謎の世界で生き残るために傭兵団作った   作:全力執奏

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契約

 

「さて、このような場所で申し訳ないが」

「いえ、問題ありません」

 

場所を移動して、瑞鶴と高雄、伊400の三人は、フェン王国の国王達と今後について、話し合いを行うことにした。

 

「まず、フェン王国にはこちらを御覧いただきたい」

 

事前に用意していた、暁の傭兵団の料金表を伊400がフェン王国側に手渡す。

 

「これは……」

「まず、最初は仕事に合わせた料金プランです。小規模なモノは、個人の護衛や村の護衛などですね。そこから徐々に規模が大きくなります」

「ふむ、ん? このMS。もびるーつとは?」

 

剣王の問いに高雄が答えた。

 

「高さは約18メートルほどの鉄で出来た人形のような兵器です。人間以上の動きで、陸上と水中どちらでも戦えます」

「…………」

 

剣王と家臣達は、高雄が何を言ってるのか、全く理解出来なかった。

 

「う、うむ、出来れば、ここに乗っている兵器は是非見てみたいな」

「ええ、構いません。しかし、ここへ持ってくるには少し時間が掛かりますね」

 

瑞鶴の言葉には裏はなかった。

だが、フェン王国の剣王と家臣達は、タダでは見せない。と言う意味にとった。

 

剣王と家臣達が、小声で相談する。

 

「ふむ、では、先にあの4隻を雇おうか」

「え、あの、料金的に高くなりますよ? 駆逐艦も高いですか、重巡洋艦は」

「構わぬ、パーパルディア皇国に負ければ全てを失う。ならば、暁の傭兵団に支払った方が国としては正しい使い方だ」

「は、はぁ」

「では、雇用期間などの書類を」

「それは、時間がかかるか?」

「多少、お時間をいただきます」

「ふむ、払えるだけの料金を今支払う。先にあの4隻を動かしてもらえないか?」

 

剣王の言葉に、瑞鶴と愛宕が驚く。

 

「え?」

「剣王、それはどういう意味でしょうか?」

「先ほどの城と暁の傭兵団を襲ったワイバーンロードは、パーパルディア皇国の監査軍と言って」

 

説明を聞いた瑞鶴が質問をする。

 

「つまり、艦隊が近づいていると?」

「うむ、我が国の水軍が戦っている筈だ。援軍に」

「その必要はありません」

 

言葉を遮ったのは、伊400だった。

 

「なに?」

「400?」

「400殿、どういうことか?」

「はい、アドミラルの命令です。パーパルディア皇国と戦う場合、此方の情報を持ち帰らせるな。現在、マヤがパーパルディア皇国の艦隊と戦闘中です」

「馬鹿な、何故そんなことが分かる!」

 

驚く剣王と家臣達。

 

「剣王、驚かせて申し訳ない。彼女は超遠距離通信魔法の使い手なのです」

「嘘ではありません。フェン王国の水軍が帰還したら話を聞いて見てください。別行動をしていた仲間の船がパーパルディア皇国の艦隊と戦ったと証言してもらえる筈です」

 

瑞鶴と高雄の補足説明に落ち着く剣王。

 

「いや、大きな声を上げてすまなかった。我が水軍への増援は問題ないのだな?」

「はい」

「分かった。では、そうだな。パーパルディア皇国と身を守るために、この防衛プランにしようか」

 

暁の傭兵の強さは知っている。

水軍にも被害は出たのだろう。だが、パーパルディア皇国の艦隊は全滅しているはずだ。

 

まずは、暁の傭兵団のことを知ろう。

剣王は、瑞鶴と高雄に色々と質問をし、伊400が補足説明をした。

 

瑞鶴と高雄は内心「商人じゃないのに!!」とか「営業スマイルが辛い!!」と、半泣き状態だった。

 

こうして、契約が結ばれると、直ぐに明石と不知火がやって来て、フェン王国に様々な物を売りつけ、買い付け、フェン王国は豊かになり始めるが、フェン王国上層部は、暁の傭兵団への支払いについて悩むことになった。

 

 

 

▼△▼△▼△

 

 

フェン王国 水軍

 

 

 

フェン王国、王宮直轄水軍13隻はパーパルディア皇国との戦争の可能性があったことから王国西側約150km付近を警戒していた。

 

警戒にあたる水軍は、フェン王国の中では精鋭をそろえており、比較的経験の浅い者は、今回警戒の任にはつかず、軍祭に参加している。

 

水軍は木製の船に、効率の悪そうな帆を張り、進む。

 

機動戦闘が必要な場合は、船から突き出たオールで全力で漕ぐ。

 

船には、火矢を防ぐための木製盾が等間隔に整然と置かれ、敵船体を傷つけるためのバリスタが横方向へ向かい、3機づつ設置されていた。

 

13隻の水軍を束ねる旗艦は、他の船に比べひとまわり大きく、船首には1門だけ大砲が設置されている。

 

水軍長 クシラ は西方向の水平線を睨んでいた。

 

「軍長、パーパルディア皇国は来ますかね・・・。」

 

「先ほどワイバーンロードが我が国に向かい飛んでいった。必ず来る!」

 

「……勝てますか?」

 

「ふ、列強国相手とはいえ、タダではやられんよ。うちはかなりの精鋭揃いだからな。それに……」

 

軍長は艦首にある大砲を見る。

 

「あれを見よ!文明圏でのみ使用されていると言われる魔道兵器だ!球形の鉄の弾を1km近くも飛ばして、船にぶつけ、その運動エネルギーをもって破壊する。これほどの兵器を船に積んだんだ!」

 

軍長は艦長に話す。

 

部下の前で不安は口に出来ない。しかし、軍長は知っていた。列強には、砲艦と呼ばれる船ごと破壊出来る超兵器が存在することを。

 

おそらく砲艦は、このフェン王国最強の船、旗艦剣神のように、文明圏に存在する大砲と呼ばれる魔道兵器を船に積んだものだろう。

 

しかも、その最強クラスの船が、列強では普通に存在するのだろう。

 

水軍長クシラの頭の中は、来るべき列強パーパルディア皇国との戦闘に備え、フル回転を始める。

 

(どうすれば・・・勝てる?)

 

「艦影確認!!!!艦数22!!!」

 

マストの上で見張りをしていた見張り員が大声で報告する。

 

ついに、来たか! 水平線に艦影が見える。

 

望遠鏡と通して見えるその艦は、フェン王国王宮直轄水軍の船に比べ、遥かに大きく、先進的である。

 

デザインと機能性を兼ね備えたマストに風の魔法で吹き付けられる風を受け、フェン王国式船より速い速度で船は進む。

 

水平線から徐々に大きくなっていく敵艦隊は、フェン王国水軍長クシラの目を持ってしても優雅であり、美しく、力強い。

 

各艦の乱れない動きから、錬度の高さが伺える。

 

「総員、戦闘配備!!!!」

 

船員が慌しく動きまわる。

 

「……思ったより接近が早い」

 

彼の想定する船速よりも速く艦隊は近づいてくる。

 

「くっっっ……初弾だ!最初に一番威力のある攻撃を行ない、その後魔導砲を放ちながら最大船速で敵に突っ込むぞ!!!!」

 

「各自、戦の準備を!!!旗艦剣神を最前列とし、縦1列で敵に突っ込むぞ!!!」

 

……頼むぞ!

 

水軍長クシラは旗艦剣神の船首に1門だけ設置された魔導砲に願いを込めた。

 

▼△▼△

 

 

「艦影確認、あの旗は……フェン王国水軍です」

 

パーパルディア皇国 皇国監査軍東洋艦隊の提督、ポクトアールは報告を受ける。

 

 

 

「フェン王国か、ワイバーンロード部隊の通信が途絶している。新兵器を持っているのかもしれないな」

 

ポクトアールは声を張り上げる。

 

「相手を蛮族と侮ってはいかん!列強艦隊を相手にする意気込みで、全力で叩き潰すぞ!!」

 

艦隊は速力を上げ、フェン王国水軍へ向かって行った。

 

▼△▼△▼△

 

 

フェン王国水軍

 

 

「間もなく敵との距離が2kmに接近します」

 

報告があがる。

 

「あと1kmで敵の砲艦の射程に入るか・・・。」

 

 

水軍長クシラの額に汗が滲む。

 

「最大船速!!!オールを漕げ!!!」

 

 

各船からオールが突き出る。

 

太鼓のリズムに合わせ、一定のリズムでオールが漕がれ始める。

 

フェン王国水軍13隻は、速度を上げ、進む。

 

!!!!!!

 

「敵船が旋回しました!」

 

敵の艦隊が一斉に横を向く。

 

「何をする気だ!?」

 

水軍長クシラは、敵船の動きの理解に苦しむ。

 

 

 

 パパパパパパッ……敵船が多数の煙に包まれる。

 

 ドドドドドドーン……少し遅れて炸裂音が海上に鳴り響く。

 

 

 

「ま、まさか!!!魔導砲!?」

 

 

 

 そんな馬鹿な!文明圏で使用されている魔導砲は、射程距離が1km、現在の敵との距離は2km、まだ倍もの距離がある。

 

しかも、こちらは艦首に1門だけ魔導砲を設置しているが、敵は・・・1艦あたりに比較にならないほどの数の魔導砲がある。

 

シュボンシュボンシュボンシュボン……

 

砲撃の落ちた場所に水柱があがり始める。

 

く……当たるなよ!!

 

水軍長クシラは神に祈る。

 

ドーーン……シュバーーーーーン!!!!!

 

旗艦剣神の後方を航行していた船に、敵の魔導砲が着弾する。

 

砲弾は炸裂し、船上に設置してある火矢を放つための油壺をなぎ倒し、撒き散らされた油に引火、船は爆発炎上を初める。

 

フェン王国の精鋭部隊が、鍛え抜かれた肉体、練習に練習を重ね、地獄のような訓練の後に得られた剣術が発揮される事無く船上で焼かれ、転げまわる船員

 

「なんということだ!!!」

 

このまま、ではまずい。

 

水軍長クシラが叫んだ瞬間だった!

 

 

 

――ざぁっぱぁっっっっ!!!

 

 

突然のフェン王国水軍とパーパルディア皇国 皇国監査軍東洋艦隊の間の海面が爆発して巨大な何か現れた。

 

 

「な、なんだあぁっ!!??」

 

大量の水飛沫、更に突然の発生した高波で水軍長クシラと船員が転げ回る。

 

しかし、水軍長クシラは何とか体勢を立て直して、現れたと謎の物体を見て、叫んだ。

 

「ふ、船だと!?」

 

それは、恐ろしいほどに巨大な船だった。

今、自分達が戦ってパーパルディア皇国 皇国監査軍東洋艦隊以上の巨体、更にパーパルディア皇国 皇国監査軍東洋艦隊の砲撃は、見えない壁で全て、無効化をしていた。

 

「「「「……………………」」」」

 

唖然とするフェン王国水軍の船員達。

 

さして、水軍長クシラは船の艦首に人が立っていることに気づいた。

 

「女の子……?!」

 

そこ居たのは、美しい少女だった。

 

「カーニバルッ! だよっ!!」

 

少女が愛らしい声で叫んだ。

 

 

 

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