第四話 死合をします
~高町家道場~
side光理
今、私達は士郎さんに連れられて高町家の道場に来ている。今から兄さんと恭也さんとの死合(誤字に非ず)をするのだ。しかもエストがいい感じに恭也さんを煽ったお陰で恭也さんの気迫は尋常なものでは無くなっている。なのはさんとアリサさん、すずかさんは恭也さんの気迫に体を小刻みに振るわせている。美由希さんと桃子さんは心配そうに見つめている。逆に士郎さんと明日香さんは興味深い眼差しで見ている。いやぁ、これは面白そうなことになりそうだね。
「悠人、これを使え」
恭也さんは木刀を兄さんに渡した。渡された木刀で素振りをした兄さんは不服そうな顔をした。
「....すみませんが恭也さん、これより重い木刀は有りますか?これじゃあ軽すぎるので」
「....これならどうだ」
恭也さんは兄さんに渡した木刀を受け取り、違う木刀を渡した。兄さんはさっきと同じように素振りを始めて頷いた。それにしても、まさか兄さんまでもが恭也さんを挑発する様なことをするなんて、この死合は面白くなりそうだ。私は心躍る気持ちで二人の死合を見た。
side光理END
「二人とも用意はいいかい?」
「「はい(ああ)」」
俺と恭也さんは士郎さんの掛け声に返事をした。まさか恭也さんと死合することになるとは思いもしなかったな。それにしても、さっき木刀を変えて貰ったとき恭也さんの殺気が膨れ上がったけど、どうしたんだろうか?謎だ
「ルールを説明するけど、互いに持てる能力を使用することは許されるけど、危険及び被害が広がりそうになった場合は強制的に終了。勝敗条件は何方かが気絶するか続行不可能と僕が判断したときとする。で、いいかい」
「「はい(ああ)」」
「悠人、お前のことは認めている。しかし、なのはと明日香をお前に任せられるか試させてもらうぞ!」
あれぇ!?なんか最初と話が違ってませんか?
「では、はじめ!!」
「はぁあああっ!」
合図と同時に恭也さんが俺に接近をし、木刀を振り下ろした。速っ!まさかここまで速いなんて。
「くっ!
俺は恭也さんの速さに驚いたが咄嗟に一騎当千を使用し恭也さんの攻撃を受け止めた
「驚いたな、一撃で仕留めに行ったのだが受け止められたか。それがお前の能力なのか」
「ええ、それより、まさかたったの一撃で終了じゃないですよね」
「当然、だっ!!」
そう言うと恭也さんが素早い斬撃の猛攻を繰り出してきた。
――ガンッ!ギンッ!ガンッ!ガンッ!ギンッ!
「ほう」
「凄いの」
「な、何なのよアレは!?」
「どうなってるんだろう」
「心配は要らなかったみたいね」
「凄いね悠人君」
皆が其々感想を述べている。しかし、光理と明日香だけの声は聞こえない。光理は兎も角、明日香にとっても予想通りだった訳か。
「でも、どうしてお兄ちゃんの攻撃が見えるの?それだけじゃなく受け止めれるし」
「兄さんの能力の
「多分、今回は身体能力と動体視力を底上げしたんだと思うわ」
「だから、悠人君は恭也さんの攻撃に付いて行けるんだね」
――ガンッ!ギンッ!.......バッ!
恭也さんはいきなり俺から距離を取った。
「お前の能力はわかった。さあ悠人、俺にもっと他の能力を見せてみろ!」
恭也さんが俺に木刀を向けて言い放った。しかし
「ああ、申し訳ないんですけど、他の能力は(今は)無いんですよ」
「「「「「「「「ズコーーーンッ!」」」」」」」」
光理以外の皆がコケた。素晴らしいくらいに揃ってコケたな。
「何なのよ!それ!!」
アリサが俺に向かって叫んだ。仕方ないだろ使えないんだから。
「...本当に無いのか」
「ええ、本当にもう
そう宣言すると俺は恭也さんの目の前に
「っ!!」
「貰ったああ!」
俺は一気に木刀で恭也さんを切り上げた。しかし
――ガンッ!
なんとか俺の攻撃に反応できたらしく攻撃を防ぎ、直ぐさま距離を取った。
「嘘!もしかして神速!?」
「...いや、違う。しかし、今のは」
「流石ですね恭也さん。今のは決まったと思ったんですけど。それと、これは神速では有りません。俺の技の一つで『迅雷』と言います」
「迅雷?」
「脚の筋肉を爆縮させ飛ぶことで神速の動きができる技、だったわよね光理」
「ええ、その通りさ」
「迅雷、神速と同じような技か。恐ろしいな」
恭也さんがさっきよりも警戒を強めた。しかし、
「残念ですけど、それよりも恐ろしいものが有りますよ恭也さん」
そして俺はもう一度迅雷を使用した。案の定恭也さんは防御の構えをした。しかし
「甘いですよ恭也さん! 初ノ型〈紫電〉!!」
――ガンッ!
強烈な突きで恭也さんは2メートル程後ろに吹き飛んだ。迅雷のお陰で勢いが付いた紫電を木刀で何とか防ぎ切った恭也さん。しかし、俺の狙いは恭也さんじゃない
――バギッ!!
「なに!?」
そう、俺の狙いは木刀である。先程の突きで恭也さんの木刀に罅が入った。これが俺の狙いだ。
「何と!ただの突きだと思ったが恭也が2メートル近く飛ばされるだけでなく、木刀に罅を入れるとは!」
「そりゃあそうですよ士郎さん。さっき悠人が出した紫電はただの突きだけど、極めれば別次元の技になるからね」
「別次元って?」
「兄さんもそこまで極めた訳じゃないけど、迅雷の勢いも合わさってアレだから、大抵の人が突かれれば跡形も残らず消えるかもしれないね」
「そんなに!?」
「ちょっと怖いね」
皆が感想を述べていると恭也さんが木刀を構え直した。
「木刀もこれじゃあ長くは持たん。次の一撃で決める!」
恭也さんから今までとは比べ物にならないほどの覚悟がヒシヒシと届いてきた。これが本気の恭也さんか。
「悠人君...」
「恭ちゃん、本気だね」
「アイツも結構がんばったじゃない」
「うん、すごかったよ」
おい、お前ら。勝手に負けた感じになるなよ。
「...そうね、此処までかしら」
「それはどうかな皆」
「「「「「え?」」」」」
「まだ兄さんが負けるとは限らないのさ」
「そうだね、まだ終わっていないしね」
「それに悠人君、まだ良い目をしているわ」
そう、俺はまだ諦めていない。寧ろ、この展開を俺は望んでいた。そう、此処までは全て
「行くぞ!」
そう言うと、恭也さんの姿が消えたそして俺は木刀を左手で持ち右手で顔を覆い、世界を見た
――高速思考
世界が白黒に変わった。静かで、音もなく、誰一人動くものが居ない。
....いや、一人いた。恭也さんだ。まじかよ、高速思考の中でも少しずつ動いてる。どんだけ速いんだよ。
しかし、これで恭也さんが何処から来るか一目瞭然だ。俺は何度も恭也さんの対処を繰り返した。そして納得のいくイメージを見つけた。
――高速思考END
世界に色が戻り、音が耳に届いてくる。俺は直ぐさま行動に移した。対処は簡単だ、恭也さんの攻撃ギリギリで迅雷を使いそして恭也さんの後ろに回り込むことだ。
そして俺はイメージ通り恭也さんの攻撃をギリギリまで引き付けて俺は迅雷を使い恭也さんの後ろに回り込み首筋に当てた。
「チェックメイトです」
「...ああ、俺の負けだ」
「勝者、明智悠人!」
こうして俺と恭也さんとの試合は俺の勝利で幕と閉じた。
「二人ともお疲れさま!」
試合が終了と同時に、なのはが俺達の元のやってきた。
「何よ、アンタ結構強いんじゃない」
「凄かったよ!」
「ああ、ありがとう」
俺は三人に感謝の言葉を述べて恭也さんの方を向いた。
「最後どうして、避けなかったんですか」
俺の質問に恭也さんは微笑みながら答えた。
「どの道、木刀が持たなかったからな結果は変わらないさ」
そして恭也さんは俺に木刀を見せた。木刀は既に、刀身が折れていた。確かにこれじゃあ無理か。
「それに、お互いにまだ本気じゃない。次こそは本気のお前と戦いたいものだ」
ありゃりゃ、流石恭也さん。勝った筈なのに勝った気がしないなこれ。
「それじゃあ、お店に戻りましょうか」
「そうだね、何時までも開けっ放しは良くないだろうしね」
そうして俺達は再び翠屋に戻り、今日の集まりは終了した。
第四話 END
【メフィストの部屋】
「やあ、皆。この部屋の主のメフィストだよ」
「そして、この作品の作者の猿山です」
「今回は悠人VS恭也との死合だったね」
「はい。なので今回は恭也さんの御神流についての説明をします」
「御神流、正式名所は永全不動八門一派・御神真刀流、小太刀二刀術という名前です」
「今回は二刀流ではなかったので、何方も本気では無い試合となっています」
「まあ、それでも悠人はしっかり勝てたみたいだね」
「そうじゃなきゃ話に成りませんからね。さて、次回は遂にあの娘が登場します」
「おや、そんなに早く登場するんだね」
「はい。それじゃあ今回は此処まで」
「「世界破壊者を目指す者、次回もよろしく!またね!」」