いつだってまっすぐ前を見て生きていきたい。まっすぐ、まっすぐ、迷わず、まっすぐ。
自分に自身を持って歩いていけたらいいな。まっすぐ、まっすぐ、背筋を伸ばして、堂々と。
そんな自分になりたいな。
そんな自分になれたらいいな。
現実はそんなでもなくて、あっちにうろうろ、こっちにうろうろ。
迷って、惑って、下を向く。上を向く。そっぽを向く。見向きもしない。
それが現実で、当然のことなんだ。
涙は見せたくない。下を向け。
笑顔は全面に。もっと前を向け。
もっと先を目指すなら。上を向け。
見たくない。そっぽを向いて目を背ける。
気にならない、その程度。見向きもしない。
気づかない、ただそれだけ。目を閉じてる。
前を見て生きていきたい。逃げずに勇気を持って、目を開き続けたい。
それでも、どうしようもなくなってうずくまりたくなる時もある。あるよね。あるんだよ。
そんな時でも目を閉じちゃいけない。泣きながら下を向いたっていい。でも、目を閉じちゃいけないんだ。
この世から逃げちゃいけないんだ。
どうしようもなくなって動けなくなったらさ、後ろを見ればいいよ。今まで自分がどういう風に歩いてきたか、きっと残ってるはずだから。そこではね、前を向いていた時よりも広い世界が広がっている。そういう気がする。
後ろに広がっているのは過去の世界。過ぎてしまった、もう選べない世界。あの時こうだったら、あの時こうしていたら。全部、過ぎてしまったから言えること。
後悔するといいよ。あの時できなかった。あの時選べなかった。あの時、間違ってしまった。
そんな風に、後悔するといいよ。
後悔できるのは前に進んだから。いい方へか悪い方へかは関係ない。前に進んだから後ろを向ける。
後悔できるのは生きているからだよ。生きて、頭がまだ働いてるから。考えることができるから。まだ、自分の中に心があるから。
でもね、忘れないで。後ろに進むことはできないよ。
どんなに後ろを向いたっていい。でも、いつかは前を向くしかないんだ。
前を向け。
前を向け!
最期の瞬間まで目を開いて、前を向け!
強がりなんかじゃない。
だって、同じ場所を目指す同級生たちがいる。
僕たち、私たちは約束した場所を目指して前を向く。
視界の隅には見えないなにかが潜んでいる。どこかの方言では「隅」は「くろ」とも呼ばれるそうだ。隅はすみ、炭からきたの?
知らないけれど、くろとも呼ばれる。
視界の隅には薄汚れた黒いなにかが、きっと、潜んでいる。
前を向いて歩きたい。
前を向いて歩いてきた。
前を向いて歩いていきたい。
前を、前を、前だけを。
前だけしか見ていなくて、隅の方にいるなにかを視界から追い出してる。見ていない? 見たくない?
そうじゃなくて、きっとそれは見てはいけないものたち。
だから、前を向く人たちは無意識にそれらを視界の隅に追いやる。見ないように、黒いなにかを隅に追いやる。
それでもどこかで感じてる。すぐそばに、その黒いなにかはいるっていうことを。
今は見えていないくろは真っ黒に蠢いている。
イルヨ
イルヨ
スグソバニ
隅はくろ。だから黒いことが当たり前。
そのくろを、今は見てはいけない。目を合わせちゃいけない。
でも、気づいてる。
くろいくろにはなにかが潜んでる。
前を向け。
隅に潜むなにかに怯えながら、それでも前を向いて歩いていけ。
そんな風に、今日も前を見て歩いていく。
歩いていける。
サブタイトルの意味、わかりましたか?