二年間剣の世界で生き延びた剣士はまたVRにのめりこむようです 作:ウィングゼロ
サイト
Lv17
HP 240/240 〈+200〉
MP 62/62 〈+50〉
【STR 67 〈+20〉】
【VIT 39】
【AGI 39】
【DEX 0】
【INT 0】
装備
頭 【空欄】
体 【空欄】
右手【初心者の大剣】
左手【初心者の大剣】
足 【空欄】
靴 【空欄】
装飾品 【騎士の誓い】
【空欄】
【空欄】
スキル
【大剣の心得Ⅲ】【武器防御】 【暗黒】
北の最果てからの帰り道、足を止め休憩がてら木下でレベル10から溜まっていたポイントを割り振った後、クロムにメッセージを送りつけていた。
≪クエストクリアしたぞ≫
≪マジかっ!?で?何を手に入れたんだ?≫
≪一応アクセサリー。結構強い。ただあのクエストNPC明らかにAGI60以上はあったぞ≫
≪60!?そんなバカな≫
≪あれは絶対40ではない。帰ったら覚えておけよ≫
「さて、動こうかな」
体を起こし、また町への帰路を歩いて行く。
そしても夜空が輝く中、既に時間も11時と昨日より夜更かししている時間帯になっており、街に戻ってくると俺は真っ先にクロムがいるであろうイズ工房へやってきた。
「クロム!さあ、年貢の…あれ?いないのか?」
「いらっしゃいサイトくん。クロムならついさっき落ちたわよ」
「…逃げたか」
町に入って直ぐにフレンド欄でクロムがまだログインしているのを確認したのだが…今確認するとログアウトしているのがわかる。
「私も直ぐにログアウトするから…装備の相談ならまた明日ね…多分クロムも明日は日曜だから昼にはログインすると思うし…その時に騙された怨み辛みを言ったらどうかしら?」
「…じゃあそうさせてもらいます」
この鬱憤を晴らすのは明日…覚えていろよクロム。そう言いながらイズがログアウトするのを見送った後、俺も後から続けてログアウト現実へと戻った。
「おう、太一。もう寝たと思ったがこんな時間帯までゲームやってたのか?」
「父さんこそ明日休みだからって…飲んだくれるのは母さん怒るぞ…後クエスト受ける場所が遠かったからその分でだろう」
「わかってるって…クエストかどういうクエスト受けたんだ?」
「ああ、留まりし騎士って言う……父さん?何顔色変えてるんだ?」
「え?いやその……お前まさか……初回クリアしたのか?」
「……そのまさか…とだけ言っておく」
「ああ、暗黒取ったんだな…」
父さんが遠い目をしながらぶつぶつと呟き始めた時点で、確実に取らせる気のない鬼畜難易度だったのだと推測する俺は運が良かったのだろう。
そんな上の空の父さんを見ながら、ふと映りぱなしのテレビに視線を向けるとニュースが流れていた。
「今日午後7時半過ぎに、都内の病院で男子高校生に危害を与えた容疑で須郷伸行容疑者が逮捕されました。須郷伸之容疑者は……」
「あれ?確かこの男って」
「ん?ああ、レクト社のVR部門の主任だ。VRにおいて茅場晶彦の次に優秀って言われていた男だ…」
「茅場……晶彦…」
まさかこんな所でまたあいつの名前を聞くなんて……にしても須郷という男、そこまで偉い地位にいたのに関わらずなぜこのようなことを?
「たった今速報が入ってきました!SAOクリア以後未だに眠り続けていたというSAOプレイヤーが目を覚ましたとのことです。現在状況が……」
「目を覚ましたって……SAOプレイヤーにまだ目を覚ましてなかった人達が居たのか!?」
「噂じゃあ300人居たってよ……だが目を覚ましたんなら良かったじゃねえか……これでレクトも重い荷が下りたってことだ」
「?どうしてレクトも重荷が下りたんだ?」
「そりゃあ……今現在のSAOサーバーを管理しているのは……レクトだからな……全員帰ってこれたんならもうSAOのサーバーも不要だろ?」
「…………」
レクト社のVR部門の主任である須郷伸之の逮捕……そして300人居た未帰還者の生還……これが同時期に起きた……まさか繋がっている?
「なあ……父さんさっきの須郷の件と今の未帰還者の件……どっちもレクトが関わってるんだよな……」
「……言われればそうだな……おいまさか……」
父さんも俺が考えている事を察したのか、先程の悠々と寛いでいた表情が抜ける。
「物凄く……嫌な予感がする」
確実に何が起きているそんな気がした。
そしてそれは現実のことになってしまった。
翌日朝早くだというのに、俺はNWOにログインし街中を走る。
周りを見渡すと、まだ8時前だというのに慌ただしく顔に焦りを出しながらプレイヤーが多い。
。
それはみんな考えていることが同じだからだ。
昨晩の須郷伸之とSAO生還者300名の帰還これはやはり繋がっていた。
ALOのグランドクエストである世界樹の上にその300人を拉致し、非道な実験材料として扱われていたという恐るべき事実だった。