や動画をこれでもかと言わんばかりにアイリに見せていた。

 

賑やかに喋る二人を他所に、タクトはアリスとリョウと会話を進めていた。

アイリとレアとは反対に、真剣な表情で諧謔が通じるような穏やかな雰囲気とは言えない。

 

タクト「テュフォンから聞いたぜ。 まーた力を使っちまったのか。 今回はあまり問題ない程度だったから良いけどよ、テュフォンやアシュリーが心配してたぜ」

 

リョウ「マリーにも灸を据えられたけど、未だに感情のままに発動してしまうことがある。 当然だが抑えるようにはしてる」

 

アリス「そうでなきゃ困るってー。 日常でしょっちゅう使われたら私達も気が気じゃないもん」

 

タクト「お前の過去を知ってるからエクリプスに憎悪が沸くのは分かるからな。 なんつーか…兎に角、気を付けろよ。 俺はまたお前を敵に回すようなことになりたくねえ」

 

後頭部を掻きながら発言するタクトは複雑な表情を浮かべる。

リョウの過去がどのようなものか嫌でも知っているので、言葉責めにしようにもリョウの心に負ってしまっ治ることのない深い傷のことを考えると悲観的になってしまう。

 

タクト「敵と言えば、世界を食らう者はあれから出現していないのか?」

 

リョウ「以前アリスとピコ、マリーと共に倒した時以来、出現は確認されてない。 何故二体目が出現したのかも解明されてない」

 

タクト「複数個体がいるってのが妥当な考えかもしれないな」

 

アリス「あんなのが複数いたらリョウや時空防衛局が見逃す筈がないと思うけどなー」

 

リョウ「そうなんよね。 わしも毎日世界を見てるけど異常はないんよね。 いつ忽然と現れるか分からんから油断できへんわ」

 

何処から沸いて出てくるか予想も出来ない正体不明な怪物に、世界の監視者であるリョウや時空防衛局も手を焼いていた。

世界を蚕食していく怪物に限らず、同じく神出鬼没であらゆる世界で悪行を繰り返すエクリプスの対処にも追われるため、対策が上手く練ることが出来ず十年一日で進歩がなく、猫の手も借りたい状況に陥る事態も多々ある。

 

タクト「何かあったら何時でも呼べ。 アレクも言ったんだろうが、ユグドラシルメシアは何時でも駆け付けるぜ。 言うまでもないがユグドラシルに何かあった時は逆に駆け付けてくれよな」

 

リョウ「勿論、そのつもりさね」

 

アイリ「タクトさん! あたしと勝負して!」

 

リョウ・タクト「…はい?」

 

突拍子のないことを言い出したアイリに思わず素っ頓狂な声が出てしまう。

アイリが何故対戦を申し込んできたのか。

隣でくすくすと悪戯っぽく笑みを浮かべているレアを見て犯人を即座に特定することができた。

 

アイリ「タクトさんって滅茶苦茶強いんだよね? 更に戦闘におけるアドバイスも上手いってレアさんから聞いたから、是非お願いします!」

 

タクト「レア、余計なこと言ってんじゃねえよ」

 

レア「全部ホントのことだもーん。 ダーリン、ガンバ!」

 

タクト「…どうなっても知らねえぞ?」

 

リョウ「どうにかならないようにしてくれ」

 

アリス「戦うの許可するんだ。 リョウならてっきり断るかと思ったのに」

 

リョウ「アリスとも戦ってんだから今更かと思ってな。 ゴ○ラ並に暴れるアリスよりはマシだと思うし」

 

タクト「折角の誘いだし、乗ってやるか。 いいぜ、相手してやるよ」

 

アイリ「ありがとう! さあ、ショータイムだ!」

 

唐突に決まった提案に快く引き受けたタクトはアイリと共に中庭へと移動した。

 

アリス「天下一武道会の始まりだー!」

 

リョウ「いや、違うって」

 




次のスーパー戦隊も気になる…。
観るもの多いぜ~。
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