二年間剣の世界で生き延びた剣士はまたVRにのめりこむようです   作:ウィングゼロ

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12話『SAO生還者とまた会う日まで』(後編)

「イ、ズ…」

 

 

 

イスがHPが0になった(死んだ)。あの時と同じように目の前でイズ(アスナ)が死んだ。

 

 

 

「はぁ…はぁ…はぁっ…!」

 

『警告、心拍数上昇、強制ログアウトする恐れがあります』

 

 

 

俺はまた…何も出来ずに 

 

 

 

「おい、大丈夫か!?」

 

 

 

クロムが取り乱して俺の元にやってきてくれる。

 

 

 

「凄い汗だぞ!?落ち着けこのままだと強制的に…」

 

「ク、ロム…イ、イズが…!」

 

「ああ、今頃イズは町に強制的に戻されただろう…」

 

「俺…はまた……守れ……なかった……!」

 

「サイト……お前」

 

 

 

あの時と同じだ……結局近くにいたのに仲間(友達)を助けることは出来なかった。

 

 

 

「サイトお前は……っ!くそ!」

 

 

 

何かに気付いた、クロムは驚いて俺を見ていたが毒竜はお構いなしに毒のブレスを俺達に目掛けて吐き、それを見てクロムは大楯を構えて防ぐ。

 

 

 

「クロム……!」

 

「確りしろ!サイト、お前がどこのVRMMOから来たかなんて関係ない。かなりトラウマになっていることがあったのかもしれねえが……今居るところはNWOだ!そのVRMMOじゃねえよ!」

 

「クロム」

 

 

 

そうだ此処はSAOではない…ゲームであって遊びなのだゲームであって遊びではない

 

そんなことわかっているのに今、あの時とは無関係なクロムにその事で迷惑を掛けている。

 

 

 

「くそ!じりじりと毒でHPが…!」

 

「クロム!」

 

「サイト!後は頼むぞ!お前ならひとりでボスを倒せるだろう…」

 

 

 

そういって託してくれるクロム…そうだ、いま俺がすべきことは…

 

決意を新たに毒無効化ポーションを飲むと俺はクロムの横を通り過ぎ毒竜の頭に大剣で切り裂き、HPバーを少し削る。

 

ダメージを与え怯む毒竜…

 

それを見てふと後ろを見るとクロムもHPが0になり消滅…託された以上、毒竜を倒さなければ

 

 

 

「行くぞ…暗黒!

 

 

 

その叫び共に俺が持つ剣が黒紫のエネルギーを纏い、刀身が2メートルを越え確りと柄を握り締めて毒竜へと踏み込んだ。

 

 

 

先ずは一閃、胴体部分を切りつけると頭を狙った時より少しダメージが通る。

 

そしてこっちも暗黒のデメリットで1秒毎にHP5減っている。

 

 

 

つまり制限時間はノーダメで約40秒…それまでにけりを即けなければならない。

 

 

「ダメージが浅い!狙うは頭部か!」

 

残り時間のことを考え、狙いを頭部に定め攻撃してくる頭部に何度も切りつける。

 

一発、一発がダメージがでかいために毒竜のHPをゴリゴリ削っていく。

 

 

「残り20秒!」

 

 

既にHPは100を切った。向こうは後2割ほど…

 

もう少しと馳せる気持ちが昂る中、毒竜の頭の一つがこちらに突っ込んでくる。

 

 

「こうなれば!」

 

 

咄嗟の思い付きで毒竜の頭に飛び乗る。落ちないように大剣で頭を突き刺し確りと柄を持って暴れる毒竜に振り落とされないようにして継続ダメージで毒竜のHPを削っていく。

 

そして10秒後、遂に毒竜のHPは尽き毒竜はポリゴンになって消滅した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「それじゃあ、ボス討伐祝い!乾杯!!」

 

「「乾杯!!」」

 

 

町の一角にある飲食店、そこのテーブル席に座る俺たちは頼んだケーキとジュースを片手に乾杯する。イズとクロム…そして俺は先ほどの苦労を労おうと飲食店で祝勝会を開いていた。

 

 

「まさか、本当に3人で毒竜を倒せるとは思ってなかった。」

 

「あら?勝てる見込みがあって提案したんじゃないの?」

 

「それはやってみたいだけで、必ず勝てるとは思ってなかったし…」

 

 

まあ、クロムの言う通りなところはあった。暗黒を使わなければ確実に倒せなかったし…

 

 

「それに一番の功績者はサイトだろ?」

 

 

クロムお言葉に二人とも俺に視線を向ける。確かに最後まで戦って毒竜を倒したのは俺だが…俺だけではどうしようもなかった。

 

 

「俺はイズが全損した時、とても戦える状態じゃなかった。クロム俺は…」

 

 

あれだけ迷惑をかけて理由を言わないのはダメだ。意を決して打ち明けようとした時、クロムに手を突き出して静止される。

 

 

「別にいいぞ…その理由ってのはリアルもかかわってるんだろ?詮索するのは野暮な話だ」

 

「そうね…言いたくないなら。言わなくてもいいんじゃないかしら?」

 

 

…これたぶん察してもらってるな…ならここは言うべきではないだろうっと俺はジュースを飲んで気持ちをリラックスするとイズが思い詰めて口を開けた。

 

 

「それにしても…残念よね…」

 

「……」

 

「イズ」

 

 

とても落ち込んでるイズに俺は無言でジュースを置き、クロムは心配の声を上げる。

 

これだけ聞けばどれだけ、NWOをサービス停止になるのが悔やんでいるのかはよくわかる…本当にそうお思っているのなら

 

 

 

 

 

「毒竜の素材…手に入れられなかったなんて」

 

 

 

ダンッ!(机に何かが当たる音)

 

 

 

「イズ…」

 

 

勿体ないわと素材を手に入れられなかったことに不満のイズにクロムも手を当てて溜息を吐く。因みに俺はテーブルに頭をつけてる。

 

 

あの後…俺も死んだのだ。

 

毒竜を倒した後、頭に突き刺してしがみついていた俺は毒竜が消滅すると空中に放り出された。それから持ち前のPSで体制を立て直して無事に着地する自信はあったのだが…ここで毒竜の迷宮と言われる由縁にとどめを刺されることになる。

 

 

着地する場所は毒沼で使っていた毒無効化も完全に切れている。

 

その上HPもほとんどなかったことでつまり何が起きるか…それは簡単

 

 

 

「サイトくん、きっちり毒竜は倒してのに直ぐに毒沼に嵌って死んじゃうなんて…」

 

 

イズの言う通り…そういうわけで毒竜の素材は入手する事は叶わなかった。

 

 

 

「まあ、これもいい思い出になるだろう…」

 

「…後でいいオチの話になるだろうな…」

 

 

 

ジュースを飲みながらふてくされているとこの世界(NWO)全てに響くシステムアナウンスが鳴り響いた。

 

 

 

『プレイ中のプレイヤーの皆様にお伝えします…』

 

「…遂にか…」

 

「そうね…やっぱり寂しいわね…」

 

 

NWOが終わるたった一人の悪意によって広がった波紋がこの世界を飲み込む。

 

 

「やっぱ…嫌だな…」

 

 

仕方ないとはわかっている。しかしVRMMOという世界がなくなるというのはあの二人(キリトとアスナ)あの世界(アインクラッド)で散っていったプレイヤー達の生き様が全て無意味にされそうで嫌なのだ。

 

 

 

「まだ、完全にVRMMOがなくなるわけじゃない…いつかきっとVRMMOが戻ってくるだろう。その時にまた一緒にパーティーを組もう」

 

「そうね…なら次に会うときにはサイトくんに似合う防具も考えておかないとね」

 

「クロム…イズ…そうだな。生きていればいつかまた会える…もしNWOがまた再開するときが来ればその時にこの世界で会おう」

 

 

 

お互いに約束を交わした直後俺の視界が光に包まれる。そして少しすると現実に戻ってきた…強制ログアウトしたのか…

 

アミュスフィアを外しベットから起き上がり、夕暮れの景色を眺める。

 

きっとまたあの世界(NWO)に戻れると信じて…

 

 

 

 

 

そしてそれは予想以上に早くその願いは叶う事になる。

 

 

突如として現れた。ザ・シードという世界の種子によって

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