謎の世界で生き残るために傭兵団作った 作:全力執奏
アルタラス王国の王城の会議室。
出席者は、最近フレンドリーに接してくれる国王。アルタラス王国の宰相、軍関係者。
暁の傭兵団からは、俺と蒼龍だ。
「以上のことから、アルタラス王国軍のみで戦った場合長くても5日で敗北します」
現在、分かっているパーパルディア皇国の兵器の性能をアルタラス王国側に伝え、今回の戦いは暁の傭兵団が前衛。
アルタラス王国軍は、暁の傭兵団が敗北した時の王族と国民を逃がすための時間を稼ぎをしてもらうことを提案した。
ま、当然、反発が出たが。DOLLSの零戦とF4Fにお願いして、パーパルディア皇国のワイバーンロードと同じ速度で、ワイバーン部隊と模擬戦をしてもらった。
模擬戦は散々な結果に終わった。
更にアルタラス王国の艦隊、こちらの艦隊の船足が違いすぎるため、ターラ14世は俺達が単独で行動する許可をくれた。
まあ、傭兵団だから、連携は出来るとは思わないし。自由に戦えた方が楽だ。
そして、数日。ついにパーパルディア皇国の艦隊が現れた。
「アドミラル、来ました!」
ナチの言葉に、俺は暁の傭兵団に指示を出す。
「ナチ、ヒエイ達は手筈通りに?」
「はい、海中に潜み、敵に気づかれた様子はないとのこと」
「わかった。DOLLS航空部隊に出撃要請、空母4隻も艦載機の出撃準備を」
直ぐにDOLLS、配備されている零戦とF4F全機が4隻の空母から飛び立ち。パーパルディア皇国の艦隊へ向かった。
フェン王国で、パーパルディア皇国のワイバーンロードと戦い、撃墜出来たのは朗報だった。
問題はパーパルディア皇国の艦隊の攻撃と防御力だが。
「監察軍は旧式の装備、正規軍がどれだけの攻撃力と防御力を持っているのか」
懸念材料はそれだけだ。
ファンタジーだから、オリハルコン製で、アホみたいに固くて、魔法で更に強化されてる。とかだったら、どうしよう。
だが、戦いの結果を聞いて、俺はほっとした。
▼△▼△▼△
アルタラス王国北東方向約500km沖合い 洋上
晴れた空、暖かく、南国を思わせる積乱雲が広がり、風はほとんど無い。海は凪であり、海鳥たちは海に浮かび、のんびりと浮かんでいる。
そんな平和な海を、多数の船が白い航跡を引き、南西方向に向かっている。
その数324隻。
パーパルディア皇国 皇軍
100門級戦列艦を含む砲艦211隻、竜母12隻、地竜、馬、陸軍を運ぶ揚陸艦101隻。
中央世界を基準とすると、東側に位置する第3文明圏において、他の追従を許さないほどの圧倒的戦力。
皇軍はアルタラス王国を滅するため、南西方向へ向かっていた。
将軍シウスはじっと海を眺めていた。戦略家であり、冷血、無慈悲な将軍、それが部下たちのシウスに対する評価だった。
だが、優秀な人物でも、兵器の性能の差はどうしようもなかった。
「ん?」
それは、突然海を突き破り現れた。
「な、何いぃ!?」
城塞のように巨大で、自分達の船とは比べようのない、威風堂々した姿。
大戦艦ヒエイ。
そして、海を突き破り、現れたのは1隻ではない。
ミョウコウ、ハグロ、アシガラ、3隻の重巡洋艦。
彼女三人の攻撃目標は、竜母12隻。
魔導による船の強化。ファンタジーならではのとんでも技術を持っている可能性がある。
それ故に彼女達3人は、最初から竜母へ。
全力全開で攻撃を開始した。
▼△▼△▼△
全ては、
「アドミラルの為に!!!」
ヒエイは前方にいるパーパルディア皇国の艦隊旗艦シラントを睨み付け、ロックオンフィールドを展開する。
――出力は最大、加減せずに!!!!
「超重力砲!」
▼△▼△▼△
大戦艦ヒエイは、この世界ではじめての実戦による、
「な、なっ、艦首が開いただとっ!? 」
ガクンッと激しい揺れが起こる。
船が縦にひっくり返りそうになり、船員が転げ回る。
「こ、今度はなんだぁっ!?」
「将軍! う、海が割れましたぁあああああああっっっっ!!!!!」
「ば、馬鹿なっ!!!!」
「ひ、光が、巨船からひかりがぁっ!!!」
「ひいぃっ!!」
閃光が海を駆け抜けた。
旗艦シラントは、ヒエイの超重力砲により、跡形もなく消し飛び、近くを航行していたパーパルディアの艦船も超重力砲の余波で轟沈。
竜母は古城が懸念していたような、「列強と言うくらいだし、魔導による強化でとんでもない防御力を持っているかも」と言う懸念は外れ。
ミョウコウ、ハグロ、アシガラの3隻の餌食となった。
▼△▼△▼△
「呆気ないですね」
空にはDOLLSの航空部隊。4隻は空母の艦載機、更にマッドアングラーとU型潜水艦から出撃した、ズゴックEとハイゴッグが、逃げ惑うパーパルディア皇国の艦隊を沈めている。
『アシガラ、竜母を沈めたのだから、他は譲りなさい』
『ええー、いいじゃん、ナチ!』
『パーパルディア皇国軍の正規軍の艦船の防御力が分かったから、私達はもう攻撃しなくて良いの、武功は分けられるなら、分けないと只でさえ、陸戦部隊から、活躍の場がないとぼやかれてるのに』
『ええー』
「アシガラ。命令よ、待機していなさい。それとパーパルディア皇国艦隊の最後の1隻が沈んだら、アドミラルの御指示通りに、人命救助を行います」
『はーい……』
『『了解』』
「ナチ、そちらはどう?」
『アドミラルはホッとしています。魔法の非常識さは、我々は知識もアドミラルを通して知っているので、良かったです』
「アドミラルの魔法ほど、この世界の技術は進んでないようですね」
『そうですね。――あ、アドミラルから伝言です。超重力砲の発射データは、観測が終わったら、大戦艦ハルナへ送るように、と』
「ええ、救助が完了するまでは、ここで超重力砲の影響を調べます」
パーパルディア皇国の艦隊、324隻は全滅した。
この事実は、霧の生徒会の撮影したデータをナノマテリアルで作ったプリンターで大量に印刷され、周辺諸国にばら蒔かれた。
数は少ないが、幹部級捕虜の画像もあり。
列強のパーパルディア皇国は、この事実に絶句。
怒りを滾らせるのだった。