二年間剣の世界で生き延びた剣士はまたVRにのめりこむようです 作:ウィングゼロ
剣戟が鳴り響く。この二年間で聞きなれた。金属同士のぶつかり合う音…
それと同時に思い浮かぶのはあの日の……あの世界で見た最後の光景
ぶつかり合う
ただ指を加えながらその死闘を眺めていると、二本の剣の刀身に輝きが増す。
それこそこの世界において唯一の俺たちに与えられた。
防がれていく二本の連撃…遂には片割れの剣が折れ、あの男の剣が
愛する彼女を守れなかった。あの人もその瞳から戦う気力を失い。ただあの男の一撃を体に突き刺されるのをただ見ることしかできなかった。
そしてあの人のHPも0になり体は彼女のように砕け散るのだと絶望に心染め上げたその時。奇跡は起きた。
動かないはずのあの人の腕が動き最後に一矢報いようと叫ぶあの人の声と共にあの男の体を剣が貫き。両者とも体が砕け散り。その場は静寂に包まれる。
そして鐘の音と共に俺たちはこの浮遊する鉄の城から解放されたのだ。
「また、あの日の夢か…」
現実へと目を覚ました俺は自分のベットの上でぼそりとそう呟く。
いまだに懐かしく思うこの自室だが…何故か落ち着くことができなかった。
「…SAOがクリアされて…もう二か月…キリト…アスナ…どうして…」
俺は悲しみで目から流れてくる涙を腕で拭うと寝返りを打ってうつぶせになりまた思考の海に潜り込む。
あの日茅場晶彦は倒された。客観的に見ればハッピーエンドと締めくくるだろうがその場にいた功績者であるキリトとアスナの犠牲の上で成り立っているに他ならない。
あの二人と共に戦ってきた俺にとってはどうしても許容することはできなった。
だからこそ、毎日というように
「太一!もうお昼よ!」
思考の海使っていると部屋の外から聞きなれた母親の声が飛んでくる。あの日までは聞きたくてたまらなかった。肉親の声だけど目覚めたときにそう言った感情は沸くことはなかった。
「今、行く」
短い言葉で母親に返事をするとベットから起きて部屋のドアノブに手をかけるとつい、部屋に置いてある鏡に目に映る。
ラフなシャツやズボンを着ている今の俺。しかしかすかにあのアインクラッドで戦ってきた戦闘着の俺の姿が幻視した気がした。ここは命を懸けて生き抜いたデスゲームとは違うというのに…
きっと、未だにおれの半身は