原作ではさやかの葬式後の話しからまどかの悩みを話す流れですが、さやか生存で違う流れになっておりますので、お楽しみに。
「第一回、何かデカい感じの魔女&無限残機を頑張って何とかしましょうね会議―」
そう銀時が会議を始める叫びの中、四人の魔法少女は一瞬口が開いていた。
が、すぐに我に返っていた。
「なんなんだよその適当な感じ、全然やる気でねぇぞ」
そう杏子がぼやくと、さやかが耳打ちした。
「まあ・・・・・・いつものことだし気にしたら負けじゃない?」
二人のやり取りに気付いた銀時は。二人に向かってーー。
「いーんだよこのぐらい適当なほうが、背伸びして無理してても途中で足攣っちまうだろ」
「・・・・・・」
そんなやり取りをほむらは呆れながら見ていた。
マミは、話を進めるためにーー。
「これはワルプルギスの夜の会議よね! こんな空気じゃ話進まないわよ」
そう全員に呼びかけた。
そんな中で、さやかはマミにある質問をした。
「ところでさ、ワルプルギス・・・・・・って?」
マミははっとしていた、さやかには『ワルプルギスの夜』に関して説明していなかったことに気付いていたからだ。
「簡単に行っちまえば・・・・・・超弩級の大型魔女だ、普通の魔女とは比べものにはならねぇ」
すると杏子が、マミに代わってかいつまんで説明した。
「そして、一度具現化すれば、それだけで何千人もの人が犠牲になる」
その後、ほむらが捕捉するようにさやかに説明した。
「そんな・・・・・・滅茶苦茶ヤバい奴じゃない!」
「それで暁美さんは、佐倉さんと一緒にいたのね?」
マミは跨道橋で、杏子と一緒にほむらが一緒にいた理由に納得していた。
「えぇ、見滝原を任せるって取引で共同戦線って流れで」
ほむらはマミの言葉に頷きながら答えた。
ふと、さやかはほむらにあることを話そうとした。
「ねぇ、ほむら・・・・・・もう一つだけ確かめておきたいことがあったんだけど、キュゥべえがあたしたちを魔法少女にする目的について・・・・・・」
***
話を聞き終えたほむらは頷き、時間逆行の経験を総動員して話した。
「えぇ、その話は本当よ、
改めて、ほむらからの確認を聞かされた三人は暗い表情になっていた。
ふと、杏子がつぶやいた。
「それで、まどかの契約を阻止をどうするかが問題だよな」
すると、ほむらも三人に話した。
「実は、そのことで話さなければならない事があるの、それは私の
その口調は重く、悲しみと悔しさが込められていた。
『時間逆行』の副作用が原因でまどかの
「そんなの、分かるわけないじゃない・・・・・・あんたはただ、まどかを助けようとしただけなのに」
さやかはほむらを責めず、励ました。
「なら尚更・・・・・・キュゥべえをどうにかしないとな」
杏子は決意を新たにしてつぶやいた。
「ええ・・・・・・これ以上キュゥべえの思い通りにさせないために」
マミも杏子の言葉に頷き同意した。
その後、ほむらはキュゥべえ対策の話を進めることにした。
銀時は何か案があるか? 三人の魔法少女に投げかけた。
「はい」
真っ先に手を挙げたのは杏子だった。
「はーい、佐倉杏子ー」
「あのキュゥべえの野郎を残機がなくなるまで叩き潰す!」
杏子が提案したキュゥべえを潰す案をだした、しかしーー。
「その案は、まず無理ね・・・・・・。 私が三度目の時間逆行の際にキュゥべえを殺したけどまた現れたわ、この世界でもまどかに出会う前に始末したけど、すぐにまた違う
そうほむらは、経験による苦言を杏子に話した。
「あぁ、それでショッピングモールの時になるのか・・・・・・」
さやかは思い出すように話した。
「私は鹿目さんと美樹さんを助けた後に・・・・・・あの場面を見ることになるなんて」
マミはほむらと一色触発の時にキュゥべえが木刀に貫かれた場面に立ち会ったことだった。
銀時は『ほかに案があるか―』と投げかけた。
「はい」
次に手を挙げたのはさやかだった。
「はい、美樹さやか―」
「逆に、まどかを何とかしてみるってのはどうかな?」
さやかはまどかによる逆アプローチだった。
「例えば?」
「うーん・・・・・・すっごい強引だけど、どっかに閉じ込めておくとか・・・・・・」
銀時の質問にさやかがそう答えると、ほむらは反論した。
「あなた・・・・・・まどかを監禁するつもり?」
「いや、だからたとえばの話で・・・・・・」
そう言いながらさやかはほむらを宥めた。
「例えばでも・・・・・・ダメ、絶対」
ほむらはそう断言して、さやかの案を却下した。
そして銀時はーー。
「じゃあ最後、
殺虫剤のあだ名でマミを指名した。
「いや、どうして最後は私で落とそうとするの!? せめてキイロールにしてくれないの!?」
銀時に対して抗議するマミ、そんな事はどうでもいいと云わんばかりに話を進めた。
「グダグダ言ってねーでなんかあんだろ、言え面倒くせーな」
そう銀時が急かすと、マミは呆れながらほむらに確認した。
「ワルプルギスの夜を圧倒して倒せば・・・・・・鹿目さんが契約することもない、そうね?」
「・・・・・・何が言いたいのかしら?」
ほむらがそうマミに質問した。
「ワルプルギスの強さは聞いてるわ・・・・・・でも今はこれだけ戦える魔法少女が揃ってる、みんなで力を合わせればきっと・・・・・・」
そうマミが話すが、ほむらが首を振りながら否定した。
「無理よ」
「なんで!?」
マミがほむらにそう尋ねた。
「昨日の戦いでソウルジェムは恐らく半分に行くか行かないかの穢れが蓄積されてるわ。もしワルプルギスと戦うとするならソウルジェムが全快でも・・・・・・必ず誰かが魔女化してしまうわ」
杏子とマミはソウルジェムを確認すると、ほむらの言った通りソウルジェムの
その時、さやかがほむらに投げかけた。
「なら、あたしは・・・・・・魔女から元に戻ったばっかりだけど、あたしなら戦力になれないかな?」
そうほむらに進言したが、当のほむらは首を横に振った。
「あなたの
その後、ほむらはこれ以上言えなかった。
当のさやかはもちろん、杏子とマミも理解していた。
今の状態でワルプルギスの夜に戦いを挑めば、確実に魔女化してしまうことになる。
そしてーー。
「あなたもよ、銀時」
「あぁ?」
ほむらは銀時に向けてそう言った。
「あなたも、ワルプルギスに挑もうとしたら間違いなく死ぬわよ・・・・・・」
「おい、ほむーー」
銀時はほむらに何か言おうとしたがーー。
「あなたの体の傷を考えたら、間違いなく死ぬわよ」
ほむらの声は冷静でも表情がつらそうな顔になっていた。
銀時の身体に蓄積されたダメージと体力の消耗を考えて、ワルプルギスに戦いを挑んだら間違いなく死んでしまう。
ほむらは、そう何度も頭によぎっていた。
「つまりどういうこと?」
さやかは空を掴むように質問するとーー。
「まともに使えるのは結局ほむら・・・・・・しかいないってことだ・・・・・・ちきしょう・・・・・・!」
杏子が答え、悔しさをにじませながらそう吐き出した。
ほかの二人もその様子を見て悔しさをにじませた。
その様子を見て、ほむらは嘘でも何かを言おうとした。
(勝てる保証があるわけではない、それでもみんなを心配させるわけにはいかなかない)
ほむらがその場にいる者を安心させようと言葉を発した瞬間ーー。
「これは一体何の集まりだい?」
『!』
ほむら達と銀時が振り返ると、
「今さらどの面下げてのこのこ現れやがった、テメー!」
杏子はキュゥべえを睨んでそう言った。
「たった今、やるべきことが済んで外に出てきてみればーー」
キュゥべえはそのばにいる人数の顔を見回してーー。
「何やら魔法少女が一か所に集まっているのを感じたから顔を出してみた、というわけさ」
そう、ほむら達に告げた。
「昨日ぶっ飛ばしたばっかりだってーのに、やるべきことだと? てめー、今までどこにいてやがった?」
銀時が睨みながらキュゥべえに聞いた。
キュゥべえがほむらの家に向かう前に言った場所、それはーー。
「まどかの家さ」
「!?」
ほむらは驚愕した。
(迂闊だった、当事者のまどかに
ほむらは内心、そう後悔した。
「まどかの家って・・・・・・まさか・・・・・・!」
さやかは
しかし、キュゥべえの答えは違っていた。
「安心していいよさやか、君が今心配しているような事態にはなっていないからね。 ほんの少し話をしただけさ、共存関係や・・・・・・過去の魔法少女のことをね」
***
まどか宅
ほむら達と銀時がワルプルギスの夜の対策会議を始める少し前。
「みんな、大丈夫かな・・・・・・」
自室のベッドで寝ころびながら、まどかはそうつぶやいた。
さやかを助け出した戦いでほむらはもちろん、マミと杏子はかなり消耗していた。
そして、その戦いに参加していた銀八も身体に相当な攻撃を受けて瀕死の重傷のはずなのに回復が早く動いていることには驚いていたが、やはり心配だった。
ほむらからはーー。
『大丈夫よまどか、あなたが契約しなくてもワルプルギスの夜は必ず倒して見せる』
とそう言いながら、急いで帰宅していた。
「予測不可能な展開だったよ、まさかさやかが元に戻るなんて思いもよらなかった」
ぬいぐるみが飾られている棚の上にキュゥべえが現れ、冷淡な口調でそう告げていた。
まどかはキュゥべえの発言に反応し、ベッドから起き上がり睨みつけた。
「今までの事態はあなたが招いたことでしょ? 本当ならみんな死んでもおかしくなかった」
そう、キュゥべえに怒りを見せるまどか。
「・・・・・・」
しかし、キュゥべえは呆れたようなそぶりを見せ、言葉を紡いだ。
「たとえば君は家畜に対して引け目を感じたりするのかい? 彼らがどういうプロセスで君たちの食卓に並ぶのかーー」
キュゥべえはそう話しながら、まどかに
「やめてよッ!」
まどかはその光景に耐えられず、拒絶した。
「その反応は理不尽だ、この光景を残酷と思うのなら、君には本質が全く見えていない。 彼らは人間の糧になることを前提に生存競争から保護され淘汰されることなく、繁殖している。 牛も豚も鶏もほかの野生動物に比べれば種としての繁殖ぶりは圧倒的だ、君たちはみな、理想的な共栄関係あるじゃないか」
キュゥべえはまどかの拒絶の様子を否定しながら家畜の話をした。
人間と家畜の関係性をインキュベータ―と人間の関係性を表しているかと言わんばかりだった。
「・・・・・・同じだって言いたいの?」
そう感じたのかまどかはキュゥべえに尋ねた。
まどかの質問に心外だと云わんばかりにキュゥべえは答えた。
「むしろ僕らは人類が家畜を扱うよりもずっと君たちに対して譲歩しているよ、まがりなりにも、知的生命体と認めた上で交渉しているんだしね」
「・・・・・・」
キュゥべえの話を信じる気になれないまどか。
まどかの顔を見て、キュゥべえは淡々と告げながらーー。
「信じられないのかい? それなら見せてあげようか、インキュベーターと人類が共に歩んだ歴史をーー」
キュゥべえの目が光りながら、まどかの脳に直接、インキュベーターと人間の歴史を映像の様に見せた。
『僕たちはね、有史以前から君たちの文明に干渉してきた』
そう言いながらキュゥべえに見せられたのは、霊長類から原人、文明を手にするまでに進化した古代人の歴史だった。
「数えきれないほどの大勢の少女がインキュベーターと契約し希望をかなえそして、絶望に身をゆだねていった、祈りから始まり呪いで終わるーーこれまで数多くの魔法少女たちが繰り返してきたサイクルだ。 中には歴史に転機をもたらし社会を新しいステージへと導いた子もいた」
そんな人類が歴史と呼ぶ中で現れた、女性たち、クレオパトラや卑弥呼、ジャンヌ・ダルクといった女傑や才女の姿があった。
「もうやめてッ!」
まどかは歴史上の
あまりにも耐えられなかったからだ。
「みんな・・・・・・みんな信じてたの? 信じてたのに裏切られたの?」
まどかの心は悲しさにあふれ、たまらなくなった。
歴代の魔法少女たちが悲劇的な最期を迎えたことに、悲劇の連鎖に耐えられなかった。
「彼女たちを裏切ったのは僕たちではなくむしろ、自分自身の祈りだよ。 どんな希望もそれが条理にそぐわないものである限り必ず何らかの歪みを生み出すことになる」
「うぅ・・・・・・」
まどかは顔を手で覆いながら、何も見たくも聞きたくなかった。
しかし、キュゥべえは告げるーー。
「やがてそこから災厄が生じるのは当然の摂理だ、そんな当たり前の結末を裏切りだというのなら、そもそも願い事なんてすること自体が間違いなのさーーでも愚かだとは言わないよ」
「ううっ・・・・・・!」
まどかは呻き続ける、それでもキュゥべえは話し続ける。
「彼女たちの犠牲によって人の歴史が紡がれてきたこともまた事実だしーー」
その途中、キュゥべえのイメージ空間から帰還したまどか。
「そうやって過去に流されたすべての涙を礎にして今の君たちの暮らしは成り立っているんだよ」
「・・・・・・」
「それを正しく認識するなら、どうして今さら数人の運命だけを特別視できるんだい?」
そう、キュゥべえはまどかに返した。
すると、まどかは顔をうつむきながらキュゥべえに言う。
「・・・・・・ずっとあの子たちを見守りながらあなたは何も感じなかったの? みんながどんなに辛かったか分かってあげようとしなかったの?」
「それが僕たちに理解出来たならわざわざこんな星まで来なくても済んだんだけどね」
まどかの質問にキュゥべえはそう答え、話を続けた。
「僕たちの文明では感情という現象は極めて稀な精神疾患でしかなかった。 だから君たち人類を発見した時は驚いたよ、すべての個体が別個に感情を持ちながら共存している世界なんて、想像だにしなかったからね」
キュゥべえはそう人類を監察した結果を告げるようにまどかに言った。
するとまどかは、あることを聞いた。
「・・・・・・もしも・・・・・・あなたたちがこの星に来てなかったら・・・・・・」
「君たちは今でも洞穴に住んでいたんじゃないかな」
まどかの質問にキュゥべえはそう答え、ある不確定な存在を例に挙げた。
「ただ、坂田銀時という存在が起こした因果律の変質は予想外だったけどね」
「え?」
まどかは一瞬困惑した。
(坂田、銀時・・・・・・? それって、坂田・・・・・・先生のこと?)
そして、ほむらのが銀八のことをーー。
『銀時・・・・・・あなた・・・・・・!!』
銀八のことを銀時と、違う名前で呼んだことを思い出していた。
「キュゥべえ、坂田先生を・・・・・・どうするつもり!?」
まどかはそうキュゥべえにそう質問した。
「決まってるじゃないか、僕の目的はエネルギーの回収・・・・・・最も効率的に回収する方法を模索するだけだよ」
キュゥべえはそう答えて、さまどかの部屋から去っていった。
***
そして、キュゥべえはほむら達の前に現れた。
どんなことを話したかは分からない、だがそれがほむらたちにとって良い話ではないことは明らかだった。
ほむら達の睨んだ視線に意を返さず、キュゥべえは思い出したことがあるという流れで全員に告げた。
「そうそう、君たちに言っておこうと思っていたことがあったんだ。 美樹さやかの件ではなかなか面白いものを見させてもらったよ、実に興味深い現象だった」
それはまるで他人事のような口ぶり、面白そうなおもちゃを手に入れた子供の声を沸騰とさせた。
そう続けざまに、キュゥべえはほむら達に投げかけた。
「君たちはもう気が付いているんだろう? 僕の目的も・・・・・・この後に何かが起こるのかも」
キュゥべえからそう聞かれたとたん、ほむらはもちろんのこと、さやかと杏子、マミは警戒心をあらわにした。
エネルギー回収と、ワルプルギスの夜のことを・・・・・・。
「だったら何だっていうのよ・・・・・・?」
さやかは警戒心でそうキュゥべえに投げかけた。
「君たちにお願いしようと思ってね」
「お願い・・・・・・?」
キュゥべえの言葉にマミは困惑した。
様々な少女たちの願いを叶え続けてきたキュゥべえの願い、それはーー。
「鹿目まどかが魔女になったら何とか元に戻してあげてほしいんだ」
「・・・・・・!?」
全員が予想だにしなかった、いったい何を言っているのだろうか?
「どういうつもりだ・・・・・・お前の目的はあいつを魔女にしてエネルギーを・・・・・・」
「そう、でも・・・・・・もしそうなれば彼女は一生を魔女として過ごすことになる」
杏子の疑問にキュゥべえはそう答えた。
しかし、キュゥべえの話はまだ終わらなかった。
「感情のない僕にはわからないけど・・・・・・君たち人間を基準にすれば、それは『可哀想』と形容される部類になるだろう? だから・・・・・・彼女がもし魔女になったら、美樹さやかの様に助けてあげてよ」
「アンタ・・・・・・一体何を考えて・・・・・・!」
キュゥべえはさやかの前例を持ち出して、まどかが魔女になった時に元に戻してほしいと頼みこむ。
しかし、さやかは警戒心を解く気にはなれなかった。
「これは僕の本心だ、まどかが魔女になったら魔法少女に戻してあげてほしい、嘘じゃないと誓っていえるよ」
「・・・・・・」
(明らかに何か裏があるはず、だけど今回はそれが見えてこない・・・・・・)
ほむらはキュゥべえの真意を探っていたが、分からずじまいだった。
しかしーー。
「外道の考えは・・・・・・外道にしか理解出来ねェらしいな」
看破していたのは、やはり
「どういうことだ・・・・・・何かわかったのかよ?」
杏子は何かを掴んだ銀時にそう尋ねた。
「茶番は終わりにしようや無限残機・・・・・・回りくどいこと言ってんじゃねーぞ」
銀時は真っ直ぐキュゥべえに目をさらさずに見ていた。
「・・・・・・」
「今回はどこに嘘が・・・・・・」
「いや、こいつは嘘なんか言っちゃいねーよ」
「え・・・・・・ま、まさか本当にまどかを助けたいって・・・・・・?」
さやかはキュゥべえの言葉を疑ったが、銀時が否定した。
その言葉に、さやかは困惑した。
しかし、銀時はキュゥべえの目的を徐々に説明した。
「・・・・・・テメーの目的はエネルギーの回収とか言ってやがったな、無限残機。で、そのエネルギーってのは『魔法少女が魔女になるとき』に出るんだったか?」
「それが一体・・・・・・!!」
回りくどい説明にしびれを切らしたほむらは結論を急かすような口調で言ったとたん、背中に嫌な汗がにじんでくる、銀時がキュゥべえの目的を確認するかのような流れで、気付いた。
気付いてしまったのだ。
(まさか、キュゥべえの狙いは・・・・・・!!)
「平たく言えば・・・・・・リサイクルしてーんだろ、まどかの奴をエネルギー源として」
銀時がキュゥべえの狙いを、目的を指摘した。
「我が社は環境に優しいリサイクル運動を推進してますってか・・・・・・笑えねーな」
キュゥべえを睨む銀時。
「やれやれ、これは君たちにとっても素晴らしい取引だと思うんだけど・・・・・・」
キュゥべえの返答の中に、銀時の発言に対する否定の言葉はなかった。
「あなたは・・・・・・そこまでして・・・・・・!」
ほむらはキュゥべえを睨んだ。
「それだけ鹿目まどかの持っている力は魅力的なのさ、エネルギー回収を鹿目まどか一人で賄えるならこれ以上魔法少女が増えることもない。 回収した莫大なエネルギーを使って宇宙の寿命を効率よく伸ばすことができる」
キュゥべえはまどかの力に取りつかれたかのような口調を感じさせた。
「そう、たった一人の犠牲だけでこの宇宙全体に対して多大な利益が出るんだ。 こんな素晴らしいことは他にない・・・・・・君だってそう思うだろう、坂田銀時」
「・・・・・・」
キュゥべえは銀時の顔を見つめながら話を続けた。
「君の存在はあまりにもイレギュラーだった。 まさか僕たちとは違う知的生命体が地球に来訪して発展していたなんて思ってもみなかったよ。 君の世界で僕たちは『天人』と呼ばれる部類の存在だろうね」
キュゥべえの口調は間違いなく、銀時の世界の話だった。
おそらくは、ワルプルギスの夜の会議の途中でほむらの部屋にすでに入っていたのだろう。
ほむら達がそう推察した後のことだった。
「君の言う通り、僕は君たち人類の魂を甘く見ていたかもしれない。 君がこの世界に現れたことで美樹さやかは魔女から
全力を尽くして魔女化した美樹さやかを救い出した・・・・・・普通ではありえないはずの奇跡。
その奇跡でさえキュゥべえは自分の目的のために利用価値を見出していた。
「テメーは・・・・・・なんてことを・・・・・・!!」
怒りに我を忘れてキュゥべえに掴みかかろうとする杏子を銀時は静止する。
「放せよ! こいつはもう百回ぶっ飛ばしたぐらいじゃ気がすまねぇ!」
怒り心頭の杏子をそれでも止めた銀時。
「いったん落ち着け、もう少し冷静に考えてみろ。 こいつを潰してもすぐに第二第三のキュゥべえが現れちまう、そうなったら何の意味もねえ」
その言葉に杏子は怒りをこらえていた。
そしてーー。
「だったら・・・・・・ほむら、ロープあるか? あるんなら出してくんね?」
『?』
キュゥべえが発した言葉に、キュゥべえはもちろん四人の魔法少女たちは困惑した。
「えぇ、わかったわ」
取りあえず、ほむらはロープを用意することにした。
***
十数分後
「・・・・・・!・・・・・・!」
「これでよし」
キュゥべえはふん縛られて簀巻きにされて、歯車が密集された天井にロープを括り付けの上、吊るされて蝋燭にあぶられていた。
「ドSだ・・・・・・この先生・・・・・・」
「ドSだな」
「ドSね」
さやか、杏子、マミの順で銀時の本性を知ってそれぞれ感想を述べていた。
只一人を除いて・・・・・・。
「その手があったか・・・・・・」
「「「オイ」」」
ほむらの反応に、三人は突っ込んだ。
***
深夜のバーのカウンターで二つの影がウイスキーを飲んでいた。
鹿目まどかの母、鹿目詢子とまどかの担任、早乙女和子だった。
二人は古くからの友人で、時々酒を飲みかわしながらお互いに相談事を持ち掛けていた。
「さやかちゃん見つかってよかったわ、最悪の場合は・・・・・・」
そう早乙女は詢子に話した。
「そうだな、まどかも夜遅くになってまで探していたらしいからな。 でもさすがに今回は叱っておいたよ」
詢子も夜遅くまで親友を探し続けたまどかの心情を理解しつつも、親として叱らなければならなかった。
「さやかちゃんはね友達と恋愛がらみでちょっと色々あったらしいの・・・・・・その子もかなりダメージ背負っちゃってね・・・・・・普通なら甘酸っぱい思い出で済むところなんだけど、三日も学校に来なかったから心配だったの」
そう早乙女は告白した。
その後で、早乙女はーー。
「まどかちゃんはどう?」
まどかの様子を詢子に尋ねた。
「・・・・・・分かんねぇ、あたしの勘じゃ何か知ってる様子ではあるんだ・・・・・・でも嘘をついてるようにも見えねぇ・・・・・・初めてなんだよ・・・・・・あいつの本音を見抜けないなんて、情けねぇよな・・・・・・自分の娘だってのに」
詢子はそう弱音を吐いた。
「詢子が弱音を吐くなんてね・・・・・・」
「近頃妙だとは思ってたんだ、なんかひとりで背負い込んでるって察してはいたけど、いつまで経ってもあたしに相談してこねぇ・・・・・・ちったぁ頼りにされてるって思ってたのにさぁ・・・・・・」
そう、詢子はまどかが抱えてるる物に気付いていても、相談してもらえないことにもどかしさを感じていた。
「あの年頃の子供はね・・・・・・ある日いきなり大人になっちゃったりするものよ、親にとってはショックだろうけど」
早乙女はそう詢子に諭した。
「そういうもんか・・・・・・」
「信じてあげるしかないわね・・・・・・今まどかちゃんに必要なのは気持ちを整理する時間だろうから、しばらく待ってあげないと」
早乙女は教師の経験で、詢子にそう諭した。
「・・・・・・キツイな、何もできねぇのって」
「そういうところで要領悪いの相変らずよねぇ詢子は」
そう詢子の要領に関して話す早乙女は、話題を変えようとある人物を持ち出した。
「そういえば内の教育実習にきた先生がさあんまりやる気がなくて困ってるのよね」
「あぁ、まどかから聞いてるよ。 和子もとんでもない奴引き受けたみたいだなぁ」
早乙女の話の流れで、『木刀を差してる教育実習に来た先生』だと気づいた詢子。
深いため息をつきながら、早乙女は銀八のことを話した。
「そうなのよ、教科書の内容とは違うことをやるし、途中で眠りこけるし、出勤時間に遅れるわで散々よ」
早乙女の不満に、詢子は口をひきつらせた。
「まどかから聞いてたけど、滅茶苦茶なヤツだね」
「えぇ、でも・・・・・・どういうわけかクラスのみんなにはなんだかんだで慕われてるわ」
「へぇ、具体的には?」
授業内容は散々でもクラスの子供には慕われてるみたいだった。
「ただ、その人は、授業を進める立場にもかかわらず、わざとやってるのかクラス全員を巻き込んでのボケをやって、クラスのみんながツッコミを入れてるって流れね」
「
「そうね、まぁでも・・・・・・どういうわけか悪い人間でないのは確かでけど」
そう言いながら、苦笑いする早乙女。
「確かに会って見たくなったな、教育実習に来た、坂田銀八先生とやらに・・・・・・」
詢子は教育実習に来た男、坂田銀八に興味を持った。
今回は長く書き過ぎました。
二次創作原作とメモリーフィルムをベースに、オリジナルを加えました。
オリジナルを長く書き過ぎて、疲れるかもしれませんが、お付き合いよろしくお願いします。
刻一刻と迫る最終決戦に出来るだけ目が離せなくなるような話にして見せます。
ご意見ご感想、お待ちしております。
それでは、次回をお楽しみに。