まどか☆マギカ交差伝 宇宙一馬鹿な侍   作:二道 無限

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 さて前回、ほむら達が銀時の世界に迷い込んだ所で話が終わりました。

 ほむら達は、銀時の姿を見て、どう去来するのか・・・・・・。

 刮目です。


宇宙一馬鹿な魔法少女だコノヤロー!!

 ほむら達が、銀時の木刀にまどかの集約と結束の魔力を込めているころ。

 

 銀時は息を切らせながらも、戦っていた。

 「あのデカブツ、どんだけ使い魔ポンポン出しやがって・・・・・・ガシャポンですかコノヤロー」

 そう、悪態をつきながらも少しずつだが、確実にワルプルギスに近づいていた。

 

 しかし、ワルプルギスの周りに風が集中してきていた。

 

 それだけでなく、雨も激しく降っていた。

 

 それはつまりーー。

 「あのデカブツ、動くつもりか!!」

 

 銀時はすぐさま、ワルプルギスに接近しようと試みるが、風の勢いが強すぎて今にも吹き飛びそうだった。

 

 それでも、銀時は諦めなかった。

 なぜなら、まどか達魔法少女が諦めていなかったからだ。

 ここで諦めたら、銀時の中の魂は折れてしまう、そのことは銀時自身が知っていた。

 銀時は、二本のサーベルを地面に突き刺し吹き飛ばされないようにしながらも進んでいった。

 

 

 

                       ***

 

 また異形の人型に取り囲まれていた。

 しかも、また二人の男を取り囲んでいた。

 一人は坂田銀時であることは、まどか達にも知っていた。

 しかし、背中を預けている男は違っていた。 

 

 『こいつが最後かもしれねぇ』

 

 その男は、異形の人型に取り囲まれた状況で絶体絶命の中でありながらも戦う意思は諦めていなかった。

 

 そんな中で男は、銀時に話しかけた。

 『一度ききたかったんだ、銀時。 お前は一体何のために、この戦いに参加した。 この国を天人(やつら)から守るためか、それとも武士として名を残すためか』

 

 『さあな、少なくともそんなもんのために死ぬ程、行儀が良い男じゃネェのは確かだ。 俺もお前も』

 

 背中を預けた男の問いに銀時はそう答えた。

 

 『確かに俺達ゃ(ズラ)辰馬(たつま)ほどデキがよくねェ、武士道なんぞ解さんろくでなしの武士だからな』

 

 まどか達はその男が言っていた名前に反応していた。

 「ズラって、今の状況みたいな時に銀時が呼んでいたあの髪の長い兄ちゃんだったよな」

 

 杏子は今の場面に移る前に出てきた男を思い出し呟いていた。

 

 「ええ、少なくとも、彼は他の男の名前も言っていたわね」

 

 ほむらも、男が言っていた『辰馬』という名前を思い出していた。

 

 『だが、ろくでなしにしか通じねえ話もあらぁ』

 すると、そのとその男は、銀時に何かを頼んでいた。

 まるで託すかのようにーー。

 

 『銀時、もし俺がおっ死んだら、先生を頼む。 俺と同じ、ろくでなしにしか頼めねェ』

 

 『・・・・・・じゃあ俺も、ろくでなしに頼む』

 

 すると、銀時はその男の頼みを頼みで返すようにーー。

 まるで願うようにーー。

 

 『死ぬな』

 

 そう言った後、二人の侍は、お互いの前方の敵に向かっていった。

 

 その後、今見ていた光景が消えていった。

 

 「先生、あんな大群に立ち向かっていくなんて」

 

 さやかは異形の大群に立ち向かう銀時()の姿に畏怖を覚えていた。

 「銀時の背中を預けている彼もすごいわ」

 

 ほむらも、銀時の背中を預けている男にも注目していた。

 『時間逆行』で魔女たちと戦い続けたほむらも、戦闘経験から男の実力を肌で感じていた。

 

 「それにしても、あの二人が言ってた『先生』って誰なんだろう」

 さやかは、銀時の会話で出てきた『先生』が誰なのか気になっていた。

 「それに、あの異形の連中・・・・・・あっ」

 杏子は周りに取り囲んでいる異形の連中にふと。脳裏に浮かんだ名前があった。

 

 「もしかして、アイツらが『天人(あまんと)』なんじゃねーか?」

 「天人?」

 

 まどかは杏子が言っていた名前に困惑していた。

 

 「鹿目さんは、知らなかったわね・・・・・・天人はーー」

 

 マミはまどかに銀時は違う世界から来たこと、天人(異星人)のことやその事柄を大まかに説明した。

 

 「先生、そんな世界で何でも屋をしてたんだね・・・・・・それに、私もみんなに話さなきゃいけないことがあるの」

 

 まどかはマミから聞いた内容を理解した後、まどかは意を決してキュゥべえから聞いた、歴史上の偉人の中に魔法少女が居たことを、キュゥべえが有史以前から地球に来訪していたことなどを話した。

 

 「そんな前から、人類(私達)に干渉してたなんて・・・・・・」

 「ある意味、人類はインキュベーターに支配されてたんだな・・・・・・」

 さやかと杏子は、まどかから聞いた歴代魔法少女の最後、その犠牲の上で成り立った今の世界のことを知った後、それぞれの思いを口にした。

 

 「インキュベーター(あいつら)は、エネルギーを回収できれば人類の支配なんてする必要なんてないわ。 なぜなら『奇跡』の大安売りしているぐらい、人類なんてそれだけで御しやすいと思うわ」

 

 ほむらは、今までの『時間逆行』の経験と、銀時の交流を経て、魔法少女が存在する世界程、願いの数は多いのではないのか?

 

 魔法少女の犠牲の上で成り立っている世界程、人間の欲望は存外果てしない上に、キュゥべえの契約に存外乗りやすいのかもしれない。

 

 現にほむら自身もその一人だと思っていた。

 

 そのあとほむら達は、突如周りの暗い景色が、銀色の光に包まれたとたん、まぶしさに目を閉じた。

 

 その後まどか達は、違う場面に飛んだことに気が付いた。

 

 なぜなら、天人に囲まれた場面ではなく、担架に運ばれた侍を取り囲んだ侍たちの場面だった。

 担架に運ばれた男は、右腕を負傷していた。

 

 その怪我は恐らく、刀を握れなくなるほどの怪我だった。

 

 『坂本さん!!』

 『しっかりしてください坂本さん』

 

 負傷者の尚を取り囲む侍たち。

 男の名は『坂本』というらしい。

 まどか達は侍たちのやり取りを見ていることにした。

 

 『騒ぐな、提督にしかられるぞ』

 『『!!』』

 

 侍たちと同じく、まどか達も侍の背後に立っていた男に驚いていた。

 よく見れば、まどか達にとってはついさっき、銀時の背中を預けながら話していた男だった。

 

 『叱られんのはお前だ。 『桂浜の龍』ともあろうものがこっぴどくやられやがって』

 その男は、担架に運ばれた男、坂本に対して呆れていた様子を見せながらも、心配しているように見えていた。

 『何があった』

 『・・・・・・』

 

 男は、坂本と同行していた侍から事情を聴いた。

 話によると、坂本は敵味方関係なく負傷兵事助けようとしていた所に不意打ちの爆撃の後、負傷兵を背負っていた坂本を天人の兵に負傷兵事斬られたとのことだった。

 

 『・・・・・・どうやら本当に説教が必要らしい』

 『勘弁してくれ、折角生き残ったのにとどめをさすつもりか』

 

 事情を聴いた男は坂本に呆れていたらしい、坂本は勘弁してほしいという表情で苦言を言った。

 『侍としてのお前は、もう死んだよ』

 『やっぱり? もう剣でリンゴの皮もむけんとは不憫じゃのう』

 『元々侍の風上にもおけねェ野郎だったな。 戦場で敵に情けをかけて、きき手を持ってかれるなんざ、てめぇらしいマヌケな最期じゃねェか』

 

 男は坂本に皮肉を言いちぎっていた。

 そんな中だったーー。

 『死んじゃいねェよ』

 岩壁に背にもたれながら、銀時は男と侍たちに言った。

 『剣を振り回すばかりが侍じゃねェ、敵を斬るばかりが戦じゃねェ、坂本辰馬の戦は剣一本(ぼうきれいっぽん)で片づくせこい戦じゃねェのさ』

 『・・・・・・』

 銀時の言葉を聞いて、男は思案したあとに後ろをちらりと見るように後ろを振り向き、坂本に尋ねた。

 

 『敵のツラ、覚えてるか』

 『お(まん)ら・・・・・・』

 男と銀時は、坂本の腕を斬った敵に落とし前を付けることにした。

 

 『生憎その・・・・・・せこい戦とやらが好きでな』

 『お前は、お前の戦をすればいい、俺達ゃ俺たちの戦をするだけだ』

 

 そう言って、二人は坂本を斬った敵を探しに行った。

 その後、銀時は自分と同じ格好をした男と戦っている天人()が坂本の腕を斬った相手だと気づき、殺気を飛ばして自分と同じ格好をした男を助け出した。

 

 「あの天人、両眼を糸でふさいでいたわね、しかも・・・・・・」

 「額に目がついていたわね・・・・・・」

 

 マミは銀時が探していた天人の剣士を見て、顔を青ざめていた。

 その天人は、ビームサーベルと呼んでもおかしくない武器を振り回していた。

 しかし、問題はそこではなくーー。

 

 その天人は、人間と同じ姿でありながら、両目を塞いでいた上に、額に大きな瞳を持っていた。

 ほむらも、その異様な存在に悪寒が走っていた。

 

 その後、また場面が変わりーー。

 

 

 まどか達は、宙を浮いていた。

 その上空から地上を見下ろしたら、無数の侍たちの屍が倒れていた。

 

 そして、その屍達を崖から見下ろす笠をかぶった集団のもとに五人は降り立った。

 

 『哀れなものだ。 国を憂う心を持った若者たちが、このような運命をたどろうとは』

 崖から見下ろした笠をかぶった男は嘲りともとれる言葉を、長髪の男が縛られた上に立ち膝の状態に聞こえる様に告げた。

 

 『これがお前のやりたかった事か、松陽』

 笠をかぶった僧のような男達に拘束された男、松陽にそう言った。

 

 『お前の教え子はお前の教えの通り、犬死していったぞ』 

 

 まどか達は縛られた松陽は何者なのかと思ったとき、その答えは直ぐに知ることになるーー。

 

 『そんな教えを説いた覚えはない、そう言いたげだな』

 笠の男たちの首魁は松陽にそう言った後、まるで合図を送ったかのように笠の男たちは二人の縛られた男二人を地に付けた。

 さやかはその男二人の顔を見て驚いた。

 「あ・・・・・・あの二人は」

 さやかの反応で、他の四人もその二人の顔を見て驚いた。

 その二人は、今まで銀時の背中を預けながらも話していた、(ズラ)と提督と呼ばれた男だった。

 

 「ま、まさか・・・・・・あの二人と銀時は・・・・・・」

 ほむらは、気付いた。

 魔法少女(自分)達を助けた銀時()と笠の集団に拘束された二人の男は、松陽の弟子だという事に驚愕した。

 『ならば、試してみるか。 お前の弟子達が、お前と共に犬死していく道を選ぶか』

 笠の男の首魁は松陽を試すか、苦しめるかを楽しむ様に二人と共に死ぬかをーー。

 

 『それとも』 

 

 ーーそして、魔法少女たちは・・・・・・笠の男の首魁の残酷な行為を目撃した。

 

 『その手で、師を殺めてでも生き残る道を選ぶか』

 

 笠の男が、白髪の天然パーマの侍を連行するかのように、突き出された。

 その侍の手には、刀が握られていた。

 「ぎ、銀・・・・・・時・・・・・・」

 

 それはキュゥべえの契約よりも、あまりにも残酷な光景だった。

 

 『教育者たるお前に、ふさわしい処刑方法だろう。 師か仲間か、どちらでも好きな方を選べ』

 

 銀時に松陽()か仲間をどちらかを選び、殺すかを強いらせたのだ。

 

 その時だったーー。

 『つぅ!?』

 

 まどか達の頭に急に頭痛が襲い、何かの光景を見た。

 

 それは、満月が異様に大きく見えた夜の景色にーー。

 笠の男たちに、松陽が連行されていく光景だった。

 それを、笠の男達に拘束されて見ているしか出来ない少年の目で見ていた。

 

 『銀時、あとの事は頼みましたよ』

 

 松陽は、笠の男たちに連れて行かれながらもーー。

 

 『なァに心配はないよ、私はきっとスグにみんなの元へ戻りますから』

 

 銀時のことを心配しながらもーー。

 

 『だから・・・・・・それまで、仲間を、みんなを、護ってあげてくださいね。 約束・・・・・・ですよ』

 ほかの弟子(仲間)達を案じ、銀時に託して、連れて行かれた。

 

 銀時の目に、両腕を後ろに縛られた松陽の左手に、小指を立てて、指切りの仕草を見せ、連行されていった。

 

 その瞬間、まどか達は元の風景に戻っていた。

 そしてーー。

 

 銀時は松陽の背後に立っていた。

 

 『銀時、やっ・・・・・・やめろ、頼む、やめてくれェェェェェェェェ!!』

 提督は、銀時のやろうとしていることに知り、止めようとした。

 

 しかし、等の銀時は松陽は笑いながら、ある言葉を聞いていた。

 

 『ありがとう』

 

 銀時は微笑み返し、その言葉を聞いた後に、握った刀で・・・・・・松陽の首を切り落とした。

 

 『銀時ィィィィィ』

 提督は拘束されながらも、銀時に襲い掛かろうとした。

 しかし、提督に向かって投げつけた刃が左目に突き刺さった。

 

 刃を投げたのは笠の男の一人だった。

 『師に拾ってもらった命、無駄にするものではない』

 まどか達は、刃を投げた男の顔を見た。

 男の顔は顔の上から右斜めの傷があった。

 『本気でこの者共を生きて返すと? 松陽(あのおとこ)に情けでもかけているのか、朧』

 『・・・・・・・・・・・・』

 笠の男の首魁は傷のある男、朧にそう尋ねた。

 『この者共には最早護るものなどありませぬ。 それは侍にとって死したも同じ、何よりこ奴等はそれを、自らの弱さゆえ自らで壊したのです』

 朧は、そう笠の男の首魁に銀時たちが招いたこと告げた。

 『殺す価値なし、もう二度と剣を握る事もできぬでしょう』

 朧は、銀時たちの戦いに対しての『死刑宣告』を笠の男の首魁にそう伝えた。

 

 その光景はまた、銀色の光に包まれてしまう。

 

 「こんなの、あんまり過ぎるだろ・・・・・・」

 「銀時が、攘夷戦争に参加しているとは思ってたけど・・・・・・その理由がーー」

 杏子は銀時の過去を知り、悲しみと怒りが入り混じるやるせない感情が渦巻いていた。

 ほむらも、杏子と同じ心境の上、銀時の目に宿る悲しみの理由を垣間見て、自分と同じように、大切な師を助け出そうとしたことを知り、言葉が重くなっていった。

 「あの時、先生が・・・・・・私に言ってた理由を考えると、つじつまが合うね」

 さやかも、キュゥべえに契約する前の病院内で、銀時が言ってた理由も今見た過去にあったと重く受け止めていた。

 

 「私、坂田先生に鹿目さんと美樹さんをさんを背負えるかって聞かれたことがあったの・・・・・・坂田先生はあの松陽って人の背中を見てきたから、だから私にーー」

 マミも、まどかとさやか(二人)を背負う覚悟について聞かれたことを思い出していた。

 ほむらも、マミが話した時のことを思い出し、納得していた。

 

 「それに・・・・・・先生は、泣いてたよ」

 まどかは、銀時が松陽の首を跳ねた直後、銀時は涙を流したのに気付いていた。

 ほかの四人も、銀時の涙に気付いていた。

 ほむら自身、違う時間軸のまどかを介錯したことがあったため、銀時の心の痛みを理解できてしまった。

 

 魔法少女達は、銀色の光がまた収まり、違う光景を目にした。 

 

 『約束が違うじゃねーか!!』

 肥満の男は明らかに城勤めの三人の侍に声を荒げた。

 ほむらは三人の侍が羽織を着ていたためどこかの役人ではないかと推察した。

 『たっ・・・・・・頼む、命だけは助けてくれ。 オ・・・・・・俺はもう志士じゃねェ、幕府(あんたたち)に忠誠を誓った犬だよ』

 どうやら、肥満の男は城勤めの侍に命乞いをしていた。

 

 『そ・・・・・・そうだ、忠誠の証に俺の娘をくれてやるよ。 こうなったら家族でも何でも差し出してやるよ、どうせ戦前、どっかのアバズレが勝手に産んで捨ててった穀潰しだ、待ってろ、今首搔っ切ってもってく・・・・・・』

 それ以上は紡がれなかった。

 

 あまりにも見苦しい命乞いだけでなく、自分の命惜しさに自分の娘を殺そうとする男に魔法少女(五人)は怒り心頭な時だった。

 

 見苦しい命乞いをする男に木刀で一撃を喰らわせた男がいた。

 

 まどか達は侍三人と同様に乱入した男に驚いた。

 

 『どうも、なんだツミはってかそーです。 わたすがこのボンクラの娘です』

 

 「銀時・・・・・・」

 

 『一橋となんざケンカした覚えもねーがそんなにほしいなら、この白夜叉の首とこのクズの首くれてやらぁ』

 

 まどか達は驚愕した。

 銀時は自分の首と銀時が殴ったボンクラの首でーー。

 『だから、これ以上・・・・・・他の連中に手を出すんじゃねェ』

 ボンクラの娘を救おうとした。

 

 

 

 その後、牢屋敷に連れて行かれた銀時は牢の役人に激しい尋問に晒されたが、その役人より上の立場の人が、銀時に対しての尋問を止めていた。

 

 どれだけ時がたったのか、銀時は牢に入れられていたある日のことだった。

 

 『ねェねェ、お兄ちゃんはどうしてこんな所に入れられてるの、何か悪い事でもしたの』

 ある少女が、銀時の牢の前に現れそう尋ねてきたからだ。

 『・・・・・・ああ、オメーが小便ちびるような悪い事いっぱいやった。 だから

首切られなきゃいけねーんだ』

 『ホントに? 父ちゃんみたく私を殴るの?』

 『・・・・・・オリがなかったら殴ってるよ、やかましいからどっかいけクソガキ』

 銀時は、牢の外にいる少女を脅してでも遠ざけようとした。

 しかしーー。

 

 『でも首切りのおじさんが言ってたよ、お兄ちゃんはホントは悪い奴じゃないんだって。 かわいそうな女の子を護ってあげただけなんだって』

 

 少女は、銀時が捕まった理由を知っていた。

 まどか達は少女の話から、銀時が捕まった場面を見ていたのが、少女の言っていた『首切りのおじさん』だという事に気付いた。

 

 『なのにかわいそうだね・・・・・・そうだ!! お兄ちゃん、私・・・・・・いつか立派な処刑人になったら、お兄ちゃんの首を斬ってあげる』

 『『斬っちゃうの?』』

 まどか達は、記憶の中の銀時と一緒にハモッた。

 とんでもないことを言い出す少女に驚愕したからだ。

 しかし、少女の言葉にはある意味が込められていた。

 

 『うんうん、上手に斬るから全然痛くないよ。 らく~~に天国に送ってあげるよ』

 それは、まどか達の知っている処刑人とは違う意味での処刑人の言葉だった。

 まどか達が知っている侍とは違うのと同じようにーー。

 

 『だから約束。お兄ちゃん、私が立派な処刑人になるまで絶対に死んじゃダメだよ』

 少女は微笑みながら、銀時に約束した。

 銀時は少女の言葉に笑い返してーー。

 『そうかいらく~~にかい、そいつはいいや、約束だぜ』

 少女に約束した。

 

 そしてその後、銀時の拷問を止めた役人が現れた。

 その役人は銀時に言った。

 

 『罪を犯し鬼と成り果てた人間を人へと還すことができるのは、人だけだ。 だから俺にお前を斬る資格はない』

 その役人の言葉を聞いて、まどか達は驚いた。

 

 「まさか、あの子が言ってた首切りのおじさんって・・・・・・」

 「あの時に、銀時の拷問を止めた男だったんだな」

 まどかと杏子はそれぞれの場面を思い出していた。

 銀時があのボンクラの娘を助けた場面を、あの役人が見ていたことに気付いた。

 

 その役人は処刑人の教示を銀時に話した最後にーー。

 『鬼に、鬼を斬る資格はない。 約束したんだろう』

 

 そういって、牢のカギを外して、銀時を救った。

 

 「先生の行いを見て・・・・・・助ける決心をしたんだね」

 「でも、処刑人が・・・・・・罪人を逃がすってことは・・・・・・」

 さやかはあの(自分の首を差し出した)瞬間を見ていたため助けることにしたことに驚いた。

 しかしマミは、処刑人の立場を考えた時、自分の立場を危険にする行為の先の結末に、悲しみを覚えた。

 

 その後、銀時は牢屋敷から、体を引き摺りながらも脱出した。

 

 少女との約束を胸にーー。

 

 そして、落ち延びたのは墓地だった。

 そこに墓参りに来た中年の女性が墓にお供えをして帰ろうとした時に銀時はその女性に声をかけた。

 

 『オーイババ―、それまんじゅうか? 食べていい? 腹減って死にそうなんだ』

 『こりゃ私の旦那のもんだ、旦那に聞きな』

 中年の女性は銀時の問いにそう答えた。

 銀時は、間髪入れずお供えされたまんじゅうを食べた。

 『なんつってた? 私の旦那』

 そう女性は銀時聞いた。

 するとーー。

 『しらねェ、死人が口きくか』

 『バチあたりな奴だね、たたられてもしらんよ』

 『死人は口もきかねーし団子も食わねェ、だから勝手に約束してきた』

 そう女性に言ったあと、一方的な約束を告げた。

 『この恩は忘れねェ、あんたのバーさん老い先短い命だろうが、この先は・・・・・・アンタの代わりに俺が護ってやるってよ』

 

 そう言って、銀時はその女性の亡き旦那に約束した。

 

 その後、銀時は万事屋を開き、数々の厄介ごとを起こしたり巻き込まれたりしながらもそこで巡り合った仲間たちと乗り越えながら、関わった人達の願いを大切なものを護っていったーー。

 

 

                     ***

 

 

 銀時はワルプルギスを追いながら、使い魔を蹴散らしていった。

 

 それでも、ワルプルギスの進行は止まらなかった。

 

 「待ちやがれ、デカブツ~!!」

 

 銀時は宙を浮く瓦礫に飛び移り、宙を駆けながらも追っていたが使い魔の軍勢の追跡は止まらなかった。

 

 そのうえ、銀時の体力も限界に近づいていた。

 使い魔の迎撃とワルプルギスの攻撃の回避に全力を尽くしたが、今では気力で動きを維持している状態だった。

 

 その時だった。

 

 虹色の光を帯びた銀色の光柱が立ち昇った。

 「あの方角は!!」

 

 銀時は光の柱が昇っている方角を見て気付いた。

 あの方角は、まどか達が魔力を束ねている儀式をしている方角だった。

 そして、その光の柱が消えた後、音速を越える様に五つの影が銀時に迫っていた。

 

 その影は、使い魔をことごとく蹴散らしていった。

 すると、その影は銀時目掛けて着地し、土煙を上げた。

 

 土煙の埃が引いた後、銀時が見たのはーー。

 「てめーら!!」

 

 それは、儀式を終えた魔法少女五人組だった。

 

 「銀時、時間稼いでくれてありがとう」

 「体ボロボロじゃねーか、銀時」

 「先生、大丈夫!?」

 「待たせてごめんなさい、坂田先生」

 「わたしたちを信じてくれて、ありがとう先生」

 ほむら、杏子、さやか、マミ、まどかの順で銀時の身を案じていた。

 

 「終わったのか?」

 銀時はまどかが行った儀式の現状を聞いた。

 

 するとほむらは銀時から託された木刀を見せた。

 それは柄の洞爺湖は変わらなかったが、木刀を収めた盾は変化していた。

 

 それはまるで、砂時計の装飾に脇差を収めるような鞘へと変化していた。

 

 すると、銀時は魔法少女達のソウルジェムが黒く濁っていることに気付いた。

 「テメーら!! ソウルジェムがーー」

 銀時の驚いた様子に、ほむらは自分のソウルジェムの状態を見ての反応だと気が付きーー。

 「私たちのソウルジェムは大丈夫よ、銀時」

 銀時に微笑みながらほむらは告げた。

 

 そして、使い魔が銀時たちに襲い掛かろうとした時、マミとまどかが使い魔を一斉掃射で倒しまくっていた。

 

 続いて、さやかと杏子は使い魔目掛けて接近戦を仕掛けた。

 

 杏子とさやかは使い魔の攻撃を受けたが、それで終わりではなかった。

 

 

 使い魔は、杏子の身体を通り抜けていき、さやかの身体の傷は瞬時に治癒していった。

 

 しかし、驚くべきと事はそこではなかった。

 

 魔力を消費して穢れているソウルジェムがグリーフシードに変化していないどころか、ヒビ一つ出ていなかった。

 

                      ***

 

 

 

 「どういうことだ!! ありえないよ!!」

 遠くからまどか達の戦いを見ていたキュゥべえが驚愕していた。

 

 「穢れと呪いに染まったソウルジェムは、グリーフシードに変化して魔女を産み落とすのに何の兆候がない!! それどころか、ソウルジェムを浄化していないのに魔法を使えるなんて、訳が分からないよ!!」

 

 本来魔法少女は、魔法を使うときソウルジェムに穢れが溜まっていき、呪いをためてしまう。

 魔法が弱くなるどころか、グリーフシードに変化して、魔女を生み出し、命を落とすはずだった。

 それは、キュゥべえが構築した『魔法少女システム』の絶対の理だった。

 

 しかし、まどか達のソウルジェムは穢れと呪いで満たされているはずなのに、魔女化するどころかグリーフシードに変化していない。

 

 『君たちは一体、何なんだ!? ソウルジェムが砕けてグリーフシードに変化して魔女を産み落として命を落とすはずなのになぜ生きているんだい!? それどころか魔法の威力が衰えないのはどういう事なんだい!! 君たちは一体何になったんだ!?』

 

 キュゥべえがまどか達にテレパシーを飛ばして問いかけた。

 

 すると、まどか達はニヤリと笑いながらキュゥべえにテレパシーで告げた。

 

 『『『『『宇宙一馬鹿な魔法少女だコノヤロー!!』』』』』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




 はい、今回はジャンプリミックスで銀時の過去をかき集めて書かせてもらいました。
 
 長すぎてしまえば、また疲れて今うと思うし、私自身疲れると思ったのでほどほどの文面にしました。

 まどか達は、攘夷戦争時代の銀時の姿を見てどう思ったのか?
 そして、まどかの知っている万事屋()の銀時の背中を見てどう思ったのか?
 
 そんな感じで、書かせてもらいました。

 そして、戦場に戻ったまどか達のソウルジェムが穢れ切っているにもかかわらず、魔女化していないどころか魔法を使うことが出来るのか!?

 それは次回の楽しみです。

 ちなみに、最後にまどか達がテレパシーでそろえた『宇宙一馬鹿な魔法少女だコノヤロー!!』は、銀時の背中を見て、過去を知って、銀時のいた世界で何を護っていたのかを、雲を掴むような心境なのでしょうが、何かを掴んだというイメージで、このタイトルと同じようなセリフをラストに書かせてもらいました。


 それでは、次回はようやく、ワルプルギスの夜との決戦もクライマックスに差し掛かりますので最後までお付き合いいただけると嬉しいです。

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