謎の世界で生き残るために傭兵団作った   作:全力執奏

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殴・り・込・み

・特務部隊の驚愕

 

 

パーパルディア皇国は列強と呼ばれる国家である。

軍事力も高い。そんな国家でもやはり裏の部隊が存在している。

 

 彼等は今まで、敵国の重要人物の暗殺や誘拐などの非合法な仕事をしてきた。

 パーパルディア皇国の名を傷つけぬように失敗が許されない作戦ばかりのため、精鋭が選ばれ、錬度がとても高い。

 仮にムー国や神聖ミリシアル帝国相手でも良い働きをしただろう(成功するとは言っていない)。

 

 そんな精鋭で、錬度が高い彼等は、無事にアルタラス王国へ侵入することが出来た。

 複数のルートで、アルタラス王国に侵入した彼等だったが。

 アルタラス王国で、文字通り目玉が飛び出そうなモノを目撃する。

 それは、すっかりアルタラス王国の新しい名物風景となった……。

 

 

『ファイトー!!』

『『『『『ファイトー!』』』』』

 

『声が小さい!! そーれっ、ファイトー!』

 

『『『『『ファイトー!! ファイトー!!』』』』』

 

 アルタラス王国の王都ル・ブリアスの近郊で行われている。

 

『しっかり走れぇっ!! ザクを転倒させたら生身でMSグラウンドを走らせるからなぁ!!』

『『『『『はい、教官!!!』』』』』

 

 ザクⅡ(訓練仕様機)の走り込み訓練である。

 当初、アルタラス王国国民は突然現れた、一つ目の巨人にパニックになったが、人が乗る巨大な人型兵器だと聞いて、唖然とし。

 

 しばらくすると、訓練終わり、もしくは休日に王都ル・ブリアスに買い物に来る女性パイロット候補生達が、綺麗で白いおしゃれな訓練制服(丈が短め)を着て、街で買い物をする華やかな彼女達の姿(石鹸、シャンプー、食事で美を磨かれた子が多い)は、アルタラス王国の国民(特に少女達)の憧れとなった。

 

 ザクⅡ(訓練仕様機)に乗っているのは、旧ロウリア王国で奴隷だった女性達だ。

 数は少ないが、読み書きなどの最低限の教養をもっている女性も居たので、古城は「人材不足だから、新しく移住してきてくれた人達に声をかけよう。まずは後方支援とMSパイロット候補生を募集だな」と軽い気持ちで募集を掛けたらとんでもない数の募集になり。

 結果として、MSパイロット養成学校を急ピッチで建設することになった。

 で、成績優秀者の彼女達は、ちょうど良いからマゼラトップ砲での支援砲撃任務の為に呼ばれた。

 

 

 

 

「「「「……………………」」」」(←アルタラス王国に着いたその日に、十体の一つ目の巨人が走りまわっている姿を目撃した、パーパルディア皇国の特務部隊の皆さん)

 

 

「た、……ダーマさん(隊長の偽名)。あ、あれは何ですか?」

「……分からん」

 

 

 

 その場に居た特務部隊の隊員達が唖然としていると、他の見学者達に混じっていた、小太りの四十台くらいの身なりの良い男が話しかけてきた。

 

「おや、皆さんは、ここの光景は初めてですかな?」

「え、ああ、そうだが。貴方は?」

「おおっと、これは失礼しました。私は王都のしがない商人ですよ」

 

 ほっほっほ上機嫌に笑う商人に、隊員達は警戒するが。

 長年の感から、この商人は白だと判断した。部隊長は少しでも、情報を引き出しにかかる。

 

「シオス王国から来ましたが、あの噂が本当だとは思いませんでしたよ」

「そうでしょうなぁ。我々も最初は驚きましたよ。魔帝が復活したのだ! なんて、うわさも飛び交いました。直ぐに王家からの発表で暁の傭兵団の鉄の巨人だと分かりましたが」

「暁の傭兵団ですか、やはり強いのですか?」

「ええ、最近は盛んに訓練しております。まあ、流石に騒音問題があるので、王都周辺で訓練しているのは、あそこにいる女学生たちだけですが」

「女学生?」

「はい、どうやらパーパルディア皇国との戦いは実戦訓練相手にはちょうど良い。と言うことで、成績上位者達が呼ばれたそうですよ」

「パ、パーパルディア皇国が、ちょうど良い実戦訓練相手?」

 

 隊員が、唖然とした表情でそう呟いた。列強の栄光ある我がパーパルディア皇国軍がちょうど良い実践訓練相手!? 特務部隊員は、自分達の常識がガラガラと大きな音を立てて崩れ去っていく。

 

「ええ、彼女達が使うマゼラトップ砲という細長くて巨大な大砲があるのですがね。それが凄まじい威力なんですよ。ここから五十キロほど離れた場所で、実弾演習がありまして。それが一般公開された時は私もそうですが見学者達はもの凄い興奮でした」

 

 その時のことを思い出しているのか、商人はやや興奮気味に語る。

 

「よろしければ、詳しい御話を聞かせてもらえませんか?」

「ええ、構いませんよ」

 

 こうして彼等は、噂に聞いていた暁の傭兵団の馬鹿げた噂が本当だと知る。

 直ぐに部隊長は、報告のためにパーパルディア皇国に部下を数名戻らせたが報告はやはり信じてもらえなかった。

 

 鉄の巨人。実物を見なければ実在するとは誰も思わなかった。

 

 

 

 

 

△▼△▼

 

 

 アルタラス王国 暁の傭兵団 第一防衛基地 古城の私室

 

 アルタラス王国から借りた土地に作った防衛基地の私室で、俺は紅茶を飲みながら一息ついていた。

 そんなところ、扉がノックされて「どうぞ」と言うと、ドアを開けて中に入って来たのはユキカゼ(蒼き鋼)だった。

 俺の傍に侍ることが多いので、最近は和風メイド服を着るようになった。

 メイド隊、優秀だねぇ。

 ちなみに、俺その場にいることが多いのは、ユキカゼ。ベルファスト。サフォークとケントだ。

 

「アドミラル。報告です」

「どうかしたのか、ユキカゼ」

「王都にて、見慣れない人物達が居たので、調べてみたらパーパルディア皇国のスパイでした」

「あらら、捕まえたと言うことはスパイ以外もするつもりだったのか?」

「はい、どうやらアルタラス王族を殺害し、契約を破棄させようとしたらしいです」

「はい?」

 

 何だと? それは、どういうことだ?

 

「雇い主が居なくなれば、我々はアルタラス王国から出ていくと考えたようです」

「なるほど、悪くない手だな」

 

 普通の傭兵団ならばな!! 国王が最近は更に俺にフレンドリーになった理由も察している。

 仮に国王が殺されたら。多分俺は全力でパーパルディア皇国人を根絶やしにしていたな。

 

「で?」

「近くにいた妙高さん達と共に、全て捕縛しました。アルタラス王国側へ連絡を入れてはいかがでしょうか?」

「分かった。それとM3(DOLLS)をアルタラス王家の護衛にする。一人当たり二人を付ける」

「分かりました。ここで死なれてはこちらも困ります」

 

 こうして、特務部隊の隊員達は運悪く即座に捕まった。

 

 ユキカゼに見つからなければ、彼等は暗殺を成功させていた可能性があった。

 

 仮にそうなった場合、パーパルディア皇国はタダでは済まなかっただろう。

 

 そう言う意味では、彼等が捕まったことはパーパルディア皇国にとって良い結果となった。

 

 パーパルディア皇国上層部にとっては、残念な結果だったかもしれないが。

 

「そう言えば、動きがあった敵艦隊は?」

「出撃準備はしていますが、動きがありません」

「そうか、このまま睨み合っていても始まらないよな」

「はい、そろそろ此方から攻めるべきかと」

「そうだな。なら、行くか」

 

 既に準備は整っている。

 

「明日はルミエス様にお茶に誘われていたな」

「ええ、モテますね」

「止めてくれ、刺されないのが不思議なんだから」

「まあ、元々複数の方と結婚していましたし、今更感があったので問題ないでしょう。長門様(アズレン)は、歓迎しておりますよ。それと大和様(艦これ)も」

「何で?」

「ルミエス様の人徳ですね。それとそろそろ暁の傭兵団は政治的な後ろ盾が必要かと」

「あー、前に言っていた。国を支援して後ろ盾になってもらう話だな。個人的にはムー国にしようかと思ったんだが」

「あそこは中立国らしいですから、それよりもアルタラス王国やフェン王国。ロデニウス大陸を発展させた方がよろしいかと」

 

 地元が近いですから。とユキカゼの言葉に苦笑いを浮かべる古城。

 正直、この世界の各国の文明圏外への差別発言にうんざりしている。

 

まあ、この世界では、中央世界から離れるほど文明レベルが低いので、仕方がないが。

正直かなり頭にきている。ケンカを売る国には、それなりの対処をしているけどな。

 

「まあ、攻勢をかける前に、今回のことも含めて、ちょっと挨拶しに行こうかな」

「挨拶?」

「ちょっと行ってくる」

「アドミラル?」

 

 俺はユキカゼにそう言うと、どこでもドアを取り出して、俺はパーパルディア皇国の皇都エストシラントへ、移動した。慌てた様子のユキカゼも俺の後を追ってきたので、一緒に行くことにする。

 

「アドミラル、何をするつもりですか?」

「さて、行こうか」

「あの此処は何処ですか?」

 

 ユキカゼの言葉を背に受け。俺は答える。

 

「皇帝ルディアスの家(宮殿)」

「……何をするつもりですか?」

「いや、傭兵団の団長なのにあまり目立ってないだろう? 移民してきてくれた子達にも団長らしくないって言われていたし。そろそろ、派手に暴れた方がいいかなって」

 

 もの凄く、嫌そうな表情をするユキカゼ。

 俺は宮殿の壁の近くへと歩いて近づき、

 

 

「それじゃあ、やろうか!」

 

 

 

 俺は右手に念を集中し。

 

 

 

 

「最初はグーッ!!! ジャンケンッ!!」 

 

 

 

 

 

 

 

 ――グーッッ!!!!!

 

 

 

 

 

 

壁の向こう側に人が居ないことを確認したうえで、パーパルディア皇国 皇都エストシラントの宮殿の壁を思いきりぶち抜いた。

 

 

 

 

△▼△▼

 

 

 

 ――ズゴンッ!! と言う突然の大きな破壊音に、皇帝ルディアスは驚愕した。

 

「な、何事だ!?」

「か、確認してまいります!」

 

 玉座の間で、謁見を行っている最中の出来事だった。

 次の謁見を求める者を呼び込もうとした直後に、断続的に破壊音が鳴り。

 そして、今も断続的に破壊音が近づいてきている。

 更に徐々に悲鳴も聞こえてきた。

 

 

「な、何だ! 何が起こっている!?」

「陛下、万が一に備えて避難を!!」

「避難だと!? 何に対して避難をしろと言うのだ!! そもそも、何が起こっている」

 

 

 護衛の近衛兵の言葉に怒りを露にする皇帝ルディアス。時間にして、一分ほど。ついに破壊音が近づいてきた。

 

「き、来た!」

 

 謁見に参加していた者達が悲鳴を上げた。

 一瞬の静寂の後。

 

――ビシリと皇帝ルディアスの右手側の壁がまるで蜘蛛の巣の様に放射状に大きなヒビが入る。

 

「な、何だっ!?」

 

 壁の近くに居た者達が一斉に避難する。それを見計らったかのように、分厚い石材の壁が木端微塵に吹き飛ばされ、もうもうと煙が立ち込める。

 

「陛下を避難させろ!」

「良い! なんだか分らんが、余が住む皇宮で騒ぎを起こしおって、思い知らせてくれるわっ!!」

 

 恐らく敵なのだろう。この時、皇帝ルディアスの頭の中は怒りで満たされていた。

 一体どこから、どのような者が皇宮へ乗り込んできた!?

 恐らく、敵は少数。壁を破壊できるほどの魔導師であろう。ここまで来るのに、相当魔力を消費したはずだ。十分返り討ちにできる。冷静に自分の中にある知識を手繰り寄せ考える皇帝ルディアス

 

 身を守る近衛も大勢控えている。列強のパーパルディア皇国の皇帝が、慌ててはいけない。

 寧ろ、この皇宮に侵入し余の所まで辿り着いたことを褒めてやらねばな。

 

 皇帝ルディアスは、余裕を持って壁を破壊した魔導師達を迎えるつもりだった。

 

――バン、バババン! バンッ! バンッ!

 

 皇帝ルディアスの考えは、乾いた破裂音と自分を守る為に壁の様に立ちふさがる。近衛兵達の頭から血が吹き出たことで、霧散した。

 

 

「……なん……、……だと…………」

 

 

 更に乾いた破裂音が鳴り響き、近くに居た近衛兵達は何が何だか分からぬうちに、全員呆気なくドサドサと倒れていく。

 

 

「ふぅ、やっと辿り着いた」

 

 

破壊された壁によって、立ち込めた煙が晴れる。

 そこに立っていたのはグレーの髪の色の十七、八歳の少年と。異国風の侍女の様な白い少女だった。少年はニコニコしながら、自己紹介をした。

 

 

「き、貴様は」

「ああ、自己紹介をしよう。俺の名前は暁古城。暁の傭兵団の団長だ」

 

 

「「「「「「「「な、なにイイイイイイィィィィッッ!!!!」」」」」」」」

 

 

 

 玉座の間に悲鳴が上がる。

 

 

 

「いやぁ、驚いたよ。まさか、アルタラス王国の国王を暗殺しに来るとは」

「――っ」

 

 

 

 皇帝ルディアスの表情が驚愕に変わる。古城の言葉で、暗殺が失敗したことを悟る。

 

 

 

「暁の傭兵団の団長。コジョウと言ったな」

「ああ、そうだ」

「栄光ある。パーパルディア皇国の皇都の皇宮で、このような騒ぎを起こしてタダで済むと思って――」

 

 

 

 ――パンッ! と乾いた音共に皇帝ルディアスの直ぐ右側にビシッという硬い物が壊れる音がする。

 皇帝ルディウスの背中に冷たい汗がぶわっと吹き出る。

 恐る恐る、皇帝ルディアスが右側を確認すると、玉座の右側に丸い小さな穴とヒビが入っていた。古城が持っていたデザートイーグル(拳銃)で、皇帝ルディアスの座っている玉座の背もたれに穴を開けた。

 

 

「まさか、国王暗殺をしようとしておいて。自分が暗殺されないと本気で考えていたのか?」

 

 

 突然、感情が消え失せたまるで人形の様な表情で、古城は皇帝ルディウスに告げた。その変わりように皇帝ルディアスは恐怖を感じ、猛烈に嫌な予感がした。

 

 

「ま、待て! 余はパーパルディア皇国の「そう言うのはどうでもいい」」

 

「な、ななっ!?!?!?」

 

 突然のことに軽いパニックになる皇帝ルディアス。

 皇帝ルディアスと古城の間にはそれなりの距離があった。

 お互いに大声で叫ぶ必要があるほどの距離だ。

 それが瞬きほどの時間で、古城がルディウスの目の前に移動していた。

 何が起こった?! 皇帝ルディアスは、理解不能の現状に叫びたくなった。

 

「お前の身分なんぞ、どうでもいい。それよりも、パーパルディア皇国の情報集めたんだが、最初の頃はともかく。後半は特に酷い。お前は人の痛みを知った方が良い」

「な、なにをするきさぁっ!?!?!?」

 

 突然、古城に胸倉を掴まれて持ちあげられる皇帝ルディウス。

 

「陛下! 御無事ですか!!!」

 

 そこに玉座の間に流れ込んで来た近衛兵達。

 

「安心しろ、皇帝ルディアス。お前は殺さない。だが、痛い目にはあってもらう」

「ぐうっ、は、はなっ」

「ああ、いいぜ。だがその前に防御力を上げてやろう。スカラ、スカラ、スカラ、スカラ。ついでにバイキルト」

「な、何おおおおおおおおおおおおおっっ!!!!!!」

 

 

「へ、陛下ああああああああああああああっっっっ!!!!!!!!」

 

 

 騒ぎを聞きつけて、慌てて駆けつけてきた近衛達が見たものは、グレーの髪の少年に胸倉を掴まれて、グルングルンとタオルの様に振り回され、

 

「日輪? の力を借りて、今、必殺の! ルディアス、アターーーーーーッッッッッッッッック!!!!!!」

 

 

 疾風のような速度で自分達へ飛んでくる皇帝ルディアスの姿だった。

 

 

 

△▼

 

 

 

 

「き、貴様卑怯だぞ!! 皇帝陛下を解放しろ」

 

「分かった! いけ、ルディアス(ファンネル風)」

 

 

「「「「「「ぎゃあああああああ」」」」」」

 

 

「今だ! お助けしろ!!」

「アポーツ!!」

「駄目です! 奴の魔法で、直ぐに奪われてしまいます!」

 

「今だあああああぁぉぁぁぁぁっっっ!!!!」

「やった! 後ろからの奇襲が成功です!!」

 

「甘い、ルディアス・バリアー!!!」

 

 

「「「「「「「ぎゃああああああああああああああああっっっ!!!!」」」」」」

 

「「「「「「「へ、陛下ああああああああああああああっっっ!!!!」」」」」」

 

 

パーパルディア皇国の皆さん、阿鼻叫喚。

 

 

「ふっ、安心しろ。峰打ちだ」

 

「真剣だよ!!! 思いっきり、真剣だよ!!! ふざけんなっ!!!!」

「あわわわわわわわわわわっっっ!!!!」

 

 

近衛隊長が叫び、切りつけた兵士が慌てふためく。

 

 

「大丈夫、大丈夫!! しっかりと防御力アップの魔法をかけているから、怪我はしない!! ……滅茶苦茶痛いけど」

 

「ヒイイイィィィィィッッ」

 

 

 ルディアスを斬りつけた騎士は顔色が土気色になっている。

 

 

「ルディアス、まあ、今のは不可抗力だから許してやれ」

「ぎ、ぎざ、まぁ……、ぜ、ぜったいに……」

 

 息絶え絶えになりながら、古城へ怒りを滲ませるルディアスに古城は微笑み。

 

そろそろ、「終わらせるかな?」と呟き、ルディアスを掴んだまま中腰になり、近衛兵士とパーパルディア皇国軍人が一番固まっている所に向き、力を放出する。

 

 

「ル~ディ~」

 

 

「や、止めろ! 貴様、陛下に今度は何をするつもりだ!!!」

 

 

「ア~ス~」

 

 

 近衛と集まったパーパルディア皇国軍兵士が、古城が何かをする前に慌てて、全力で阻止する為に古城のもとへと走り出した。

 

 

「波ああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっっっっっっっっ!!」

 

 

気と共に砲弾として、兵士達へ放出されるルディアス。

 

 

 最後は精神コマンド【てかげん】を使ったかめはめ波を御見舞した。

 

 

「じゃあ、今日はもう帰るが……、二度と暗殺なんか考えるなよ! 分かったか?!」

 

 

 古城は、瀕死の重傷になったルディアスと死傷者多数の近衛とパーパルディア皇国軍人達へ、そう吐き捨てて、家に帰った。

 

 

 ついでに、ユキカゼが騒ぎに乗じて皇宮の壊してはいけない柱などに爆弾をしかけ爆破。結果、パーパルディア皇国が誇る、皇宮は半壊した。

 

 

 

 

△▼△▼△

 

 

 

――数日後

 

 

 

 アルタラス王国 王都 ル・ブリアス 玉座の間

 

 

「古城殿」

「はい」

「貴殿は一体何をしたんだね?」

 

 ターラ国王14世は、困惑しながら古城を呼びだして問いかけた。

 

「え?」

「実はな、パーパルディア皇国から、我が国と暁の傭兵団に対して、殲滅宣言がなされた」

「殲滅宣言?」

「ああ、いきなりで、こちらも、よくは分からないのだが、陛下に対する無礼千万、許すまじ! と使者が来てな」

「はぁ……」

「で、何をしたんだ?」

「いえ、大したことはしてませんよ?」

「ほぉ」

 

 古城の言葉に、ターラ14世は流石にアルタラス王国とパーパルディア皇国とでは距離がある。古城が無礼なことを出来る距離と時間では無い。と納得しかけ、

 

 

「移動魔法を使って、パーパルディアの皇宮に殴りこみをかけて、ルディアスを武器兼盾にして、近衛とパーパル皇国軍人を殴り倒しただけですよ」

 

 

 

「「「「「「「「「「…………………………」」」」」」」」」」

 

 

 

 古城の言葉に、謁見の間に居た全ての人間の時が止まった。

 

 その後、謁見の間は、ユキカゼの記録映像を見て驚愕と爆笑に包まれた。

 

 この時、パーパルディア皇国の実権を、結果的に握ってしまったのは、一人の皇族の女性だった。

 

 




パーパルディア皇国との戦争が本格的始まります。

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