ここからは未知の領域です。
銀時は絶望の物語をぶっ壊すことが出来るのか?
括目してください。
感謝と責任は混同しやすいが、何もしない理由にはならない
さやか宅 寝室
「・・・・・・」
さやかは自室のドアを閉めた後、
「騙してたのね、あたしたちを・・・・・・」
さやかは机のそばの椅子の上にいたキュゥベえに問いかけていた。
「僕は魔法少女になってくれってきちんとお願いしたはずだよ、実際の姿がどういうものか説明は省いたけれど」
「・・・・・・!」
さやかはキュゥべえの言葉にたまらず、椅子を倒してキュゥベえに顔を向けた。
「なんで教えてくれなかったのよ!?」
さやかはキュゥベえに睨みながらそう厳しく詰め寄った。
「聞かれなかったからさ、知らなければ知らないままで何の不都合もないからね、事実、マミでさえ最後まで気づかなかった」
さやかはキュゥベえを睨みながら黙って聞いていた。
キュゥベえはそのまま話し続けた。
「そもそも君たち人間は魂の存在なんて最初から自覚してないんだろう?」
キュゥべえはさやかの顔と胸を見て機械的に人間の仕組みを語った。
「そこは神経細胞の集まりでしかないしーーーーそこは循環器系の中枢があるわけだ、その生命が維持できなくなると人間は精神まで消滅してしまう、そうならないよう僕は君たちの魂を実体化し手に取ってきちんと守れる形にしてあげた、少しでも安全に魔女と戦えるようにね」
魔法少女の身体の利点を言いながら椅子の上から降りるキュゥべえ、さやかはキュゥベえを睨みながら言った。
「大きなお世話よ! そんな余計な事・・・・・・!」
キュゥベえに反論するさやかの言葉を遮るように、キュゥベえはある事実を突きつけた。
「君は戦いというものを甘く考えすぎだよ、例えばお腹に槍が刺さった場合・・・・・・」
そう言いながらキュゥべえはさやかの机の上に飛び上がり、さやかのソウルジェムの前に立った。
「肉体の痛覚がどれだけの刺激を受けるかっていうとね・・・・・・」
キュゥべえはさやかのソウルジェムに触れると青く輝きーー
「うっ・・・・・・ッ! うぁぁ・・・・・・・・・・・・!! ぐっ」・・・・・・あああ・・・・・・ぐ・・・・・・」
さやかは突如として腹部の痛みが奔り、その痛みにたまらずさやかは蹲った。
「これが本来の『痛み』だよ」
「あ・・・・・・う・・・・・・うっ」
さやかはあまりもの痛みに立てなかった。
「ただの一発でも動けやしないだろう? 君が杏子との戦いで最後まで立っていられたのは、強すぎる苦痛がセーブされているからさ、君の意識が肉体と直結していないからこそ可能なことだ、おかげで君はあの戦闘を生き延びることができた」
さやかは腹部の苦痛とキュゥベえの話で「全治三か月」のダメージが直接伝わったことを文字通り体で思い知ってしまった。
キュゥべえはさやかの様子を見た後にソウルジェムから手を離すと、さやかの「全治三か月」の苦痛は終わった。
その様子を見たキュゥべえは、まるで魔法少女の身体の応用があるかのようなそぶりで話した。
「慣れてくれば完全に痛みを遮断することもできるよ、もっともそれはそれで動きが鈍るからあまりお勧めはしないけど」
「・・・・・・なんでよ・・・・・・どうしてあたしたちをこんな目に・・・・・・」
さやかはキュゥベえにそう投げかけた、当のキュゥべえは淡々と事実を述べた。
「戦いの運命を受け入れてまで君には叶えたい望みはあったんだろう? それは間違いなく実現したじゃないか」
その時、さやかは悟った・・・・・・確かにキュゥベえの言葉の通りに契約は果たされたと言うことに。
ただ、引き換えに人間としての時間を永遠に失ったと言うことに、気付くには時間はかからなかった。
***
見滝原中学校
「きりーつ、礼!」
生徒全員が、朝礼を済ませた後、まどかはある席を見ていた。
「・・・・・・」
さやかは体調不良を理由に欠席していた。
昨日の深夜に『ソウルジェムの秘密』を知ってしまったために、学校に行ける精神ではないことに、まどかは知っていた。
***
放課後 屋上
屋上でまどかはマミと共にほむらと銀八を呼んでいた。
「ほむらちゃんと坂田先生は・・・・・・知ってたの?」
「「・・・・・・」」
ほむらと銀八は沈黙していた。
「どうして教えてくれなかったの?」
まどかは、ほむらに問い詰める。
「前もって話しても信じてくれた人は今まで一人もいなかったわ」
「俺ぁ、さやかが魔法少女になった件でほむらから聞いたんだ」
「美樹さんが魔法少女になった後から?」
マミは困惑するようにほむらから聞いた。
「ええ、彼に説明したのは、キュゥべえへの疑問がしっかりとあったからなの」
ほむらはマミにそう答えた。
その後にまどかがある疑問をほむらに質問した。
「キュゥベえはどうしてこんなひどいことをするの?」
「あいつはひどいとさえ思ってさえいない。 人間の価値観が通用しない生き物だから、何もかも奇跡の正当な対価だとそう言い張るだけよ」
そう、ほむらは冷静に答えた。
しかし、まどかに至ってはーー
「全然釣り合ってないよ! あんな身体にされちゃうなんて・・・・・・さやかちゃんはただ好きな人のけがを治してあげたかっただけなのに・・・・・・」
まどかはほむらに叫んだあと、顔を伏せながら心の叫びを出した。
「奇跡であることに違いはないわ、不可能を可能にしたんだから。美樹さやかが一生を費やして介護しても、あの少年が再び演奏できるようになる日は来なかった。奇跡はね、本当なら人の命でさえあがなえるものじゃないのよ、それを売って歩いているのが、あいつ」
ほむらは、キュゥべえの本質の一部をまどかに告げた。
「さやかちゃんは・・・・・・もとの暮らしには戻れないの?」
まどかはほむらにそう、問いかけた。
しかし、ほむらの答えはーー
「前にも言ったわよね、美樹さやかのことはあきらめてって」
「さやかちゃんは私を助けてくれたの、さやかちゃんが魔法少女じゃなかったら、あのとき私も仁美ちゃんも死んでたの・・・・・・」
まどかは自分を責めるような口調で、さやかを助けようとするような口調でほむらに話した。
「感謝と責任を混同しては駄目よ、あなたが彼女を救う手立てなんてない、引け目を感じたくないからって、借りを返そうだなんて、そんな出過ぎた考えは捨てなさい」
「暁美さん!!」
マミはたまらず、ほむらに叫んだ。
「私も、昨日の出来事で混乱してるわ、でも、今のは言い過ぎよ・・・・・・」
さすがのマミも言葉を詰まらせていた。
昨日の出来事で、混乱しているのはさやかだけでなくマミもそうだった。
マミはキュゥベえと長い付き合いだった。
お菓子の魔女の件で生き延びた後に、ようやく立ち直りかかった矢先での昨日の出来事。
キュゥべえの契約は人間の魂を物質化しての魔法少女ーー
その、事実にマミはショックを引きずっていた。
しかしーー
「私が美樹さんを魔法少女の道に引き込んでしまった以上、魔法少女側として彼女を支えて見せる、それが、『死にたくない』と契約してしまった私の贖罪よ」
マミの目は強い意志が宿り始めていた。
「そう・・・・・・」
マミの目を見たほむらは、そのまま立ち去ろうとするがーー
「・・・・・・ほむらちゃんどうしていつも冷たいの?」
まどかはほむらにそう問いかけた。
「そうね・・・・・・きっと人間じゃないから・・・・・・かもね」
ほむらは自分の手のひらを見ながらそうまどかに答えた後にそのまま立ち去った。
「さてと・・・・・・」
銀八も立ち去ろうするがーー
「坂田先生」
マミに呼び止められていた。
「なんだ?」
銀八はマミの方に首を振り向いた。
「坂田先生は、その・・・・・・暁美さんからソウルジェムの秘密を知ったうえでどうして・・・・・・、私達が怖くないんですか?」
まどかはマミの疑問がもっともな気がした。
坂田銀八は普通の人間、怯えないのはおかしい気がした。
「何って、お前らはまだ『
マミはキョトンとした顔で銀八の顔を見た。
まどかも同じ顔で銀八を見た。
「確かに、
マミとまどかは驚いていた、普通なら逃げ出してもおかしくない話なのに、
銀八は思い出したかのようにあることを告げた。
「ほむらから聞いたんだけどよ、魔法少女の身体は痛覚を遮断できるって話だ」
まどかとマミは驚いていた。
魔法少女の身体の仕組みとして痛覚遮断が出来るなんて恐ろしく感じた。
しかしーー銀八の話は終わってなかった。
「それやるって事ァそれこそ人間を捨てるってこった」
「「え?」」
「俺ぁ何処にもいる普通の人間だ、金に汚くただダラダラしているマダオだ。 でもな、痛みをなくせる機能があったらそれァ、今まで生きてきた時間が作り物に感じて目から背けるってことだ」
銀八は何を伝えようとしているのか、二人には理解できなかった。
「てめーらは、肉体と魂が離れ、テメーを覚える周りに居る連中が作り物と感じちまうし、人の形をした『何か』だと錯覚しちまうだろうよ・・・・・・」
二人は銀八の話を聞くことしかできなかった、銀八の言葉は暗く重く感じた。
銀八自身は
そして、その『生みの親』である機械技師、
機械家政婦、たまは
流山は人間の人格をデータ化し
種子の目的は流山の娘
そして、流山自身を実験台に
しかし、最初は器にしていた
その結果、江戸の町を機械家政婦によるクーデターが引き起こされていた。
流山の願い、『娘に笑顔を』最初は母親を亡くした娘のために話し相手におもちゃを作ったのが始まりだった。
だが、人間のような機械をつくり始めたのが、病弱だった娘が長くないと察したために永遠の命を与えるために、無茶な実験を繰り返し娘を亡くしたーー
その果てに、
なぜか、
「痛覚の遮断なんて、テメーを
銀八は、まどかとマミにそう投げかけていた。
まどかはともかくマミは困惑していた。
それでも銀八は言葉を続けた。
「妊婦は鼻の穴からスイカ出すような苦しみに耐えてガキを産むもんだ、芸術家はケツの穴から宇宙ひねり出すような苦しみに耐えて作品産み出すんだ。誰にだって壁にぶつかって全部投げ出して逃げてー時もある、だが苦しいときってのは、テメーの中の機械《からくり》が壁ぶち破るために何かを産み出そうとしてる時だってのを忘れちゃいけねー」
銀八は
「その苦しみの中に大事なもんがある事を忘れちゃいけねェ みんなめんどくせー機械背負ってのたうち回って生きてんだ。魔法少女でも涙なんて好きなだけたれ流せばいい、そんでも止まんねェ時は俺が涙を拭いてやらァ」
銀八の言葉に、二人は不安が取り除かれていることに気が付いていた。
「坂田先生・・・・・・私は・・・・・・」
まどかは何かを言おうとしていた。
「私は、ほむらちゃんが言ってたように、感謝と責任を混同しています・・・・・・今でもそうです。それでも私は・・・・・・」
まどかは自分の中にあるものを認めた上で、それ以上何も言えなかった。
イヤ、言葉が見つからなかった。
「だったら、テメーはさやかのために帰る場所になればいい、魔法少女になっちまったら、誰がアイツを待ってやるんだ?」
「帰る・・・・・・場所?」
まどかは銀八の言葉に困惑気味に聞いた。
「テメーに家族がいるように、アイツが・・・・・・さやかにも帰る場所が必要だろ? 魔法少女になれば一緒に戦うことが出来るかもしれねェ、でもよほむらのことを考えてみな、アイツがどうして契約を反対したのか、それを入れた上で、テメーでしか出来ねーことを探しな」
そう言って、銀八は屋上を後にした。
***
銀八の背中を見送った後に、まどかとマミは『銀八の話』を考えながら話した。
「坂田先生の話は最初は分からなかったですけど、私にできることは小さいかもしれない、でもさやかちゃんを見捨てたくありません」
まどかの話を聞いたマミは自分に合っ不安を話した。
「私は、長く魔法少女になった時からキュゥベえと長い付き合いだけど、キュゥべえのことを知った気になってたわ、でも長くいたからこそ見抜けなかったのかもね・・・・・・」
マミはキュゥべえに対する考えを改めていた。
「鹿目さん、なにがあっても、キュゥベえの言葉には気をつけてね」
「はい」
まどか自身、キュゥベえに警戒を持つようになった。
それが、魔法少女の運命を変えるきっかけになっていくなんて、このときはまだ知る由もなかった。
今回は、文章が短くてすみません。
なかなかいいアイディアが出なくて、参考資料とジャンプリミックスのセリフと機械家政婦《からくりかせいふ》編を入れさせてもらいました。
まどかとほむらの会話にマミと銀八を入れました。
少しでも運命が変わるように願いながら書かせてもらってます。
次回でも参考資料の話を混ぜながら、書く予定です。
ご意見ご感想をお待ちしております。