二年間剣の世界で生き延びた剣士はまたVRにのめりこむようです 作:ウィングゼロ
もしかしたら更新が遅くなるかもしれません。ストックは…とりあえずあるけど
「いっつ…ここは…」
地面がいきなり割けて落ちてきた俺は、何とか起き上がるとまずは辺りを見渡す。
どうやらかなり広い空間で、落ちてきた天井は完全に塞がっていて密室。地面は岩で至るところにデコボコと凹凸が目立つ。
まあ、それ以上に目立つのが一つ…
「あれ明らかにボスだよな」
そう呟く目線の先には、体が岩で出来ていて苔も生やし、四足の足で巨体を支え、背中には木まで生えている。
そして強面の顔面は完全に俺に向いていて、敵意を完全に向け雄叫びを上げる。
「逃がしては…くれないよな」
そんなことを愚痴りながら、バスタードソードを構える俺はHPを確認。
疾風の靴のおかげで落下ダメージは軽減してあまりダメージは食らっていないが、暗黒のダメージでそれなりに減っている。
「ポーションでまずは回復。って簡単にはやらしてくれないよな!」
ストレージからポーションを出そうとしたが、既にボスの方が仕掛けてきた。
前足を大きく上げて振り落とすとその衝撃で地面が割れ、岩石がボスの広範囲で振り落ちていく。
ボスとの相対距離はそれほど近くないが、何個かは俺のところに届いてきて俺はよく見て回避する。
「動きはかなり遅いが…うまく回り込むか!」
ポーションを蓋を開けて口にくわえ俺は走り出す。空になったポーションをを吐き捨て、取りあえず横から攻めようと動く。
AGIは確実に俺の方が上でボスは旋回するのが遅く。ボスの横に辿り着くとまず手始めにバスターソードを振るうが切りつけることなく固い皮膚に弾かれる。
「見た目通りVITが高い!」
元々、あの巨木が原因で落ちてきたのだ。それ相応のSTRだからこそ戦えるボス。ならばVITも高く設定されているのであろう。
「そうとなれば…暗黒!!」
俺はMPが自然回復で50溜まったのを見て暗黒を発動。すかさずポーションを飲み暗黒のHP減少をポーションのHPリジェネで相殺すると一気に切りつける。
先ほどは弾かれた攻撃だが、打って変わって皮膚を裂き、ボスのHPが減少しているのを確認するとそのまま一気に4連撃叩き込む。
両手剣
ライトニングを叩き込み続けて仕掛けようと思ったが、ボスは雄たけびを上げ飛びあがるのを見て咄嗟に距離を取ると、ボスが地面に落ちると周りの地面が抉れ岩で出来た鋭利な棘が無数に地面から生えてくる
「全方位技だなあれは…」
旋回の遅さからそれ対策はあると踏んでいたが、予想以上の破壊力に当たればひとたまりもないと考えていると再びボスが雄たけびを上げる。
また攻撃かといつでも回避できるように足に力を入れたが攻撃するそぶりが見えず、背中の木を揺らし木から光の粒子が舞い落ち、ボスの身体に当たると体が癒えていくのが分かる。
「回復するのかよ!!」
ボスのくせに卑怯な!っと嫌な仕様にそんな言葉を吐き捨て、ボスのHPが急激に全回復しているのを見て考える。
「全方位技に回復まで…おまけにVITまで高い始末だし…これはどうするか…」
本来なら複数人の上高火力で追い込むのが正解なんだが生憎、俺一人だし…
「あれ使うか」
ここで負けるのも嫌なのでそうと決まればメニュー画面を開けるが、その前にボスが飛ばした岩石が迫ってきていたので走って回避。ボスの動きと振ってくる岩を注視しながら回避を行い、手慣れた指先でメニュー画面を操作。そして俺の装備を変えていく。
いつも着ている亜麻色のコートと紺色の長ズボンは一気に白を強調する導師の服へと変貌し、ストレージからMPポーションを取り出して飲む。
導師の服・Ⅳ
【MP+70】
導師のズボン・Ⅴ
【MP+60】
導師の靴・Ⅳ
【MP+50】
以上が俺が今装備した一式だ。
この装備はMPを底上げしたイズのプレイヤーメイド。イズには前に魔法を取得するかも知れないから欲しいと嘘を言って大金をはたいて作ったものだ。
実際はあの技を使う為の必要コストを確保する為の装備。
そしてイズ特製のMPポーションでMPはぐんぐんと回復していき、あっという間に完全にMPが回復する。
「さあ、行くぞ。暗黒…常闇に燃え盛る黒き炎」
まずは暗黒でSTRを二倍にしてから、俺は暗黒の最強スキル、常闇に燃え盛る黒き炎を発動する。バスターソードを上段で構えると刀身を纏っているエネルギーがまるで炎のように激しく燃え盛り、刀身は10メートル以上も伸びそれは他から見れば黒い激しく燃え上げる火柱のように見えるだろう。
「はあああああああぁぁぁっ!!!!!」
そしてそのバスターソードをボス目掛けて思いっきり振り落とす。
振り落とすとボスの皮膚を溶解させて切り裂き、あふれている炎は一気に辺りへと燃え広がるとボスの身体を燃やし尽くすと共にボスのHPを消し飛ばしたのを確認。
もし他にも敵がいたのなら炎巻き添えにあって全滅しているだろうが、単体しか使ったことがないから実際は分からない。
しばらく黒い炎が俺の前一帯を燃やし尽くし鎮静化すると、そこには地面が黒く焼け焦げボスの素材だったものしか残っていなかった。
「…終わった」
エクストラスキル【大地の怒り】を取得しました
そう言ってバスターソードを鞘に納め、装備をいつもの一式に戻すと新しいスキルを手に入れて視界には宝箱が出現したのを捉える。
「なんだこれ?」
先ずは宝箱の方が気になり、罠ではないよなと恐る恐る開けるとウインドウが二つ開いた。
ユニーク装備【大地シリーズ】を手に入れました。
【大地のフードコート】
【HP+1500】【STR+20】【VIT+15】【AGI+20】【破壊不能】【大地の祝福】
【大地のジーンズ】
【HP+1000】【VIT+10】【AGI+30】【DEX+25】【INT+20】【破壊不能】【大いなる実り】
「……強い…SAOでいうラストアタックボーナスか…取得する方法も初回の上単独での撃破か…中々難しいな…それと大地の怒りか…」
大地の怒り
地面から無数の岩石の棘を発生させる。使用した場合1時間は使用不可、一日に三回だけ使用可能。
一方の場合最大射程30メートル
全方位の場合最大半径15メートル
取得条件
大地の守護神を初回単独撃破する。
あの全方位攻撃か回数制限はあるけどそれでも強い。
「後は【大いなる実り】と【大地の祝福】か……うーんこれは……」
二つのスキル詳細を見て深く考える。見なければ直ぐにでも装備するのだがスキルに問題があった。
「……仕方ない。今はこの装備で良いか」
装備することを諦め、出現した転移陣に乗ると転移エフェクトに包まれこの場を後にした。
一方運営陣
「ああああああっ!?大地の守護神が倒されたぞ!?」
「そんなバカなことがあるか!?まず出現方法が鬼畜だったろ!?STR300以上だぞ現状そんなプレイヤー存在していな「サイトだよ!あいつがやりやがった!」サイト!?さ、坂口主任!」
「ん?ああ、太一か…」
「そうです!主任!これを見てください!巨木を叩くときサイトは暗黒まで使ってSTRを底上げしたみたいです!これで大地の守護神の出現条件を満たしたんです!」
「なるほど…確かにそれなら可能か…まずあの巨木の素材の取得条件もSTR200以上だから基準が見えてなかったのがその要因だろうな」
「だけど暗黒が使えても、大地の守護神の売りはSTR300にも耐えられるVITと回復能力…いくら暗黒を使っただけで…倒せるような設定じゃねえぞ」
「それが…どうやら…暗黒の最強技を放ちやがった。」
「まさかあれか!?でもあれはMPが200必要だろう!?そのリソースはサイトにはないどっから…」
「守護者の攻撃を避けながらMP特化の装備に換装しやがったんだ!後はMPポーションで回復して」
「嘘だろ…ってことは守護者がワンパンか?そんでもってスキルやユニーク装備も持っていったんだよな!?あれってHP重視だったよな!?暗黒を使うサイトにはぴったり…いや?あのスキルが邪魔で今の所渋るか」
「だろうな…だがこれからの行動で装備するだろうよ」
「まあ、サイトを見守ろう…今後どうなるか少し楽しみなところもあるしな」
「そうだな…さて、モニタリングの続きだ…えっと…「ぎゃああああああっ!?毒竜が初回単独撃破された!!!!」はあぁっ!?」
この日ユニーク装備保持者が二人現れ、片方の奇想天外な方に運営が頭を悩ましたのはプレイヤー達の知るところではなかった