二年間剣の世界で生き延びた剣士はまたVRにのめりこむようです   作:ウィングゼロ

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18話『SAO生還者とクエスト2』

 

 

 

「…はぁ…何でこうなった」

 

 

 

俺は空の夜空を見上げながら呟く。

 

目的の洞穴まで準備もできたので、メイプルと合流し移動中

 

 

 

「ちょっとした夜中のピクニックみたいだね」

 

「うん、現実じゃあ、こんなことできないもんね」

 

「うおっと、と…今なんかに蹴躓いた」

 

「多分木の幹じゃないかな?ALOじゃあ空飛んですいすい進んでいくんだけど」

 

「未知なる洞穴…中々面白い…探求心が湧き出てくるではないか」

 

「リアルでも、もう夜中なのにみんなで集まって探検できるなんてやっぱりVRって不思議ね…」

 

 

+α愉快なクラスメイトも引き連れて

 

ことの経緯と俺のことをすべて白状した俺は、やっぱり驚かれはしたがそこまでで特にそれ以上の追及はされず、後で高位ランカーとしてのコメントなどをレポートで協力するという約束をし俺の件は手打ちになった。そして俺とメイプルが見つけた洞穴の件に興味を(主にスギナミが)示した全員が参加すると形になり、集合場所で合流したメイプルも驚いたが、直ぐにソフィーと一緒にピクニック気分でうきうきと鼻歌交じりに真夜中の西の森をゆっくりと歩いている。

 

 

「ねえサイトくん…あとどれくらいで着きそう?」

 

「そうだな…このままの速度だと2,3分ってところだな」

 

 

本来ならもう到着していてもよかったんだが、AGI0のメイプルがいる以上どうしても移動に時間を要してしまうのだ。

 

AGIに関してメイプルはものすごく落ち込んで、俺達でフォローしたのは言うまでもない。

 

 

「よし、着いたぞ。とりあえずみんなこれ被ってくれ」

 

 

俺は念のため、マップを見てこの洞穴が先に見つけた洞穴で間違いないことを確認すると、ストレージからフード付きのローブを6着取り出し、他のみんなに配っていく。

 

 

「どうして、こんなものを?」

 

「このローブ、プレイヤーメイドで夜間中は保護色で隠蔽にボーナスが付くんだが本命は顔ばれ防止の為だ。何かあって、居づらくなるのは嫌だろ?」

 

 

そういうとなるほどっと理解してくれたみんなはローブ(イズ製作)を装備し、同じくイズに作ってもらったランタンを片手に付いた明かりを頼りに中へと進んでいく。

 

 

ランタンを持つ俺を先頭に進んでいく中、モンスターもいない為、比較的に早く奥に進む事ができた。それほど広くない岩肌な通路を進むと大きな空間が開いている空洞に差し掛かる。

 

 

「…広いところに出たわね。」

 

「シノンさん。気を付けてこういう場所は間違いなく、強敵が潜んでるはずだから」

 

 

 

空洞に出たことに辺りを見渡すシノン。それに注意して自身の経験談で何かあるとアキは話すとシノン達の顔に緊張が走る。

 

 

 

「…!みんな奥に何かいる」

 

 

そんな中、俺は微かにこの暗闇の中に潜む何かの呻き声を聞き取るとみんなに告げてバスタードソードに手をかけ、片手で持つランタンで奥を照らす。

 

そして照らした先にいたのは案の定モンスターだった。

 

こちらを見据えるモンスター。いつでも仕掛けられるようにバスタードソードを持つ手に力を入れるとメイプルがそのモンスターを見て呟く。

 

 

 

「ドラゴン?」

 

「正確には翼竜(ワイバーン)だな。この辺りでは見かけないのを見るに特殊なモンスターと考えるのが妥当だろう…」

 

 

今までとは違う迫力に弱腰のメイプル。そんなメイプルが呟いたのを訂正しながらバスタードソードを構えるとワイバーンも呻きを上げて威嚇してくる。

 

一触即発…そんな緊張感の中、口を開けたのはソフィーだった。

 

 

「あれ?このモンスター…かなり弱ってない?」

 

「あっ!本当だ!HPものすごく減ってるよ」

 

「ねえ、これってどういうこと?もしかして私達の前に誰か戦っていたってことかしら?」

 

 

ソフィーに続きメイプル、シノンと気づいて思った事を口にする。そしてシノンの疑問に対し俺は首を振った。

 

 

「それはない…後少しで倒せるモンスターを後から来たパーティーが倒す事になれば先のパーティーの努力を無下にする行為だ。それじゃあ不公平すぎる。」

 

「じゃあ、こいつは元からこのHPだったてことか?だったら」

 

「だ、ダメーーーー!!」

 

 

そう言ってワタルは両手斧をワイバーンに攻撃しようとする。しかしそんな合間に割って入ったソフィーが腕を大きく広げ叫ぶ。

 

 

「ソフィーちゃん!?」

 

「こんなに弱ってるのにこのワイバーンが可哀そうだよ!」

 

「可哀そうって…」

 

 

まさかの理由に呆気にとられるワタル。俺も臨戦態勢だが一つ気になる事もありソフィーの思いも一理あると思っていた。

 

 

 

「…ワタル。このモンスター、一向に俺達を襲ってくる気配がない。その気になれば俺達より先に攻撃する事は簡単だったはずなのに、それをせず警戒しているだけというのは些か不自然すぎる。」

 

「……確かにサイトの言う事もあってるか」

 

 

そういって全員を諌しめると俺はバスタードソードを鞘に納め警戒を解くとワイバーンを観察する。

 

 

よく見れば何かとやりあってボロボロの体…むしろ倒してくださいと言わんばかりの状態だ。

 

 

 

「ねえ、ウインドウが勝手に」

 

「本当だ!【彼方の空からの来訪者】だって」

 

「クエストの起動キーになってるモンスターだったんだ…ワタル、攻撃しなくてよかったね」

 

「お、おう…実は俺もそんな気が…」

 

「そんな見え透いた嘘は返って自分を絞めつけるぞ、ワタルよ」

 

 

いきなりのクエスト発生にそれぞれ反応する中。このクエストをどうするかみんなの方へ向き尋ねるとみんな受けようとしているのが顔を見てすぐに分かった。

 

 

全員、クエスト受託を選択しウインドウに一文が記載される。

 

 

「ワイバーンが回復するまで、守り切る…か」

 

「つまりここに留まって守るってことだね!」

 

 

メイプルの言う通りそれであっているだろう。しかしいったい何から

 

 

そう思って周囲を警戒しているがモンスターがスポーンする気配もないし完全に戦いが起きる気配ではない。

 

ならば何から守るのか思考する俺は直ぐにその何かに当てはまるものに気が付く。

 

 

「……まさか」

 

「サイトくん、どうしたの?」

 

 

シノンの尋ねてきたのを他所に目を閉じ意識を聴覚に集中しシステム外スキル、ハイパーセンサーで周囲を感じ取る。

 

 

わいわいと話し合うメイプル達、呻くワイバーン…そして少し遠くから聞こえる鎧の音に俺は目を一気に開けた。

 

 

「プレイヤー…!ここにプレイヤーが来る…!」

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