もしかしたら、SEED編は続くかも。
えー、こんにちは。今回は魔法や超能力無しの世界ですよー。…喜ばしいはずなのに何故か涙が止まりません。死亡フラグが乱立してますからね。この世界。
くそー。もー、神様のいじわる―。
トリップしてから自分の身体やできることを一通り試してみたんですがね、魔力も感じないし、気も使えないし、霊感も働かない。
んで、私は安心したんですよ。超常系の無い世界なら、危険度はそんなに高くないだろうって。いきなり魔物に襲われるとか、能力者同士の喧嘩に巻き込まれるとかは無いってね。
けれど。地雷要素があったんです。あれはもはや薄れてしまった元世界のアニメネタでも忘れられない、そんな決定的なもの。
そう、それは。
『モビルスーツ』
ああ、あの二足歩行型ロボットは紛れもなく『ガンダム』系の世界の物ですね。
戦争が勃発していて、一回は超大型ビームやらなんやらの攻撃で一つの国が吹っ飛んだり、地球に向かって巨大構造物が落下したりする世界ですよねー。
…生き残れるかしら。
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私は今、士官学校に通っています。軍人になるための学校に、です。
いや、軍人なんて一番の死亡フラグでしょう、と思いますよね。フツー。
でも、私はどうすることもできなかったんです。
思い出すのは、トリップ当初、自分の身体を確認して思い知った事実。
肉体年齢…1歳!?
もはや転生と言った方がいい気がします。
んで、道の片隅に転がっていた私を知らない男の人が保護してくれたんですが…行先は怪しい孤児院みたいな施設でした。
そこでの教育がまた…洗脳っていうやつで。
『ナチュラルは野蛮で劣った存在』
『コーディネイターは進化した種族であり、ナチュラルどもを支配すべき』
『我々コーディネイターへの不当な搾取を許すな』
などなど。無駄に精神年齢が高い私はともかく、周りの子たちは大人のいうことを鵜呑みにしちゃって。私は浮きまくりましたねー。
いえ、表面上は言われたことを復唱して素直に信じているふりをしていたんですがね、さすがにこの子達バカじゃないの!ってキレちゃったときがありまして。
それ以来大人たちには目を付けられるわ、他の子たちからは遠巻きにされるわで、大変よろしくない幼年期を送ったのでございますよ。
あー、遅くなりましたが、私の身体の設定は『コーディネイター』でした。毎回トリップした世界に適応する肉体になるんですが、まさか少数派の『コーディネイター』になるとは。
びっくりです。
でも肉体の性能はともかく、おつむに関しては本当に『コーディネイター』なの?っていうくらいで。
運動能力が高いことはいいんです。他の世界で、一般人の枠からはみ出るくらいの魔改造を行って運用していた経験がありますから。(オーラとか気とか魔法での強化とか)
ただ、頭がよくなるかって言うとそうでは無く…理解力が低いというか。
記憶力はたぶんよくなっていると思います。ただ、覚えた知識を組み合わせて、実際の手法に還元できるか、というと…プスプス頭がパンクしそうです。
例えるなら、化学の元素記号と分子の構造、その特質・特性を全て暗記したうえで、新しい合成物質を開発にすぐに取り組めるか、って感じですかね。
私は無理です。暗記はできても理解がすぐにできないっというか、一字一句間違えなく言えても意味を理解するにはそれなりの時間と練習問題がいるんです。
でも、周りの子たちは一を聞いて十を理解するをデフォルトでやるので、私だけ勉強についていけなくて、みんなから哂われましたね。こんな問題も分からないのか、と。
そんな奴らは体育の授業―――もとい戦闘訓練のカリキュラムの時に問答無用で黙らせましたが。
戦闘経験だけは豊富にありますからね。殺伐し過ぎて悲しいですが。
トリッパーは行く先々で何かと厄介ごとに巻き込まれる運命にあるんです。身を守る技術は否応なく上がりましたよ。
あと作戦の立案とか指揮とかは成績良かったですね。これも経験値がチート級だからです。
…皆さんも薄々察して頂けていると思いますが、この施設はまともな孤児院ではありません。
ここはいわゆる『失敗作』―――デザインベイビーで親の思惑の通りに誕生せず、親に捨てられた子供たちを集めて、対ナチュラルの組織人員を養成する施設だったのです。
世間ではコーディネイターへの悪感情が吹き荒れていますし、多発するコーディネイターを対象としたテロは後を絶ちませんし、それに対抗するための武装組織が生まれてもおかしくはないですがね。
ただでさえ、コーディネイターは遺伝子をいじった代償として生殖機能に異常が発生し、子供が生まれにくくなっている現状。親に捨てられたいらない子を再利用してやろう、という真っ黒な腹積もりが透けてみえますよ。
でも他に行く当てのない私はそこにお世話になるしかなく。
純粋に『コーディネイター』のためにと貪欲に学ぶ子供たちに、ドン引きする日々を送る私です。
対抗するための力が必要なのはわかりますが…行き過ぎた選民思想は、災いの種ですよ。
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私が施設に入って十数年がたったころ、世界的大事件が起きたらしく、ここプラントに正式な軍事組織である「ザフト(Z.A.F.T.)」が設立されまして、私たちはそちらに入隊することになりました。
と言っても私たちは特殊な訓練を受けているとはいえまだ子供。まずは士官学校に入学しました。閉鎖された環境からやっと解放されてのびのびできる、と思ったら、反ナチュラル思想を他の子に伝播させてくれやがりまして、もう気が休まらない、というか。今はプラントと地球側の関係がギスギスしている時期なんで、もう早いのなんの。
幸いにもナチュラルを友人に持つ人も少なからずいて、価値観の同意を得られて嬉しかったです。
そしてとうとうモビルスーツが正式に軍に配備されました。
『人型』兵器来たー!って感じです。
初めて生で見たときは、興奮するしかありませんでした。あのアニメのロボットが実物でそこにあるー!て感動しっぱなしでしたよ。
モビルスーツの操縦訓練がカリキュラムに組み込まれたときは、うきうき舞い上がっていたんですが…現実は厳しかった。
操縦、複雑すぎ!
まだ採用され始めたばかりで、プログラムにも無駄が多かった時期でしたけど、私がこれを攻略するのは、ど素人が超の付くほど難易度の高いピアノ曲を、テンポを倍速にして弾くくらい難しいことでした。
頭の中では、戦闘における機体のあるべき体勢や動きを思い浮かべられるのですが、それを実際に操作して実行に移すのが…。
当然、居残りばかりでしたよ!同年代が次々と先のカリキュラムに進む中、私だけが基礎の基礎をやっている感じで――――寂しくなんて無かったんだから!(涙目)
成績はもちろん最下位…というわけでもなく、MS訓練とプログラム関係を除いての成績は良かったですからね、まあ中堅どころで。
再三の部署替え要請はありましたよ?モビルスーツ部隊に向いてないって、人から散々言われまくりましたよ?
でも、そこはロマンですよ。ロマンが大事なんですよ。
せっかくのトリップの醍醐味を楽しめないのなら、人生なんて意味ないです!(←言い切った!)
幸いにして、まだ留年に関しては大目に見てくれるご時世でしたからね。2回くらいダブりました。そして3回目の入隊式に、彼らはやってきたのですよ。
その頃はこのプラント設立して最大の悲劇、『血のバレンタイン』で、どこもかしこも反ナチュラル感情だらけ。入隊希望は過去最高でした。
私にとってもすごく居心地が悪い時期でして、さっさとどこでもいいから配属されろという圧力をひしひしと感じてました。それでもモビルスーツの腕は、ちょっとは上がったんだい!
でもみんな私よりも年下で、更にあっと言う間に三年かけたモビルスーツの動きを完璧にこなし、応用まで行くのを見ると…なんか先輩として立つ瀬がないというか。
まあ、生身のナイフ戦とか、格闘技とか、射撃は不動の一位を守りました!いちいち突っかかって来る銀髪のおかっぱが、うっとおしかったですがね!
でも成績のトップに躍り出て来る子はみんな綺麗な顔して、更に親が国防委員長やら、最高評議会議員やらのサラブレッド。みんな15歳…なんでそんなに死にたがり屋なの!
いえ、プラントを守るためには義勇兵として、立つしかないと分かってはおります。
でも15歳…ああ15歳。花の少年時代をこんな殺伐とした環境で過ごしていいのか!と思いますよ。特に緑の髪の子(もう髪の色なんかには突っ込むまい)はピアノでリサイタルを弾けるくらいの腕前なんですよ!もう自分の技能で飯を食っていけると言うのに。
嘆かわしい。ほんとにこのガンダム系の世界というやつは…理不尽にもほどがあります!
こういう綺麗な子たちが恐らく物語の中核となるんでしょうね!私のトリッパーとしての嗅覚がうずきます。
この子達に関わっていけば、死亡フラグもありましょう。でも私は珍しくも前向きに彼らと関わっていくことを決意したのです。
何故かって?恋しちゃったからに決まっているでしょう!
お目当ては緑の髪のあの子。そう、あの甘い顔立ちと、穏やかな気性、優しい心にメロメロになってしまったのです!もちろん、ピアノの腕もすごく惹かれる要因でしたよ。
だから、この一年はものすごく頑張りました。
成績が最下位だったMS戦でも何とか中堅にまで食い込みました。実はまともに操縦せず射撃とスラスター使って、戦術的要素で勝利して行ったんですがね。
だいたいの姿勢制御とスラスターの強弱でふらふらと移動。ミサイルの類はアクロバティックな回避をせずに、射撃やビームで撃ち落とし、障害物をぶん投げたり、時には味方を利用して相手を打倒しました。だから得意分野は遠中距離!近距離は鬼門です。ロボットで格闘とか斬り合いとか……絶対むりむり。
だったらモビルアーマーでもいいじゃないかというツッコミは無しにしてくださいよ。ザフトの皆さんはプライドが高くて、ナチュラルが使うようなモビルアーマーは認めん!と言ってくる人ばかりなんですから。
で、迎えた卒業の日。私はザフトレッドとなった彼と同じ配属先になるべく、最終試験に臨んだ―――のですが、結果は無常でして。
上位には入らず、彼の後をついていけそうにもありませんでした。
その日はもう、シクシクうじうじと部屋で悩んでいましたが…
ぴ、ぴーぴぴ、ぴぴーぴ、ぴーぴーぴぴー
うろ覚えの例のあのテーマソングを設定した着メロが鳴りました。
通知を見てみてびっくり!なんと彼と同じクルーゼ隊に配属となったのです!
これは天からの導きか!と思いましたが…
クルーゼさんに理由を伺ったところ、私のあまりのナチュラル寄りの思考に危機感を抱いた上層部が、せめてその戦術と戦闘技能を生かすために、監視付の元、飼うことにしたそうです。あう!これも日頃の行いのせいだよ!
まあ、希望通りになったわけなので、これはこれで結果オーライですが。
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ただいま、中立国オーブのコロニーに秘密作戦のため潜入なうです。
関係者立ち入り禁止の通路をいくつも通り抜けて、私服の格好で街中を偵察してます。
私の役目は単独での内部制圧の手引き―――要は中を引っ掻き回す囮として放り込まれたのです。上の人は徹底的に使い潰すつもりですね!
そんなの勘弁と思っているんですが、悲しいことに私は首輪を付けられているんです。文字通りの―――発信機と爆弾の付いた首輪です。
いつか解除してやる!と意気込んでいましたが、プログラムの成績はとんと伸びない私なので、外すのは結構、絶望的です。盗聴機能まで付いていますから、他の人に助けを求められないし……今は大人しく命令には従いますよ。
にしても、ほんとにこんな平和そうな――かつての生まれ故郷のような――雰囲気のコロニーで、地球連邦軍の新型兵器があるのか!と思ってしまいます。
街中で見かけるのは、極々普通の一般人、それにホワホワした学生たちですかね。世間では地球連邦軍とプラントのザフトで戦争の最中だというのに、対岸の火事気分の子たちです。
平和っていいことなんですけどねー。戦争に参加中の人たちからすれば、やりきれない気持ちになりますよね。お前たちが少しでもこちらに味方すれば、すぐに我々の勝利で戦争が終わるのにって。
…あー、やだやだ。戦争気分を持ち込んだってしょうがないです。平和はいいこと。いいこと。中立の立場の勢力があれば、第三者の監視があれば、戦争は真っ黒な泥沼には陥らない…はず。
だからこそ、中立のオーブのコロニーで、地球連邦軍の新型兵器を開発しているなんて考えたくも無かったのですが――――……しているんでしょうね。
お約束ですもん。
戦況をひっくり返すような新兵器、またはその能力を持つ人物の登場。そして平和から一転、突如戦火に巻き込まれる少年少女たち!って感じの展開。
物語には、『ガンダム』には欠かせない要素ですよ。
そして誰かが死ぬんでしょうね。主人公の成長に欠かせないエピソードになりますから。
いえ、戦争中ですから、人が死んでしまうのは当たり前ですよ。誰も死なないってことはあり得ませんし、殺さずにいるってことも無理です。
でも、やっぱり思ってしまうんですよ。できるだけ少なくしたいって。
自分が生き残ることが前提にありますけど、できる範囲で起こり得る悲劇は回避したいんですよ。それだけ経験は積んでいるんで。これも、トリッパーの特権だと思います。
そう、特に自分の眼にかけている子には、ぜひ生き残ってもらいたい!
今はまだ遠くから見ているだけだけど、いつか告白するから!それまでは生き残って!
死亡フラグになんかへし折ってやるんだから!
…おっと、思考がずれましたね。
とにかく、今はできるだけ人的被害が無いように、このコロニー内部を引っ掻き回すのが、私の任務です。やり方については多少の融通を効かせてもらっているので、自由にやりますよ!
半端なところで切りましたが、続きは……。
終わり方のイメージはあるんですけど、その途中が思いつかない…。