謎の世界で生き残るために傭兵団作った   作:全力執奏

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運が悪かった、ロウリア王国 大王ハーク・ロウリア34世さん

 ロウリア王国の王都 ジン・ハーク ハーク城の御前会議

 

 

 

月の綺麗な夜、薄暗い部屋の中、王の御前でこの国の行く末を決める会議が行われていた。

 

 

 

 「ロウリア王、準備はすべて整いました」

 

 

 

 白銀の鎧に身を包み、筋肉が鎧の上からでも確認出来るほどのマッチョで黒髭を生やした30代くらいの男が王に跪き、報告するのは将軍パタジン。

 

 

 

 

 

「本当に2国を同時に敵に回して、勝てるか?」

 

 

 

 

 

 やや不安そうに34代ロウリア王国、大王ハーク・ロウリア34世はその男に尋ねる。

 

 

 

「はい。一国は農民の集まりであり、もう一国は不毛の地に住まう者、どちらも亜人比率が多い国などに、負けることはありませぬ」

 

「宰相よ、最近暁の傭兵団と言う傭兵団が騒がれているが、情報はあるか? 何でも巨人を配下に入れているとか、もしや彼奴等は文明圏から流れてきた者達ではあるまいな」

 

 

 

スパイからの報告を聞いて、文明圏から来た連中ではないか? と大王ハーク・ロウリア34世は考えた。距離的にあり得ないが、失敗が出来ない戦いだ。大王は慎重になっていたが。

 

 

 

「いえ、どうやら、文明圏から流れてきたわけではないようです。調べましたところ、ロデニウス大陸のクワ・トイネ公国から北東に約1500kmの所にある。小さな大陸から来たようです。1500kmも離れていることから、軍事的に影響があるとは考えられません。

 

 

 

また、奴らはクワ・トイネ公国のワイバーンを見て、初めて見たと驚き、欲しいと叫んだそうです。竜騎士の存在しない蛮族の国の出身だと思われます。そのような国の出身の傭兵団が列強も保有していない巨人を保有していることはありえません」

 

「ふむ、だがスパイの報告では、傭兵には空を飛ぶことの出来る凄腕の魔導師がいるとか、それはどうだ?」

 

「はい、どうやら、事実のようですが、そのような凄腕の魔導師は数人でしょう。それに彼奴は傭兵、危なくなれば直ぐに逃げます。いくら腕が良いとはいえ、傭兵の性質は、盗賊と殆んど代わりありません。仮にワイバーンを落とされても十にも満たないでしょう」

 

「そうか・・・。しかし、ついにこのロデニウス大陸が統一され、忌々しい亜人どもが、根絶やしにされると思うと、私は嬉しいぞ」

 

「大王様、統一の暁には、あの約束も、お忘れ無く、 クックック」

 

 

 

真っ黒のローブをかぶった男が王に向かってささやく。気持ちの悪い声だ。

 

 

 

「解っておるわ!!」

 

 

 

大王は怒気をはらんだ声で、言い返す。

 

 

「将軍、今回の概要を説明せよ」

 

「はっ!説明致します。今回の作戦用総兵力は50万人、本作戦では、クワ・トイネ公国に差し向ける兵力は、40万、残りは本土防衛用兵力となります。クワ・トイネについては、国境から近い人口10万人の都市、ギムを強襲制圧します。兵站については、ご存じの通り豊かな畑と家畜がおり、国現地調達いたします。

 

ギム制圧後は、東方250kmの位置にある首都クワ・トイネを物量をもって制圧します。

 

かの国は、我が国のような、町ごと壁で覆うといった城壁を持ちません。航空兵力は、我が方のワイバーンで数的にも十分対応可能です。

 

平行して、海から艦船4400隻の大艦隊にて、北方向を迂回、マイハーク北岸に上陸し、経済都市を制圧します。

 

食料を完全に輸入に頼っているクイラ王国は、クワ・トイネからの輸出を止めるだけで、干上がります。」

 

「クワ・トイネの兵力ですが、彼らは全部で5万人程度しか兵力がありません。即応兵力は1万にも満たないと考えられます。今回準備してきた我が方の兵力を一気にぶつけると、小賢しい作戦も、圧倒的物量の前では意味をなしません。

 

6年間の準備が実を結ぶことでしょう。」

 

「そうか・・・ふっふっふ・はっはっはっはあーっはっはっは!!!今宵は我が人生で一番良い日だ!!世は、クワ・トイネ、クイラに対する戦争を許可する!!!」

 

 

 

こうして、イレギュラーが原因で、ロウリア王国は滅びの道を進み始めた。

 

 

まあ、仮に戦争を仕掛けなくとも、亜人差別を行う危険な国家であるロウリア王国は、古城によってどの道メタメタにされただろうが。

 

 

▼△▼△

 

 

 

 

 

クワトイネ公国、西部の町、ギム

 

 

 西部方面騎士団団長モイジは、古城のギムの町の部隊布陣を聞いて、凍りついた。

 

 

 

「じ、自主参戦ですか」

 

「はい、ロウリア王国は亜人差別が激しい国家。それ故に希望者を募ったところ、この数が参加することになりました」

 

「こ、これは凄いですな。MSが48機、61式戦車20両、ホバートラック5両、DOLLSは零戦80人、F4Fが80人、戦車のM4シャーマン80人とは」

 

既にMSの実機と演習動画を見ているモイジは、自分の頬が引きつるのが分かった。

 

「はい、みんな、殺やる気満々です」

 

 

 

古城の言葉を聞いて、字が違う気がしたが、ロウリア王国が攻めてくるので、気にしないことにした。

 

 

 

「誤射が怖いので、打ち合わせ通り、町の周辺の防衛のみにしてください」

 

「あ、ああ、零戦とF4Fとの模擬で、竜騎士達は暁の傭兵団の実力を認めているから問題ない」

 

「ありがとうございます。モイジ団長は、我々の攻撃を突破してきた敵の処理をお願いします」

 

「ああ、情けない話だが、よろしく頼む。疎開まで手伝ってくれて」

 

「いえ、余裕がありましたから、女子供を逃がすのは当然です」

 

 

 

念のために、ギャロップなどを使って疎開に協力したのだ。

 

 

 

「妻と娘の件、本当にありがとう」

 

「いえ、お気になさらずに、責任者の家族を人質にするのは、古今東西良くあることです。優先して安全な場所に避難させるべきです。ところで、ロウリア王国はやはり通信には?」

 

「ああ、応じない」

 

 

 

現在のロウリア王国とクワ・トイネ公国の国境沿いに張り付いているロウリア王国の兵力がクワ・トイネ公国の兵力を遥かに凌駕していが、俺達の戦力を合わせると力関係は逆転する。

 

 

 

そして、ロウリア王国側は、クワ・トイネ公国の通信を一切無視しつづけている。

 

 

 

「そろそろ、向こうは仕掛けてくるようですし、私は前線へ行きます」

 

「出来れば、此方の分も残しておいてもらいたいな」

 

 

 

冗談めかしに言うモイジ団長の言葉に俺は、ふむと考え。

 

 

 

「確か、此方のワイバーンは24騎でしたね」

 

「ん? ああ、そうだ」

 

「敵の練度は高いようですし、10騎くらいそちらに通しますか?」

 

「ん、ああ、いや、気を使わないで良いぞ。倒せるなら倒してしまって」

 

「分かりました」

 

「いや、此方こそ、気を使わせた」

 

 

 

こうして、俺達は前線へと向かった。

 

 

 

 

 

▼△▼△▼△

 

 

 

 

 

 翌日、突如として、ギムの西側国境から、赤い煙が上がる。と、同時に通信用魔法から、緊迫した通信が入る。

 

 

 

『ロウリアのワイバーン多数がギム方向へ侵攻、同時に歩兵……数万が国境を越え、侵攻を開始した。繰り返す! え、何だ? は?』

 

 

 

魔法通信が突然黙り混む。

 

 

 

『ロウリアのワイバーンが多数撃墜されている!! 更に敵歩兵が多数吹き飛ばされているっ!?』

 

「報告はしっかりと詳細に行え!」

 

『はっ、もびるすーつが、ロウリア王国のワイバーンと歩兵を蹴散らしています!!』

 

 

 

前線の報告を聞いた、団長のモイジは暁の傭兵団の力を見ているので、内心「そうなるだろうよ」とちょっとなげやりになった。だが、このまま何もするわけには行かない。

 

 

 

「各員! 手はず通りに動け! いくら暁の傭兵団が強力でも、ロウリア王国軍が浸透してくるはずだ!」

 

「「「「了解!!!」」」」

 

 

 

戦争が始まった。

 

 

 

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