もし、【鬼滅の刃】の世界に『転スラ』キャラが転移したら《リメイク版》 作:とあるスライム好き
初めましては言いません。これを読んでるってことは結構な人が前作を読んでいると思うので!
はい!リメイク版出しました!
それでは本編をどうぞ!
・・・日常はある日突然終わりを告げる物である。
それは良い意味でも悪い意味でも、だ。
そしてこの物語は・・・
*
蒼白く輝く月の光だけが大地を照らす。耳にくるのは川の音や草木のざわめく音。本来であるならば、そんな時間。
しかし、今日は違った。空気を揺らすのは耳をつんざくような金属音。
月夜の光を頼りにその音のする方向を見てみれば、そこには青い化け物がいた。どことなく鮫を連想させる顔。しかし、その顔にあるのは一つの巨大な眼球とその化け物のどう猛さを体現しているかのような鋭く並んだ牙のみ。その巨大な体躯が纏うのは硬質感のある鱗、腕にはその鱗が集まっておりより太く、硬くなっている。正に剛腕と言うに相応しいだろう。
そして、それと相対する三人の少年達。
彼らが手に持つのは刀だ。その刀と、化け物の鱗が打ち合うことで、この空気に響く金属音が起こっているのだ。
化け物がその力をただ単純に振り回しているのに対し、少年達はその攻撃を紙一重で躱し逆に剣戟を食らわせている。人間とは思えないような瞬発力と動体視力である。
・・・だが、それは大して意味のないことだ。金属音で分かったかもしれないが少年達の剣戟は化け物の肉を切り裂けていないのである。時たまに肉まで切り裂けたとしても、その化け物は驚異的な速度で傷を修復してしまう。そして、人間である以上体力というのは永遠と続くものではない。
月が雲で隠れ、そして聞こえた金属以外の何かがぶつかった音。
再び月光が地上を照らした時には、三人いた少年は二人になっていた。
二人となった少年達も善戦するが、再び地上は闇に包まれる。
そして空気を揺らす衝撃と共に森に向かって吹き飛んでいく少年。
最後に残った少年一人だけで三人で不可能だった事がでできる道理もなく、地上に三度目の影が落ちる・・・・・・
*
この世界において、最も栄華を誇っている国。魔法の存在する世界において、異世界の文化や技術の最先端を走る国。
それが大魔王リムル=テンペストが治めし、ジュラ・テンペスト連邦国である。
だが、国家として国が成長していけばしていくほど国の頭がこなさなくてはならない事柄は多くなる。
つまり何が言いたいのかと言えば、国王というのはとっても大変と言うことである。
「ぐふう~~~疲れた~~」
「リムル様、お仕事中に怠けるのはおやめください」
仕事に疲れ、人型からスライムの姿へと戻った俺に、シュナが微笑みながら告げる。
シュナの微笑みは普通に見れば可愛いけど、こういう時に微笑まれると何故か恐怖を感じるよね。分かる人いるかな?
「うッ・・・。分かってる、わかってますよお」
多少の愚痴をこぼしながら人型へと戻る。
でも俺にもちゃんとした理由っていうのはあるんだよ。俺この執務室からここ一週間くらい出てないんだよお。一週間もの間書類処理に追われているんだああ。
その間もちろんのこと睡眠なんて取ってない!まあ、俺はスライムだから睡眠は必要ないんだけどさ。だけど、いくら肉体的に睡眠が必要のないことと言えども精神的には欲しているだよ!
ほら、若干違うけど学校とかで普段水筒持って行ってるときは全然喉乾かないけど、忘れた日は途端に喉が渇くやつ。精神的に有る時は別段ほしいとも思わないけど、無くなると急にほしくなる奴だよ。
できてるはずないけど目の下にクマでもできてんじゃないかと思ってしまうよ・・・。
・・・はあ、現実逃避しても仕方ない。
そう思い目の前の書類へと意識を向ける。まるでアニメか⁉とでも言わんばかりに積み上げられた書類の山。それも一つじゃあない。何個もそれがあるんだ。フフッ・・・これじゃ山脈だな・・・。
ここまで書類の山脈ができたのにもちゃんとした理由がある。
先日、マイが開発した
それについての資料や許可証がコレなのである。
「はぁ・・・俺も行きたいなぁ」
思わず口から願望が零れる。俺だって部屋に引きこもって書類とにらめっこするよりも目新しい所に行ってみたいと思うよ。気分転換にも最適だろうしさ。
だがそれは無理な話だ。勿論、俺の力なら異世界に行くことくらい簡単だ。だが、シュナをどうするかが問題なのだよ。
俺が「シュナ、部屋から出てくれ」なんてお願いをしてもさっきのように鉄壁の微笑みで返されるだけだ。勿論、無理矢理強行突破でに行くことも出来るがそれは、なんか紳士としてやってはいけない気がするのだよ。分かるかな?
そもそも俺を見張るためにここにいるシュナが俺の命令でどっかに行ってくれるはずがないんだ。
・・・ん?俺の命令じゃダメなら、もしほかのやつが頼んだらどうなる?もしかしてそっちに行ってくれるんじゃないか?よし!考えるのはここまでだ取り敢えず行動に移さなくては!
『思念伝達』を発動させる。その相手は・・・
『ベニマル!ちょっとシュナに『思念伝達』で「ちょっと来てくれ!」っておくってくれないか?』
『うおッ!いきなり何ですか、リムル様?なんで俺がシュナに・・・?』
呆れたような声でベニマルが応える。理由は言わない。ベニマルは口上手な方ではないから、シュナに何故自分に呼んだのか、と聞かれたらそのまま俺が異世界に行こうとしている事をシュナに告げてしまうかもしれないからな。
『まあまあ理由なんてどうだっていいじゃないか!ベニマル君の所へシュナを呼んでくれればいいのだよ』
『君って・・・その喋り方、なんか考えてますよね?・・・まあ主君に命じられたのならしょうがないです。「ちょっと来てくれ」って言えばいいんですよね?』
『ああ、それで構わない。じゃあ頼んだぞ』
その言葉を最後に『思念伝達』を解除する。そのまま暫くするとシュナが
「リムル様、何やら兄様が来てほしいとのことですので少し出ます」
と言って出ていった。ありがとう!ベニマル!まあ呼んだ理由なんて考えてないだろうからシュナから叱責を食らうだろうけど、頑張ってくれたまえ!
だが、ここで焦ってはいけない。喜ぶのは、しっかりシュナが去ったことを確認してからだ!感知能力を総動員してシュナが離れていくのを確認する。そして、絶対に声が聞こえない距離に行った時、無意識に歓喜の声が漏れ出る。
「やっっっっっったああああ!!!!!!これで異世界に行けるううう!!!」
そんな俺の声とほぼ同時にこの部屋に
「やっほー!このラミリス様が遊びに来てやったわよ!」
「リムルよ!盟友であるこの我が来てやったぞ!」
一瞬の静寂の後に口を開いたのはリムルであった。
「何で・・・何で・・・よりにもよってお前らが!よりにもよってこのタイミングで!来るんだよおおお!!!!!!」