マミはソウルジェムの秘密を知って心の堤防が爆発しますが、銀八が何とかします。
では、お楽しみください。
諦めの悪さは大木の根のごとく
刹那、魔女の結界が杏子を包み込んだ。
「・・・・・・、これは・・・・・・!?」
杏子は結界内の周りを見ていた。
結界内は、楽譜のような天井にチェッカーフラックのような床、そして線路状のものが床中に走り、天井を支えていた。
そして、その結界の主である魔女は、甲冑をまとった人魚の姿をしていた。
「!」
辺りを見渡していた杏子の目はあることに気付き、一点に集中した。
「さやか!」
ソウルジェムを失ったさやかの体が宙を浮いていた。
しかし、それは何時までも浮いているものではなく、一定のスピードで落下していた。
しかも、魔女の目の前に落ちながら。
杏子は瞬時に魔法少女の姿に変身し、魔女に警戒しつつさやかのもとに向かいながら獲物の槍を召喚し急ブレーキをかけた。
「やっ!」
その反動を利用してさやかの体を抱きとめた。
そのあとに、杏子は魔女に向かって叫んだ。
「何なんだよ・・・・・・テメェいったい何なんだ!? さやかに何しやがったッ!?」
答えが返ってこないと知りつつも、突如その場に現れた魔女に対して叫んだ。
その瞬間、魔女の攻撃が飛び交った。
「うっ!」
杏子が魔女の攻撃に怯んだ時だった。
「退がって」
響き渡る声とともに見覚えのある魔法少女が居た。
ほむらとーー。
「今のうちに退くぞ、さやかの奴はしっかりと背負っとけ!」
さやかのソウルジェムがグリーフシードに変化した際に吹き飛んでいた男、銀八だった。
その瞬間、ほむらの姿が消えた。
ただそれだけでなく魔女の目の前で手榴弾がさく裂した。
「な・・・・・・!?」
杏子は突如として、魔女が爆発したことに驚いていたが、魔女はその一撃で怯んだ程度だが、攻撃を仕掛けようとはしない。
「お前ら・・・・・・!」
杏子の前に銀八が駆け寄った。
「つかまって」
その後に、またほむらが目の間に現れ、背を向けながら杏子に手を伸ばした。
「何をーー」
「いいから!」
杏子の疑問に答える余裕もなく、ほむらは大きな声で叫んだ。
「・・・・・・っ!」
杏子も納得はいかなくとも、言われるがままにほむらの手を掴んだ。
続いて銀八もほむらの手を掴んだ。
その瞬間、盾の魔道具が発動した。
すると、時計の針が止まったかのように周りの物が動かなくなった。
「・・・・・・!? こいつは・・・・・・」
「気を付けて、私の手を放したらあなた達の時間も止まってしまう」
「時間操作系の魔法かよ・・・・・・いや、今はそんなことどうでもいい! どうなってるんだよ? あの魔女は何なんだよ!?」
杏子は、ほむらの魔法よりも、杏子が目の前で起こったことの説明をほむらに求めたがーー。
ほむらは、冷静に告げる。
「かつて美樹さやかだったモノよ、あなたも見届けたでしょう?」
ほむらの言葉に杏子はぐうの音も出なかったが、杏子は続けて聞いた。
「・・・・・・逃げるのか?」
「イヤなら、その余計な荷物を捨てて、戦うならあの魔女を殺しましょう、できる?」
「ふざけるなッ!」
ほむらの案に杏子は反発した。
「今のあなたは足手まといにしかならない・・・・・・今は逃げることだけを考えなさい」
「・・・・・・ッ」
「・・・・・・」
ほむらは冷酷さを装いながら杏子のことを気遣っていたことに銀八は黙って見ていた。
止まることなく走り続け、結界を抜けた。
***
見滝原市 路線
まどかは、マミと合流した後に二人でさやかを捜索していた。
そしていつの間にか電車の路線まで足を進めていた。
「鹿目さん、大丈夫?」
マミはまどかに声をかけた。
マミは別方向でさやかの捜索をして、まどかの連絡を受け取った後に、合流した際まどかの表情は暗いままだった。
「マミさん、ありがとう。 でも大丈夫です、このままさやかちゃんを探しましょう」
まどかはマミの心遣いに感謝しながら、さやかを探し続けた。
しかし、残酷な事実が二人に襲い掛かる。
二人の目の前に見覚えのある三つの影に気が付いていた。
一人は白髪の天然パーマの男、坂田銀八。
もう一人いは黒髪のロングヘアーの少女、暁美ほむら。
そして、赤髪のポニーテールの少女、佐倉杏子だった。
しかし、二人が気が付いたことはそれだけでなかった。
杏子が抱きかかえている少女の存在に目が釘付けになっていた。
二人が探していた青髪のショートヘアーの少女、美樹さやかだった。
「さやかちゃん・・・・・・」
「美樹さん!」
二人は、さやかに呼びかけたが返事がなかった、それどころか反応もなかった。
「さやかちゃん! どうしたの? ねぇッ、ソウルジェムは? さやかちゃんはどうしたの!?」
「せ、説明してくれないかしら・・・・・・いったい何があったのか・・・・・・」
まどかはさやかの身に何が起こったのか、三人に説明を求めた。
むろん、マミも同じだったがうすうす気づいたのか、口がおぼつかなかった。
杏子は二人の顔を背けながら何も言わなかった。
ほむらは少し目を細めた後、マミの顔を見て考えていた。
ほむらは知っていた。 自分自身に課した使命の際に、マミが何をやったか忘れたわけではなかったーー。
ソウルジェムの秘密、魔法少女の逃れられない
だが・・・・・・ここで嘘をついてもいずれは分かることだった。
ほむらは杏子の代わりに真実を告げた。
「彼女のソウルジェムはグリーフシードに変化した後、魔女を生んで消滅したわ」
「「・・・・・・」」
二人は言葉を失った。
まどかに至っては足を崩してへたり込んだ。
「・・・・・・嘘だよね?」
「ちょっと待って・・・・・・美樹さんのソウルジェムが魔女を生み出したって・・・・・・それって・・・・・・つまり美樹さんが・・・・・・魔女になったって・・・・・・!!」
マミがほむらの言葉を復唱するかのように言葉をつぶやいたとたん、ある真実にたどり着いた。
いや、たどり着いてしまった。
「いいえ、美樹さんだけじゃない・・・・・・つまり私たちも・・・・・・!」
ほむらは、マミが至った真実にうなずいた。
「ええ、巴マミの考えてることは事実よ、それがソウルジェムの最後の秘密、この宝石が濁りきって黒く染まるとき、私たちはグリーフシードになり魔女として生まれ変わる・・・・・・それが魔法少女になった者の逃れられない運命」
マミはほむらの言葉に言葉を失った。
杏子も二人の顔を背けた。
それがかえって事実だという結果になった。
電車がまどかたちの横に通り過ぎて行った。
「・・・・・・そんな、嘘よ・・・・・・嘘よね? ねえ!?」
まどかの叫びに二人の少女は何も答えなかった。
「そんな・・・・・・どうして? さやかちゃん魔女から人を守りたいって、正義の味方になりたいって、そう思って魔法少女になったんだよ? なのに・・・・・・」
まどかはさやかの末路に嘆きうずくまった、しかしほむらは淡々と冷酷に告げた。
「その祈りに、見合うだけの呪いを背負い込こんだまでのこと、あの子はだれかを救った分だけこれからは誰かを祟りながら生きていく」
「・・・・・・」
ほむらがまどかに対して冷酷に告げた時ーー。
杏子は抱きかかえたさやかの体をまどかのそばに下した。
「・・・・・・っうっう・・・・・・」
まどかのすすり泣く姿を見て杏子はほむらに向かい合い胸倉を掴んだ。
「テメェは何様のつもりだ! 事情通ですって自慢したいのか!?」
杏子はほむらに憤りをぶつけた。
ほむらは至って冷静に杏子を見ていた。
その顔を見て杏子の憤りの炎はさらに燃え上がった。
「なんでそう得意げに喋ってられるんだ!? こいつはさやかの・・・・・・! さやかの・・・・・・! 親友なんだぞ・・・・・・!」
杏子は悲しみを帯びた叫びををほむらにぶつけた。
その時、金属音が聞こえた。
言い争っている二人はもちろん、さやかの体にしがみ付きながら泣くまどかも聞こえていた。
三人が金属音がする方に首を向けると魔法少女になったマミがほむらと杏子にマスケット銃を向けていた。
マミは歯をカチカチ鳴らし、マスケット銃の銃身を震わせながらほむらと杏子に言った。
「魔法少女が魔女になるのなら・・・・・・みんな死ぬしかないじゃない! あなたも私も!」
マミは今までの出来事を総合してたった今突き付けられた真実でとうとう心の均衡が崩れ、錯乱した。
杏子はマミの行動に身動きが取れなかった。
まどかも同じく、体が動けずじまいだった。
ほむらは、衝撃に事実にマミが混乱することは今までの経験で予期していた。
ほむらはすぐに魔法少女に変身して、マミを鎮圧する準備に入ろうとした。
その時だったーー。
マミの前に一瞬の隙に現れた白い影がマミのマスケット銃を叩き落とした。
「落ち着けや黄色の縦ロール、もっと適当に考えろ」
マミを止める準備をしたほむらは自分の代わりに止めた影に驚いていた。
「もうちょっと適当に考えろ。 選択肢ならあるじゃねーか・・・・・・」
杏子はマミの凶行を止めた男の姿に目を離せなかった。
「誰も死ぬ必要のねェ簡単な選択肢がもう一つ」
まどかは白髪の天然パーマの男の背中を追いながら、男の言葉に耳を傾けた。
「さやかの奴を助けるって選択肢がよ」
坂田銀八が発した言葉だった。
「た、助けるって・・・・・・!」
マミは銀八の言葉に耳を疑った。
目の前の男は、今までに起こった出来事を前に何を言ったのか。
魔法少女の契約が人間を放棄するという秘密を知ってもなおーー。
ソウルジェムが魔法少女の魂が物質化した物だという残酷な秘密を知ってもなおーー。
魔法少女の末路がソウルジェムが穢れをためた果てに呪いを振りまくのが逃れられない運命だったとしてもーー。
「そんなことできるのかよ・・・・・・何かあてがあるのか?」
杏子は銀八に尋ねた、さやかを助ける算段ああるのか。
しかし、銀八はーー。
「んなもんねーよ」
手段なんか考えていなかった。
「方法もわからないのに無責任なこと・・・・・・」
ーー言わないで!!
マミは銀八にそう怒りの言葉の続きを言おうしたがーー。
「だから落ち着けってキイロール」
「いやキイロールって何!?」
マミは銀八に即興のあだ名の突っ込みをすることになった。
「本気なの・・・・・・どう考えても絶望的よ?」
ほむらは銀八に尋ねた。
ほむらの経験上、それはあり得ないことだと知っていたからだ。
しかし、銀八の提案に乗った少女が居た。
「いや・・・・・・希望を捨てるはまだ早いってのは私も同意だ、やれることやらねぇと後悔する、今のあいつは魔女化して間もない、 こっちから呼びかければ人間だった時のことを思い出すかもしれない!」
杏子は銀八の不確かな希望に僅かな可能性を考え、決意を固めていた。
「だったら・・・・・・いるじゃねーか、とっておきの適任者がよ」
銀八はその可能性のある少女の顔を見た。
まどかだった。
「わ、私・・・・・・?」
「アンタだけだ、あいつを助けられる可能性があるとすれば」
杏子はさやかの親友であるまどかに可能性に賭けていた。
「でも・・・・・・呼びかけるなんて方法で・・・・・・」
「うだうだ言ってねーでテメーも手伝うんだよキンチョール」
「キンチョールって何!? 何なのその殺虫剤みたいな名前!? もはや黄色ですらなくなってるわよね!?」
未だに絶望を引きずっているマミに銀八は
当然マミはあだ名をつけられて突っ込んだ。
「・・・・・・」
ほむらは、まどか達を見ていた。
この流れはあまりにも分が悪すぎていた。
しかしーー。
ほむらはこの分の悪い賭けに乗るしかなかった。
(どうせ自分が止めたところで佐倉杏子は美樹さやかを助けようと動くだろう、そして親友であるまどかも動かないはずがない、どちら同じことだ。それに今は巴マミもいる、若干の混乱があるとはいえ彼女もかなりの実力者だ)
ほむらはまどか達に希望の灯をつけた男、
(そして・・・・・・この世界の
ほむらは銀八のもとに近づき尋ねた。
「・・・・・・やるのね」
ほむらの言葉に銀八は頷いた。
「あいつにこれ以上欠席されて給料引かれても困るんでな、明日には笑って学校へ来てもらうとしようじゃねーか」
「いやあなた、教育実習生でしょ?」
ほむらは銀八の決意を聞きながらも突っ込みを入れた。
二道無限です。
僕は令和二年10月26日~11月18日まで腸閉塞のため病院に入院してました。
掲載が遅れてすみません。
エレファント速報とまどマギフィルムメモリーのちゃんぽん、オリジナルを少々入れました。
退院したばかりですが、なにとぞ応援よろしくお願いします。
ご意見ご感想、お待ちしております。