まどか☆マギカ交差伝 宇宙一馬鹿な侍   作:二道 無限

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 ようやく、七章~九章の流れです。

 そのあとほむら視点で幕を下ろします。

 それと、八章の後日談がまどか視点から始まります。


運命が変わる時は石ころをけるがごとく

 

 

 ほむらは杏子とさやかが恭介の自宅で口論しているところを目撃した。

 二人の顔を見て、明らかな剣幕と裏路地の続きが行われると感じたほむらは銀八を呼ぶことにした。

 

 そして、跨道橋で杏子とまどか、そしてマミはさやかのソウルジェムを一時期失う事態を通して、魔法少女の秘密を知ることになった。

 

 そのあとほむらは、銀八にソウルジェム()と肉体に分かれた際、痛覚の遮断が出来ることを拠点である自分の部屋で話した。

 

 痛覚遮断の話の際、銀八の表情はいつも通り普段のやる気のない表情に見えたが、眼は静かに怒りを燃やしていた。

 

 ほむらは銀八のその瞳は頭の中に焼き付いた。

 

 

                      ***

 

 

 そして、運命の歯車が回り始める。

 

 一つ目の歯車はさやかの親友が幼馴染に思いを寄せていること。

 親友(仁美)に告げられた際、さやかは魔法少女であることを後悔して、魔女退治の際に痛覚遮断を使用したこと、そしてまどかとマミに暴言を吐いてしまったことが、さやか自身の心に黒い影が差しこんだ。

 

 二つ目の歯車が、幼馴染と親友が両想いになったことだった。

 さやかは魔女の使い魔に八つ当たり半分で退治していた。

 銀八の手を跳ねのけるぐらい、精神的に参っていた。

 

 そして、最期の歯車がさやかが当てもなく見滝原を彷徨い、電車に乗り合わせた二人のホストの会話だった。

 そのホストは、今回担当したホステスを金ズル兼ペット扱いの会話にさやかがキレていた。

 

 その結果、杏子と銀八の奮闘むなしくさやかは魔女化した。

 

 

 この事態の際ほむらと銀八を除く少女たちは、魔法少女はいずれ魔女になる事実に耐えられず、マミは心中を図ろうとしたが、銀八がこれを阻止した。

 

 マミを鎮圧しようとしたほむらは驚いていた。

 銀八の動きにーー。

 「誰も死ぬ必要のねェ簡単な選択肢がもう一つ」

 あきらめの悪さにーー。

 「さやかの奴を助けるって選択肢がよ」

 覚悟をーー。

 

 

 冷静を装っていたほむらはもちろん、まどかとマミは当然戸惑っていた。

 杏子は銀八の案に乗っていた。

 

 その後、銀八達は魔女化したさやかが張った結界の反応を探した。

 

 そして、運命に挑む戦いが始まった。

 

 

 

                     ***

  

 

 魔女化したさやかが展開した結界内は彼女の心情を表しているかのようだった。

 

 いつも魔法少女たちは魔女を倒しているが、今回は魔女を人間に戻す試みに挑んでいるため苦戦は免れなかった。

 

 銀八と杏子は魔女が繰り出す車輪攻撃を防ぎ、ほむらは後方支援兼まどかの護衛に集中していた。

 

 

 魔法少女ではないまどかはさやかに呼びかけることに専念した。

 いや、することしかできなかった。

 

 しかし、マミは魔法少女の秘密を知ったため、さやかを魔女から魔法少女に戻せるか困惑していた。

 

 それでも、マミ以外はさやかを元に戻すことをあきらめなかった。

 

 しかし、防戦に徹した戦いは長期化すれば雲行きが怪しくなっていった。

 

 魔女化したさやかが繰り出す車輪をさばききれなくなった。

 銀八と杏子は身体に直撃していき、まどかは大声で呼びかけても魔女は(さやかは)答えなかった。

 

 身体的ダメージと疲労を蓄積していった銀八と杏子はだんだん動きが鈍くなるばかりだった。

 

 そして、連続で魔女の車輪が杏子の身体を打ちのめしていった。

 

 「・・・・・・!」

 ほむらは盾に収納した爆弾を取り出し、時間停止(固有魔法)を発動させ魔女をーーさやかを爆殺しようと決意した時だった。

 

 「どうしたよ、そんなモンじゃ俺ァ止められねーぞ・・・・・・!」

 

 ほむらは聞こえた声を探していくと、そこにはーー。

 魔女が繰り出した車輪を身体に受けてもなお、腕と体、そして頭部に流れる血を拭いもせずに、立ち上がる銀八の姿があった。

 

 (あの車輪(攻撃)を喰らってるのに・・・・・・! 普通の人間が喰らったら間違いなく死んでるのに、満身創痍の状態なのに立ってるなんて!?)

 

 ほむらは、信じられない驚愕の光景に唖然としていた。

 

 しかし、銀八の行動はそれで終わらなかった。

 

 銀八は、魔女の攻撃が杏子に集中し始めた時にためらわず、体を盾に杏子を庇っていった。

 

 満身創痍(血だらけ)の身体で虫の息のはずなのに、最悪命を落としてもおかしくないはずなのに、杏子に集中していた攻撃を喰らってもなお銀八は立っていた。

 

 「銀時・・・・・・あなた・・・・・・!!」

 

 銀八(銀時)が杏子を庇い続ける姿にことばを失い、ようやく絞り出したほむらの声は銀八の本名()を呼んでいた。

 

 そんな時、戦意喪失のうえ傍観状態のマミがたまらずに銀八に叫んだ。

 

 「なぜ・・・・・・立ってられるの・・・・・・どうしてそんな傷で・・・・・・!」

 

 マミの問いかけはほむらからしたら至極当然だった。

 

 何故銀八は魔女の攻撃を喰らってもなお立ち上がり、その上倒れた杏子を庇うために体を盾にしてもなお立ち上がっていた。

 

 そんな銀八の答えはーー。

 

 「気に食わねぇんだよ・・・・・・ダチ公の魂を弄んで食い物にしやがったあの野郎(キュゥべえ)がな」

 

 銀八の言葉にほむらは、お菓子の魔女の結界最深部に至るまでの銀八の行動を思い出していた。

 

 (銀八(銀時)あなたは、あの時の魔女(お菓子の魔女)に戦いを挑んだのは、巴マミを救うためだったわね)

 

 満身創痍の状態でもなお立ち上がる()の背中を見てほむらは銀八の行動理念を考えていた。

 

 (最初は魔法少女(私達)と魔女の戦いに巻き込まれたのにもかかわらずに彼は魔法少女(私たち)の秘密を知ってもなお、私たちを救おうとしていた・・・・・・)

 

 ほむらは銀八に魔法少女のことを少しづつ話して、魔法少女の秘密と自分の正体と目的を打ち明けて拒絶するどころか、自分から頸を突っ込んで自分たちに関わっていったのだ。

 

 そして、銀八はどこかで見ているであろうキュゥべえに向けて言い放った。

 

 「どっかで見てんだろ無限残機、俺たちが無駄な努力をしてるとでも思ってんだろうがな・・・・・・一つ言っておくぜ」

 

 ほむらは一呼吸を置いて真っ直ぐに、ながれる血を拭わず木刀を構え直した(銀時)の姿が目から離れなかった。

 

 「人間の魂を甘く見るんじゃねーぞコノヤロー」

 

 キュゥべえに対する宣戦布告のごとき言葉にほむらの体に力が流れるような感覚に内心震えた。

 

 そう、これは単純にさやかを魔女から魔法少女に戻す戦いではない、キュゥべえが生み出した運命(絶望)に抗う戦いだった。

 

 

 銀八の言葉にほむらは魔女の爆殺(諦めの手段)を撤回した。

 

 そして・・・・・・銀八の言葉を聞いてマミはーー。

 

 「・・・・・・私も戦うわ」

 

 ほむらはマミの顔を見て、顔つきが変わったことに驚いていた。

 

 諦めと戦意喪失を含めた顔から決意と戦意を取り戻した顔へと変わっていった。

 

 

 その時、戦況とほむら達の空気が変わった。

 

 

 魔女の車輪(遠距離攻撃)をマミのマスケット銃で捌ききられた魔女は自分の得物である剣できりかかろうとした時、銀八と杏子がそれぞれの得物で魔女の剣を受け止めた。

 

 「・・・・・・残念だったな」

 「得物を使って俺たちと戦おうなんざ百年早ェぞ」

 

 満身創痍の二人はそれぞれの得物で魔女の剣を力ずくではじき返した。

 

 

 そして、まどかは何度も何度も叫んでも魔女には届かなかった、その結果まどかの喉は潰れかかっていた。

 

 

 だがしかし、 まどかに代わってさやかに呼びかける者が今ーー。

 

 

 「聞き分けがないにもほどがあるぜ・・・・・・さやか! アンタ・・・・・・信じてるって言ってたじゃないか! この力で人を幸せにできるって! 自分の選んだ道に後悔なんかしないって!」

 

 「美樹さん! 私たちの声が聞こえないの!」

 

 「美樹さやか、あなたの願いは何だったのか・・・・・・忘れたわけじゃないでしょう!」

 

 杏子とマミ、そしてほむらがさやかに声を張り上げながら呼びかけていた。

 

 それでも、魔女(さやか)には届かなかった。

 

 

 そんな中で、銀八はーー。

 

 「・・・・・・分かってんだよ、テメーがそう簡単に戻って来やしねェてことなんざ」

 

 ほむらは息を切らしつつ言葉を紡ぐ侍を見つめた。

 

 ほかの三人も同じく銀八を見つめた。

 

 銀八は魔女(さやか)に真っ直ぐな目を向けながら言葉を続けた。

 

 その様子に四人は目が離せなかった。

 

 銀八が紡ぐ言葉を一言一句聞き逃してはならないと直感じみたものが四人に働いていた。

 

 「さやか、テメーが何を勘違いしているかは知らねーが・・・・・・戻る場所があるじゃねーか、笑っちまうほど近くに、手を伸ばせば簡単に届く距離によ・・・・・・」

 

 そう銀八は少し間を置き、一呼吸して叫んだ。

 

 「今は俺たちがテメーの居場所だ・・・・・・・戻ってきやがれ! さやかァァァァァァァ!」

 

 

 銀八の叫びに反応して、魔女の攻撃が激しさを増していった。

 

 魔女が繰り出す車輪はほむら達めがけて繰り出された。

 

 それでもなおーー。

 

 銀八と杏子、戦線復帰したマミが魔女が繰り出した車輪(攻撃)をさばき続けた時だった。

 急に魔女の動きが止まった。

 

 突然のことに全員があっけにとられていた。

 

 「何だアイツ・・・・・・腹でも壊しやがったのか? ん?」

 

 (そんなわけないでしょ! でも、確かに・・・・・・こんなこと今まで一度もなかった)

 

 銀八の見当違いの見解にほむらは内心ツッコミを入れながら魔女が突然勢いを止めたことに困惑した。

 

 その時だった。

 

 『撃って・・・・・・!』

 

 突如、ほむら達の頭に声が響いた。

 

 (・・・・・・まさか!)

 

 ほむらは声の主に騒然とした。

 

 「さやかちゃん!」

 

 まどかが声の主、さやかの声だと確信して叫んだ。

 『これ以上みんなを傷つけるなんて私にはできない、だから・・・・・・!』

 

 ほむらは驚愕した。

 (こんなことって・・・・・・! 魔女になっているのに、人間だったころの意思が戻ったっていうの!? でも、確かにこの後のことを考えてなかった)

 

 ほむらは今、心を取り戻した魔女(さやか)の言う通り、人間の意識を取り戻したこと自体、本当の“奇跡”なのだ、いつ心を失うのかわからない。

 何よりもーー。

 「ふざけんな! そんなことしたらアンタがどうなるのか分かってんのかよ!」

 

 (杏子の言う通り、魔女を倒したら美樹さやかの意識は消えてグリーフシードを残して消えてしまうかもしれない、その結果、待ち受けるのは杏子と巴マミのどちらかが魔女化(絶望)してしまう可能性だってある)

 

 ほむらはこの状況が危険な綱渡り(ハイリスク)によって、希望から絶望への相転移の二次災害になりかねなかった。

 今の状況が今まさにその分岐点に立っていることを肌で、経験で感じていた。

 

 『危険なのは分かってる・・・・・・でも、最期はみんなに賭けてみたいの』

 しかし、心を取り戻した魔女(さやか)は諦めていなかった。

 『散々迷惑を懸けちゃったけど、あと一度だけ・・・・・・私のわがままを聞いてくれないかな?』

 ほむらは内心緊張が走っていた。

 (私だけじゃない、杏子も巴マミ、そしてまどかも今の状況に戸惑ってる、魔女を倒せば・・・・・・美樹さやかに戻るか、もし戻らなかったら美樹さやかを殺した事実を今この場にいる私たちが背負う結果に・・・・・・)

 ほむら達は、未知の領域(ありえない奇跡)に内心足がすくんでいた。

 

 

 しかし、一人だけ違う質問を魔女(さやか)に投げかけていた。

 「一つだけ確認するぜ、明日学校休みやがったら今学期の評定は全部二だからな」

 「!」

 (銀時・・・・・・あなた!)

 ほむらは銀八(銀時)の顔を見た。

 その顔は、諦めでも投げやりでも、ましてや自信に満ちた顔ではない。

 只、目の前の魔女(さやか)の覚悟に応えて、真っ直ぐに見据えた。

 侍の目だったーー。

 『・・・・・・約束する・・・・・・必ず・・・・・・学校行くから!』

 

 さやかは約束(覚悟)を銀八の宣言した。

 「上等じゃねーか・・・・・・俺もテメーの魂に賭けるぜ」

 

 その瞬間、銀八は木刀を片手に光のごとき一閃を魔女の顔面に食らわせた。

 

 かつてない断末魔を上げながら魔女は倒れ、結界が崩壊していった。

 

 「結界が消えているということは・・・・・・魔女は・・・・・・!」

 結界の崩壊は魔女が倒されたということ、ほむらは魔女の死体を確認した。

 まどかとマミ、杏子はうろたえながらも祈ることしかできなかった。

 

 

 そして、何の変哲のないグリーフシードが放出された。

 「グリーフ・・・・・・シード・・・・・・」

 (そんな・・・・・・美樹さやかは、心を取り戻したのに・・・・・・・避けられないとでも言うの?)

 

 ほむらは、ついさっき起こった魔女が心を取り戻す奇跡にある種の期待があった。

 心を取り戻したらグリーフシードではなく、ソウルジェムとなって現れるのではないかと。

 しかし、目の前のグリーフシードが残酷な現実を突きつける。

 魔女になった魔法少女は決して元に戻らないという絶望(現実)を・・・・・・。

 

 しかし、奇跡は終わらなかった。

 

 突如、グリーフシードが青く輝きだした。

 (これは・・・・・・一体!?)

 ほむらは時間逆行(今までの経験)でグリーフシードが輝く事態に困惑した。

 

 

 

 徐々に輝きが強くなり魔法少女の三人とまどかと銀八は目もあけていられない閃光となって目をそらした。

 

 そして、閃光が収まり全員が目を開くとグリーフシードはーー。

 (これは、美樹さやかのソウルジェム!? )

 ほむらはすぐさま、ソウルジェムを拾い上げ確かめた。

 (この魔力のパターンは間違いなく、美樹さやかのソウルジェム、元に戻ったの!?)

 

 魔力と青く輝く宝石を確かめ、ソウルジェムだと確認した。

 

 「おい、どうなんだ!? それは・・・・・・さやかの・・・・・・」

 「ええ、間違いなく、美樹さやかのソウルジェムよ」

 ほむらは、杏子の言葉に本物のソウルジェムだと答え、まどかに渡した。

 

 

 まどかはほむらにソウルジェムをさやかに持たせれば息を吹き返すのかと確かめた。

 ほむらは頷いたが、困惑していた。

 杏子は声を上げながらもほむらに聞いた。

 杏子は跨道橋の前例を上げたがほむらは戻ってこれる距離と全速力で戻ったことでできたことだと話した。

 

 そして、まどかはさやかにソウルジェムを握らせた。

 

 さやかの身体はーー。

 まず指がピクリと動き、瞼を徐々にあけていき、息を吹きかえした。

 

 まどかは息を吹き返したさやかに抱き着き、杏子は勝気に、マミは泣きそうな顔で喜びの笑みでさやかを迎えた。

 

 ほむらは無表情でもさやかにことばを懸けた。

 内心、安堵に満ちていた。

 

 そしてそのあと、深夜の時間帯であるためか銀八は魔法少女の喜びの表情を見た後、立ち去ろうとしていた。

 

 その後、杏子に呼び止められ銀八に感謝の言葉を伝え、銀八はそのまま立ち去って行った。

 

 (銀時・・・・・・あの体で、戻れるの?)

 ほむらは銀八(銀時)の様子が気になりだした。

 さやかを助けるために魔女の攻撃をさばき続けた際、深手と疲労が蓄積していたので気になっていた。

 

 「私は坂田先生に付き添っていくわ、彼一番重傷だから」

 

 そうまどか達に伝え、銀八(銀時)の後を追った。

 

 

 

 ほむらの予感通り、侍は道端で倒れかかっていた。

 

                      ***

 

 

 ほむらは銀時の肩を支え、自分の部屋に入った。

 

 銀時の治療をするためだった。

 

 「銀時、ソファーに座れる?」

 「あぁ」

 「まってて、今救急箱持ってくるから」

 

 ほむらは銀時を円形のソファーに座らせ、救急箱を取りに行った。

 その後、銀時の身体、腕、太もも、頭部に包帯を巻いた。

 

 「ホントあなたは無茶をするわね。命が惜しくないの?」

 「死ぬつもりもないし、投げ出すつもりもねーよ」

 ほむらは包帯まみれの銀時にそう投げかけた。

 銀時は相変らず、あっけらかんと答えた。

 

 だが、ほむらはそう聞き流せるほど冷静ではなかった。

 

 「ふざけないで!! 今まで黙っていたけど、あなたは普通の人間なのよ!? 魔女に立ち向かうなんて自殺行為以外のなにものでもないわ!!」

 

 ほむらは柄にもなく声を荒げた。

 今までの魔法少女たち(ほむらたち)の関わりの中での疑問が爆発した。

 

 ほむらは自分がまきこんだとはいえ、魔法少女と魔女の戦いに銀八(ただの人間)が関わるのはおかしすぎた。

 (銀時、あなたは私たちと関わらずに逃げる選択肢だってあった筈なのに、それどころか、自分から巻き込まれていって、私たちを助けようと行動している)

 

 ほむらは今まで、銀時に協力関係を結んだ際、銀時の行動、只ひたすら魔法少女たちを救おうとする行動に疑問があった。

 

 (まるで、何にでも首を突っ込んで身体を張って、他人の大切なものを護るような行動は償いの様に、自分自身に罰を与えているような行為、そう感じるのはどうして? あなたを突き動かすのはなんなの?)

 

 そして、キュゥべえに対しての怒りがほむらが抱いていた銀時への疑問が大きくなっていく結果へとなっていた。

 

 銀時は髪を掻きながらため息をついた。

 まるで観念したかのように、ほむらの問いに答えた。

 「関わらなくても、俺ァ死ぬんだよ」

 「え?」

 「俺にはなァ、心臓より大事な器官があるんだよ、そいつァ見えねえが確かに俺のどタマから股間をまっすぐぶち抜いて俺の中に存在する。そいつがあるから俺ァ真っ直ぐ立っていられる。フラフラしてもまっすぐ歩いていける。ここで立ち止まったら、そいつが折れちまうのさ。 魂が、折れちまうんだよ」

 (これ、酔狂を通り越してバカよ)

 銀時の話を聴いてほむらは心の中で呟きながらも何かが心の中で染み渡ったような感覚を感じた。

 

 「心臓が止まるなんてことより、俺にしたらそっちの方が大事でね。こいつァ老いぼれて腰が曲がってもまっすぐじゃいけねー」

 

 銀時はそう言いながら眠ってしまった。

 

 ほむらは銀時に毛布を掛けた。

 

 

 「あなたはとんでもない、ロマンチストね。 それで死んだらあなたの帰りを待ってる人だって悲しむわよ?」

 

 

 ほむらはそう言いながら銀時の手を握った。

 

 

  

 

 

 

 

 

 

 

 





 「もう誰にも頼らない」編の長編はこれで、終了とさせてもらいます。

 最後に、ジャンプリミックスの銀時のセリフを、お登勢のセリフはほむらの心の中で思った言葉で使わせてもらいました。

 今まで、退屈な思いをさせてしまい申し訳ありませんでした。

 それと、次の話は幕間の物語が入りますのでもう少しお待ちください。

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