一話
第1話 螺旋の終わり
~光理side~
――ジリリリリリリリッ!
「うっ...う~ん...」
目覚ましの音が鳴る
「もう...朝なのか......」
私は起きたての体を伸ばしながら意識を覚醒させる。起きたての体は思い通りに動かないが私は窓際に向かって歩きカーテンを開けた。開けたカーテンから差す光により更に目が覚める。そんな
「...おかしい」
今の私には
「......今までにないこと」
もしかしたら私だけじゃないかもしれない。私はすぐさま着換えて兄さんの部屋に向かった
兄さんの部屋は鍵も掛けず簡単に入れた
「これでは忍び込まれても文句は言えないね」
ベットの上にはスヤスヤと気持ちよさそうな小さな
「なんとも可愛らしい顔をして寝ているもんだね」
この頃の兄さんは中々可愛らしい顔をしているものだ。今までは何度も世界を手にすると言ってきたけどこんな風に寝ているときは、そんなことを言っていることを思わせない顔をしている。いつまでもこの顔を見ていたいけどそういう訳にはいかな私は寝ている兄さんに揺すった
「ほら兄さん起きないか」
寝ている兄さんには申し訳ないが今は緊急事態なのだ。しかし肝心の兄さんはまるで死んでいるかのように揺すっても起きないふむ、今回は中々手強いな。
「ほら兄さん!起きないか」
さっきより強めに起こすことにした。すると
――むにっ
「ひゃぁっ!?...//」
いつの間にか布団の中にあったはずの兄さんの手は私の胸を掴んでいた。私は予想外のことに頭が真っ白になった。
「ち、ちょっと、兄さん...は、うぅ...///」
――むにっむにっ
さらに掴んだだけに留まらず、兄さんの手は胸をむにむにと揉み始めた。手を振り払えば、それで済むことなんだけど、あいにくと頭がそこまで回らない。いくら私が普段から悪魔っ子ぶりをいかんなく発揮しているとはいえ、急にこんなことをされてしまっては...!
「...どうゆうことだ」
ゆっくりと目を開きながら、訝しそうに言う兄さん。どうゆうことはこっちなのだけど!?しかし兄さんの手は未だ私の胸にあり、あろうことか、まだ『むにむに』としていた本当にどうゆうことだ。
「に、兄さん...そろそろ、か、勘弁してはもらえない、かな?///」
「うん...?」
「私としては...その、こういうことは、一向に構わないんだが...心の準備というものが、だね」
「おおっ!しまった!?」
漸く自分がなにをしていたのか気付いた兄さんは、手を離し......
――むにっむにっ
「なんでまだ胸を揉むんだい!?///」
「あいたっ!」
ぺちん、と額を叩くと漸く兄さんは手を離した。未だに私は胸がドキドキと高鳴って、顔があつくなってくる。まったく、とんでもない目にあったよ...
「すまない、光理。妹の成長を確認にするために、つい...」
ベットから起き上がった兄さんは最悪クラスの言い訳とともに、頭を下げる。もう少し真面な言い訳が出なかったのだろうか...
「それよりも、まず言うことがあるんじゃないかい?」
「あ、っと、そうだな」
兄さんは軽く頷いた後で、右手で自分の顔を覆う。その厨二っぽいポーズには、今まで何度も見覚えがあった。
『
自分で身に着けた兄さん...悠人にとっての最大の武器を行使する際のポーズ。元々は私の元相棒『
Hyper→Highspeed→Geniu、HHG 女神の終焉の主人公『
能力としてのレベルは低いと思われる。しかしこの力は、幾つもの世界を破壊してきた最強の武器。
それ故に最強の『
私にとってはとても縁のあるものだ。元々空想の力であるものを兄さんは自分の力だけで身に着けた
それは称賛に値する。
「...なるほど」
時間にして、瞬きをするくらいの間。ゆっくりと頷きながら、兄さんが出した答えは。
「まだ小さいが、将来はとても素晴らしくなるに違いない。いや、なる!なので将来の為に俺が手伝おうじゃないか!」
――ピキッ!
「どうやら、まだちゃんと目が覚めていないようだねっ!」
「うぷっ!?」
真顔でまっすぐに手を伸ばしてくる兄さんの顔面に、手近にあったクッションをプレゼントする。
「わざわざ高速思考と二酸化炭素を無駄にしてまで導き出した答えがそれかい!」
まったく、幾ら私の体格が小さくなっているからって小さいってなんだい小さいって!せめて年相応だと言って欲しいね。...そもそも謝罪に高速思考は必要なかったんじゃ......
「まったく、何をしているのかしら貴方たちは」
「ゆっくり寝てられないじゃないですか...」
さっきの声を聞いたのかレスティアとエストが部屋に入ってきた
「下手にあたふたせずに、どっしりと構える場面かと思ってな」
「...まったく。君は時々、変な方向に男らしいんだから」
「でも、この状況でそれは...」
「最低です」
兄さんは「ぐはっ!」と言って床に倒れた。やれやれ、ということ以外何も思う浮かばない。いつも通りの風景はとてもうれしいが今はそんな場合じゃない。これは私の方から話を進めるしかないようだ。
「ところでみんな、何か違和感を感じないかい」
「違和感?......あ」
レスティアとエストも気が付いたらしく兄さんみたいに声をだした
「分かる...?知っている...?いや、違う」
急な頭痛に襲われたように顔を歪めながら、兄さんは繰り返した。
「...覚えている。この世界のことや、なのは、フェイト、はやて、そしてお前とのことも...」
「それに二人の背が小さくなっています...」
...ああ、それは今気が付いたんだねエスト。そんなエストの問いを気にせず兄さんの呟きは疑問に変わり
「何故、俺達の記憶が残っている」
特別、誰かへと向けたわけでもない言葉が紡がれた。
「どうやら、みんなそうらしいね」
「レスティアやエストもそうなのか?」
兄さんの問いに二人は頷いた。
「まったく。不思議なことがおこったものだ」
途方もない疑問に首を傾げる
「...そうか」
そういうと兄さんは右手で顔を覆った。さっきやったのと同じように高速思考を使っているのだろう
しかしさっきと違うのは圧倒的に時間が長いことだ。30秒経ったか、1分経ったのか、はたまたもっと時間が経ったのか、兄さんは高速思考を終えて不敵に笑った
「みんな。
「あら、一体何処に行くのかしら?」
「な~に、物語を始める場所は決まっているからな」
兄さんの答えに私は何処に向かうのかわかってしまい。兄さんみたいに笑った
~光理sideEND~
俺達が部屋で記憶があることを知った後すぐに悪魔図書館にやってきた
「それにしても、ここは凄いわね」
「はい。本が沢山あります」
二人にとっては二度目の悪魔図書館だもな。大体そんな感想だろう
異空間に存在する「悪魔図書館」を管理する
「ところで何で此処なのかしら?」
レスティアは質問してきた。しかしその疑問は尤もだ、でもここじゃなくちゃ意味がない
「此処で私と悠人は契約を結んだのさ」
メフィストはそのことを懐かしむかのように語った
「悠人の野望、『世界を手に入れる』という契約を此処でしたのさ」
二人は「へえ~」と可愛そうな子を見る目で見てきた。...なんだよ、そんな目で見んなよ!
「と、兎に角!再契約だメフィスト」
「俺はこんなふざけた世界認めるつもりは無い。だから俺が世界を破壊するのに協力しろメフィスト」
メフィストは「やれやれ」と言いたげな感じで肩をすくめた
「悪魔との契約を変更しようなんて、とんだ主人だよ君は」
そんな軽口を言ったメフィストの顔は、それを待ち望んでいたような顔だった
「しかし女神という存在も邪魔なのもわかる...了解したよ悠人。ならば、そこにある『主の座』に 座りたまえ」
「その瞬間、君との新たな契約が結ばれる」
悪魔図書館の中央にある『主の座』。それは俺とメフィストとの契約を結ぶためなどに使用するもの。最初「世界を手に入れる!」と言っていた俺が使った椅子でもある。俺は椅子に近づき座った
「ここに契約は成り立った。ならば私も...いや、私たちも一緒に世界を破壊する物語に協力しよう じゃないか」
メフィストがそういうとレスティアとエスト頷いた。さあ始めようか。俺たちの世界破壊の物語を!......
「後は...その寝癖さえ無ければ完璧だね」
「...鏡、貸してくれ...」
第一話END
と、いう訳で空白期Ⅰ 1話終了です。新たに女神と対峙することを誓った悠人達はこれからどうなるのでしょうか。次回は残りのオリキャラ達が登場です。楽しみにしていてください。それではみなさん、また次回お会いしましょう。さようなら~