謎の世界で生き残るために傭兵団作った 作:全力執奏
暁の大陸 暁の鎮守府 暁古城の自室
「ごめん、もう一度言ってくれる? 電(艦これ)」
缶詰になって仕事をする日々。今日の書類仕事が終わり、畑仕事も終えてようやく休めると自宅のソファに横になった瞬間、電が俺の家に報告があると、突撃してきた。
「は、はい、なのです! ユキカゼさんからの報告で、お祭りで、暁の傭兵団の力を見せることになったそうです」
「……え。なんで?」
「その、女性が一塊で剣を腰に吊るして歩くのは、剣の国のフェン王国でも珍しかったらしく、絡まれてしまい。絡んできた男の人を叩きのめしたらしいのです。それで、偶然居合わせた剣豪の方が戦いたいと瑞鶴さんに持ちかけて、その方を瑞鶴さんが倒してしまい。それから、話を聞き付けた腕自慢と連日戦うことになってしまい。皆さんが強いことが分かって、フェン王国の国王陛下が、暁の傭兵団の力を見たいと。どうやら、フェン王国はパーパルディア皇国と外交トラブルを起こしているようです」
「外交トラブル?」
「はい、使っていない土地を明け渡せ。その代わりに属国にしてやる。と」
おいおい、いくら使っていない土地とはいえ、独立国にそう言うことを言うのは……いや、まだ精神的にみじゅくだからこそ、なのか?
まあ、二千年代の地球の全ての国家と人類が精神的に成熟しているとは口が裂けても言えないが。
「うーん、パーパルディア皇国は、ローリア王国へ怒っているみたいだし、暁の傭兵団が流した噂話にも食いついて、観戦武官殺しやがって!と騒いでるし、雇われるなら、ちょうど良いかな? 祭りに派遣するのは重巡洋艦は1隻と駆逐艦を3隻だな。それとマヤも派遣しておいて、ただし船体は海中で待機」
「はいなのです。瑞鶴さん達は、艦船形態にはしないのですね?」
「ああ、瑞鶴達にはそう伝えてくれ」
「分かったのです。後は大淀さんや大和さんと話を進めますね」
「頼むな」
「あ、それと、提督、明日も仕事はありますか、逃げちゃ駄目なのですよ」
「……はぃはぃ」
俺は電が家から出るのを確認すると、アイテムボックスから、どこでもドアを出して、クワ・トイネ公国の誰もいない草原に移動した。
「流石に缶詰で仕事し続けるのも疲れたし、ちょっと観光にも行きたいなぁ。と言うわけで、うーん。高速で長距離を移動出来る乗り物」
神話の事を考えると、光の翼目立つしアレはこの世界だと誤解を招きそう。
うーん。あ、アレが、あったか。
俺は能力を使って、あるものを産み出した。
オリジナルよりも、2割ほど弱体化してしまっている上に誰にでも乗れるようになっている、この世界でも恐らく最速の機体。
「行こうか、魔装機神サイバスター!」
こうして、俺はこっそりと、風の向くまま観光に出掛けた。
衝動的な行動だったが、結果的に吉と出た。
ま、後で皆にしこたま怒られたが。
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ちょっと時間は巻き戻る。
フェン王国
「ほう、暁の傭兵団とやらの剣士は、そこまでの腕か」
パーパルディア皇国からの領土の献上を断り、パーパルディアとの戦争は確実になり、剣王は国防の為に頭を悩ませていると、部下からの報告が聞き目を見開く。
ここ数日、城下街が騒がしいとは思ったが、フェン王国でも上位に入る強者達が連戦連敗していると言う。
「よし、暁の傭兵団に会ってみるか」
「なんというか……、改めて身が引き締まるな」
「そうですね、高雄」
この国に訪れてから、高雄達はフェン王国の雰囲気に驚いていた。
国中が厳しく、厳格な雰囲気が漂っている。武士の治める国……、高雄達のフェン王国へのイメージだった。
ただ、生活レベルは低い、国民は貧しい。だが精神レベルは高く、誰もが礼儀正しい。
古城がこの国を訪れれば、日本が忘れた真の武士道のようなモノを持っている国と感じただろう。
「しかし、国王に呼ばれるとは」
「やはり、流石にやり過ぎたのでは?」
「むぅ」
高雄と瑞鶴が囁きあっていると。
「剣王が入られます」
声があがる。外務省職員は立ち上がって礼をする。
「そなた達が、暁の傭兵団の……者か?」
剣王は高雄達を見て、動揺しかけたが、直ぐに気を取り直した。
高雄と瑞鶴は剣王が、達人の域を大きく超えていると感じた。
「はい、暁の傭兵団、重桜か、んんっ、第三部隊指揮官瑞鶴です」
「補佐の高雄です」
「ほぉ、その若さで部隊指揮官か」
「はい、ありがたくも」
「ふむ、私は暁の傭兵団という傭兵は今まで聞いたこと後ない。どのような傭兵で、どれだけの武功があるのか教えてもらえないか?」
剣王の言葉に、瑞鶴は暁の大陸での会議を思い出した。
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「パーパルディア皇国とは、間違いなく争いになることが分かりました」
「どういうことかしら? 大淀」
赤城(アズレン)の質問に、長門(艦これ)が答える。
「旧ロウリア王国の国王を捕らえて、尋問した時にパーパルディア皇国のことも質問したのだが、どうやらロデニウス沖海戦時に、パーパルディア皇国の観戦武官が、乗っていたらしい」
「あら、困ったことになったわね」
プリンツ・オイゲン(アズレン)が、全然困ってない表情で言う。
「それで、指揮官様は何と?」
イラストリアス(アズレン)が大淀に問いかける。
「パーパルディア皇国の気質を考え、クワ・トイネ公国に難癖付けられられる前に、ロデニウス海戦沖のことを噂に流します。矛先をこちらにしっかりと向けます。そして、パーパルディア皇国と戦争になりそうな国へ向かい、雇われます」
「都合よく、そんな国があるのか? 聞く限り、パーパルディア皇国は列強に入っている国だろう。逆らう国があるのか?」
加賀(アズレン)の疑問に、長門(アズレン)が答える。
「だからこそ、逆らう国はあるさ、パーパルディア皇国は横暴すぎる。探せば一国くらいは出てくる」
「今から名前を呼ばれた方は、お渡しするマニュアルを参考に行動してください。情報は少ないので向かう国では、報連相と柔軟に対応してください」
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「ふははははは、巨人に空飛ぶ少女か。更に4400隻の大艦隊を全滅させたと」
「はい、嘘はもうしておりません」
瑞鶴の言葉に、剣王は笑った。流石に盛りすぎだと。
だが、予想された反応だ。
故に高雄は、剣王に提案した。
「我々が保有する戦闘艦を見ていただきたい」
「ほぉ、傭兵が我が国に見せ付けるだけの船を持つと」
「はい、見ていただければ分かります」
「面白い、ならばその船を持ってくるが良い。今年我が国の水軍船から廃船が4隻出る。それを敵に見立てて攻撃し、力を見せてみろ」
「はっ、分かりました」
こうして、フェン王国の首都アマノキの沖に、追加の駆逐艦が派遣されることになった。