新サクラ大戦~蒼星と共に~   作:宣伝部長

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新生・帝国華撃団

翌朝。

いつもなら木刀がぶつかり合う音やさくらや蒼馬の掛け声が聞こえてくるのだが、今日は蒼馬だけが静かに座禅をしていた。

小鳥のさえずりが聞こえてくる程に気持ちの良い日光を浴びる中で蒼馬は大きく深呼吸をしていた。

 

 

 

「んっ?今日は珍しく1人なんだな」

 

「あぁ・・・さくらさんなら神山隊長に用があると言っていたからね。初穂も暇なら一緒にどうかな?」

 

「お前、アタシがじっとしてるの苦手なの解って言ってたらタチが悪いぞ」

 

「何を言っている・・・霊力の安定には必要な事だ。疎かにしていると力が鈍るぞ」

 

「はぁ・・・・・ったく、仕方ねぇな」

 

 

 

様子見にやって来た初穂も急遽座禅に参加するハメに・・・。

しかし、本人の言う通りなのか始まってまだ僅かの時間しか経っていないのに身体の色んな場所がぴくぴくっと動き始めており、額には汗が滲み溢れていた。

そんな状況下の中・・・2人の間に少しの沈黙が続く・・・。

 

 

 

「だぁぁぁぁっ!!!!」

 

「初穂、まだ10分も経ってないよ」

 

「無理なもんは無理なんだって!!・・・なぁっ!?これは・・・」

 

「壱号魔襲警報か!また降魔か・・・」

 

 

 

いきなり鳴り響くサイレン。

それと同時に2人は向き合うと作戦司令室に向かおうとした。

 

 

 

「ボクは先行して降魔を相手しているから神山隊長に伝えておいてくれるかい?」

 

「おう!」

 

「じゃあ先に行ってるよ」

 

 

 

初穂と別れた蒼馬は早急に地下格納庫に向かう。

すぐさま準備を済ませると三式光武に乗り込む。

 

 

単身で出撃をした蒼馬。

その間に花組のメンバーは作戦指令室に集まっていた。

 

 

 

「蒼馬くんの姿がないが・・・・・?」

 

「あぁ~アイツなら先陣を切るって出撃してたぜ」

 

「そ、そんな・・・1人での行動は・・・「あの子なら大丈夫よ、神山隊長」・・・総司令」

 

 

 

すみれの言葉には他のメンバーも頷いて見せた。

絶対なる信頼を持つ蒼馬に対して誠十郎は何も言えずにモニターに目をやった。

モニター画面には敵と交戦を開始した蒼馬の映像が浮かび上がった。

 

 

 

 

「小型の傀儡機兵ばかりなら・・・まだ自分1人で事足りるか。【Duplicate(デュプリケート)】『マリア・タチバナ』!!」

 

 

とある口上を口にすると三式光武の両手に12㎜機関銃2丁が姿を見せ、すり抜けながら敵を次々に撃ち抜いて行くのであった。

その光景は、作戦指令室に居た誠十郎には初めての光景で驚きを隠せずにいた。

 

 

 

「あの蒼馬くんの武装は・・・一体っ!?」

 

「彼女の強さは並外れた霊力・・・今までの隊士の中でズバ抜けています。現在までの歴代のメンバーを照らし合わせてもダントツね」

 

「そうか・・・だから初めて出会った時も蒼馬くんは1人で降魔を退治できたのか」

 

「・・・それだけじゃないわ。彼女は霊力を用いて武装を生成出来るのよ」

 

「武装を・・・ですか?」

 

「えぇ・・・それほど彼女の力は凄まじいモノなの」

 

 

 

まだ現れる敵の増援に警戒を強める蒼馬。

しかし、仲間が到着したのを確認するとすぐさま指示を出す。

 

 

 

「このまま挟み撃ちで叩く!」

 

「「「了解っ!!」」」

 

「数ばかり増えたところで・・・【Duplicate】、『ロベリア・カルリーニ』!!」

 

「す、凄い・・・・・」

 

「さくら!見惚れてないでアタシ達もやるよ!!」

 

「はいっ!!」

 

 

 

新たな口上と共に三式光武の両手がシザーハンズとなれば、炎が両手に灯る。

しかし、動き出せば霧のように姿が消え去り、1体、また1体と敵を刈り取るのであった。

その姿は炎を纏って踊っているようにも見え、その場を魅了する程であった。

 

 

 

「帝国華撃団・花組、巴里華撃団・花組、紐育華撃団・花組・・・・・総員20名。この数字を神山隊長何を意味しているかお分かりになりますでしょうか?」

 

「えっ・・・?それは、もしかして・・・・・」

 

「小日向 蒼馬・・・彼女の持つ【Duplicate】の数ですわ」

 

「全員分・・・ですか」

 

「昔の彼女が今まで努力してきた賜物・・・ですから」

 

 

 

すみれの最後の言葉はどことなく悲しげに聞こえたが、その時の誠十郎は知る由もなかった。

 

 

現場では敵の討伐を終えたのか安堵の息を漏らしていた。

 

 

 

「(それにしても最近頻発する降魔の出現にはなにか裏があるのかもしれない・・・・・そして、今回は分散するような降魔の出現だ・・・・・もしかしたら相手の目的は・・・・・?)」

 

「蒼馬さんっ!?!?」

 

「クラリス、どうし・・・・・っ!?!?」

 

 

 

言い終わるよりも先に真っ暗な闇のようなモノに包まれた4人。

視界が戻った時には目にした事のないような光景が広がっていた。

 

 

 

「各自、状況報告っ!!」

 

「さくら、動けますっ!!」

 

「おいおい!!光武の霊子水晶が反応しなくて動かねぇよっ!!」

 

「こちらも同じ状態みたいで動きそうにありませんっ!!」

 

「神山隊長、指示を求む!!」

 

 

 

作戦指令室も現状況が把握できたのか誠十郎が顎に手を当てて真剣に考えていた。

 

 

 

「妖力で出来た空間・・・降魔がそのようなモノ創り上げられるなんて考えられないし・・・・・」

 

「神山隊長!!私はまだ動けます!!私が道を切り開いてみせます!!!!」

 

「しかし、1人でなんて無茶だ!それに傷ついた仲間を置いてなんて・・・・・」

 

「クラリスと初穂はボクが面倒を見るよ。さくら、出口を見つけて来てくれ」

 

「はいっ!!!!!」

 

 

 

さくらは元気一杯の返事と共に奥へと突き進むと蒼馬は一度大きな深呼吸を入れる。

 

 

 

「どうやら・・・ボクもさくらさんを見習って全力でやらないといけないみたいだね」

 

「なっ!?なんだよこの数はっ!?」

 

「蒼馬さん!!私達を置いて貴女だけでも・・・・・っ!!」

 

「出来ない相談だな・・・ボクの愛する帝国華撃団のみんなを置いてなんてっ!!【Duplicate】、『大神 一郎』!!」

 

 

 

包囲する様に現れた傀儡騎兵の大群。

危機的状況に初穂とクラリスは声を荒げるが、蒼馬は奥歯を嚙み締め1番尊敬する名を口にした。

 

 

大太刀を両手に持つ構えはあの頃の隊長を映し出したように誕生する。

 

 

 

「ボクが生き続ける限り帝都の平和はなくならないっ!!!!!」

 

 

 

そう高らかに叫んだ蒼馬は疾風迅雷とばかりに敵を倒していく。

だが、多勢に無勢なのは変わりない・・・。

減りゆく敵の数に活路を見出した瞬間だった・・・。

 

 

 

「なっ・・・・・ぐぁぁぁぁっ!?!?」

 

「蒼馬さんっ!!」

 

「なんだよっ!!あのバカデカいの!!」

 

「もう逃げてくださいっ!!蒼馬さんっ!!このままじゃ貴女が本当に死んでしまいます!!」

 

「なんでだよっ!!動けよ、このポンコツ野郎ぉぉぉ!!!!」

 

 

 

突如として現れた巨大な降魔の殴打により、蒼馬の三式光武は壁にめり込むように打ち付けられたのだ。

いきなりの衝撃とダメージに意識が朦朧とする中初穂とクラリスの叫び声が響く。

三式光武内では警告音が鳴り響く中・・・蒼馬はゆっくりと起き上がる。

 

 

 

「(・・・・・全身が痛い。左目は・・・血が垂れていて見えないか。霊力は・・・申し分ない。まだ死んでないんだ・・・それならやれる事を全力でやる。そうだろ、小日向 蒼馬ぁぁぁ!!!!!)」

 

 

 

巨大降魔は容赦なくまた大振りの攻撃が迫り来る。

 

 

 

「蒼馬さんっ!」「蒼馬ぁぁぁっ!!」

 

 

 

2人の叫ぶ声が響く中・・・蒼馬は受け流し、大振りしてきた腕を斬り落としたのだ。

 

 

 

「不意打ちじゃないなら・・・対処の方法もある。だから、ボクに同じ攻撃は悪手だ」

 

 

 

崩れ落ちて来る巨大降魔に対してそう呟く。

 

 

 

「降魔に言っても意味はないか・・・・・【Duplicate】、『桐島 カンナ』!!」

 

 

 

悪態をつく蒼馬は霊力を集中させると崩れ落ちた巨大降魔に必殺技をぶち込む。

 

 

 

「一百林牌!!!!!」

 

 

 

思いっきり地面に拳を叩きつけると地面から炎を噴出し、巨大降魔を一瞬にして燃やし尽くしたのだ。

しかし、それと同時に蒼馬の三式光武は完全に機能停止してしまった。

 

 

 

 

 

それと同時にさくらが事件を解決させたのか結界がなくなり、帝国華撃団メンバーは大帝国劇場前に集まっていた。

 

 

 

「ど、どしたんですか!?!?蒼馬さん!!」

 

「・・・大したことない」

 

「そんな血まみれで言う台詞じゃねぇ・・・ぞっ!!」

 

「いっだぁぁぁっ!!!!!」

 

「蒼馬さんが叫ぶの初めて見ました・・・」

 

「ふふっ・・・それじゃあ、そろそろ戻ろうか」

 

「待ってください!!」

 

 

 

和やかな雰囲気で終わりを迎えようとしていたのだが、さくらがいきなり大きな声を出した。

 

 

 

「どうかしたのかい?」

 

「戦いに勝利した時の花組の伝統、ご存じないですか?」

 

「花組の伝統?なんだい、それ?」

 

「こうやるんです!」

 

「肩貸してやろうか?」

 

「・・・・・いらない」

 

「それじゃあ・・・手をお貸ししましょうか?」

 

「・・・・・どう言う意味だ?」

 

「ほらほら!せーの・・・勝利のポーズ・・・・・」

 

 

 

 

「「「「「決めっ!!」」」」」

 

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