謎の世界で生き残るために傭兵団作った   作:全力執奏

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噂話と情報分析

神聖ミリシアル帝国

 

港町 カルトアルパス とある酒場

 

 

 

中央世界にある誰もが認める世界最強の国、神聖ミリシアル帝国。

 

交易の流通拠点となっている町、港町 カルトアルパス ここは、各国の商人たちが集う町であり、商人たちの生の声は、各国の事情を現す生の声として、情報源としても、非常に価値があるため、商人の姿に紛れ、各国のスパイたちの集まる町でもある。

 

神聖ミリシアル帝国は、文明圏の中で、魔導技術が特に優れており、光魔法を使った街灯等、町並みにも高い魔導技術が見受けられる。

 

とある酒場では、今日も酔っ払った商人たちが、自分たちの情報を交換していた。

 

ビア樽のような体をして白い髭を生やした男が豪快に話し始める。

 

「しかし、最近の衝撃的なニュースは、やはり第2文明圏の列強レイフォルが、新興国の第八帝国とやらに敗れたニュースだよな。誰か、第八帝国について知っている者いないか?」

 

ローブをかぶった男が話し始める。

 

 

「第八帝国は通称であり、本当はグラ・バルカス帝国というらしいな。

 

俺は、レイフォルの首都、レイフォリアで香辛料の商売をしていたが、あの恐ろしい日は今でも忘れない。

 

ある日、突然首都近辺の警備が厳しくなって、いつもはちょっとしか配置されていない首都防衛用の魔導砲が設置された台場に、大量の人員と、予備の魔導砲までたったの数時間で設置された。

 

さらに、首都近辺にある竜騎士の基地に大量のワイバーンロードが全国から飛来してきたよ。

 

何が起こるのかと、商人たちでも噂になったよ。

 

兵隊に聞いても、「今は話せない」の一転張り、第八帝国が責めてくるのでは?といった声もあったが、皆列強レイフォルの勝利は疑っていなかったし、不安になる者もいなかった。

 

そして、それは変化のあった翌日の夕方やってきた。

 

昼頃から、ワイバーンロードが何度も編隊を組んで海の方へ飛び立っていったが……

 

帰っては来なかった。今思えばこの時点でおかしいと気がつくべきだった。

 

デカイ戦艦だったよ。小山のような戦艦、そして陸地からでもはっきりと見えるほどの、とてつもなくデカイ砲を積んでいた。

 

あんなデカイ船は、生まれて初めて見たよ。

 

戦艦は、レイフォリアの沖合6kmくらいに停船した。台場の魔導砲の完全な射程圏外だ。

 

そして、それは砲撃を放った。

 

一隻の砲撃など、たかが知れていると思ったが、その威力は火神でも作り出せないのでは無いかと思うほどの威力があった。

 

台場の魔導砲は一発で消滅した。

 

レイフォリアに対する無差別砲撃は、それはそれは怖かった。

 

逃げて逃げて逃げたよ。やつらは、とてつもなく強い。たった一隻で、列強の首都を消滅させたのだ!!列強ムーもあれには負けるぞ。世界はグラ・バルカス帝国に支配されると思う」

 

 

「まてまて、レイフォルに勝つとは確かに強いが、魔導超文明を持つ神聖ミリシアル帝国に勝てる訳が無いだろう。格が違いすぎる。」

 

 

「機械文明のムーも、ミリシアル帝国に順ずる強さがあるからなぁ。ムーにも勝てないだろう。なんだかんだ言っても、文明圏外の蛮国にムーは負けんよ」

 

「その蛮国にレイフォルは負けたんだよ」

 

「レイフォルなんて、列強といっても、言っちゃ悪いが、最弱の列強だろう?

 

一般国に比べれば遥かに強いが、他の列強にくらべると、実力は遥かに弱い」

 

「お前らはグラ・バルカス帝国の恐ろしさを知らないから、そんなことが言えるんだ」

 

酔っ払いどもの話は続く。

 

「そういえば、ロウリア王国ってあっただろ?」

 

「東の蛮国か?あの、人口だけは超列強な国だろう?」

 

「ああ、俺が交易にいった時期に、隣のクワ・トイネ公国に喧嘩を売ったんだよ。亜人の殲滅を訴えてな」

 

「亜人の殲滅?無理に決まってるだろう。さすが蛮族の国!」

 

「で、暁の傭兵団ってのがクワ・トイネ公国に雇われていたおかげで、ロウリア王国は負けたよ。暁の傭兵団は圧倒的に強かったぜ。ロウリア王国は暁の傭兵団を1人も倒すことが出来なかった。4400隻の大艦隊も、陸は鉄の巨人、海は8隻船によって全滅させられた。奴等は世界に名を轟かせる国になるぞ!」

 

「鉄の巨人って、なんだよ! それもたった8隻に4400隻が全滅とか、どう考えても情報操作だろう。ありえなさすぎる」

 

「ロウリア王国が負けた?列強や、文明圏なら理解できるが、文明圏外の蛮族に!?信じられんな。」

 

「まあ、グラ・バルカス帝国がいくら強くても、神聖ミリシアル帝国とは、格が違うさ。絶対に勝てないよ。結局、中央世界はいつまでたっても安泰さ!古の魔帝が復活でもしない限りな」

 

酔っ払いどもの楽しい夜は更けてった。

 

 

▼△▼△▼△

 

 

第2文明圏最強の国 列強国 ムー 統括軍所属 情報通信部 情報分析課

 

 

ここは、国の諜報機関であり、情報を分析する部署である。

 

様々な国の情報が集まり、分析する。

 

軍人からは、

 

・何をやっているのか解らない部署

 

・無意味な事をしている部署

 

として、忌み嫌われていおり、情報技術に対する理解は乏しい。

 

情報分析官であり、技術士官のマイラスはレイフォリア襲撃の際に魔写された、グラ・バルカス帝国の超弩級戦艦グレードアトラスターの写真を分析して、冷や汗をかいていた。

 

「まずいな……」

 

ムー帝国は世界で主流の魔導文明の中、科学に有用性を見出し、機械や科学に力を入れている。

 

なので、私のような技術仕官が存在するが……、グラ・バルカス帝国は不幸な事に、我が国よりも科学文明が進んでいるかもしれない。

 

軍人や政治家は頭が固いから信じないだろうし、臆病風に吹かれたとか言われるのだろうなぁ。分析も報告も胃が痛いなぁ。

 

我が国の最新式の戦艦 ラ・カサミ これは、戦列艦に搭載する砲の大きさの限界を突破するため、回転砲塔といった最新式の機構を採用した。

 

これにより、30.5cmといった超巨大砲を搭載するに至り、いままでの戦列艦とは比べ物にならないほどの砲撃力を身につけた。

 

砲身も従来の戦列艦に搭載する砲よりも遥かに長くなり、命中率が劇的に向上した。

 

風神の涙による帆船方式も廃止し、重油を燃やして動力を得る。

 

○排水量15140トン

 

○全長131.7m

 

○全幅23.2m

 

○機関15000馬力

 

○最大速力18ノット

 

 兵装 主砲30.5センチ連装砲2基4門 

 

    副砲15.2センチ単装砲14門 他

 

このスペックは、中央世界の神聖ミリシアル帝国の魔導船とも渡り合える可能性を秘めている装備である。

 

レイフォルや、パーパルディア皇国の帆船に圧勝するのは言うまでもない。機械文明最先進国ムーは、彼らの国とは別格であり、神聖ミリシアル帝国に迫る可能性を持った国である。

 

しかし……。と、マイラスは頭を掻き毟る。

 

グラ・バルカス帝国の超弩級戦艦グレードアトラスターは、情報によれば、30ノットくらい速度が出ていたらしい。

 

あの大きさだと、おそらく排水量は7万トンくらいあり、砲も38センチか、もしかしたら40センチくらいあるのではなかろうか?

 

そんなデカイ船を、30ノットもの高速で移動させるなど、いったいどれほどの出力が必要になるのか・・・。概算で、7万馬力くらい必要なのではないか?

 

しかも砲数も格段に多い。

 

砲撃の威力は、口径の3乗に比例する。

 

この戦艦と、ムーの最新鋭戦艦ラ・カサミが打ち合えば、ほぼ確実に負ける。奇跡でも起きない限り、叩き潰される。

 

このような、高度な艦は、もしかしたら、砲撃精度も我が方よりも上の可能性がある。

 

「写真を見ただけで負ける事が解るとは。これは、技術レベルが50年くらい開いていないか!?」

 

技術士官マイラスは、ムーの行く末を案じていた。

 

 

そして、ムーとは離れているため、直接影響は無いであろう国の艦の写真が数枚ある。

 

東の文明圏外国家 ロウリア王国と、クワ・トイネ公国の戦争、誰もがロウリア王国の圧勝と分析していたが、それを覆した鉄の巨人ことMSとDOLLSという種族らしい。

 

 

魔写した者の情報によれば、これは暁の傭兵団の兵器と団員らしいが。

 

「全く解らん! 何だこれは!!」

 

海面から、腕を振り上げている一つ目の巨人、この巨人は両手から強力な魔導砲を撃つらしい。

 

「ここに書かれていることが、本当なら、どうやってこの巨体を動かしてるんだ!? 何で水の中で動ける!? それにこれ」

 

距離があるため、1人1人は、小さく写って、かなり分かりづらいが、空を埋め尽くす空飛ぶ少女、DOLLS。

 

彼女達は、機械の翼を装着している。

 

「ワイバーンよりずっと、速く飛ぶらしいが、どういう仕組みだ!? 分からん!! どうやったら、人が装着するサイズの道具で空を飛ぶことが出来るんだ!?」

 

残念ながら、連続撮影の故障で撮影は出来なかったが、どうやら飛行機械も保有しているらしい。本当か分からないが、単葉機だと言う。

 

 

暁の傭兵団の船は、残念ながら姿が見えず、艦載機のことを考えると、恐らく八隻は空母とその護衛艦と思われるが。

 

更に未確認だが、白い巨人と緑の巨人、鉄竜もいたらしい。

 

 

「どう考えても、傭兵団が持つ戦力じゃないだろっ!!」

 

思わず、机を叩くマイラス。

 

「…………もしかして、この傭兵団。グラ・バルカス帝国が作った組織か?」

 

呟いて、違うな。とマイラスは溜め息をつく。

わざわざ、そんなことをする必要はない。

グラ・バルカス帝国は強い。

 

 

駄目だ、少し、休もう。

 

 

しばらくして、フェン王国の軍祭で、愛宕達の魔写を見て再び頭を悩ませることになった。

 

 

 

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