まどか☆マギカ交差伝 宇宙一馬鹿な侍   作:二道 無限

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 今回は四章から六章までの内容です。


我儘は時として世界を動かす

 ほむらは、マミの見舞いに向かっていたまどかの後を追っていた。

 それからしばらくして、マミのマンションからまどかが出てきたところで、ほむらは自分の経験と忠告をまどかに話した後、銀八との約束であるほむら自身のことと魔法少女と魔女の間にある秘密、そしてキュゥべえの目的を話すため、まどかと別れた。

 

 

 しかし、公園で銀八に魔法少女のことを話そうとした途端、魔女の気配を察知して会話は中断、銀八と共に結界が張られてる現場に向かうも、結界を張った魔女はその場に現れた魔法少女によって倒されていた。

 

 その場に現れた魔法少女の正体は美樹さやかだった。

 

 

                     ***

 

 

 

 「・・・・・・ワリーな、アイツのこと止められなくてよ」

 銀八はそうほむらに謝罪した。

 ほむらは首を振って否定した。

 「あなたが謝ることじゃないわ・・・・・・あなたは私の頼みを聞いてくれただけ。私が美樹さやかに注意を向けておくのを怠ったからよ、だからあなたに落ち度はないわ」

 

 

 (そう、坂田銀八に落ち度はない、美樹さやかの契約は決定された運命(もの)なのかもしれない。 私の言葉では通じないし、坂田銀八の言葉なら聞いてくれると判断したのは私だ、それをうまくいかなかったのは彼の所為と責めるのは筋違い、結果的に美樹さやかが坂田銀八の話に耳を傾けたのはいい兆候だと考えるべきね)

 

 

 ほむらは『時間逆行』で導き出した経験上さやかの契約は避けられないと判断したが、銀八という第三者の言葉なら、さやかを少なくとも破滅(魔女化)を防げるかもしれないと考えていた。

 

 ほむらはそう思考の海に潜っていた中で、銀八が呼びかけていた。

 

 「・・・・・・聞かせな、テメーは一体何を目的に動いてやがる?」

 「・・・・・・あなたには、言っておくべきかもしれないわね。 私のことも・・・・・・目的も・・・・・・そして、この世界のことも」

 (少なくとも、魔法少女(私たち)の末路を知ったらあなたはどうするのかしらね? この絶望の歯車が世界を動かしてるなんて・・・・・・違う世界から来たあなたは、私たちを見る目が変わるのかしら?)

 

 内心、ほむらは銀八の目が嫌悪感で見るのか、怪物として見るのかと考えながら口を開いた。

 

 「まず私は、この世界の・・・・・・いえ、この時間軸の人間ではないわ」

 ほむらは、自分がどこから来た人間なのかを話すところから始めた。

 「時間軸? どういうこった?」

 銀八は困惑したが、ほむらは相手の反応も想定したうえで話を続けた。

 

 「私の魔法少女の契約で、魔法として私が同じ時間を繰り返しているからよ」

 「同じ時間を・・・・・・ってオメーがそうまでしたい目的はなんだ? オメーみたいなガキが魔法少女になってまで契約したのはなんなんだ?」

 ほむらの話を聞きながら銀八は険しい顔をしながらそう尋ねた。

 銀八の問いほむらはゆっくりと契約内容を、動機を話した。

 

 「まどかの出会いをやり直したい、まどかに守られる私じゃなく守る私になりたい、それがキュゥべえに願った私の契約、そして私が・・・・・・魔法少女に成った動機よ」

 ほむらの魔法少女としての動機を聞いた銀八はある疑問を口にした。

 「その口ぶりじゃ、まどかはおめーが魔法少女に成る前から、魔法少女に成っていたのか?」

 銀八の質問にほむらは頷いた。

 「そうね、まずは私とまどかの出会いから話した方がいいわね」

 

 ほむらは少し間を置きながら、まどかの出会いから話した。

 

 「今の私になる前は気弱の上、病院生活の方が長かったため勉強も遅れた上に準備運動の際に貧血を起こしてたわ、そんな私に手を差し伸べてくれたのがまどかだったの、一つ目は今話した通り、二つ目は転校初日の下校の際、前日の内容の通りに落ち込んだ上に死にたいって思ってたわ」

 銀八は少し驚いた顔をしながら、ほむらに尋ねた。

 「死にたいって・・・・・・ガキの世界シビアだなオイ、ってか何で二つ目がそんな内容なんだ?」

 「その時に魔女の結界に捕らわれたのよ、それで助けてくれたのが魔法少女のまどかと巴マミよ」

 「おいおい、おめーまどかはともかく、マミも一緒だったのかよ」

 銀八はほむらの口からマミのことを知っているような口ぶりのそんな背景があったことに驚いていた。

 ほむらは軽く頷き、話を続けた。

 「その後で魔法少女のことを二人から聞いたわ、そしてある魔女に備えていたの・・・・・・」

 「ある魔女?」

 「『ワルプルギスの夜』それが二人が倒そうとしていた、超弩級の魔女の総称よ」

 ほむらの説明で、超弩級という言葉が出てきたことに銀八は首を傾げた。

 「超弩級って、どういうこった? 普通の魔女とは違うのか?」

 「ワルプルギスは結界に隠れて澪守る必要がない上に、ただ一度具現化しただけでも何千人という人が犠牲になるわ。相変わらず普通の人が見えないから被害は地震とか竜巻とかそういった大災害として誤解されるだけ、魔法少女たちの間で語られている強力な魔女よ、そして見滝原(ここ)にその魔女が現れるわ」

 ほむらの説明で唖然とした銀八はどうにか話には追い付いていた。

 銀八の世界の経験上、陰陽師の二大流派が倒した悪鬼が例にあったためどうにかほむらの説明に追い付いていた。

 銀八が内容をどうにか理解していた。

 ほむらは銀八の顔を見ながら訪ねた。

 「ここまでの説明は追い付いてるかしら?」

 「ま、まあな」

 ほむらは銀八の顔が心なしかげんなりしていたが、話に追いついている様子を確認して話を続けた。

 

 「そして、ワルプルギスの夜に立ち向かった二人は、敗れて命を落としたわ」

「その後で、契約したのか? まどかを救うために・・・・・・」

 銀八はほむらにそう尋ねた。

 その問いに、ほむらは頷いた。

 「そう、キュゥべえに契約した直後に『時間逆行』が発動して、まどかに出会う前の時間軸に戻ったのよ、そのあとはまどかと巴マミのもとで私の魔法を把握して、魔女に立ち向かったわ」

 「おい、時間逆行って・・・・・・タイムスリップって奴か!?」

 銀八はほむらの魔法について驚いていた。

 「確かに、私の魔法の本質はタイムスリップだけど、まどかと出会う前の時間にしか戻れないの、他に出来ることと言ったら私以外の人間や周囲の時間を止めることができるだけよ」

 ほむらの説明に銀八は驚愕したが、あることに気が付いていた。

 「もしかして、お前の優等生っぷりは・・・・・・」

 「同じ時間で同じ授業内容だったから覚えていたのよ」

 銀八の疑問にほむらはそう答えた。

 質問の内容に銀八は納得していた。

 ほむらは、本題に戻すように話を続けた。

 「話がそれたわね、その時間軸でワルプルギスの夜を倒すことは出来たわ・・・・・・でも、同時に魔法少女の残酷な秘密を知ったの・・・・・・魔女と魔法少女の間にある残酷な秘密を・・・・・・」

 ほむらは一瞬つらそうな表情だったが、普段の冷静な表情に戻っていた。

 銀八はほむらの話を聴きながら、ほむらの顔を見て一見普段通りの表情だったが目は怒りで満ちていることを見逃さなかった。

 そんな中で、ほむらは銀八にあることを尋ねた。

 「坂田銀八、あなたは『魔法少女は魔女を生む』って話したのは覚えてるかしら?」

 「ああ、初めて魔法少女に関することを聞いたのはソウルジェムを浄化しないと魔法は使えないって事ぐらいだったか?」

 銀八はうろ覚えにそう話したが、ほむらは頷いて魔法少女の秘密(根本的な内容)を話した。

 「そう・・・・・・でも、根本的に的を得てるわ、ソウルジェムを浄化しないと確かに魔法は使えなくなるわ、でも本当は・・・・・・」

 ほむらは言葉をそこで止め、自分のソウルジェムを取り出し、銀八の前に見せた。

 「魔法少女が絶望でソウルジェムに穢れがたまり、グリーフシードに変化して魔女を生み出し、魔法少女は死ぬわ」

 ほむらの言葉に銀八は驚愕した。

 銀八はほむらに問い詰めた。

 「どういうこった!? ソウルジェムが穢れてグリーフシードになって魔法少女が死ぬって・・・・・・」

 「それは、このソウルジェムの正体がキュゥべえと魔法少女として契約した私たちの魂が物質化した物だからよ」

 「魂の物質化!? オイオイ冗談でも笑えねーぞ!! つか何で魔法少女が魔女になんだよ!? 無限残機(キュゥべえ)のやろーは一体何が目的なんだ!!」

 銀八は困惑しながらも、ほむらに問いかけた。

 ほむらは、銀八を宥めた。

 「落ち着いてちょうだい、まずは何故魔女の正体が魔法少女なのかを知ったところから、本題の続きを話すから」

 ほむらの言葉に少し落ち着きを取り戻した銀八、その様子を確認したほむらは話を続けた。

 「ワルプルギスを倒した私とまどかは、そのあとに・・・・・・まどかが突如苦しみだして、彼女が持っていたソウルジェムがグリーフシードに変化して・・・・・・私の目の前で魔女が生まれたのを見たわ・・・・・・まどかの死と共に」

 ほむらの最初の時間逆行の際に知った事実に銀八は言葉を詰まらせた。

 

 「二度目の時間逆行の時、魔法少女の真実を知った私はまどか達に話したわ、でもその時間軸では美樹さやかが魔法少女に成っていたわ、当然みんなには信じてもらえなかったわ、でも美樹さやかが魔女化して、私がとどめを刺したわ・・・・・・だけど、巴マミが私と協力関係だった魔法少女を殺して私とまどかを道連れに自殺しようとしたの」

 「マジかよ、マミのやろーそこまでしちまったのか? つーかお前がマミと対立してんのは、そんな理由だったのか?」

 銀八は二度目の時間逆行でのほむらの経験で、マミの行動に驚愕した。

 「ええ、でもまどかが・・・・・・巴マミのソウルジェムを砕いて私を助けてくれたわ・・・・・・その後、私とまどかの二人でワルプルギスを倒したの、でも私たちのソウルジェムに限界がきて、いつ魔女になってもおかしくなかったわ、でもまどかの持っていたグリーフシードのおかげで私のソウルジェムは浄化されたわ・・・・・・そして、まどかと約束したのよ・・・・・・何度同じ時間を繰り返すことになっても必ずまどかを守る、それが私の目的よ」

ほむらの目的に銀八はしばらく沈黙していたが、もう一つの謎について尋ねた。

 

 「キュゥべえは、おめーらを魔法少女に変えてまで何が狙いなんだ? そんな仕組みにしてまで何がしてーんだ?」

 「キュゥべえの・・・・・・いえ、本当の名はインキュベーター、アイツらの目的は私たち魔法少女が絶望によって魔女化する際のエネルギーが狙い、そして宇宙の寿命を延ばすのが奴らの目的よ」

 

 ほむらから聞かされたキュゥべえの目的に銀八は顔をひきつらせた。

 「宇宙の寿命だぁ~? あの無限残機、そんな訳のわからねーモンのために魔法少女達(おめーら)を消耗品にしてんのか?」

 「ええ、奴らはほとんど感情なんて持ち合わせていないわ、だから人間(私たち)願い(奇跡)を餌に契約を迫るわ、奴らは枯れ果てた宇宙を引き渡す際の長い目で見れば得になる取引にしか見てないわ」

 ほむらはキュゥべえの目的を話しながら銀八の表情を監察した。

 その表情は普段通りの間延びした表情だったが、一瞬気のせいだったのか? と思うぐらい目の奥に怒りを感じた。

 それでも、ほむらは話を続けた。

 

 「そのあとは、一人ですべての魔女を・・・・・・ワルプルギスの夜を倒すことにしたわ、誰も未来を信じないし受け止められない、誰にも頼らないし分かってもらう必要もない、まどかを戦わせないために・・・・・・まどかと出会う前にキュゥべえを殺しつくした、でもまどかは魔法少女の契約をキュゥべえと交わして、そして魔女になってしまったわ、そして今でも同じ時間を繰り返してるわ。 まどかを救うために、何度も」

 

 ほむらは語りながら思い返した、今の時間軸に来る(戻る)前のまどかの契約を、そしてその反動での魔女化をーー。

 

 一通り、語り終えたほむらは銀八に尋ねた。

 「・・・・・・理解できたかしら?」

 ほむらは、一通り話したものの、銀八がどんな目で魔法少女(私たち)を見るのか、化け物とみて蔑むのか、それとも恐怖から怯えた目で見るのか、心なしか気になっていた。

 しかし、銀八から出た言葉はーー。

 「・・・・・・つまり、お前は『まどかちゃん親衛隊隊長』ってことでファイナルアンサー?」

 というふざけた言葉だった。

 

 即座にほむらは銀八の顔面に鉄拳を繰り出した。

 「真面目に答えて、っていうか『まどかちゃん親衛隊隊長』って何!? アイドルの追っかけじゃないから!!」

 (今までの話の流れでアイドルの追っかけのような流れになってるし、あり得ないわ!!)

 

 内心、銀八の言葉にキレてしまった。

 銀八は察したのかーー。

 「いや、あの、うん・・・・・・なんか取り合えず頑張ってることは分かったわ」

 「・・・・・・」

 ほむらは、銀八を睨んでいたが少し怒りを収め話を続けた。

 

 「もうすぐこの街に『ワルプルギスの夜』がやってくる、具現化すれば何千人もの犠牲者が出るわ。何としてもそれを止めなくてはならないの・・・・・・そして、あの子を・・・・・・まどかのことを守らないと・・・・・・!」

 

 ほむらは改めて自分の目的と決意を吐き出した。

 その時だった。

 「そのバケモンと正面からかち合って勝てんのか?」

 銀八に勝算があるのかを尋ねられた。

 「・・・・・・」

 ほむらは思考の海に一瞬潜っていた。

 

 「・・・・・・ま、簡単に勝てたら苦労はしねェだろうな、でなきゃ同じ時間を繰り返しちゃいねえもんな」

 

 銀八の言ったとおり今までの結果から、単独で『ワルプルギスの夜』に挑んだ結果、まどかの契約、そして魔女化の悪循環だった。

 それでもーー。

 

 「勝つわ・・・・・・一人でも戦って次こそ・・・・・・」

 

 ほむらには戦いから降りる選択肢などなかった。

 (まどかを、たった一人の友達を救うのがほむらの目的である以上投げ出すわけにはいかないわ)

 そう、ほむらが自分を奮い立たせた時だった。

 「一人じゃねーよ」

 「え・・・・・・?」

 ほむらは銀八の顔を見て、驚いていた。

 (彼は何を言ってるの? それじゃまるで・・・・・・)

 一緒に戦うと言ってるようなものだった。

 しかしバカげていると思ったほむらの予想はーー

 「安心しな、テメーは一人でそのバケモンと戦うことはねーよ。女に背中預けて逃げるよか、一緒に戦った方がましってもんだ」

 当たっていた。

 

 「・・・・・・」

 さすがのほむらも面を喰らっていた。

 (坂田銀八、あなたは魔法少女(私達)のいきつく運命()を知ってもなお、真っ直ぐに私を見れるの? 魔法少女でもない所か、普通の人間なのに・・・・・・)

 

 そう思いながらも、ひねり出した言葉がーー。

 

 「気持ちは受け取っておくわ・・・・・・」

 ほむら自身まだ戸惑ってるのかひねり出した言葉がそれだけだった。

 

 暫く沈黙が流れたが、空気を換える意味で、そしてーー。

 「私からの質問は、あなたはどこから来たの?」

 坂田銀八(目の前の男)が何者かを知る意味でも。

 

 「そういや、腹割って話そうっていってたもんな・・・・・・良いぜ俺がどこから来たのか聞いてみな」

 

 

 銀八にそう言われ、ほむらは改めて尋ねることにした。

 

 「あなたは、この世界の人間ではないけど、あなたのいた世界は一体・・・・・・」

 「そうだな、魔法少女のおめーにも信じることが出来るかわかんねーが・・・・・・」

 銀八はもったいぶるかのような仕草でほむらに言うのを迷っていた。

 

 「もったいぶらないで話してもらえる?」

 ほむらは銀八にそう急かした。

 「わーったよ、・・・・・・俺は江戸から来た」

 銀八の言葉にほむらは耳を疑がった。

 (彼は今、なんて言ったの? 江戸?)

 「冗談で言ってるわけじゃないわよね? 江戸って四百年前の街よね? あなたはタイムスリップしてこの世界来たの? だってあなたは異世界から来たのでしょ?」

 さすがのほむらも困惑し始めた。

 銀八が何を言っているのかさっぱりわからなくなっていた。

 「おいまて、この世界の江戸って・・・・・・いや、四百年ってどういうこった?」

 逆に、銀八が訪ねた。

 ほむらは、自分の知っている限りの江戸の知識を話した、江戸幕府、徳川十五代将軍のことを、二百年以上続いた鎖国政策のことを、そしてペリーの黒船来航のことを銀八に聞いた。

 しかし、ここで銀八が江戸から来たという理由を知ることになる。

 

 「どうやら、マジで俺は異世界の存在らしいな、おめーの話じゃ将軍家は十五代までみて―だし、しかも天人じゃなくてペリーっていうやろーが江戸を開国したらしいな」

 銀八はほむらの話を整理するようにつぶやいた、その中でほむらはある単語に反応した。

 「『天人』? 何で仏教の六欲天の神々の総称のはずでしょ? あなたの世界は神か仏が存在するの?」

 ほむらは銀八に『天人』の言葉を尋ねた。

 しかし、銀八の言う『天人』の言葉の意味が違っていた。

 「確かに、天から来たって意味は間違っちゃいねーだろうが、おめーの言う神様(天人)とは違うぜ、俺たちの世界の天人って奴らは、宇宙から来た異星の民のことを指す言葉だ」

 

 

 「異星の民って・・・・・・宇宙人!? 黒舟飛び越えて宇宙船が江戸時代の地球に来たの!? 江戸に人々・・・・・・侍はどうしたの!!」

 銀八の話がぶっ飛びすぎて、ほむらは困惑的した。

 「天人が来訪したのは、たぶんおめーが言った鎖国辺りだろうな。そいつらの力で幕府は弱腰になってな、今じゃ江戸幕府、征夷大将軍はお飾りの傀儡政権になっちまった」

 

 ほむらは、銀八の世界の現状を聞いてーー。

 (ある意味、私たちに似ているかもしれない、魔法少女の名はまさにキュゥべえ(あいつら)の傀儡の総称ね、でも・・・・・・)

 

 ふと、疑問がほむらの中で沸き上がった。

 「あなたの世界の侍たちは、納得はしてなかったんでしょ? 天人の強引なやり方に」

 ほむらはそう銀八に尋ねた。

 「おめーの言うとおり、侍たちは最初幕府軍と()りあった。 『攘夷戦争』それが俺の世界で起こった戦いだ」

 

 ほむらは、言葉を失った。

 自分の世界と銀八の世界はある意味似ていた。

 銀八の世界の天人、そしてこの世界のキュゥべえ(インキュベーター)、地球外生命体の来訪は地球にどんな影響を及ぼすのかを考えると。

 

 どちらも文明の水準が上がるが、あまりいい世界とは言えなかった。

 侍に至っては刀を奪われ、魔法少女は契約で人間をやめさせられてる。

 意味は違っても、誇りは奪われていた。

 

 ほむらは気を取り直して、銀八は元の世界で何の仕事をしているのか聞くことにした。

 「・・・・・・坂田銀八、あなたに聞きたいことがあるのだけれど・・・・・・」

 「なんだ?」

 「あなたは教師じゃないのでしょ? ならあなた、どんな仕事をしてるの?」

 ほむらは、銀時が元居た世界(江戸)の話を統合して、侍は廃刀令で刀を捨てていたことは予想した。

 (今までの銀八の仕事ぶりを考えて、教師って感じではないわね)

 ほむらが思い出していたのは、早乙女をはじめとした教師の授業の見学の際、居眠りするか、授業内容に追いついていない様子だった。

 銀八(目の前の男)に至ってはまともな定職に就けるとは思えなかった。

 

 すると、銀八が自分の職業を話した。

 「・・・・・・万事屋(よろずや)だ」

 「万事屋?」

 ほむらは銀八が言った『万事屋』の単語に困惑した。

 

 「書くもんあるか?」

 銀八はほむらにそう尋ねられ、ほむらはメモとペンを銀八に渡した。

 すると、銀八はある文字を書いた。

 『万』と『事』の二文字をメモに書いた。

 

 「これで万事(よろず)って読むんだ。俺は『万事屋銀ちゃん』って名前でやってんだ」

 「万事屋・・・・・・銀ちゃん」

 ほむらは銀八の言葉を繰り返した。

 (一体、どういう仕事なの? 普通の職業ではなさそうね、坂田銀八(目の前の男)はあからさまに適当感を感じるわ)

 

 そうほむらは考えている間に、銀八が万事屋の仕事内容を話した。

 ほむらは思考に回した意識を現実に戻した。

 「ああ、俺は犬の散歩から地球の平和を守るまで何でもやるのが万事屋なんでな」

 (要するに、何でも屋なのね・・・・・・)

 

 ほむらは銀八(この男)らしいと考えていた。

 銀八はほむらの部屋を出ようとしていた。

 あからさまに眠たそうな顔をしていたからだ。

 

 ほむらは銀八を呼び止めた。

 「待って」

 「何だよ、俺眠みーんだけど・・・・・・」

 銀八は本当に眠たそうな顔をしていた。

 それでも、ほむらは聞きたいことがあった。

 「最後に一つだけ、あなたの本当の名前はなんて言うの?」

 それが、ほむらの知りたいことだった。

 

 銀八は頭を掻きながら、本名を告げた。

 「銀時・・・・・・坂田銀時だ」

 

 そう自分の名を告げた後、銀八もとい銀時はほむらの部屋から出て自分の部屋に戻っていった。

 

 

 一人になったほむらはぽつりと銀八の本名をつぶやいた。

 「坂田・・・・・・銀時、金時だったら金太郎の名前になってしまいそうね」

 ほむらはそう言いながら、無自覚に口元が緩んだ。

 まるで、笑っているかのようだった。

 

 

                      ***  

 

 

 それから暫くして、ほむらはファーストフード店でまどかとマミに呼ばれ、美樹さやかに関することを相談されたが、立場上断ることしかできなかった。

 

 そして、風見野市の魔法少女、佐倉杏子とさやかの戦いを阻止した後、杏子と接触することした。

 

 ワルプルギスの夜を倒すために、まどかを救うためにーー。

 

                      ***

 

 

 ゲームセンターで杏子と接触したほむらは、見滝原を杏子の縄張りにしてもいい条件として、共闘を持ち掛けた。

 

 無論、杏子はほむらの正体に興味を持っていた。

 しかし、杏子自身、見滝原は絶好の魔女の狩場だったため、共闘の話にこぎつけた。

 

 そのさなか、杏子は銀八のことを尋ねていた。

 ほむらはなぜ、杏子が銀八のことを知ったのか、情報源はキュゥべえだと聞いた後、銀八が不良に絡まれた話を聴いた。

 

 なんでも銀八は当り屋まがいで不良をやり過ごそうとした中で、一部始終を見ていた杏子が不良の標的にされたとき、銀八が杏子を庇い、そのまま共闘の流れになっていた。

 

 そんな中で、杏子はほむら視点での銀八について聞かれた。

 

 銀八の正体を知っていたが、ほむら自身予測不能だということを杏子に伝えた。

 

 

                      

 

 そして、銀八がこの世界に関わって、魔法少女の絶望の運命が砕かれ、変わり始める時が刻一刻と迫っていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




 はい、ほむら視点から見た銀八の視点はまだまだ続きます。

 暫くは退屈かもしれませんが、これかもお付き合いよろしくお願いします。

 それと、ほむらと銀八が腹を割って話す流れは四章三話の『魔法少女と侍』で話の流れが省略されていましたが、この小説を交互に読んでいただいたら、より面白く感じてもらえたらいいなと願ってやみません。

 まだ、この話は終わりませんがご意とご感想、お待ちしております。
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