イルーナ戦記〜legend fifth〜   作:弥生の一矢

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第46話 発見されたティリア

 

 

地下で雨とキリト達が戦っている頃、地上では問題が発生していた。

ディエットの父であるデルツォンが魔法兵器を開発しているという情報が流れた。

それを聞いたエルスィ、アスナ、ネギはそれを解決することになる。

そんな中、ある場所では…

 

???「え?マスター、これが最後の任務ってどういうこと?」

???「そのままの意味だ。お前の周りにいる感の鋭い奴が嗅ぎ回ってる。お前はもう使えない」

???「なるほど、それで?どこに兵力を導入すればいいんですか?」

???「そうだな、奴らはプラズータに向かうはずだ。アルタドーラ手前に大量に召喚しろ」

???「わかりました。では行ってまいります」

???「あぁ…さて、俺は俺の仕事をするか」

 

その頃、アスナとエルスィは天上界でアルマスと話していた。アルマスは結界が張られてるために手が出せないと言ってきたのだ。

しかし、そうも言ってられない。

エルスィは至急、カザナミに連絡するとある2人を呼んだ。その2人とはマーリンとメリオダスだった。実は呼んだのはメリオダスだけだったのだが、それを聞いていたマーリンが「結界?面白そうだから、同行しよう」と言ったのだ。

 

 

エルスィ「え?」

 

エルスィが見ていた方向で見覚えがあるマントを着けた者が見かけた。エルスィが急いでそこに走ったが、既にそこには居なく、見失ってしまった。

 

エルスィ「(今の絶対、ティリアさんだった)」

アスナ「どうしたの?エルちゃん」

エルスィ「あ、ごめん、ティリアさんを見かけてね」

アスナ「え?今いたの!?」

エルスィ「うん、私たちが向かうところへ入っていったから、あとで会えるはず」

アスナ「じゃあ、早くいこう」

ネギ「待ってください。貴女方二人じゃいけないから助っ人を呼んだんじゃないんですか?」

エルスィ「それもそうなんだよねぇ」

アスナ「でも」

ユウキ「アスナ、焦りすぎだよぉ」

リズ「そうよ、焦ったって、解決するものもしないわよ」

アスナ「そうだよね、ごめん、頭冷やすね」

エルスィ「まぁ、お兄様がいたら、アスナみたいになってたかもしれませんが…」

リズ「お兄様?あぁ〜、シュウガのことね。アンタ、今、お兄様って呼んでんの?」

エルスィ「仕方ないじゃないですか!お姉様の夫なんですから」

ユウキ「まあねぇ、いいなぁ、カザナミさん。僕も彼氏欲しいよぉ〜」

 

ピコン

 

アスナ「あ、キリト君から、『こっちは終わった。あとで合流しよう』ですって」

ユウキ「とりあえず、メリオダスとかを待たないと」

???「あぁ、今着いたとこだ」

エルスィ「え?」

 

エルスィ達が振り返るとそこにはメリオダスとマーリンの姿があった。

 

メリオダス「それより、ネギ、お前、同姓同名の顔も似てる知り合いがいるとはな」

ネギ「あ、もしかして、未来の僕でしょうかね?この世界にいるんですよ」

メリオダス「だとしたら、アイツも?」

ネギ「いえ、僕にしか伝説武器は使えません。職も違いますしね」

メリオダス「なるほどな。よし、とりあえず、ビゼン森林区に向かおう」

マーリン「団長殿、私は上空から探ってみる。くれぐれも気をつけてな」

メリオダス「わかってるって」

 

メリオダス、ネギ、アスナ、エルスィは地上から最奥地に向かった。しかし、入った直後に上空から最奥地に向かっていたマーリンから、連絡がきた。

 

マーリン『団長殿』

メリオダス「どうした?」

マーリン『どうやらこの森、結界のせいで迷宮になってるようだ』

メリオダス「ふむ」

アスナ「出口もかき消されてしまうような内容なんですか?」

マーリン『私が解除をしてみよう。少し待っていてくれ』

エルスィ「待ってる…ねぇ…」

 

エルスィは角の先を指差しながら、メリオダス達に示すと、奥から話し声が聞こえた。

 

「やれやれ、俺たちをこき使いすぎだと思わねえか?」

「言うなって、逆らえないようになってんだから」

「だからって、ここに伝説所持者ってやつが本当に来るかどうか」

 

メリオダス「へぇ…それって俺たちのことか?」

エルスィ「え?」

 

エルスィが目の前にいるメリオダスを見て、びっくりしてるのはみんなも気づいたようで、アスナとネギは呆れていた。

だが、アスナが敵をよく見ると知っている者だったらしく近づいていった。

 

アスナ「あれ?おーい」

「あれ?閃光様だぞ!?」

「閃光様、なぜ、この世界に!?」

「だが、今は、第一線から離れていたはずだが…」

エルスィ「アスナぁ、知り合い?」

アスナ「えぇ、血盟騎士団に所属してた時のメンバーよ」

「何を言ってるんですか?閃光様」

「そうですよ。SAOはまだクリアされていないのにされたみたいないい方をして」

「俺らは今、80層のボス討伐の準備中なんですから」

アスナ「え!?」

エルスィ「(まさか、過去の仲間?サマナーの伝説所持者が敵にいるって言ってたけど、こういう事か)」

メリオダス「お前らを召喚した奴はどこ行った?」

「この先にいるぜ?」

「まぁ、俺たちを倒せたらの話だけどな?」

「じゃあ、手加減できないんで、覚悟してくださいね?」

 

三人の男はそういうと『エンチャント!!』と叫び、その後、『黒の剣士!』と言い放った。

男達は剣を構えると、それはキリトが三人いるのではないかというオーラを纏った。

 

アスナ「そんな…」

メリオダス「キリトが見たら、なんていうだろうな」

ネギ「僕らもここに一年以上いますけど、カザナミさんのおかげで見慣れましたね」

メリオダス「とりあえず、お前ら手を出さなくていいわ。俺一人でなんとかなると思う」

「舐められたもんだな?お前一人でどうにかなると思ってんのか!?」

メリオダス「神器解放」

 

メリオダスが武器をかざし唱えると、メリオダスが一瞬揺らいだ様に見えた。その瞬間、三人と剣を交えていた。

 

メリオダス「みんなは先に行け!結界はマーリンがどうにかしてくれるはずだ」

エルスィ「わかりましたわ。お気をつけて」

アスナ「私も残ります」

ネギ「では、僕は先に行かせてもらいますね」

マーリン『団長殿』

メリオダス「どうした?」

マーリン『解析が完了した。いつでも結界を消せるぞ?』

メリオダス「よし、時間稼ぎはできたみたいだな」

ネギ「解放…固定…掌握」

 

ネギは魔法を握り潰すと腕に模様が浮き出てきた。

 

マーリン『地上の結界は任せたぞ、ネギ』

ネギ「はい!ふぅぅぅ………」

マーリン『絶対強制解除』

 

ビシビシビシビシビシ

 

ネギ「桜華崩拳!」

 

パキャァァァン!!

 

???「チッ。役立たずだな」

エルスィ「え?貴女はティリアさん!」

ティリア?「ティリア?ああ〜、この身体の奴な。中身は違うぜ?俺はマスターに力を分けてもらって、身体を入れ替えたんだ。コイツの方がMPが高めだったんでな」

ネギ「身体を交換する魔法だって!?それは禁呪ですよ!?」

 

しゅううううぅぅぅぅぅぅ

 

マーリン「ほう…興味深い」

ティリア?「お前はマーリン!?貴様は死んだはず…」

マーリン「ほう…私が死ぬ?」

ティリア?「そうだ。だが、これでマスターが言ったことは本当のことだと確信したぜ」

エルスィ「そんなことどうでもいいですわ。その顔でその声で、その口調で話すんじゃねえ!!」

 

スタスタスタ…

カツカツカツ…

 

メリオダス「おいおいエル、何をブチ切れてんだ?」

エルスィ「だって!」

アスナ「エルちゃん、気持ちはわかるよ。でも、今じゃない。コイツの身体を見つけるまでは…」

エルスィ「ギリ…」

ネギ「とりあえず、気絶させよう」

メリオダス「短気なのはカザナミと変わらねぇな。あ、本人だったか」

エルスィ「う…ごめんなさい」

アスナ「いいじゃない。ティリアさんを捕縛できれば、こっちのものよ」

ティリア?「フッ」

マーリン「何がおかしい?」

ティリア?「俺の正体がわからないのにどうやって探すんだ?」

 

ティリアの格好をした者は自分の腰にあるショートソードを構えると、それを自分の腹に刺そうとした。

 

エルスィ「させない!」

 

ガシッ

 

ティリア?「いい反応だ」

エルスィ「貴女のその眼…まさか…」

ティリア?「おや?貴女は記憶が曖昧と聞いていましたが、どうやら覚えているようですね」

エルスィ「まさか…六道骸!?」

ティリア?「クッフッフ…」

マーリン「なるほど、闇の親衛隊か」

メリオダス「あ〜、エルが暴走した時のやつか」

ユウカ「え!?あの時、確かに骸さんは元の世界に帰ったはず…」

ティリア?「おや?ユウカちゃんじゃないか。いやぁ、仲間がいてよかった」

ユウカ「何を言ってるんですか?」

ティリア?「そんなこと言って、助けてくれてるじゃないか」

ユウカ「え?」

 

ユウカはハッとして、自分の手元を見るとエルスィに自分の剣を突き刺していた。何が起こったのかわからないユウカはエルスィから剣を抜こうとしても、抜くことができず、更にかき回してしまう。

 

エルスィ「ぐふっ」

 

エルスィはバタッと倒れる。

 

メリオダス「おい、ユウカ!」

ユウカ「あ、あ、あ」

マーリン「これはまさか、洗脳!?」

骸「いやぁ、苦労しましたよぉ、母の目を盗み、娘に暗示をかけるのは」

アスナ「でも、あの時にルリちゃんが全部解いたって!」

骸「あ〜、それはエリーゼ様の洗脳だけですよ。私のは隠しておいたのです。困った時に私のある言葉ですぐ寝返るようにね?」

ネギ「ユウカさん、離れてください」

ユウカ「…」

エルスィ「ネギ…さ…ん…」

ネギ「エルさん、無理しないで」

エルスィ「あの子を…救ってあげ…て…」

ユウカ「うわぁぁぁぁあ!!」

 

ユウカはエルスィを再度襲おうとしたが、ネギがそれを止めた。

 

ネギ「メリオダスさん」

メリオダス「どした?」

ネギ「そっちは任せていいですか?」

メリオダス「あぁ、俺も少しイラッとしたからな」

ネギ「ユウカさんは僕が止めます」

メリオダス「マーリン」

マーリン「わかっている。完全なる立方体」

 

マーリンは完全なる立方体【パーフェクト・キューブ】を使用し、エルスィとアスナを守った。

 

メリオダス「はぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

メリオダスが意識を集中し、魔神化の時に出てくる力を球体として体外に出した。

 

メリオダス「ネギ!」

ネギ「はい!」

 

メリオダスはその球体をネギに渡すとネギはそれを握りつぶした。

 

ネギ「掌握…魔力充填…合技【悪魔漆鎖~デモンズ・チェーン】」

 

ネギの身体にはメリオダスが魔神化した時の紋様が現れた。

 

メリオダス「神器解放」

ネギ「行きますよ、ユウカさん」

ユウカ「…」

骸「この世界では沢田綱吉がいない。私の敵ではない」

???「誰が居ないって?」

???「心配して来てみたら、なんでユウカが敵になってるのかしらね」

???「でも、ママは戦っちゃダメだからね?」

???「えぇ〜、いいじゃない、少しくらい」

メリオダス「おいおい、お前ら用事は?」

???「そんなのやってる場合じゃないだろ?」

エルスィ「お兄様」

???「全く、ウミちゃん、魂変換よ」

ウミ「はぁい。魂変換:ビショップ!エンシェントヒーリング!!」

骸「グッ。貴様は光の姫カザナミ。何故、ここにいる」

カザナミ「あら?いちゃわるいことでもあるの?寧ろ、居たらまずいのはシュウガだと思うけど?」

シュウガ「開匣」

骸「な、何故、匣兵器が…」

シュウガ「ナッツ、形態変化:防御モード」

カザナミ「でも、残念ながら、今のシュウガは止められないわよ?」

シュウガ「よくも、ティリアさんを」

カザナミ「はい、ストップ」

シュウガ「なんだよ、カザナミ」

カザナミ「中身は違くても外見はティリアさん自身みたいだから、死ぬ気の炎で浄化する程度にしときなさい」

シュウガ「チッ、わかったよ」ゴクッ

 

シュウガは何かを飲み込むと不思議なグローブを付けた。額とグローブからオレンジ色の炎が出て来たと思ったら、骸(ティリア)の頭に掴みかかっていた。

 

骸「な!?グワァァァァァァァア」

シュウガ「寝てろ」

 

ガッ

 

骸は意識を失うと、ユウカの様子は落ち着いた。ユウカはハッとするとすみません、すみませんと誤った。その後、プラズータと戦ったのだが、骸が強すぎたのか、メリオダスが強すぎたのか、すぐ倒された。一行はエルバンに戻ると空の異変に気付いた。

 

メリオダス「ん?」

アスナ「何これ!?」

キリト「おーい」

アスナ「キリト君」

雨「よかった。無事で」

アリス「キリト、この方々は?」

キリト「あぁ、紹介するよ」

 

キリトはアリスにみんなを紹介した。

アリスは不思議な顔をすると空を見上げた。

 

アリス「この空は元から暗かったのですか?」

キリト「いや、あの地下に行く前は明るかった」

メリオダス「この気配はまさか…」

ネギ「む?僕も感じました。物凄い魔力を」

カザナミ「じゃあ、先を急ぎましょう」

シュウガ「ダメだ、お前は帰れ」

カザナミ「えー!?ちょっと、ちょっとでいいから」

ウミ「ダメだよ、ママ」

エルスィ「わかりましたわ。私とユウカ、お姉様はギルド本部に戻りますわ」

ユウカ「はぁい。ほら、行くわよ、ママ」

カザナミ「う…」

 

次回:サテリカ・エルバン編完結!


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