まどか☆マギカ交差伝 宇宙一馬鹿な侍   作:二道 無限

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 ほむらと杏子のワルプルギス会議から始まります。

 徐々に徐々に運命の時へと向かって行きます。


人の根幹は人それぞれ

            三叉路 アパート ほむらの部屋

 

 

 ほむらは杏子を自らの部屋に招いて『ワルプルギスの夜』の対策を立てていた。

 

 杏子はカップ麺を食べながらほむらの話を聞いていた。

 「ワルプルギスの夜の出現予測はこの範囲」

 ほむらは見滝原の全体地図にワルプルギスの夜の出現場所を指で指示した。

 「根拠は何だい?」

 「統計よ」

「統計?」

 杏子は訝しんだ、何故ほむらはワルプルギスの夜の出現場所を知っているのか?

 「以前にもこの街にワルプルギスが来たなんて話は聞いてないよ、一体何をどう統計したってのさ?」

 「・・・・・・」

 杏子は疑問に思っていた。

 ワルプルギスの夜に関しては魔法少女の間では語り継がれるほどの強力な魔女だ、それの対策を立てる同盟相手(暁美ほむら)は迷いもなくその出現場所を指示した。

 

 「お互い信用しろだなんて言えるがらでもないけどさ、もうちょっと手の内を見せてくれたっていいんじゃない? 坂田銀八みたいにさ」

 

 杏子はほむらから情報を引き出すためにある一定の信頼を置いていた、その引き合いに銀八の名前を出すことで、何かつかめるのではないかとそう思っての発言だった。

 しかし、ここで招かれざる客がやってきた。

 「それはぜひ僕からもお願いしたいね、暁美ほむら」

 キュゥべえだった。

 「・・・・・・」 

 ほむらは沈黙を保ったままだった。

 杏子は手元にソウルジェムを掲げ、槍を突き付けた。

 「どの面下げて出てきやがったテメェ・・・・・・」

 「やれやれ招かれざる客ってわけかい? 今夜は君たちにとっても重要なはずの情報を知らせに来たんだけどね」

 「あぁ?」

 キュゥベえの言葉に杏子は怪しんだ。

 キュゥベえの言葉を耳に傾けたくないと言わんばかりに警戒していた。

 そんなこともおかまいなくキュゥベえは話続けた。

 「美樹さやかの消耗が予想以上に早い彼女自身が呪いを生み始めた」

 「誰のせいだと思ってんさ・・・・・・」

 杏子はキュゥベエを睨んでそう言った。

 しかし、キュゥベえはおかまいなくある事実を告げた。

 「このままだとワルプルギスの夜が来るより先に、厄介なことになるかもしれない」

 「何だそりゃ? どういう意味だ?」

 杏子はキュゥべえの言っている意味が解らなかった。

 キュゥべえは杏子の疑問に答えずにほむらの方に向いて言った。

 「僕じゃなくて彼女に訊いてみたらどうだい? 君ならすでに知っているんじゃないかな? 暁美ほむら」

 「・・・・・・」

 ほむらは答えなかった。

 「・・・・・・」

 キュゥベえは一度思案してある結論に至った。

 

 それをキュゥベえは確信したのか意味深なことを言った。

 「やっぱりね、どこでその知識を手に入れたのか僕はとても興味深い、君はーー」

 キュゥべえは言葉の続きを言おうとしたが。

 「聞くだけのことは聞いたわ、消えなさい」

 ほむらにさえぎられ、キュゥべえに出ていくこと告げた。

 「・・・・・・」

 キュゥべえも聞くだけ無駄だと悟ったのかほむらの言葉に従って部屋から出て行った。

 「放っとくのかよ? あいつ」

 「あれを殺したところで、何の解決にもならないわ」

 「それよりも美樹さやかだ、あいつの言ってた厄介事ってのは何なんだ?」

 杏子はキュゥべえの質問の後に、さやかの件について質問した。

 杏子にとってはそれが気がかりだった。 

 ほむらは少し間を置いて、ある真実の一端を話した。

 「彼女のソウルジェムは穢れをため込み過ぎたのよ、早く浄化しないと取り返しのつかないことになる・・・・・・」

 

 「それは・・・・・・ソウルジェムの秘密よりもやばいのか?」

 杏子の質問にほむらは一瞬驚いた顔をしたがすぐに納得した。 

 今までの流れでソウルジェムの秘密まで来たのだから何かあると考えるのが妥当だと思うのは当然だった。

 ほむらは杏子の質問に首をかしげて肯定した。

 

 杏子はほむらの首をかしげるしぐさに納得したのかこれ以上質問しなかった。

 「要は、美樹さやかのソウルジェムの浄化はひとまず最重要なのは確かだな」

 杏子はそう言いながら歩き、ほむらの部屋を後にしようとした。

 しかしーー。

 「待って」

 ほむらが杏子を呼び止めた。

 「何だよ?」

 「あなた、手の内を見せてほしいって言ってたわよね?」

 「ああ、言ったけど?」

 杏子はほむらに「手の内を見せる」と言う言葉を聞いて何かを隠しているのかと期待していたがーー。

 「坂田銀八の居所よ」

 大した情報ではなかった。

 「何だ、そんなことかよ? この部屋の隣だろ?」

 杏子も、ほむらの部屋に上がる前に隣の部屋の名札を偶然見たため銀八がこのアパートに住んでることが解っていた。

 

 「確かに、『手の内』って情報ではないけれど・・・・・・少なくとも美樹さやかの現状を把握するには打って付けよ」

 ほむらの提案は杏子も納得した。

 「確かに、美樹さやかが今どんな状態か知った方がいいか・・・・・・」

 杏子は納得して銀八の下へ訪ねることにした。

 

 

 

 

                      *** 

  

                     銀八の部屋

 

 

 

 杏子はさっそく銀八の部屋のドアまで向かいインターホンを鳴らした。

 ーーピンポーン

 インターホンを鳴らした後に、ドアのカギが開く音がした。

 

 「んだよ、こんな夜中に誰だ!?」

 「銀八」

 銀八はインターホンを鳴らした主、杏子が目の前にいたことに驚いていた。

 

 「杏子、テメーなんでここに?」

 「ワルプルギスの夜の対策を練る際にほむらに部屋に招かれてな、部屋に招かれる際アンタの部屋の名札を見た訳」

 杏子の説明を聞いて銀八は納得した。

 

 ーー確かに、ほむらと関わってる繋がりで俺の名前の名札を見つけたら、当然の流れか・・・・・・。

  

 銀八が一瞬そう考えた後に、ある疑問が浮かんだ。

 「それで、俺を尋ねに来たのは遊びにって、訳じゃねェーよな」

 「美樹さやかの様子について聞きたいことがある」

 杏子はすぐ、銀八に本題(さやかの話)を切り出した。

 「なんでさやかっ・・・・・・キュゥベえの野郎が何か言ってやがったのか?」

 銀八は、杏子が何故さやかの様子を気にしたのは、すぐにキュゥべえが何かを話した流れだと言うことが解った。

 「ワルプルギスの夜の対策を練っていた最中に現れてな・・・・・・キュゥベエの野郎、美樹さやかが厄介なことになるって言いやがった」

 

 杏子の話を聞いていた銀八は、ほむらから聞いていた魔法少女の最大にして残酷な秘密を思い出していた。

 

 ーーおいおい、よりによってさやかのことかよ。

 「悪いな、さやかにグリーフシードを返そうとしたんだが、そん時はもう」

 「そうか・・・・・・」

 銀八から聞いた話はあまり芳しくないことが杏子にはすぐにわかった。

 杏子は、次に気になることがあった。

 「マミと美樹さやかの友達、の様子は?」

 杏子はさやかがマミとまどかがさやかを抱えながら帰っていったのを思い出していた。

 

 「あぁ、バス停でさやかが逆上して心にもないことを言ってそのまま・・・・・・ってマミのヤローから聞いてな」

 

 「あのバカ、そこまで参ってんのか?」

 杏子は悪態をつきながら、さやかが内心疲弊してることを理解していた。

 ふと、杏子はさやかが魔法少女になった切っ掛けの少年のことを思い出していた。

 「なあ、アンタさアイツが・・・・・・美樹さやかが参ってる切っ掛けって・・・・・・腕を治した坊やとなんか有ったのかい?」

 

 銀八は、杏子の質問に一瞬間を置いた後に、うなずいた。

 「言っておくが、さやかとそいつがケンカして荒んだんじゃねーよ、さやかが治した奴に惚れてた女が居てな、しかもそいつはさやかとまどかのダチだったわけだ」

 

 銀八の補足に、杏子はさやかが疲弊した根本的な理由を理解した。

 

 

 杏子は自分のために魔法を使う、そう決めたのは自分の仕出かしたツケ()が自分に返ってくる自己責任の現れだった。

 

 さやかは自分の大切の幼馴染のために契約した。

 しかし、現実では男女間の問題(恋愛事に発展)になるなんて思ってもみなかったからだ。

 

 その上、魔法少女とソウルジェムの仕組みを知ったために、恋愛なんてできない体になってしまっている。

 

 杏子は自分の体のことは割り切っていた、しかしさやかは自分の身体のことに強い喪失感を感じていてもおかしくはなかった。

 その上、さやかが魔女との戦い方を思い返したら、根本的な理由を考えれば納得していた。

 「あいつに残ってるのは魔女を倒すことだけしか、自分にはないって思ってんのかよ・・・・・・バカヤロウ」

 

 痛覚を遮断してまでの戦い方はもはや、ヤケ以外に言いようがなかった。

 「あたしは・・・・・・魔法少女がどんなことを願ったなんて知らないし、興味もなかった・・・・・・でも、結局は関わっちまう星の下に生まれたのかねぇ」

 杏子はそうぼやきながら自分の罪の始まりと今に至ることを振り返った。

 

 杏子は、自分が父のためと良かれと思って契約した結果、家族を壊してしまった。

 それ以降、魔法は自分のために使う(今の自分の方針)と決めていた。

 

 しかし、かつての自分と同じ契約をした魔法少女、美樹さやかと出会ってしまってからだ。

 それ以降、さやかと衝突するたびに、いつの間にか気にかかっていた。

 さやかに対して何がしたいのか? 

 自分自身何がそうさせるのか?

 

 杏子が堂々巡りの思考に入りかかったその時だった。

 

 「なら、またぶつかっていきゃあいい・・・・・・そうでもしなきゃ見えねえ答えもあらァ」

 突然、銀八の言葉に杏子がハッとなった。

 何故、そんなことを言ったのか、杏子は分からなかったが、銀八は続けた。

 「てめーもさやかもどっちも譲れねーもんがあんなら、ぶつかっていくしかあるめーよ、ただテメーはもう知ってるはずだぜアイツのしぶとさぐらいは」

 

 銀八の言葉に杏子は思い出していた。

 最初に殺し合いをした時の際に見せたしぶとさを、何度もたたきのめしても立ち上がってきた魔法少女(さやか)の姿をーー。

 

 さやかはいわば『かつての自分自身』だった。

 杏子はかつての自分に戻りたいわけではない。

 しかし、だからと言ってほっといても目覚めが悪い、それだけは確かだった。

 そんな杏子の心情を知ってかしらずか、銀八は告げた。

 

 「俺ァ一応教師なんでな、あいつが出席してもらった方が少なくともつまらなくはならねーよ」

 「アンタは教師じゃなくて、教育実習生だろうが」

 銀八の発言に杏子は突っ込みを入れた。

 その後に何か吹っ切れたのか、杏子は銀八の部屋を後にしようとした。

 「取りあえず、美樹さやかの現状は理解したよ、じゃあな」

 その時だった。

 「待て」

 銀八が杏子を呼び止めた。

 「何だよ」

 杏子は銀八の方を見やった。

 すると銀八は自分の財布から千円札を出した。

 「これで、なんか菓子でも買いな、少なくとも万引きした食いもんよりはマシだろ?」

 そう言って、杏子に千円札を渡した。

 

 その時だった。

 

 「あ、アンタが金渡すなんて、ワルプルギスの夜よりも隕石が降ってきそうだな」

 杏子は銀八がお金を渡すなんて悪い前兆だと感じた。

 「テメーは俺を何だと思ってんだオイ!」

 銀八は心外と言わんばかりの突っ込みを入れた。

 

 

                      ***

   

    

                  見滝原中学校 教室

 

 

 

 「mustという助動詞には、これこれしなければならないと言った義務の意味があるのですがーー」

  

 「・・・・・・」 

 

 早乙女の英語の授業のさなか、まどかは集中できなかった。

 仁美の前の席、さやかが欠席していたからだ。

 昨日の魔女の一軒以降、学校には来ていなかった。

 

 まどかは、バス停でのさやかの後ろ姿を思い出していた。

 

 (あのとき、追いかけなきゃ駄目だったのに・・・・・・)

 その後悔がまどかの中に渦巻いていた。

 

                      ***

 

 

 

                    放課後 公園

  

 

 

 仁美と恭介は帰路に向かっていたが、恭介本人はある疑問があったからだ。

 公園の道は恭介がいつも使っている学校の帰り道だったが、普段見かけない人物が仁美だった。

 疑問に思った恭介は仁美に聞くことにした。

 

 「志筑さんって帰る方向はこっちなんだっけ?今まで帰り道に見かけたことってないような・・・・・・」

 「ええ本当は全然逆方向ですわ」

 仁美の返答に恭介は驚いていた。

 「え?・・・・・・じゃあ今日はどうして?」

 「上條君にーーー」

 「・・・・・・」

 「お話ししたいことがありますの」

 

 仁美は自分の想いを恭介に打ち明けることにした。

 

                      ***

 

                   さやかのマンション

 

 

 まどかはさやかのマンションによってみることにした。

 学校の欠席に関してさやかの家族に聞くことにしたからだ。

 

 しかし、返答はーー

 「え?・・・・・・帰ってないんですか? 昨日から? そんな・・・・・・」

 

 さやかは、マンションには帰ってきてはいなかった。

 「はい、えっと・・・・・・分かりました、はい、失礼します・・・・・・」

 さやかはやはり昨日の件から、マンションに帰ってきてはいなかった。

 「・・・・・・」

 まどかは少し思案した後、マミに連絡した。

 

 《もしもし、鹿目さん? 美樹さん学校に来ていなかったみたいだったけど、そっちはどうだったかしら?》

 「さやかちゃん昨日から帰ってきてはいないみたいで・・・・・・」

 《そう、やっぱり・・・・・・私も一回合流して一緒に探しましょう》

 「はい、それでは」

 そう言ってまどかはマミへの連絡を終えた。

 

 (さやかちゃん・・・・・・探さなきゃ!)

  

 まどかはさやかを一行も早く見つけなければならない、そんな予感がよぎっていた。

 

 

 

                      ***   

 

 

 ある場所で二人の男女が楽しそうに談笑していた。

 仁美と恭介だった。

 

 その様子を影で見ていた少女がいた。

 さやかだった。

 

 片や親友、片や想い続けた幼馴染、その二人が付き合う瞬間を見てしまっていた。

 仁美と恭介は笑いあっていた。

 

 その様子を、さやかは見ていた。

 

 妬みと悲しみ、呪いを心の中にため込んで。

 

 

                     ***

 

 

 

 「うああああああ」

 さやかは、使い魔と戦っていた。

 

 まるで八つ当たりするかのように、使い魔を倒していた。

 「ううっ」

 使い魔が全滅した後、結界は解かれた。

 「はあはあはあはあはあ・・・・・・はあ・・・・・・」

 さやかはその後に魔法少女の変身が解かれた。

 ソウルジェムの穢れは、溜まっていた。

 

 「はぁ・・・・・・はぁ・・・・・・」

 

 そこに、誰かが近づく足音がした。

 さやかは、近づく人物を睨んだがーー。

 

 「オイ、見つけたぞ・・・・・・家出娘」

 

 その声を聴いてさやかは一瞬だけ驚いていた。

 「坂田・・・・・・先生」

 さやかに近づいてきた人物、銀八だった。

 

 「お前、学校さぼってどこほっつき歩いてんだ? まどかのヤローが心配してたぜ」

 「うるさい、大きなお世話よ・・・・・・」

 さやかは、苛立っていた。

 「学校さぼってまで、魔女退治ってか? 精が入ってるな・・・・・・て言うと思ってるのかよ」

 銀八はそう言いながらポケットからグリーフシードをとり出した。

 

 「魔女退治続けんなら、まずテメーのソウル何たらを浄化する方が先決じゃねーのか?」

 銀八はそう言いながら、グリーフシードをさやかに投げ渡した。

 しかし、さやかはグリーフシードを受け取らなかった。それどころかそのグリーフシードを後ろに蹴とばした。

 

 「オイ、何やって・・・・・・」

 銀八はさやかの行動に驚愕した。そしてーー。

 

 「先生は、何か知ってるんでしょ?」

 さやかの言葉に銀八は困惑した。

 

 その言葉は氷のように冷たい、声色だった。

 

 

 

  

   

 




 今現在、運命の時は確実に向かっています。

 さやかはぐれまくっています。
 
 文章短くてすみません。

 第三章あたりが少し、長くなる予定です。

 ご意見ご感想お待ちしております。
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