二年間剣の世界で生き延びた剣士はまたVRにのめりこむようです   作:ウィングゼロ

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33話『SAO生還者と訪問』

 

学校からいつもの帰る道とは別の道をみんなと一緒に歩いていき、暫くすると歩きながら理沙が口を開けた。

 

「まず、改めて確認するけど、坂口くん……今はサイトって言わせてもらうけど、彼は生還者。これは間違いないよね?」

「うん、太一はあんまりそのことを言わないけど、僕と太一の中学出身は大体の人が知ってるかな。」

 

理沙の問いに吉井君は肯定し、そっかと事態を重く見ている理沙は顎に手を当てて考える。

そんな中、流石に端的で坂口くんが何なのか、それが今一つ私たちには分からなかった。

 

「えっと、理沙、吉井君も…出来れば私たちにもわかるように言って欲しいんだけど」

 

私たちの疑問に先立って、灯里が困ったように手を上げて、二人に尋ねると二人とも、ああそうかと私たちは分かってる前提だと思っていたようで改めてそこらへんを説明しようと口を動かそうとした時、後ろにいた杉並くんが先に声を上げた。

 

「ふむ、ならば生還者の前にSAOという言葉を付け足せば、自ずとわかってくるだろう」

「杉並君、わかってたの!?」

 

「というか、その口ぶり、大体坂口くんの素性も知ってたぽいんだけど」

「ふっ、この俺の情報網を甘く見ないでもらおうか。坂口がある日から2年以上も出席していないという事実とその始まった期間を考えれば、推測することは簡単だ」

 

どや顔でいきり立つ杉並くん。

 

だがその情報は本当に裏付けされているのか、吉井君の顔が引きつっている。

 

杉並君が言ったSAOという言葉。それを意味することは誰だって知っていることだった。

 

「ねえ、吉井くん、本当なの?坂口くんが……あのSAO……HPが全損すれば死ぬ、デスゲームに居たって」

 

 

正直信じられない気持ちだった。

 

 

ソードアート・オンライン…2年前、始めてフルダイブ技術を用いて作られた VRMMOで、それはゲームマスター茅場晶彦によって本当の命を賭けたデスゲームへと変貌し、4000人近い人が亡くなった過去最大のサイバーテロと呼ばれている。

 

噂ではSAOに巻き込まれた学生の専用学校があると聞いたことがあるけど、坂口くんはそこに行かなかったということだろうか

 

 

 

「うん、元々僕も一緒にプレイする予定だったんだけどね。ちょっと家庭の事情で当日のプレイが出来なかったんだ。巻き込まれなかったことは幸いなんだけど…太一のことを考えると……複雑なんだ」

 

そう言いながら、落ち込んで表情を暗くする吉井くん。それに理沙も便乗するように口を開けた。

 

「それは仕方ないわよ。実際、私も絶対プレイしてやるって息巻いて、蓋を開けてみれば命がけっていうデスゲームだった。その事実に私も一時期VRMMOが怖くなったわ」

 

 

「そういえば、理沙もSAOは絶対買うって悔しがってたもんね」

 

 

理沙の言葉に実際、その場にいた楓がその時のことを頭の中で思い出しているようだ。

 

 

「でもよ、どうして坂口はそのことを隠していたんだ?」

 

 

「板橋よ、打ち明けてそれで終わりというわけにはいかんのだ」

 

 

「そうなのよね。SAO生還者のことを批判する人は少なくないし多くの人たちは生還者は人格異常者っていうのが常識になってるからね。煙たがっているのは事実なのよ」

 

 

今日の一件もその影響が大きいと理沙が頷く。

 

でも表情から納得なんてしていないように見えた。私も坂口くんとは何度も話したから人柄は知っているから

 

だからこそ、話し合わないと

 

そう心の内に吉井くんが足を止める。ある一軒家に顔を向ける。

 

 

ここが坂口くんの家なんだ

 

立派な一軒家で吉井くんが家のインターホンを鳴らすと直ぐにインターホン越しから声が聞こえてくる。

 

 

「はい、どちら様でしょうか?」

 

「あっ、明久です……その……太一は帰ってきてますか?」

 

「明久くん?え?太一……まだ帰ってきてないみたいだけど」

 

 

インターホン越しの……女性で多分、坂口くんの母親と思われるその声は家に坂口くんがいるかという問を否定した。

 

 

坂口くんがまだ帰ってきていない……だが早退したのはお昼過ぎで帰ってきていないというのは不自然すぎた。

 

 

「……太一に何かあったのね……入ってきて頂戴」

 

 

そう言うと玄関の扉のロックを解除した音が鳴り、私達は頷き合うと中へと入っていき、吉井くんが先頭にリビングに向かう。

 

 

リビングには坂口くんの母親が居て、吉井くん1人だと思っていたのか私達を見て目を大きくする。

 

 

「あらあら、大所帯で来るなんて……えっと……」

 

「みんな、太一の友達なんです。安心してください」

 

 

坂口くんのお母さんを落ち着かせるとリビングのソファーや床に座って、ことの経緯を話した。

 

 

 

「……そう……やっぱりこういうことになっちゃったのね……」

 

「……え?わかってたんですか?」

 

 

驚く吉井くんに坂口くんのお母さんはそれはもちろんと予想していたのか、あまり驚くことはしなかったが顔色は暗くなっていた。

 

 

「地元の学校に行けば自ずとそうなって……太一にも忠告したわ。けどあの子はそれで良いって……あの子に取ってSAOは過酷なものだったのかもしれない……だからこそ、関わりのある高校には行きたくはなかったのかも」

 

 

そう落ち込んだ表情を浮かべる坂口くんのお母さん。

 

それからしばらく坂口くんの家に滞在したが滞在中、坂口くんが帰って来ることはなかった。

第二回のイベント。サイトのパーティーは四人が良いか八人良いか迷っています。どうすれば良い?

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