深閑とした人を寄せ付けぬ森林の奥地は一瞬にして喧騒に包まれた。
アンドロマリウスが放つエネルギー体の蛇が周囲を這い回り周囲を暗黒の気で満たしていく。
リベリオン「鬱陶しいわね。 アイリ、焼き払いなさい」
アイリ「言われなくとも! 『シャインアウト』!」
漆黒の闇も物ともせず暗黒の瘴気の中へ単独で突入し、光の衝撃波により瘴気と共に何体かの蛇と纏めて消し飛ばした。
蛇が消滅したと同時にシャティエルが滑り込むように馳せ参じ、二丁の『光粒子ライトブラスター』を手に可能な限り引き金を引く。
光弾が高速で接近するも、アンドロマリウスは回避する行動を取らず、『ヘルタワーポール』を盾として目の前に召喚し光弾を全段防ぎきった。
リョウ「『テオ・ソードスラッシュ』!」
蛇達を力業で捩じ伏せながら跳び上がったリョウが闇の柱ごとアンドロマリウスは斬り付けようと距離を詰めてきた。
アンドロマリウス「『天使の加護』を行使する貴様は脅威になり得る。 丁度良い。 こいつを使い早急に終わらせるとしよう」
その言葉にアンドロマリウスとは別の敵、ベレトからの襲撃に気を引き締め集中するも、何者かによる奇襲はあらぬ方向から訪れた。
上空にワームホールが開いたと同時に、灼熱の炎がリョウに向けて放たれる。
人間など容易く灰へと変えてしまう凄まじい熱気が迫るも、『天使の加護』による白い粒子が集束し傘のような形となり炎を受け止めた。
炎が消え去ったのとほぼ同時に、巨大な何かがリョウの前方に着地した。
リョウの前に立ちはだかるのは、一匹の巨大な蛇。
鎧のように硬い鱗に覆われた太くて長い体、刺すような鋭い眼光を光らせる黄色の目。
鋭利な刃物を思わせる牙が口から覗かせており、噛まれれば致命傷は免れないのは明らかだ。
アイリ「口寄せの術みたいなことしてきたけど何こいつ!?」
リョウ「バジリスク!? 異世界の生物を飼い慣らしていたとはのう」
リベリオン「獣一匹が増援に来たところで戦局が傾くと思ってるなんて、舐められたものね」
リョウ「ところがどっこいこいつはヤバいんよ。 わしが相手をするから、みんなはアンドロマリウスとベレトの相手をしといてくれ」
リョウが結論付けた一方的な案にアイリ達は首肯する間もなく、リョウはバジリスクへと駆け出した。
バジリスクは真っ正面から迫るリョウに向け大口を開け牙を向ける。
体から分泌された、細胞を瞬時に破壊する毒が惜しげもなく被覆された牙に対し恐れを知らぬ勢いで飛び出したリョウは身を翻し、義足からジェットを噴射させ飛行速度を高め背後に回り込んだ。
尾先を鷲掴みにし、アイリ達から遠ざけるために飛翔し泉から離脱した。
森の奥へと吸い込まれるように消えたリョウに愁眉だったアイリだが、今は目の前の討つべき敵に視線を向け集中する。
ベレトが真っ先に動き、フルーレを鞭状に変形させリベリオンの鎌に巻き付かせ行動を封じる。
リベリオン「ふん…貴様の相手は私か。 後悔するわよ」
ベレト「それはあなたが数秒後に唱える台詞ですよ」
フルーレを横に勢い良く振るうと鎌の刃も力に合わせて横に反れた。
その一瞬、怯んだ直後に体に赤いオーラを纏い『レッドメテオ』を発動させ、力任せにリベリオンの華奢な体へと激突した。
流星のような速度での突進を受け止めるも、威力まで殺せた訳ではなく、後方へと吹き飛び大木に勢い良く叩き付けられる。
全身が軋みへし折れそうな痛みが迸るも、リベリオンは狂喜に満ちた笑みを浮かべている。
ベレト「おやおや、気でも狂われたのですか?」
リベリオン「そう思うなら思ってなさい。 私は今から行う殺戮が楽しみで仕方がないだけよ」
手にした鎌に闇のエネルギーが灯り、陽炎のように不気味に揺らめき始める。
リベリオンの鏖殺する気持ちに呼応し、闇は増大していく。
~~~~~
リョウやリベリオンが戦闘を開始した一方で、アイリもシャティエルと連携しアンドロマリウスに遠距離からの攻撃を試みていた。
だが、相手は悪魔族の中でも頂点に立つ実力を誇るサタンフォーの一人なのを忘れてはならないことを痛感する。
幾度と戦闘を重ね、動きが着実に読まれ始めていた。
アイリが撹乱する動きから様々な矢を放つも全て回避され、シャティエルが繰り出す近未来な兵器による火力も相殺されていく。
無尽蔵とも言える闇の力が容赦なく放たれ、防戦一方になるほど早くも戦況が傾くが、一手を撃ち逆転できる方法を慮る。
アイリ(大丈夫。 落ち着いてアイリ。ホームズ探偵学院にも入学できるあたしの脳細胞はトップギアだよ!)
アンドロマリウスの攻撃を巧みに回避しつつ、脳内で突破口を見つけるため熟考し始める。
『私の使命は、歌で、みんなを幸せにすること』
『言おうと思ったんだ。お前が世界のどこにいても、必ずもう一度会いに行くって』
『星屑溢れるステージに、可憐に咲かせる愛の華。生まれ変わった私を纏い、キラめく舞台に飛び込み参上!』
『まっすぐ自分の言葉は曲げねぇ。オレの忍道だ!』
『グソクムシーwwwwwグソクムシーwwwwwグッソクソクソクwwwwwグッソクッムシーwwwww』
『聞いて驚け! 見て笑え! 我らエンマ大王様の一の子分!』
『ゲートオープン!開放!!』
アイリ「………だめだね(呆れ)」
シャティエル「アイリさん、どうかなさいましたか?」
アイリ「いや、あたしってホントにブレないなあ~って思っただけ。 考えるのはやめて、体の感覚に身を任せ突撃あるのみ!」
頭で考えるより体の感覚に頼ることに決めたアイリの行動は早く、『トリックアロー』と『スプレッドアロー』を連続で繰り出す。
あらゆる角度から降り注ぐ矢が逃げ道を塞ぎ、アンドロマリウスの動きを制限するのが狙いだった。
脳内で描くのは容易だが、現実で実現させるのは困難を極める。
地面から這い出るように現れるエネルギー体の蛇が立ちはだかり、数十という矢は蛇に直撃し、アンドロマリウスに届かぬまま役目を終えていってしまう。
シャティエル「援護致しますので、アイリさんは引き続き攻撃をお願いします」
『多連装レーザーバックル』を召喚し、両手に所持した『ライトガトリング』を一斉発射した。
レーザーと光弾による火力での力押しはアンドロマリウスとも引けを取らず、遜色ないもの。
傷を負っていると思えぬ動きと力を発揮し、少しでも気が緩めば邪悪なる一撃を受け致命傷に至るのは免れないだろう。
アンドロマリウス「機械人形、また生き恥を晒さぬうちに失せろ」
シャティエル「退くことなど有り得ません。 必ずあなたをアイリさんと共に撃ち倒します」
シャティエルの援護射撃をこれ以上過激になれると厄介なのは承知していたアンドロマリウスは手早く始末しようと標的にした。
地を這う蛇達の頭が一斉にシャティエルの方に向き、口から『狂舞蛇撃』が放たれる。
逃げ道の縫い目すら目視が難儀な物量による熾烈な猛攻だが、シャティエルは焦慮に駆られることはない。
冷静に戦況をデータ化し、脳内に内臓されてあるコンピューターが演算をこなしていき、効率の良い正解を導き出す。
一秒にもならない一瞬で出された結果を実行に移したシャティエルは翼のジェット噴射の出力を上げ光線目掛け直進し始めた。
誤った答えでもなければ血迷ったものでもない、最善の策。
『多連装レーザーバックル』を正面に展開し光線を防ぎつつ直進し続ける。
真っ正面から猛進するアンドロマリウスは『愚者殺し』を繰り出し邪魔なバックルを粉砕しようと腕を伸ばす。
しかし、バックルは拳が直撃する瞬間に左右に別れた。
予想外すぎる行動にアンドロマリウスは意表を突かれた瞬間、翼からジェットを噴射し自身の真下に高速で移動したシャティエルが微かに見えた。
人体であればダメージを受けるような人間離れした軌道を描き動けるのは、機械ならでは可能な行動だろう。
急降下しながら持ち変えた『可変式長距離プラズマライフル』の標準をアンドロマリウスの心臓に合わせ引き金を引いた。
殺傷能力が高い光弾が砲口を通り、重力を無視し空気を斬り裂きながら高速でアンドロマリウスに迫る。
だが、アンドロマリウスもサタンフォーと呼ばれる悪魔族最強の称号を持つ、常人とは比較にならない戦闘能力の持ち主である彼は人間を遥かに超越した恐るべき反射神経で光弾が発射される前に体の軸をずらした。
幸いにも心臓の直撃は避けられたものの、右肩を掠めた。
大きな被害を受けなかったアンドロマリウスは次なる一手を叩き込まれる前に反撃に移る。
右腕を槍状に変形させ『デストラクションランス』を繰り出す。
シャティエルも凄まじい速度の演算能力を駆使し『クリスタルミラーバリア』を展開したが、鋭い突きの一撃を防ぐには至らず、槍と化した先端がバリアを貫き翼を破壊した。
滞空することが維持出来なくなったシャティエルは重力に従い落下し華麗に着地をすると、再度『ライトガトリング』を装備し周囲に這う蛇達を一掃するため火を吹かせる。
蛇に気を取られているシャティエルに止めを刺そうと邪悪な笑みを浮かべる。
僅かに口角が上がっただけだが、その笑みを見ただけで大抵のものは戦意喪失する程にまでおぞましいもの。
アンドロマリウス「消えろ、機械人形」
アイリ「させないってばね!」
背後から聞こえた活発な少女の声。
同時に背後から感知できた強大な光の力。
攻撃を中断し、右腕を大きく振るう。
闇の気を纏ったエネルギーと共に振るわれた腕は四方から迫り来ていた矢の嵐を弾き飛ばした。
アイリ「まだまだ! 『輝弓牙』!」
真横から光の槍と化した弓を突き出しながら猛進する。
アンドロマリウスは笑みを浮かべたまま闇の気を纏わせた手で弓を鷲掴みにし、エネルギー体の蛇を召喚しアイリの首目掛け体を伸ばす。
焦らず主力である弓を手離し、矢を手に召喚したアイリは蛇の頭部を踏み台に前へ大きく跳躍、両手に持った『アローランサー』で豪胆な攻撃を仕掛ける。
アンドロマリウス「私を侮り過ぎるにも程がある」
小さなエネルギー体の蛇を多数召喚しアイリの体を絡め取った。
手足を縛られ自由を失い踠き脱出を試みるも、巻き付いた蛇達が一斉にアイリの滑らかな肌に噛み付いた。
アイリ「ううぅ、ああああああ!!」
体の至る箇所を噛み付かれ、全身に痛みが走り思わず悲鳴に似た声を上げる。
噛み付かれただけで済むならまだ良かったが、体の中にどす黒い、忌諱に触れるもの、闇が注入されていくのが分かり、ベトリとした汗が身体中の汗腺から吹き出る。
それでも何とか抵抗をしようと未だ動かせる手首を捻り矢先をアンドロマリウスへと向け、『アローランサー』を長く伸ばすよう形状を変化させ、太股を突き刺すことに成功した。
アンドロマリウスに光の力が侵食していき、太股から浄化され始め湯気のように白い煙が立ち込めるも、表情に変化はなく、威圧感が籠められた目でアイリを見ている。
アンドロマリウス「貴様如きが私に勝るなど有り得ない事柄だったのだ。 己の無力さを呪いながら死に向かえ」
アイリ「まだ…負けて、ない。 あたしが、負けたって認めた時が、敗北した時、だよ」
アンドロマリウス「既に結果は出ている。 貴様は敗北者だ」
アイリ「敗北者? 取り消してよ、今の言葉! あたしは…負けるつもりも、退くつもりも、ない!」
アンドロマリウス「未だ声も体も震えているのに強気な発言だけは出来るようだな。 勇壮な勢いだけでこの私に勝とうなどと、荒唐無稽であり、私に対する侮辱そのものだ」
アイリ「正直、逃げれるものなら、逃げたいよ。 こんな、痛い思い…何度も味わいたく、ないもん…」
ひっきりなしに襲う痛みに歯を食い縛りながらも耐え言葉を繋ぐ。
アイリ「でも、逃げたら後悔するって、自分でも分かるから、逃げない! 辛いことから目を背けていても、立ち塞がる壁がなくなることなんて、ないから…!」
アンドロマリウス「…どうやら出任せではなく本心のようだな。 あの気弱で矮小な少女とは到底思えぬ心の強さだ。 だが、貴様の信念も勇壮な勢いも無駄となる。 この場で散華するがいい」
アイリ「あたしの、死に場所は、ここじゃない!」
心を見透かし嘲弄するような笑みを浮かべるアンドロマリウスの背後に数発の光の矢が突き刺さった。
突如放たれた不意打ちに第三者の攻撃かと視点を移すと、宙に浮いたガーンデーヴァが矢を番えていた。
アイリの意思通りに動くガーンデーヴァは生命を得たかの様に機敏に飛び回り、更に矢を放つ。
回避しようにも絶対に逃がさないと言わんばかりにアイリが突き刺した矢は抜けなかった。
埒が明かないと判断したアンドロマリウスは矢を掴み、強引に引き抜こうと力を込める。
それでも矢は動く気配を見せない。
一切動じない矢はアイリが意地でも逃さないと力を籠めているものだが、アイリの心の強さを具現化しているようにも見える。
弱音や泣き言を吐かない鋼の意思を貫くも、アンドロマリウスは屈強な腕力で体をへし折ろうと腕を伸ばした。
アンドロマリウス「生意気な小娘が…今ここで、っ!?」
殺意を剥き出しにしていた表情と共に、体勢が大きく崩れた。
原因は、上空から真下に放たれた一筋の光線。
何事かと両者が同時に視線を移すと、円形型のレーザー射出ユニット、『直下型バスターレーザー』が浮遊し、目標に向けレーザーを射出していた。
様々な気配に敏感なアイリさえも感知出来ず漸近していたユニットは、言わずもがな、シャティエルがアイリを助力するため予め準備したもの。
アイリ「ありがとうシャティエル。 この好機は無駄になんかしないからね!」
シャティエルの助力により危機を脱したアイリは光の刃と化したガーンデーヴァを操り俊敏な動きで自身に纏わり巻き付いている蛇達を一掃した。
蛇により体内に注入された闇が体を蝕み強烈な痛みと吐き気を催すも、止まることなど許されない。
光の力が膨張すると同時に体から溢れる白い光の粒子の数も増していく。
ラムネ色に淡く輝くガーンデーヴァを力強く握り、アンドロマリウスに突貫する。
アイリ「あたしの弓技みさらせやー!」
アンドロマリウス「調子に乗るな! 元人間の分際で!」
持てる全ての力を余すことなく発揮する。
番えられた黄金の矢は、アイリから溢れ出る白い光の粒子により純白に染まり、神々しい退魔の光を灯す。
一度に何本もの矢を番え射ち出したのと同時に、アンドロマリウスも闇の力を一気に解放する。
手負いとは到底思えぬ、底知れない力が光を呑み込もうと迫るも、アイリは怯まず恐れなかった。
目で追うのも困難な速度で宙を飛び回り、互いの力と技をぶつけ合う。
相反する力が激しく衝突し合う衝撃で木々達に傷付き、泉にも被害が出かねないと配慮したアイリはアンドロマリウスに燦然と輝く矢を無数に放った後に続き、『光弓三日月斬』と『アローランサー』を発動させた状態で突貫した。
防御体勢に入り放たれた矢と危険を省みないアイリの命懸けとも言える特攻を防ぐアンドロマリウスは押され始め、急速で上昇していき、木々や隙間がないほど生い茂る枝をへしおりながら森を脱した。
戦場として猫の額とも言える神聖な泉から離脱し、大自然の絶景が広がる碧空へと躍り出た。
無限の広さを誇る茫洋な大空を舞台に、二人の攻防は更に激しさを増していく。
光の矢が数十という群れと為して空を覆い尽くす、弾幕と呼ぶに相応しい光の矢と、神々しい光を喰らおうと荒ぶる数匹の蛇の連撃とあらゆる攻撃をも凪払う暗黒の猛打が常時繰り出されている。
戦闘機の機動力さえ容易に超越する迅速な動きで、光と闇が常時衝突し合う壮絶すぎる戦い。
戦闘に没頭しているせいか、どれ程の時間が経過したのか、数百を優に越える矢を射ち続けた腕の疲労感も感じなくなっていた。
脇目も振らず、ただ討つべき敵を討つ使命感を心に宿し、全力以上の力を常時発揮し続けている。
アイリ(痛みや疲労は感じない…! でも、今集中力を途切れてしまったら、間違いなく感覚が戻って反動で体が壊れちゃう…!)
アイリ自身、既に気が付いていた。
体に限界が訪れ、悲鳴を上げていたことに。
それでも止めることなど、逃げるという選択肢は端から無い。
必ずアンドロマリウスを倒しきるまで、戦うだけ。
限界を超える力を出し、命の炎を燃やし、自身の人生を狂わした元凶を討つため矢を射続ける。
アイリ「さっさと、落ちろ、カトンボ!!」
アンドロマリウス「威勢だけは称賛しよう。 だが私には届きはしない!」
『ストレートアロー』、『トリックアロー』、『スプレッドアロー』等の矢が一斉に空中に放たれ、太陽の光にも劣らない輝きが森林全体を照らす。
忌々しい光に照らされながらもアンドロマリウスは『ヘルタワーポール』を発動させ周囲に散乱するかのように飛び交う矢を次々と落としていき、『フールイーター』で落とし損ねた矢を真っ正面から粉砕していく。
アイリ「まだまだこれから! 『アロービーム』!」
枯れ葉のように虚しく落ちていく矢はアイリの合図と共に矢先がアンドロマリウスへと向き、光の光線を放った。
地面から高々と伸びる紫色のエネルギーの柱に直撃しない絶妙な位置と角度から放たれた光線に気付いた瞬間に、アンドロマリウスは無数の蛇のエネルギーを束にし重ね合わせ簡易的な盾を生成した。
アイリ「『パーフォレーテッドアロー』!」
数多の光線の筋が宙を彩る中で、一筋の青い光が一閃し、蛇の盾とアンドロマリウスの横腹を掠めた。
あらゆる防御をも貫く矢で突破口を開いたアイリは脇目も振らず新たな技を繰り出す。
アイリ「『スクリューアロー』!」
光の渦を纏った矢が放たれ、盾を削り取っていき、開けられた穴が徐々に広がっていく。
追撃として先程繰り出した『アロービーム』が次々と盾に直撃していき、耐久力を着実に下げられていき、破られるのは時間の問題。
光の渦を阻塞することなど最早不可能だったが、アンドロマリウスは『愚者殺し』の力押しで相殺。
光が霧散し巨大な拳を下ろしたその時、アンドロマリウスの視界には猛進してくるアイリが写った。
何もせず突っ込んでくるわけはなく、『光弓三日月斬』を発動させ振り下ろす姿があったので、即座に反撃の一手を加える。
アンドロマリウス「真っ正面から来るとは、成長しない小娘だ」
背中をゾクリと悪寒が走る、絶対零度の冷ややかな視線と言葉。
気付いた時には腹部に鋭くもあり、鈍く感じるような激痛を感じていた。
標的を逃がすまいと捉えていた視線を下に移すと、自身の腹部に槍状に変化したアンドロマリウスの腕が突き刺さっている。
何が起きたのか分からぬ困惑と焦りの色が顔に浮き上がり、身体を容易く貫通した腕を引き抜こうとするも微動だにすることはない。
アンドロマリウス「貴様のような虫けらが、私に挑むのがそもそもの間違いなのだ。 無駄だと始めから認知していれば、現状のように苦痛を味わうこともなかったと言うのに」
アイリ「無駄、じゃない…無理でも、ない! ぐふっ!? かはっ! げほっ!」
痛みを堪えながらも言葉を発するも、吐血してしまい大きく噎せてしまう。
不撓不屈の精神は折れてはいなかったが、華奢な身体が心には付いてはいけなかった。
徐々にぼやける視界と薄まる意識の中でも、決死の抵抗と言わんばかりに、瀕死の一撃を受け尚も手放さなかったガーンデーヴァに光を集束し『輝弓牙』を発動させようとする。
アンドロマリウス「小賢しい。 勝機などないと再確認し、己の愚行に後悔しながら死んで行け」
盾の役割を補っていた内の一匹の蛇がアンドロマリウスの意思に従うように蛇行を繰り返し、大口を開け闇の力を纏った牙を虫の息と成り果てたアイリの喉元へ突き刺した。
コスプレしてるの見るのが毎年の楽しみ♪
下着コスプレ?あんなのコスプレじゃない(確信)