可愛すぎませんか。
栄治がましろに告白した。
「栄治君…なんで私の事が好きなの…?」
「練習が終わるたびに迎えに来ていたましろちゃんを見ていて、気づいたら好きになってたんだ」
「栄治君ごめんなさい…私は…皓君一筋だから」
栄治から隠れるようにして僕の背後で抱きついてくるましろ。
「そうだよな…振られる覚悟で来たし、この気持ちを言いたかっただけだから。それと解散した事について謝りたかったから…それじゃ、帰るわ」
「花火見ていかないのか?」
「生憎…バイトなんだよ。花火見るならお金を稼ぐ方が、俺にとっては大事だからな」
と栄治は、そう言ってエレベーターの方へと歩いていく。
「栄治…大丈夫か?」
「顔には出してなくても…内心は…」
と春樹と僕で、栄治の事を心配していると、
「私…いけない事しちゃったの…?」
「いや…ましろは、自分の気持ちを大事にしたんだし、栄治も変に気を遣ってもらうよりは、ましろの気持ちを知れたんだから良かったじゃないのかな」
と言うと、ましろは顔を斜めに傾け、不思議そうにこちらを見てくるが。
今は、そのままでいい。
*****
「見てみて!花火打ちあがってるよ!」
花火が始まるまで、時間があったから夜ご飯の片付けをしているとましろがそう言いながら駆け寄ってきた。
「もうそんな時間か」
「皓君と春樹君も早く!」
とキッチンで皿を拭いていたらましろが手を握ってきてベランダーの方へと春樹と一緒に連れていかれた。
「ほら!」
と花火が打ちがってる空を指差しながらそう言ってくる。
「本当だ」
「皓とましろちゃん2人きりで見ればいいのに…」
ベランダで、ましろと僕が並んでいるのを見た春樹がそんな事を言ってきた。
「そうなんだけどね…せっかく来たんだし…ね?」
「まぁ…そうか。せっかく来たんだし見ていくか」
と春樹は、ましろに押されるようにしてベランダーに出てくる。
「というか、ましろは、バンドのみんなと見なくて良かったのか?」
「大丈夫だよ、皓君と見たら?って言ってもらったもん、つくしちゃんから」
二葉さん、そんな事を言ったんだ。
いや、二葉さんは、僕とましろが付き合ってると疑ってる感じがあるから、分かるかもしれない。
というか…ましろが花火を僕と一緒に見るって言ってたとしたら、疑われるのが確信になるんじゃ…。
「ニ葉さん…そんな事言ってるのか…」
「ニ葉さんって誰?」
「ましろが組んでるバンドのメンバーだな」
「そう言えば、ましろちゃんのバンドの名前聞いてなかったわ」
「Morfonica、略してモニカだっけ?ましろ」
「合ってるよ。そのモニカのボーカルやってる」
「皓といいましろちゃんといい、2人ともボーカルとはねぇ〜」
とニヤニヤしながら言う春樹。
「なんだよ」
「いや、なんでもないぜ」
と言いながらもニヤニヤしているので、鉄拳を加えたのだった。
次は、何にしよう…。