スーパーロボット大戦 Access Universe   作:名無しのピエロ

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第2話 〜邂逅〜

ロックオン「刹那、街に入り込んだ機体は結構な数だぞ。避難も全然出来てねえ…!」

 

刹那「無差別破壊が目的なら、早急に機体を破壊する。」

 

 

 

 ロックオン・ストラトス、刹那・F・セイエイ。2人のガンダムのパイロットは街に侵入した敵機を次々と撃破して行く。

 

 刹那の機体、ダブルオーガンダムは2基のGNドライブを搭載した高出力の近接戦闘用の機体だ。腰にマウントされたGNソードⅡを手にし、ビームサーベルではなく実体剣のそれらを振るい敵機を無力化して行く。

 

 ロックオンの駆るケルディムガンダムはGNスナイパーライフルⅡを用い上空から敵機を狙撃、だがこれも地表には多大な被害が出てしまう。避けられない犠牲と言うべきか。

 市民への被害は避け、極力建物も破壊しない様に戦闘する2機のガンダムだが、無差別破壊をするテロ組織の機体を鎮圧するのには時間が掛かりそうで…

 

 

 

 

 

 その頃、カミーユ達はといえば、ガンダムの戦いを見ながらも市民の避難を手伝い、誘導していた。市民の避難誘導をするのは警察や街の警備hIEがしており、カミーユ達はその手が回らない所を、といった具合だ。

 

 

ジュドー「カミーユさん…!あれってもしかして…!?」

 

カミーユ「ああ、そうだ。ソレスタルビーイングだ…!」

 

ミコット「ソレスタル…?」

 

 

 ソレスタルビーイング、その名を聞くとタクヤが目を輝かせる。

 

 

タクヤ「そ、ソレスタルビーイング!?それってあの、数年前世界に対して武力介入を行って……武力による戦争根絶を掲げて戦ったっていう…!」

 

ルー「言ってる事はそうだけど、そんなに綺麗な物じゃないわよ…彼等にとって立場は関係ない。そこで争いをしている者に対して武力介入を行うの。」

 

バナージ「でも、ソレスタルビーイングって数年前に人革連やユニオンが結託した国連軍と連邦軍の手によって壊滅したって…」

 

カミーユ「ああ、俺もそうだと思っていた。だがあのガンダムは…!」

 

 

 

 緑色に輝くGN粒子を放出する2機のガンダムは間違いなくソレスタルビーイングの物だ。カミーユは間違いないと思いながらもどこか様子を探っている様で。

 

 

ファ「カミーユ、どうしたの?私達は私達に出来る事を…!」

 

カミーユ「彼等は想定外の勢力なんだ、そろそろ…」

 

 

 カミーユがそう言うと、『そのとーり!』という声が辺りに響き………M9、ASの最新軍事用モデルの機体が現れる。もう片方はM9よりも若干装飾が多いデザインの機体、ARX-7アーバレストという機体で。

 

 

ミコット「あ、あれって…」

 

タクヤ「M9!?っていうかあの隣の機体…!?」

 

カミーユ「来てくれたか…"ミスリル"!」

 

 

 

 カミーユがその名を呼ぶと、ジュドーやルーが驚嘆の声を上げ、一方でASを駆る2人は戦闘を開始する。

 

 

クルツ「おうよ!待たせたなカミーユ!グリプス戦役のやラプラス争乱の借りはここで返すぜ!」

 

宗介「無駄口を叩いている暇は無いぞウルズ6、一気に片付ける…!」

 

 

 

 クルツ・ウェーバーと相良宗介も戦線に加わる事で、テロリストの操る機体達は次々と沈静化されていく。

 また一方で、何かを探し回る様な動きをしていた地上の部隊もミスリルの戦闘員の登場により徐々に鎮圧されていって………

 

 

 

クルツ「よおスナイパー…!随分ゴキゲンな機体を乗り回してるじゃないか。」

 

ロックオン「あんたこそ、ASで狙撃戦なんてやる気あるじゃないか。」

 

 

刹那「はぁぁぁっ!!」

 

 

 素早くモビルスーツを切り刻んで行くダブルオーの脇で、ASの俊敏さを活かし、爆発物や大量の火薬を積んだ装備をしている機体を破壊して行くアーバレスト。

 ダブルオーの動きを見て頭に引っ掛かる物を感じるアーバレストのパイロットは、アーバレストに搭載されたAIに尋ねる。

 

 

 

宗介「あの操縦に近接戦闘スキル……エクシアのパイロットだな?」

 

アル『行動パターンや装備の傾向からエクシア、デュナメスのコンセプトを元にしている事が推測されます』

 

宗介「ソレスタルビーイング……再び姿を現したと聞いてはいたが…」

 

アル『軍曹、後方に敵機です』

 

 

 アルの警告を聞けばすぐさま単分子カッターを取り出し振り向き様に投げ付ける。アーバレストの背後から忍び寄る敵機のコクピットに直撃し、機体は活動を停止する。

 

 

宗介「まずはここを切り抜ける。彼等との接触もしなければならんからな。」

 

アル『イエス、サージェント。』

 

 

 

 

 

 程なくして戦闘は終了、2機のガンダムとAS、そしてミスリルの陸戦部隊の活躍により街の被害は最小限に留められた。

 

 まだ街の騒ぎが収束していない内に、狙撃用のM9を駆るクルツはガンダムのパイロットに接触を図る。

 

 

クルツ「そちらのモビルスーツのパイロット、聞こえてるか?」

 

ロックオン「ああ、聞こえてるぜ。裏社会の天下のミスリル様が何の用だい?」

 

クルツ「なぁに大した事じゃないさ、というか、分かってんだろ?」

 

刹那「概ねの話は聞いている。協力に感謝する。」

 

宗介「積もる話もあるが……まずは彼等と合流するぞ。」

 

ロックオン「と…そうだな。伝説のガンダムパイロット様を拝みに行くとしますか。」

 

 

 

 ミスリルの2人の案内で、機体を安全な場所へと移し……陸戦部隊として戦闘を指揮していたベルファンガン・クルーゾー、メリッサ・マオと合流すれば、彼等はカミーユ達の元へと向かった。

 

 

 

 

――荒れた公園――

 

 

 カミーユとルーを中心に、戦闘によって荒れた公園で固まる一行はカミーユ達に疑問をぶつけていた。

 

 

 

ジュドー「カミーユさん、あいつらの事知ってるんだろ。」

 

カミーユ「知っている…と言うほどではないさ。」

 

タクヤ「モビルスーツを降ろしてもらう事はないとか……カミーユさんマジでどこまで知ってたんですか?」

 

バナージ「タクヤ、落ち着きなよ……。それより、これから会う人達って…。」

 

 

 バナージがそう言いかけた所で、クルーゾーを先頭にしてミスリルの4人とソレスタルビーイングの2人が公園の入り口に現れて。その姿を見たカミーユが声を上げる。

 

 

カミーユ「刹那…!刹那・F・セイエイなのか…!?」

 

刹那「久しぶりだな、カミーユ・ビダン。」 

 

カミーユ「本当だよ、それでそっちは…」 

 

ロックオン「っと、余計な説明は省かせてもらうが…俺は2代目。デュナメスのパイロットとは全くのべつもんだ。」

 

 

 どうやらガンダムのパイロットとは面識があるらしいカミーユを見て唖然とするジュドー達にクルーゾーが声をかける。

 

 

クルーゾー「こんな形で会いたくはなかったが、初めましてだな。ロンド・ベルの諸君。」

 

ルー「初めまして。話はブライト艦長から聞いていました。迅速な対応ありがとうございます。」

 

マオ「その様子…本当に伝えられてなかったみたいだね、あんた達。」

 

 

 マオの言葉でようやく合点の行ったジュドーとタクヤはカミーユにずしずしと歩み寄って行き…

 

 

ジュドー「ほら、カミーユさん!!ちゃんと全部話してもらうよ!」

 

タクヤ「そうですよ!バナージの休養の為に地球に降りたってのに……俺達下手したら死んでたんですからね!?」

 

カミーユ「わ、分かった!ちゃんと説明する!今回の作戦も…バナージの事も…今後についても…!」

 

 

 ジュドー達に揺らされてもみくちゃにされながらそう言えば解放され。マオがコホンと咳払いをし…

 

 

マオ「ま…積もる話はあっちでしよう。ガンダムやASも片付けなきゃいけないしね。」  

 

ルー「ええ、案内をお願いします。」

 

 

 

バナージ「………」

 

宗介「お前がユニコーンのパイロットか。」

 

バナージ「え?あぁ…そうですけど、あなたは?」

 

宗介「俺はウルズ7…いや、相良宗介だ。今はアーバレストのパイロットをしている。」

 

バナージ「バナージ・リンクスです。ユニコーンの…」

 

宗介「ガンダムのパイロットか。」

 

バナージ「!……そうです。」

 

宗介「事情はブライト大佐から聞いている……お前はお前の役目を果たした。だが、今お前は連邦軍の側には置けない。…地上にいる間、お前の身はミスリルで預かる事になっている。」

 

バナージ「……………」

 

宗介「………」

 

 

 

クルツ「悪いなぁ〜少年。こいつこれでも昔に比べたら話すの上手くなってんだよ。」

 

クルーゾー「連邦軍は君とユニコーンを拘束したがっている。…ブライト大佐とオットー中佐はユニコーンは差し出したが、君を行方不明扱いとして匿いたかった様だ。」

 

マオ「君みたいな少年を何時間何十時間と尋問するのは、気が引けたんだろうね。」

 

 

 気まず空気が流れる中、2人の間にクルツが割って入り、クルーゾー達も説明に入る。

 

 

バナージ「…分かってます、俺がした事はとんでもない事だったって。」

 

ミコット「…バナージ…」

 

宗介「…」

 

 

 

マオ「…それで、カミーユ・ビダン君。君達は協力してくれるのかしら?」

 

カミーユ「勿論ですよ、バナージだけでなく僕らも世話になるんですから。」

 

ファ「えっ?」

 

タクヤ「マジですか…?」

 

カミーユ「恐らくタクヤ達も、バナージの友人となればそう簡単には解放されなかっただろう。ゼータやダブルゼータも、正直連邦軍は隔離したがっているはずだ。」

 

ジュドー「………あ、降ろす必要がないってもしかして…?」

 

 

 ジュドーが何かを察すれば、ロックオンが頷いてみせる。

 

 

ロックオン「ああ、あんた達のガンダムはうちの船に積み込んである。」

 

刹那「ゼータ、ダブルゼータ、リ・ガズィ、メタス………そして、――ガンダムだ。」

 

カミーユ「……ああ。」

 

ジュドー「………」

 

 

 そのガンダムの名を聞いた途端カミーユ達の表情が曇る。

 

 

マオ「………さ!もうそろそろ合流ポイントだ。この街には色々厄介なのがいるから…ジャマーが働いてる内に乗り込むよ。」

 

 

 

 しばらく歩いて着いた場所は誰もいなくなった港。何もないじゃないかと辺りを見回すジュドー達の前に、巨大な水柱を上げながら2隻の船が浮上してきて……

 

 

 

タクヤ「す………すげぇぇぇ!!!」

 

 

 

 片方は水色と白のボディの、如何にも高速巡洋艦といった風貌の戦艦。

 もう片方は流線型のボディをした潜水艦、その名もトゥアハー・デ・ダナン。

 それらを目にした一行は声を上げざるをえなかった。

 

 

 

クルーゾー「こちらが我々ミスリルの母艦…トゥアハー・デ・ダナンだ。」

 

ロックオン「そしてこっちが、俺達ソレスタルビーイングの母艦、プトレマイオス2さ。」

 

 

 

 どちらも戦闘用の艇である事はその風貌から明らかだ。連邦軍の戦艦とは全く違った技術が使われているのが見て分かるようでタクヤは興奮を隠せずにいて。

 

 

ロックオン「さて………どうやらそちらの艦長もトレミーにお越しの様だし、話はこっちでするか。」

 

刹那「搬入したモビルスーツや装備の確認も行わなくてはならない。」

 

宗介「こちらのASは?」

 

クルーゾー「回収済だ。」

 

マオ「ようし、それじゃあ……ひとまずここを離れるとしますか!」

 

 

 マオの指示で、プトレマイオス2に乗り込んでいく一行。

 バナージは最後に、煙の上がる街を見てこう呟いた。

 

 

 

 

バナージ「……機械にも、心って宿るのかな…」

 

 

 

 

ジュドー「ぼーっとしてるなよバナージ!置いてかれちゃうぞ!」

 

バナージ「は、はい!今行きます!」

 

 

 

 ガンダムを駆る少年達、彼等は再び戦いに身を投じることとなる………。




と言う事で第2話です。フルメタル・パニック勢も序盤から登場組です。

一応フルメタル・パニックも原作終了後の世界で考えておりますが、諸事情でレーバテインはしばらく封印とします。

ダブルオーは2ndseason序盤からのスタートですが色々と弄っている部分はありますのでどうかご容赦下さい。

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