ユグドラシルメシア   作:仮面ピコ

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ここからアイリの過去パートに入りますが、このパートはニコニコ動画で公開されているジョイフル氏の東方Projectの二次創作作品、『東方幼霊夢』を見て強く影響を受けて作られたパートになります。

自分がかなり昔に設定していたことなので、設定の変更なしでそのまま物語を描き続けていくので、どうか暖かい目で見てもらえたら嬉しいです。



第92話 <ハジマリ>のChronicle

アイリ達が今過ごしている現代から遡ること14年前。

その年こそ、白澤愛莉という一人の人間の人生を大きく左右することになる出来事が起きてしまった。

 

 

~~~~~~

 

 

眠くなってくるような暖かな日差しが照り付ける。

雲一つない快晴は、見ているだけで心が晴れ渡ってくる。

優しく涼しい風が吹き、心地好く麗らかな環境に舞い喜ぶかのように木々や花が揺れている。

水底が目視可能なほど透明度の高い小川のせせらぎ、木々が揺れることにより生まれる葉擦れの音、鳥の囀りが程よく重なり合い、自然の合奏を奏でている。

 

絵画の中にあると言っても過言ではない美しい情景の中に、一人の青年が歩いていた。

黒色よりも漆黒の長い癖毛のある肩より長い髪。

黒色に近い紫色のフード付きのパーカー、黒色のバギーパンツを着こなしている18歳前後と思われる青年は、片手に大量の様々な食材が入ったビニール袋を手に気怠そうな表情を浮かべている。

 

?「ったく……ジェンガで負けたってだけで何で俺が買い物に行かなくちゃならねえんだよ」

 

澄んだ空気を吸い込み、大きな溜め息を吐きながら誰に言うでもなく独り言を吐く。

周囲の息を呑むほど美しい風景に見向きもせずに、陰湿な雰囲気を纏い道なりに人気のない一本道を歩んでいく。

 

?「しっかし、一番近くの町まで徒歩で一時間掛かる場所に家なんか建てんなっつーの。不便極まりないぜ。……一目がつかないようにしてるって事情は察するけどな~…でもやっぱり不便だ。前に見た『君の○は。』…だったっけか?あれに出てた女の子の都会に住みたいって気持ちは分からなくはない同情はする」

 

暖かくも眩しい日差しに照らされながらも独り言を呟き続ける。

一人だからこそ、聞かれては都合が悪い相手がいるからこそ、呟けるているのだろう。

 

アリス「誰にも聞かれていないといつから錯覚していた?」

 

?「うおおぉ!?急に現れるなって言ってんだろトランプ女!」

 

突如として音もなく背後に現れた少女、アリスに驚きつつも反射的に拳が振るわれる。

空気を切り裂く拳がアリスの頬に直撃し、華奢な体は吹き飛ばされたと思うと、アリスの体はトランプカードと成り果て崩れ、役目を終えたカードは風に吹かれて消滅した。

 

アリス「残念だったね、トリックだよ」

 

再度背後から声が聞こえ振り返ると、『どろり濃厚ピーチ味』と書かれた紙パックのジュースを呑気に飲んでいるアリスの姿があった。

 

?「ちっ…で、何の用でこの世界に来たんだ?」

 

アリス「暇だから寄っただけだよ~。この世界も色々と大変だろうけど自然は溢れてるし喉かで、とってもとってもとってもとってもとってもとっても大スキよ」

 

?「はぁ~……どうせリサの飯を集りに来ただけだろ?」

 

アリス「何故バレたし」

 

?「何故バレないと思ったし」

 

アリスと知人である青年は面倒臭そうにしながらも、本気で嫌っているわけではないようで、久々に再開できたことを喜んでいるようにも見える。

 

アリスの異世界で経験した真実か偽りのものか判断の難しい瑣末な話を聞きつつ歩くこと数分、自然の中にポツンと建っている一件の年季の入った和風の古民家へと辿り着いた。

 

?「やっと着いたぜ。おーい帰ったぞ~」

 

?「あ、おかえりー!」

 

青年が引き戸を開け帰省したことを伝えると、待ってましたと言わんばかりに廊下の奥の扉が力強く開けられ、年齢は4歳あたりの幼女が駆け付けてきて青年の足に抱き付いた。

 

?「よう愛莉。待たせたな」

 

愛莉「うん!まってたよー!」

 

元気よく溌剌とした声で喋る幼女、愛莉は青年に頭を撫でられ上機嫌になり更に笑顔を輝かせる。

 

アリス「よく懐いてるね~。私もナデナデシテー。モルスァ!!」

 

?「やるわけねえだろ。ビリケン様とやらの足の裏でも撫でてろよ」

 

アリス「おー、それはご利益ありそう。それにしても愛莉よく懐いてるね。ギャルゲーだと好感度MAXなんじゃないの?」

 

?「馬鹿野郎、こいつの感情は恋愛とかそういうもんじゃねえだろ。仮に俺が愛莉と付き合ったらロリコン扱いされてブタ箱行き確定だっつーの」

 

?「ブタ箱に入れる前にあたしが殺してるわよ」

 

愛莉が出てきた部屋から一人の女性が出てきて青年達の前までやって来る。

 

ポニーテールにして結ばれている艶のある長い黒髪。

泣きぼくろがある左目は翡翠色で、六芒星のハイライトが入った一度見たら忘れることはない特徴的な目。

そして何より一番目を引くのは…。

 

?「お前、何だよその奇天烈な格好は?」

 

?「奇天烈とは失礼なことこの上ないわね。シンフォ○アのクリスちゃんのコスプレよ。あたしにしてはなかなかの出来だと褒めてもらいたいところね」

 

?「いい歳して何やってんだよ…」

 

?「それこそ失礼ね!あたし今年で22歳よ!妖怪であるあんたや千年近く生きてるそこのバカと違ってまだまだ若いわ!」

 

アリス「一点集中攻撃だと思ったら私も被弾した。可笑しいな~私も種族的には人間なのに」

 

?「普通の人間は千年くらい生きたりしないのよ。古事記にもそう書かれている」

 

?「へえへえそうですか。で、何でそんな格好してんだよ?」

 

?「新しい戦闘用の服を考案してたんだけど、いいアイデアがティンとこなかったから暇潰しに作ったのよ」

 

愛莉「おかあさん、よくにあっててかわいいよ!」

 

?「ありがとう愛莉。娘に褒められるなんてこの上ない幸福ね」

 

愛莉の母、リサは愛娘である愛莉を愛でるような視線で見つめ優しく頬を撫でる。

 

アリス「リサにはいつか現実世界のコミケに行ってほしいな!スタイル抜群だし周りからちやほやされること間違いなしだよ!チェキ撮るのを一枚500円にすればいい儲けになりそう、ぐへへへ」

 

?「考えが下衆いんだよお前は。両○勘吉とかいう警察官と考えてること一緒だぞ」

 

リサ「まあちやほやされるのは間違いないわね。あたしの魅惑のボデーでヲタク達を悩殺よ♡」

 

?「お前が言うと悩殺(物理)なんだよ」

 

リサ「今日はやけに辛辣なコメントを飛ばしてくるわね。あんたに恨みを買うようなことをした?」

 

?「俺が食後に取ってた羊羮食ったこととか、思い当たる節なら幾らでもあるぜ」

 

リサ「そんなちっちゃいこと気にしてるんじゃないわよ。金玉までちっちゃいんじゃないの?」

 

?「見たことねえくせにちっちゃいなんて言うな」

 

リサ「好き好んで汚ならしいものなんて見たくないわよ」

 

?「毎日洗ってるわ!」

 

リサ「ていうか、愛莉の前でそんな下品な話しないでくれない?愛莉が汚れたらどうすんのよ」

 

?「発端はてめぇからだろうがあ゛ぁ゛ん!?」

 

愛莉「ふたりとも、けんかは、めっ!」

 

両者の間で火花が飛び散っている中、仲裁に入ったのは他でもない愛莉。

因みにアリスはスマホでパ○ドラをしているため話は一切耳に入っていなかった。

 

リサ「愛莉の言う通りね。不毛な争いは怒りと憎しみしか生まないわ」

 

?「綺麗に片付けやがって…まあその通りなんだがな。って、こんなやりとりしてる場合じゃねえよ!買ってきた中に冷凍食品も入ってるんだから早く冷蔵庫にぶち込まねえと!氷も入れてあるけど気休めにしかなってねえんだから!」

 

リサ「それは急がないとまずいわね。食品ダメになってたら今晩の飯は抜きにするからね」

 

?「てめえがここで立ち話させたせいだろうが理不尽だ!」

 

アリス「ねえねえリサ、今日のご飯は何する予定?」

 

リサ「あんたはまたタダ飯食うつもりかい?でもちょっと前にピシャーチャを倒すの手伝ってくれたし、お礼ついでに今日は食ってきな。因みに今日は肉じゃがよ」

 

アリス「やったぜ。嬉しすぎて目からビーム出そう!」

 

?「いよいよ人間か怪しいな…」

 

アリス「私も作るの手伝っちゃおうかな!クッキングが大好きなパパから教わった料理の腕を試す時!さあ行くよ愛莉!アリスの3秒クッキングの時間だよ!」

 

愛莉「おー!」

 

アリスは青年から食品が入った袋を取り、愛莉と共に家の中へと入っていった。

 

?「はあ~…ホントに嵐のような奴だな」

 

リサ「騒がしいくらいが楽しくていいのさ。アレクやリョウもそうだけど、気を遣って来てくれるのは凄くありがたいのさ。愛莉も喜んでくれてるしね」

 

?「退屈はしないのはいいが、厄介事を持ってくるのだけは勘弁してほしいぜ」

 

リサ「アレクが間違えて持ってた影虫を放出してプリムが大量に出てきた時は大変だったわね。一匹残らずあたしが駆逐してやったけど。出来る女と評判の22歳です!」

 

?「またあいつは異世界の物を持ち込んでたのか。いつか時空防衛局に捕まるだろうな。それよりとっとと着替えて料理作った方がいいぞ。おふざけで比叡カレー、だったか?あんなもん作られたらたまったもんじゃねえからな」

 

リサ「ひえー!それはヤバい!早く着替えてこないとね!あ、そうだ」

 

着替えるために駆け出したリサだったが、何かを思い出したかのように立ち止まり振り返る。

 

リサ「今日も買い物行ってくれてありがとうね、カイ。助かったよ」

 

カイ「なんだ、ただのお礼かよ。ここに住まわせてもらってんだから、面倒臭くてもこれくらいするっての」

 

リサ「本当に助かってんのよ。それに、お礼ってのは口に出して言わないと伝わらないもんだから、親しき仲でも恥ずかしくても言わなきゃならないもんなのよ」

 

少し気恥ずかしかったのか、若干頬を赤らめリサは着替えに行った。

素直にお礼を言われた青年、カイはリサの感謝の念 を甘受して僅かに微笑みながら頭の後ろを掻きながら家の中へと入った。

 

カイ「お礼、か。本当なら俺が言わなきゃならない立場なんだがな~」

 

 

 

 

 

これから語られるのは、アイリがまだ幼く、カイが大きかった頃の物語。

 

 

 

 

 




正直書きたくて仕方なかったパートなので気合い入れて書いていきます!
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