もし、【鬼滅の刃】の世界に『転スラ』キャラが転移したら《リメイク版》   作:とあるスライム好き

6 / 12
 先日、書籍版16巻買いました。なんか、結構アレな感じでした。それでも面白いんですけどね(最高ですよ!)
 第二期PV映像も良かったです。軽く驚いたのが、「転スラ日記」もアニメ化するって事ですね。(それは普通に知らなかった・・・)


回収されるフラグ

「それにしてもすまなかった。一人にさせて。まさかあのような存在がいるとは思わなかったものでな・・・今度は二人で探すとしよう」

 

 「なっ⁉だ、大丈夫だし!あんな奴アタシ一人の力で倒せたんだから!む、寧ろアタシの48の必殺技が打てなくて残念だったって感じよ!」

 

 さっきまで有難うと言って泣いていたのはどこへやら?再び、虚勢を張り始めるラミリス。だがまあ、ラミリスらしいと言えばラミリスらしいのではあるが・・・。

 

 「ではまた二手に分かれても良いのだな?」

 

 ヴェルドラが悪戯そうな笑顔をラミリスへと向ける。ヴェルドラはバカではあるが、度を越してバカというわけではない・・・と思う、きっと、たぶんそうだ。

 そうだからこそ、ラミリスの言葉が去勢だという事ぐらいなら分かっているのだ。しかし、これにラミリスが頷くはずもない。

 

 「えっ・・・あ~いや・・・。あ、アタシもちょっと飛ぶのに疲れちゃったし暫くは師匠の肩に乗っとこうかなあ~」

 

 虚勢で命をどぶに捨てるほどラミリスも馬鹿じゃあないという事だ。さっきの男のような鬼が他にもいるかもしれないのだ。そんな場所でもう一度、一人になれるほどラミリスの度胸は強くない。

 

 「クアーハッハッハ!それもそうだな!貴様は暫く我の肩に乗って休んでいるがよい!」

 

 こうして、ヴェルドラ達はこの場を後にした。

 この後、この事が原因で何が起きるかなど知る由もなく・・・。

 

 *

 

 ヴェルドラ達が去った小屋の前で異変は起きた。

 先程ヴェルドラが殺気と共にこぼした魔素が形を成し始めたのだ。いわゆる、魔物の誕生と言ったところである。そしてそれは、ヴェルドラが生み出した魔物の中でも代表格である、とある魔物の姿によく似ていた。

 その魔物の名は・・・

 暴風大妖渦(カリュブディス)

 嘗て、魔国連邦(テンペスト)に襲い掛かった厄災である。

 だが、大きさは本家に比べると明らかに小さい。しかし小さいとは言え熊より一回りは大きい体躯を誇っていた。

 そして、その厄災(カリュブディス)は近くにあった魂を砕かれた鬼の肉体を依り代に動き出す。

 魔物としての本能(破壊衝動)をぶちまけながら・・・。

 

 *

 

 時は少し遡る・・・。

 

 ハクロウはヴェルドラに言われたように休憩できそうな場所を探していた。実はこの時すでに洞窟等は見つけてはいたのだが、そんなものでは彼らは満足しないどころか逆に文句を言うだろうと判断し、もっとましな場所がないか探していたのである。

 

 「いい場所はやはりなかなか見つからぬものだのう」

 

 元々、森の中にいるのだからいい場所など見つけにくいのは当然だ。しかし上官から命令された以上は見つけなくてはならぬのである。

 そんな中、ハクロウにもそれ(・・)は見えた。暗い森の中にひっそりと佇む木製の小さな小屋だ。

 ラミリスが見つけた物とは違うが、同じ造りの小屋である。

 それを見つけたハクロウは当然その小屋に近づく。そして、中を覗いたハクロウが見た光景もラミリスが見た物と同じであった。

 

 「なッ⁉これはッ⁉」

 

 思わず飛び出る驚きの声。

 小屋の隅にかためられた人間の腕や脚。大抵は腐っているが、中にはまだ新しいであろう物もあった。傷の断面からは、まだ血が液体として零れ落ち、床を赤く染めている。

 

 「惨い・・・一体誰がこの様な事を・・・?」

 

 その光景に警戒しながらハクロウはその小屋に入る。その顔は厳しい。鼻につく腐敗臭がハクロウの神経を逆なでる。一応、生きている者がいないか探してみたがそんな者はいなかった。みな、もはや口聞かぬ死体であった。

 

 「・・・・・・」

 

 ただ無言でハクロウはその亡骸達へと瞼を閉じ静かに手を合わせる。彼らの冥福を祈る様に・・・。

 そして、小屋から少し離れたところに一つの大きな穴をあけたかと思うと、その亡骸達を一人ずつ穴へ埋めていく。

 きっとハクロウの眼には、彼らの無残な姿が重なるのだろう・・・。嘗てのオーク達に食い殺された同胞たちの姿に・・・。

 今はもう、ゲルドを筆頭としたオーク達に恨みなどない。弱いから死んだ。魔物の世界は弱肉強食の世界なのだ。それにハクロウ達オーガもオークを何人も何十人も殺した。ハクロウ達も全くの被害者という訳ではないのだ。

 だが死んだ者達の事を忘れられるか?と聞かれたのならそれは否である。死んだ者達にももっと生きてほしかったと、ハクロウは思っている。いや、ハクロウだけにとどまらずベニマルもシュナもシオンも嘗てのオーガ達は全員が思っている事だ。

 

 そして、丁度最後の一人を埋葬し終えた時だった。人型のカリュブディスが誕生したのは・・・。

 

 さらに、それをハクロウは察知してしまう。

 

 「ッ!な、なんじゃ⁉この気配は⁉」

 

 ハクロウが動揺するのも仕方がない。

 この世界で強い魔素を感じる事などないと思っていたからだ。

 しかし、その動揺は即座に驚きから危機感へと移り変わる。魔素の感じからして、似てはいるがヴェルドラではないのだ。すなわち、ヴェルドラが何らかの原因で生み出してしまった魔物であるという事。

 つまりはそんな、魔物がこの世界に解き放たれてしまったという事に他ならない。そしてそれは明らかすぎる問題行動である。

 

 「くッ!ヴェルドラ様は一体何をしたのじゃ!」

 

 それだけ言い残しハクロウはその厄災を追って駆け出したのだった。

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。