根本的なフラグを折ります。
わけが分からない。この一言に尽きますよ。
なんで。普通のファンタジーとか魔法とか無縁っぽい普通の現代社会っぽい世界で。
幼児化してるの―――――!!!
普通の世界なんですよ。気とか魔力とか霊力とかもない、爆発的筋力の上昇とかもない、そんな普通の現代なんですよ。
だから色々戸籍とか身分証明書とか偽造して(もうなんか慣れた)、家を借りて、アルバイトも年齢ぎりぎりで採用してもらった矢先なのに…。
なぜに幼児化。そしてこの頭の中で鳴り響くぴこーんぴこーんのアラーム。
このアラーム正体は知っています。分岐が確定したとのお知らせですよ。
昔、あまりにも唐突なトリップをさせられたんですよね。親しくなった人ともお別れの一言も言えなくて。本気で怒って神様に向かって全力で呪ってやったら、いつの間にかこの機能がついてました。やったね!後、一時間くらいでこの世界とおさらばです。早かったなー。一週間しか経ってないじゃないですか。家は解約しておいた方がいいのでしょうか?
て、そうじゃなくて。いつの間に分岐フラグが立ったのですか?!
この幼児化がいけないんですかね?16歳くらいから10年は若返ってますよ。おかげで服はずるずる、靴はぶかぶかで、どっか落としてきました。おかしいな、本当に魔法の魔の字も見つからないのに。後考えられる原因は謎の薬品系ですかね?あれ、どっかに薬で子供に縮んだ高校生がいたような…?
あれかな。ついふらふらと遊園地に遊びに行ったのが悪かったのかな。だって本当に久しぶりだったんですよ。最近はファンタジー系のトリップばかりで、モンスターと戦ってばかりいましたから。
それで近道かなっと、ついつい入り込んだところで目撃してしまったんですよ。麻・薬・取・引!あからさまに黒ずくめでしたね。
で、一週間といえども平和ボケしていたせいか、背後からの一撃にガツンとやられてしまって。情けない話ですよね。これで死んだら今までの決死の戦いはなんだったか。ピッコロ大魔王に腹に風穴開けられたり、魔力ぎりぎりで全力全開のSRBを防いだり。もっと悲惨な場面があったんですけど。
意識が朦朧として記憶が曖昧なんですが、何かを飲まされたっぽい?のかな?
高校生の男の子に顔をぺしぺし叩かれて起きたら、まさかの幼児化。とりあえず纏える服を着て全力で逃げました。
って思い返したら、絶対黒ずくめに飲まされた何かのせいですよね。この幼児化は。
プラス、なんかのフラグをへし折った感じですね。平行世界が生まれるくらいには。
何のあれだったかな?もう一番最初の世界の記憶が曖昧で。
あっ今、これ書いてる掲示板で反応がありました。えーっと、
『それ名探偵コナンやわ!』
ああっ、ポン。
うわ、初めて思い当たった時のリアクションをしてしまいましたよ。
そうかそうか、コナンか~。そりゃ、コナン君が生まれなかったら、世界が分裂もしますね。
原因が分かってすっきりしました。レスポンスありがとうございます。ええ何?コナン君に会えないなんでどうしてくれんだよぉ?すみませんね。そこは運が悪かったと諦めてください。ああ、もう時間ですね。短い期間でしたが、この世界は日々ハードなバトルを繰り広げていた私にとって癒しでした。
運が良ければまた会いましょう。
では。
おまけ
俺、工藤新一は息をひそめて身を固くしているしかなかった。
何せ怪しい黒ずくめの取引を物陰から隠れて見ていたら、高校生くらいの少女が現場に倒れこんできたんだ。そして少女の後ろから姿を現すもう一人の黒ずくめ。
俺は確信したんだ。こいつは油断ならねえってな。何か行動を起こしたら、勘付かれる。
黒ずくめたちは少女を取り囲んで何かやった後、素早く姿を暗闇に消した。
俺は完全に黒ずくめたちの気配が無くなったことを確認して、少女に駆け寄ったんだ。
素早く手の脈をとって生存を確認。顔を軽くたたいて意識を覚醒させる。
少女は目を覚ますと、驚いたように体じゅうを分厚い冬物の上から触り、いきなり駆け出してどこかに行ってしまった。
あっという間だったから、引き止めることができなかった。ただ、目がおかしくなったのでなければ、駆けていったのは小学生くらいの女の子だった。
しかし、傍には女ものと思われるスカートや靴が残っている。警察に連絡をした後、これは一体どういうことか?といくつもの事件を解決してきた頭で考えるが、不可解な事象が推理を妨げた。
後日、残された衣服にあった免許証から、俺が最初に目撃した女子高生の身元が判明したが、よく調べてみると免許証は偽造であり、戸籍も改ざんした跡が見られたそうだ。
警察は巨大組織の工作員とみて調べを進めたが、その後、少女の行方も手がかりさえ分からずじまいだった。
また、俺の証言の元、あの現場にいた小学生の女の子の捜索もされたが、こちらも徒労に終わっている。更に謎なのは女の子に関して捜索願が届け出されることがなかったことだ。
俺は幻の小学生を見たのか、と不安に思うことがあったが、現場に残された靴とスカートをあれは現実だったと思う拠り所としている。あのコートの丈では小学生でなければ下半身丸出しで外をかけていくことになるからだ!さすがに変態じみてしまうし、目撃者も出るはずだ。
それが無い、ということは、非科学的なことだが、女子高生=小学生の図式を成立させなければならない。
俺の長年の疑問は、黒ずくめの組織を調べているうちに解決する。
しかし、何か俺のフラグを盛大に折ってくれたような気がするあの少女の正体は、工藤新一にとって生涯解けない謎として残った。
終わり。
新一君のまさかの謎。