二年間剣の世界で生き延びた剣士はまたVRにのめりこむようです 作:ウィングゼロ
アンソロのカレーの話はマジで笑った
「はぁ…」
とても憂鬱だ……
こういう日に限っては何事にも身が入らない。リフレッシュがてら釣りでも行くかと思うがその気も出てくる気がしない。
「溜め息なんて付いちゃって……どうかしたの?」
「なんでも~イズ、飲み物なんかない?」
「此処はカフェじゃないわよ」
そう言いつつもアイテムストレージからカップを出して紅茶を垂れてくれているイズ。それを受け取り、一口、口にして心を和らぐ。
「はぁ…落ち着くな」
「それで?どうしてログインしてからそこまで溜め息を付いてるのかしら?」
リラックスしたところで腕を組んで、原因を尋ねられると俺は語り出した。そうあれは今日の昼のこと……NWOが復活をして2週間…4月の中旬辺りでの出来事だった。
「はい、今回は一組八人のグループを作って1週間に今の情勢についてリサーチして纏めてくる。課題はどんな物でもいいが確りと調べてくるように」
6限目の道徳の時間で、担任の教師が俺達に課題を出してくると教室内は響いた。
そりゃあ結構大規模な課題だ。確りリサーチして纏め上げればきっと内申点が貰えるだろう。
「課題か……」
「課題なんて別に深く考えなくても良いんじゃない?」
課題について悩む俺だが、話している明久はどうでもいいと適当に課題を済ませようとしているがそれで済む課題ではないだろう。
「明久一人ならそれでいいかもしれないが8人で一つの課題をまとめないといけないわけだし…生半可なレポートじゃあダメだろ」
すると明久はそっか…っと溜息を零しうなだれ、課題をどうするか考え始めたんだがきっと明久ではいい課題を思いつかないだろう
「まずはあと6人集めないと、まずはそこからだな」
「坂口くん、吉井くん。少しいいかな?」
「本条さん?」
この課題の難点である8人を集めないといけない。課題はそれからでいいそう思っていると本条さんが俺達に近づいてきて話しかけてくる。
「えっと、二人はもう誰かと課題をする予定なのかな?」
「いや、まだ明久と俺だけであと6人決まってない」
「そうなんだ…あのね、もしよかったら一緒にしないかな?」
もじもじと指を動かしながらあまり親しくない人と話すのは慣れないのか、本条さんはちょっと遠慮気味に課題について一緒にやらないかと提案してきて、放課後に残っている男子どもはみんな俺達に視線を向けた。
高校生ながら小柄な体格に美少女ときたら、それは注目も浴びるわけで…周りからは何本条さんに誘われてるんじゃこらっといった嫉妬と殺意が入れ混じった視線を向けられている。
「えっと、本条さん少しいいかな?」
「吉井くん、何かな?」
「一緒にって本条さんだけじゃなくて、白峯さんも一緒だよね?」
「うん!私たちも2人しかいないし…どうかな?」
「別に断る理由もないだろうし…むしろ後6人誰とするか決めかねているところだったから」
「そうなんだ!じゃあ、よろしくね!」
っと満面の笑みを俺に向けて浮かべる本条さん。周りの殺意が一層に高まる中、あと四人と考えているとこちらに3人近づいてくる。
「よう!明久!それと…確か、坂口だったけ?お前らも課題のメンツ集めしてるんだろ?じゃあ、俺達も仲間に加えてくれないか?」
「8人集めるのもやっとだからな、此処は親しい間柄のよしみで集まるのが無難だろう」
「だから、いいかな?」
「渉!それに杉並くんに園部さん」
やってきた3人右から制服を着崩しチャラそうな顔立ちの板橋渉。板橋とは逆にしっかりと制服を着て、不敵に笑う杉並…名前は自己紹介でも苗字しか言ってなかった。
そして紅一点、本条さんにも負けず劣らずの小柄で茶髪の髪をなびかせる園部灯里さん。
この3人は俺というか明久と仲のいい3人で、何でも入試の時に一緒だったとか…
「別に俺は問題ないから…本条さんは?」
「私もいいよ、あと…一人だね」
「ふむ、ならば…彼女はどうだろうか」
杉並が指を指し俺達も視線を指の先に向けると、そこには帰る支度をしている眼鏡をかけた黒髪の女子高生。確か名前は…
「朝田詩乃、東北出身で高校から東京に上京してきた。彼女ならまだ誰も誘っていないだろう」
「そうなんだ、私誘ってくるね!」
「あっ!本条さん!私もいくよ!」
思いついたら即行動、そういわんばかりに本条さんと園部さんが朝田さんの席に向かい、帰る支度をしている朝田さんを呼び止め、早速誘っていた。
「本条さんも園部さんも行動力あるよね」
「だよな、あの二人似たもの同士だし話せば直ぐに仲良くなりそうだよな」
明久と板橋は同じことを言って…この二人も同じな気がする。
「どうやら、朝田を連れて帰ってきたようだぞ」
「お待たせ!連れてきたよ!」
「一緒に課題手伝ってくれるって!ねえ、楓ちゃん!」
「うん!灯里!」
「…予想以上に早く仲良くなったな」
戻って来るのに僅か数分、たったそれだけの時間でこの二人の仲が進展した。
ニコニコと笑みを浮かべる二人と対照的に朝田さんはどこか疲れている。まあ、自分を誘いに来たのにいきなり二人が仲良くなるところ目の当りにしたらそうもなるかもしれない。
「…大丈夫か?」
「…ありがとう。その課題の件よね?まだ決まってないのなら、明日に決めないかしら…その買い物があって…」
朝田さんを労うと素直にお礼を言う朝田さん。どうやら買い物をしようとしていたらしく、長く留まらせるのは朝田さんにとって都合が悪そうだ。
「じゃあ、提案があるんだけどいい?」
どうしたものかと考えていると、離れて俺達を見ていた白峯さんが課題についていい案があるらしく、俺達7人は視線を白峯さんに向けた。
「それで課題が、今のVRMMOに関する情勢…ってことになったのね」
「…はい」
紅茶をまた入れてもらい、マナー違反だがことの経緯をすべて話した俺は溜息をまた零す。
「今の情勢っていえばVRMMOは確かに当てはまるし、課題にするのも悪くはない話なんだけど…」
「ネットで調べるより、ログインして他のプレイヤーにインタビューしたり、実際に経験談を加える。とてもいいレポートができるんじゃないかしら」
「…そうでしょうけど…みんなNWOにログインするって話になって…」
本条さん曰く、それ理沙がやりたいだけだよねっと小声で呟いていたのはさておき、問題はここからなのだ、俺はメニュー画面を開け今のステータスを確認する。
サイト
Lv42
HP 40〈+250〉=290
MP 12〈+60〉=72
【STR 100 〈+32〉=132】
【VIT 58 〈+11〉=69】
【AGI 58 〈+55〉=113】
【DEX 9】
【INT 0】
装備
頭 【空欄】
体 【放浪者の服・Ⅸ】
右手【バスタードソード・Ⅷ】
左手【バスタードソード・Ⅷ】
足 【放浪者のズボン・Ⅶ】
靴 【疾風の靴】
装飾品 【騎士の誓い】
【フォレストクインビーの指輪】
【空欄】
スキル
【大剣の心得Ⅵ】【武器防御】 【暗黒】【水泳Ⅹ】【潜水Ⅹ】【バトルヒーリング】【武器破壊】【HP増加中】【MP強化小】【パワーストライク】【毒無効】【麻痺耐性中】【スタン耐性中】【ノックバック無効】
バスタードソード・Ⅷ
【STR+32】
放浪者の服・Ⅸ
【AGI+15】
【VIT+5】
放浪者のズボン・Ⅶ
【AGI+10】
疾風の靴
【AGI+30】
【落下ダメージ軽減】
フォレストクインビーの指輪
【VIT+6】
10分間毎にHPの1割を回復する
今のステータスはこんな感じになっていた。
体と足の防具はイズのオーダーメイドで作った装備で、毒竜の戦いで使った防具の延線上な見た目をしている。足の疾風の靴に関してはクエストを最高ランクでクリアした一番のプレイヤーが手に入れる装備、効果で落下ダメージを半減してくれる。
その上、毒耐性を手に入れる過程でドロップしたフォレストクインビーの指輪。
これも1分間に1割回復というお得な効果が付いていて、暗黒でHPを削る俺にとってこれほどないほどに重宝する装備だった。
他にもHP増加で50増加しMP増加で+10、一応と思って手に入れた大剣のスキルパワーストライクや10秒ごとにHPの1%回復するバトルヒーリング。その他の他耐性のスキルも取得しかなり状態異常に耐性を持たせた。
ステ振りに関しても一度STRは100で止め今はDEXを上げている…理由は察してくれ
こんな感じが今のステータス…だからこそ思う…これは確実に浮くだろう。
他8人は間違いなく初期装備のレベル1。そんな中レベル42の化け物が紛れ込むのだ。…思っただけでも頭を抱えた。
「はぁ…」
「もう、なるようになるしかないんじゃないかしら?」
改めて確認したことで溜息を零し、イズも諦めろとジト目でそのことについて匙を投げた
渉→D.C.Ⅱの板橋渉
杉並→D.C.Ⅱの杉並
園部灯里→アトリエシリーズのソフィー
明久→バカテスの吉井明久