謎の世界で生き残るために傭兵団作った   作:全力執奏

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出会い

アルタラス王国 王都ル・ブリアス

 

フィルアデス大陸の西側に位置する文明圏から少し外れた王国、アルタラス。人口1500万人を抱え、文明圏外の国としては、国力も人口も大国である。

 

温暖な気候であり、王都にある建設物は円を基調としており、建物が全般的に丸い。

 

魔石鉱山のあるこの国は、資源輸出国であり、国は富み、人口50万人を抱える王都ル・ブリアスは人々の活気にあふれている。

 

その人々の活気とは裏腹に、王城において頭をかかえる人物が1人。

 

国王ターラ14世は苦渋に満ちた表情をしていた。

 

 

 

「これは……正気か?」

 

目を通す外交文章には、とんでもない事が書かれている。

 

パーパルディア皇国からの要請文、毎年皇国から送られてくる要請文であるが、「要請」とは名ばかりであり、事実は命令書である。

 

何度も目を通す。

 

「ありえないな……」

 

パーパルディア皇国は前皇帝が崩御した後、現皇帝ルディアスが即位した。

 

皇帝ルディアスは国土の拡大、国力増強を掲げ、各国に領土の献上を迫っていると聞く。しかし、そこは無難な場所であったり、双方に利がある場合が多い。

 

しかし、今回はどうだ!!我が国に全く利が無いではないか。

 

 

 

○アルタラス王国は魔石鉱山シルウトラスをパーパルディア皇国に献上すること。

 

○アルタラス王国王女ルミエスを奴隷としてパーパルディア皇国へ差し出すこと。

 

 

 

以上2点を2週間以内に実行することを要請する。

 

そして、最後に記載された一文

 

「出来れば武力を使用したくないものだ」

 

魔石鉱山シルウトラスはアルタラス王国最大の魔石鉱山であり、国の経済を支える中核であり、世界でも5本の指に入るほどの大鉱山である。

 

これを失うと、アルタラス王国の国力は大きく落ちる。

 

さらに、王女の奴隷化。これはパーパルディア皇国に全く利の無いものであり、明らかにアルタラス王国を怒らせるためだけにある。

 

初めから戦争に持ち込もうとしているようにしか見えない。

 

しかし何故だ!!今まで屈辱的とも言えるパーパルディア皇国からの要請を飲んでいたのに、いきなり手の平をかえしてきたかのようなこの要求。全く持って不明である。

 

国王は、王都ル・ブリアスにあるパーパルディア皇国第3外務局アルタラス出張所に出向き、事の真相を確かめる事とした。

 

パーパルディア皇国第3外務局アルタラス出張所

 

 

 

「待っていたぞ、アルタラス国王!」

 

 

パーパルディア皇国第3外務局アルタラス担当大使ブリガスは椅子に座り、足を組んだまま1国の王を呼びつける。

 

王は立ったままであり、大使の他に椅子は無い。

 

 

 

(なんと無礼な……)

 

 

国王ターラ14世は話を始める。

 

 

 

「あの文章の真意を伺いに参りました」

 

 

「その内容のとおりだが?」

 

 

「魔石鉱山シルウトラスは我が国最大の鉱山です」

 

 

「それが何か?他に鉱山はあるだろう。それとも何か?え?皇帝ルディアス様の意思に逆らうというのか?」

 

 

「とんでもございません。逆らうなど……しかし、これは何とかなりませんか?」

 

「ならん!!!!」

 

「では、我が娘、王女の事ですが、何故このような事を?」

 

「ああ、あれか。王女ルミエスはなかなかの上玉だろう?俺が味見をするためだ」

 

「は?」

 

「俺が味を見てやろうというのだ。まあ飽きたら、淫所に売り払うがな」

 

「・・・・それも、ルディアス様の御意思なのですか?」

 

「ああ!!!なんだ!!!?その反抗的な態度は!皇国の大使である俺の意思は即ちルディアス様の御意思だろう!!蛮族風情が!誰に向かって話をしていると思っているのだ!」

 

ターラ14世は無言で後ろを向く。

 

 

「おい!話は終わってないぞ!!」

 

 

 無視して立ち去る。

 

 

「俺様を無視するなよ、蛮族の王様よ」

 

 

国王は立ち去った。

 

 

王城―――

 

 

 

「あの馬鹿国の馬鹿大使をパーパルディア皇国へ送り返せ!!要請文も断る、国交を断ずるとはっきり書くと共に、パーパルディア皇国の我が国での資産を凍結しろ!」

 

国王は吼える。

 

 

「軍を召集し、王都の守りを固めろ!予備役も全員招集だ!!監査軍が来るぞ!!パーパルディア皇国に我が国の誇りを」

 

国王がそこまで、言いかけた時だった。

 

遠くからゴーッ、と爆音が聞こえてきた。

 

「何の音だ……?」

 

臣下も首を傾げ、

 

 

ドゴーン!!!!! と爆発のような音と共に城が揺れた!!

 

 

「な、何事だ!?」

 

地面が揺れたことで、同様する国王達。

 

「え、衛兵!!」

「は、ははっ」

 

国王は直ぐに、衛兵に調べるように命じる。

 

まさか、もうパーパルディア皇国軍が来たのか?

 

と、考えていたのだが、

 

「ほ、報告します!!」

「うむ」

「先程の音と揺れは、……銀色の鉄の巨人が誤って庭園に墜ちてしまったことで、起きたようです!!!」

「……巨人だと?」

「は、はい、現在、銀色の鉄の巨人に乗っていた暁の傭兵団の団長、暁古城と名乗る者が現れ、その場に居合わせたルミエス様が、対応なされてます」

「な、何!? 何故、下がらせぬ!! どのような危険があるか分からぬのだぞ!!!」

「も、申しわけ」

「もうよい! その巨人とやらを見に行く」

「へ、陛下! 危険でございます!!」

 

暁の傭兵団、噂には聞いていた鉄の巨人。

 

旧ロウリア王国軍を壊滅させた精鋭部隊。

 

事実ならば、巨人の力によっては、娘とこの国を守れる!!!

 

王はチャンスとばかりに、急いで巨人の元へ向かった。

 

 

▼△▼△▼△

 

 

な、なんと、巨大な。

 

庭園に向かうために外に出た国王達は、銀色の巨大が両膝をついた状態で座っていた。

 

「おおっ」

「なんと言う大きさだ!」

 

銀色の巨大よ大きさに、国王達は度肝を抜かれた。

 

自分達と庭園の距離は、かなりあるにも関わらず、銀色の巨大を大きいと感じる。

 

「ゆ、行くぞ!」

 

あのような、巨人の元に娘が居ると思うと、心配心臓が止まりそうだ

 

そして、国王達は巨人の元へ急ぐ。

 

▼△▼△▼△

 

 

 

その日、私は日課の広い庭園の散歩をしていると、突然空の向こうからゴーッと言う重い音が聞こえてきました。

 

「何かしら?」

「ええ、なんの音でございましょうか?」

 

突然の音にわたくしや侍女達は不思議がり、護衛者達は警戒し始めました。

 

 

その音は段々と近づいていき。

私は何気なく、空を見上げ、

 

「っ!! 人? いえ、大きい!!!」

 

 

空から、巨人が空から降り――、

 

 

「墜ちてくるぞ!!」

 

 

ドゴーンッッッ!!!!!

 

 

私達から五百メートルほどの離れた庭園に、巨人は墜ちました。

 

音と衝撃、地面の揺れは凄いもので、ございますはなんとか立っていましたが、私と侍女は立っていられず、その場に倒れ込んでしまいました。

 

 

「あ、あれは?」

「お、王女殿下、お怪我は?!」

「え、ええ、大丈夫。けれど、あれは……、なんて巨大なの?!」

 

城塞のように巨大なの銀色の巨人は、ゆっくりと立ち上がり、周囲を見渡すと私達の方を見て、

 

『すまーん!!!』そこに居る人達! 怪我は無いか!?』

「え?!」

『あっちゃー、何か、庭園? 壊してしまった』

 

男の人の困った声が聞こえ。

 

『あ、兎も角そっちへ行く。謝らせてくれ』

「え? ええ?!」

 

 

巨人がゆっくりと両膝を着くと胸元が光り。

巨人は動かなくなったところ、巨人の方から、

 

「と、飛んでいる!?」

 

綺麗な白に近い髪の見たことのない、動きやすそうな服を着た男の人が、飛んで私達の所まで飛んできた。

 

「あー、貴女がここの責任者?」

 

 

ものすごく困ったという、表情をしている彼を見て、私は何故か心がざわついた。

 

 

▼△▼△▼△

 

「改めて、申し訳ありませんでした。破壊した庭園については、弁償しますので、それとこれは御詫びの品の一つとして、お納め下さい」

「は、はい」

 

俺は贈答用の高級苺が納められた木箱をアイテムボックスから取り出し、侍女さんに手渡すと、突然の木箱が現れたことに驚くルミエス王女。

 

いやぁ、サイバスターとサイバードの最高速度と加速力をなめてたわ。流石は地球を数週出来るスパロボでも最速候補の機体。

 

で、俺は高高度を自由に飛び回り空の散歩を楽しんでいたのだが。加速力と速度を見誤って、地表に激突した。

 

ま、墜落だな。

 

何とか、機体小破に納める速度まで減速したけど、危うく人を巻き込むところだった。

 

で、俺が墜落した近くに居た人達は、やたら豪華な服を着ているから、嫌な予感がしたけど。護衛が「この方を何方と心得る!」と怒り、一番偉い感じの女性がルミエスと名乗り侍女がこの国の王女だと補足した。

 

アルタラス王国の王都ル・ブリアスの王城の庭園が墜落地点だ。

 

やべぇ、と思っていると、護衛がルミエス王女を連れて逃げようとしてが、何故か護衛を待ちなさいと命令をして、ルミエス王女は俺に近づいてきた。

 

「あ、あの巨人は、貴方のですか?」

「え、あ、はい、ああっ、紹介が遅れました。私は暁の傭兵団の団長をしています。暁古城と申します。そして、あそこに両膝をついて座らせたのは、魔装機神サイバスターです」

 

俺がそう言うと、ルミエスは俺とサイバスターを見る。

 

「……あの銀色の巨人は、とても綺麗ね」

「は、ありがとうございます」

 

そして、ルミエス王女は、場所を移そうと言い出し、護衛と侍女が慌てる。すると、何事か護衛と侍女と話すと、俺は庭園の近くにある小さめの屋敷へ招かれた。

 

 

▼△▼△▼△

 

 

上の者が直ぐに来る。と言うので、俺は庭園の修理費と御詫び、暁の傭兵団の売込みをどうしようか考えながら、ルミエス王女の質問に答えた。

 

暁の傭兵と暁の大陸。

 

ロデニウス大陸での戦いなどもざっくりと教えていると。

 

「国王陛下が参られました」

 

その言葉で、俺は気を引き締める。

 

入り口のドアが開かれ、国王と重臣達が入ってくる。

 

そして、自己紹介をし合い。

 

 

 

 

「以上がサイバスターの墜落原因です。改めてアルタラス王国の皆様にはご迷惑をお掛けしました」

 

俺はオブラートに包んで、サイバスターが墜落して、庭園の一部を破壊を謝罪した。

 

「ふむ、謝罪を受け取ろう。今回は不慮の事故であるようだ。破壊した庭園の修繕費の見積もりは、数日掛かるだろう」

 

数日? と首を傾げるが、庭園は石像みたいな物もあった。どこに何が配置され、どれがサイバスターの下敷きになったのか、確認する為には多少時間が掛かるか。

 

幸い、落ちる前に確認したが、落下地点に生命反応は無かった。

 

王国側でも怪我人などが居ないか、確認したようだ。

庭師は仕事を終えていたし。あの庭園は許可が無いと誰も入れないよう、普段は門と警備も居たらしい。

 

「分かりました。宿を探し、待ちましょう」

「いや、それには及ばぬ」

 

その言葉に、俺だけではなく、重臣も驚く。

 

「それは?」

「暁殿は傭兵団の団長だったな」

「ええ、そうですが?」

「仕事を頼みたい」

 

驚く重臣。まあ、サイバスターを見たんだ。驚くだろうけど、未知の物を即座に雇うと決めた国王は凄いな。

 

「仕事内容にもよります。なんの理由もない。戦争に参加するのはお断りしますよ? 例えば隣国の王妃が美人だから奪いたいとか、隣国の金山がほしいとか」

「「「「「………………」」」」」

 

俺の言葉に国王と重臣は黙りこんだ。

え、何? ルミエス王女も国王達の反応に戸惑っている?

そして、数秒。国王は、俺に告げた。

 

 

「実はな……」

 

 

国王の話を聞き終えた後、ルミエス王女と侍女、護衛達は信じられないという表情をしていた。

 

「話は分かりました」

 

国王の話を聞いて、俺はアイテムボックスから、暁の傭兵団のパンフレットを取り出した。

 

「美しい庭園を破壊しましたし、今回は二割引で仕事を引き受けましょう!」

 

 

パーパルディア皇国の外交官と皇帝の馬鹿さ加減に、俺も頭にきた。

 

流石に国家として問題があると思うぞ? パーパルディア皇国!!

 

▼△▼△▼△

 

 

「美しい庭園を破壊しましたし、今回は二割引で仕事を引き受けましょう!」

 

古城の滲み出る圧力に、国王ターラ14世は冷や汗をかいた。

 

第一印象は穏やかで、腰の低く、礼儀正しい青年だった。

 

本当に傭兵団の団長なのかと、疑ったほどだ。

 

だが、パーパルディア皇国からの要請を教えたところで、古城の雰囲気がガラリと変わり、獰猛な笑みを浮かべる古城に若干引いてもいる。

 

だが、渡されたパンフレットを見て、国王は信じられないと何度もパンフレットの中身を確認。

 

タブレットを古城が取り出し、映像付きで兵器の説明をした。

 

「ありがとう! これで、我が国は救われる!」

「では、直ぐに部下を呼びます」

 

古城は、この後部室に案内され。

隙を見て、どこでもドアで、ユキカゼと大淀と会い、事情を説明。大淀にしこたま怒られた後、援軍として、アルタラス王国に、霧の生徒会メンバーにDOLLSとMSパイロットを乗せた艦隊が高速で移動を開始した。

 

「パーパルディア皇国の艦隊は魔導による強化がされてると……。ユキカゼ、敵の装甲は?」

「監察軍は我々の攻撃で撃破可能です。ただ、アドミラルの魔法のように、非常識な物があるかも知れません。可能性として、敵の正規軍の艦隊の装甲版は我々の想像を越えた性能があるかもしれません。ですが、今回は生徒会メンバーです。万が一敵の主力艦隊の装甲が我々の想像を上回っていた場合は、超重力砲を試してみるべきかと」

 

 

確かに、この世界の魔法は未知のものだ。どんなものがあるか分からない。念には念を入れた方がいいな。

 

「ユキカゼさんの意見はやりすぎだと思いますが、警戒は必要かと」

「分かった。こっちは派遣されてくる霧の生徒会とDOLLS、MSでどうにかしよう」

「ズイカクはフェン王国に派遣。アカギは暁の大陸ほ発電所の建設で動けない」

「どこでもドアの移動は怪しまれるので、DOLLSとホムンクルス達は、生徒会に乗せてもらえれば、高速で移動は可能です」

「分かった。それと飛龍(艦これ)と蒼龍(艦これ)、ユニコーンとレンジャーの4人、アルタラス王国の沖合いで4人は艦船形態に」

「分かりました」

 

 

後日、沖合いに現れた霧の生徒会の艦隊と4隻の空母を見て、アルタラス王国の国王ターラ14世は「勝った! 勝ったぞ!!」と叫んだ。

 

 

 

 

 

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