天体観測してたら原始の女神に捕捉されたショタの話。 作:いしゅキチ
これをよんでるおにいちゃんへ。
また、いっしょにあそぼうね。
《“しょうたのにっき”表紙裏の厚紙より》
○月×日
おにいちゃんがでてった。
カルデア、ってとこでおしごとに行くんだって言ってた。
はなれたくないのに。おにいちゃんはいっちゃった。
いいもん。おにいちゃんなんてしらない。
○月△日
おにいちゃんがいない。
いつもいっしょだったのに。どうしていないんだろう。
おかあさんにきいても、すぐにかえってくるしか言わない。
おとうさんもそう言ってたけど少しかなしそう。おとうさんもやっぱりさみしいんだ。
おにいちゃんにあいたい。またいっしょにあそびたい。
○月□日
今日は、おとうさんが星をみるてんたい望遠鏡 を買ってくれた。これでがまんしなさいって。
夜のお空はきれいで、ずっとほしかったからすごくうれしい。
でも、おにいちゃんといっしょにみたかった。
○月h日
今日は、いいことをきいた!
あたらしいおほしさまを見つければ、見つけた人が名前をつけていいらしい。
なら、ぼくがそれを見つけておにいちゃんの名前にしてやるんだ。
そうすればはずかしくなって帰ってくるにちがいない。
ふふ、みんなが立香星立香星ってそらをみるのを見て顔まっかにすればいいんだ。
○月w日
今日は、あたらしい星はなかった。
お月さまがきれいだった。おかあさんがうさぎさんはいた?ってきいてきた。こどもあつかいだ。うさぎさんがむじゅうりょくで生きてるわけないじゃん。
タコみたいなうちゅう人がもちを作ってるにきまってるんだ。
○月s日
今日は、夕方にすっごい光ってる星を見つけた。
あたらしい星だってよろこんでたら、おとうさんが金星だっておしえてくれた。ざんねん。
でもきんきらでとてもきれいだった。これからはこれをみてからあたらしいのを探そう。赤い夜の空が近くにあるからすぐにわかるし。
○月d日
今日もあたらしいのはいなかった。やっぱりむずかしい。
金星は今日もきれいだった。赤い空もキラキラしてかっこよかった。おかあさんにみせてもきれいねーしかいわない。てきとうだ。ぜったいちゃんと見てない。あたまなでられてもごまかされないもん。
おとうさんにも見せたいけどそのころには見えなくなっちゃう。ざんねん。
○月c日
女の人がお空で浮かんでた。
赤いお空でぷかぷか浮かんでた。目つむってたからねてたのかな。
そしたら目をあけてこっちをみた。
すごいびっくりしたみたいで赤いお空にかくれちゃった。
変な目だったけどきれいだったな。金星みたいで。また見えるかな?
○月f日
また女の人がぷかぷか浮かんでた。
丁度、おかあさんがいたから見せてたら、見えないって言ってた。うそつき。ませたわねとか言ってた。こどもあつかいだ。足にくっついてこーぎした。
ぼくはこどもじゃないもん。
○月z日
女の人は今日もいた。きれいな目でこっちを見てる。
いつもおなじかっこうしてる。赤いひらひら。せんたくしないときたないと思う。せんたくきがないのかな?かわいそう。
おとうさんがかえってきても見えてたから見せた。見えないってわらわれた。うそつき。もうしらない。二人には見せてあげないもん。
○月g日
今日は女の人をずっと見てた。
にらめっこみたいで面白かった。女の人も面白そうにわらってた。やさしいせかい。
○月k日
今日は女の人を見なかった。
ぼくのしめいは、新しい星を見つけることなのをわすれてた。女の人はどう見ても星じゃない。
はやくして見つけないと、おにいちゃんがかえってこない。
○月k日
どれだけ探しても新しいのじゃない。
これじゃあ、おにいちゃんが。
おにいちゃんは今なにしてるのかな。おしごと大変かな。ぼくのこと、ちゃんと覚えてくれてるかな。
かなしいから今日は星を見ないでおかあさんとねることにしよう。
○月y日
望遠鏡をのぞいても女の人しか見えなくなっちゃった。ずっと見てくる。きれいだけどちょっとこわい。
こわれちゃったのかな。でも、ふつうにお空を見ても赤い空しか見えないからちがうはず。
テレビもお空の話ばっかりだった。
なんか、かいきにっしょくってやつみたい。お空の色が変わってめずらしいんだって。
おにいちゃんもお空見てるかな?
○月r日
いえにふしんしゃが来た。
変なことばを話しててよくわかんなかった。急いでお部屋から出ておかあさんを呼んだけどそのときにはいなかった。
こわい。おにいちゃんがいないから、今日はおとうさんとねよう。