二年間剣の世界で生き延びた剣士はまたVRにのめりこむようです 作:ウィングゼロ
こんなところでまさか本条さんとは出くわすとは、ソフィーの話通りかなり前からいたのかもしれない。そんな本条さんは頭を掻いてえへへっと照れていると、思い出した様に声を上げる。
「そうだ!坂口くんが居るってことはもう課題始めてるんだよね…ええ!?10時!?私、もしかしなくてもやっちゃった?」
「ああ、思い切りな…園部さん…この世界ではソフィーがかなり心配してたぞ」
「あうう…後で謝らないと…みんなもうログアウトしてるかな?」
「さあ、そればかりはわからない。」
「そろそろ、ログアウトした方がいいかも、えっとログアウト、ログアウト…「待った!」ほえ?どうしたの?坂口くん」
ここでログアウトしようとする本条さん。しかしそれは余りにも無防備だった為に俺はすぐさま呼び止めた。
「流石にここでログアウトするのは不用心すぎる。フィールドに出てログアウトすると体はしばらくは消滅せずその場に残るらしい。その間に他のプレイヤーに変な事されても困るだろ?後、ここでの俺の名前はサイトだから」
「ええ!?そうなの!?ん~じゃあログアウトするなら町の中でか…ここから戻るの少しかかるかも」
そう言って苦笑いを浮かべる。本条さん、一応名前も偽名ではないキャラネームを伝えた。もう偽名使ったところで意味もないだろうから
「それで?なんで本条さんはこんなところでモンスターと戯れていたんですか?」
「えっと、実はスキルを手に入れたくて…気配察知のスキルとかあれば便利だなっと思って、目を閉じて集中していたら…あんな感じに…たぶん3時間ぐらい集中してたかな?あ、あと私はメイプルって名前だから」
「…よく死ななかったな…普通なら死んでても可笑しくないんだが…」
そう告げるとえ?そうなの?っと驚いた表情を見せるメイプル。
少し話した相手だからそうだと思ったがやっぱり天然だった
それと俺としてもメイプルの防御力には気になるところはある。明らかにただVITを上げてるだけでは説明が付かないしきっとなにかVITを上げる特別なスキルでも取得しているのかもしれない。
「あ、さっきのでレベル11になってる…10の倍数だとポイントも2倍なんだ…じゃあ全部VITに振ろうっと」
「全部…VIT?まさかメイプルって極振り?」
「え?うん、そうだよ…あ、ステータスって人に言っちゃダメだったよね」
どうしようっと口に出してしまったことに慌てるメイプル。でもサイトくんなら問題ない…よね。っと完全に開き直ると胸を張って言い出した。
「VIT極振り!痛いの嫌だったし」
「ああ、そうなの」
滅茶苦茶単純の理由について簡潔に返事を返す。
まあ、そろそろ帰るべきかと俺はメイプルに町まで戻るか尋ねると、二つ返事で頷き町の方に歩いて行くのだが…
「ま、待って~」
「え?」
直ぐにメイプルが声を上げて振り向くと、普通に歩いていただけだというのにその距離はかなり開いていた。
「…メイプル」
「早いよ、サイトくん」
「…」
見た限りだとクロムより遅いかもしれない…確かクロムがAGI20といっていたからそれ以下、さっきのメイプルのVIT全振り案件もあるから、もしかすれば0の可能性も否めなくはない。
「私が遅いだけなんだろうけどさ…あれ?」
自分の遅さに項垂れていると、何かに見つけたのか視線の方向に目を向けると何やら地下へと潜れそうな隙間が存在した。
「こんなところに洞穴か…俺もここには何度か来たけどこんなの見たことないな…まさか追加された。ダンジョンか?」
「へえ…ねえせっかくだから入ってみようよ」
「もう10時だぞ?いいのか?」
聞く限りそれだけの時間ログインしていたのだ。親御さんは心配しているのではないかと尋ねると大丈夫だよと言い返す。
「ご飯は早めに食べたし、今日はその両親遅くなるって言ってたから、大丈夫。それに明日は休みだし!」
「そうか」
メイプルが問題ないのならいいだろうと洞穴の中に入っていく。
中は夜ということもあって薄暗く、奥は真っ暗で見えない。
「これは先に進むのは危険だな…一度戻ろう。町で必要な物買ったら、また来よう…マップにピンを刺しておいて…よし!行こう」
これでここに来るまでの道のりで迷うことはないだろう。
一度、街に戻るとかなり夜だということもあって往来は少ない
「人少なくなってるね。」
「そうだな、一旦リアルに戻ったらどうだ?水分補給もしておかないといけないだろ?」
「そうだね。それじゃあ噴水広場で集合だね」
そう言ってメイプルはログアウトし、俺は必要そうな物資を手に入れる為メニューを開けてイズがまだインしていることを確認するとメッセージを送り工房に足を運ぶ。
「イズ、夜分悪いんだけどさ、メッセージで送ったアイテム揃えた…」
「あら?奇遇ね…サカタくん」
「ようやく、見つけた!まだログインしてたんだね。サカタくん」
イズの工房には先客が来ていて、初心者の装備で俺にとってものすごく見覚えが得る5人だった
「…悪い取り込み中なら出直すことにするわ」
「どこに行く気かな?サカタ?」
「そうだぜ、俺達必死にリサーチしたんだから聞いてくれよ」
直ぐにこの場から去りたい俺は踵を返しこの場から去ろうとするが、アキとワタルに肩を掴まれ身動きが取れない。
「ふっ、年貢の納め時だ…」
「サイトくん。もう諦めたらどうかしら?」
確実に逃げ場がないと不敵に笑うスギナミ。イズも、じと目でアキ達に肩を持ち、俺も無理だと判断して肩を落とすのであった。