まどか☆マギカ交差伝 宇宙一馬鹿な侍   作:二道 無限

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 さて、まどか達は銀時が万事屋として過ごしている日々を見たことで自分を奮い立たせ、キュゥべえのが構築した魔法少女システムの枠を超えることになりました。

 そして、今まで銀時と共に過ごし、背中を見たことでまどか達は大きく成長していると思います。

 それでは、ワルプルギスとの最終決戦、最高潮です。

 最後までお付き合いよろしくお願いします。


魔法少女の役目が終わるのとアイドルの卒業は似ている

 まどか、杏子、さやか、マミは使い魔を掃討し続けていたころ、ほむらは銀時と共にワルプルギスに接近していた。

 

 ワルプルギスを追い越し、回り込めばほむら達の魔力を込めた木刀の範囲に届くからだ。

 

 「銀時」

 ほむらは魔道具の盾が変形した鞘に納めた『洞爺湖』を銀時に渡した。

 銀時は脇差を収めるような鞘に納められた木刀に触れると銀時の体に膨大な力が流れ込んだ。

 (この『洞爺湖』に込められたこいつらの魔力・・・・・・とんでもねえモンじゃねぇか)

 まどか達が込めた魔力に銀時の体がきしむような感覚に襲われた。

 

 しかし、銀時は木刀を手放さなかった。

 触れた時、まどか達の魔力だけでなく、魂も込められているのを感じた。

 

 「まるであの時みてーだな・・・・・・」

 頭によぎったのは、闇天丸に戦いを挑んだ時に、いつぞやの陰陽師家で銀時が振るった刀を彷彿とさせる。

 「テメーらの魂・・・・・・確かに預かったぜ・・・・・・!」

 銀時は鞘を腰に差し、まどか達が鍛え上げた『刀』を抜く準備をした。

 宙を浮かびこちらの様子を窺っているかのような魔女を真っ直ぐ見据えてーー。

 

 「舞台装置の魔女っつったか・・・・・・テメーの作った下らねェ脚本の舞台なんざ俺たちは踊るつもりはねーよ」

 

 かつて、自らの師が教えてくれた言葉を頭に思い浮かべながら、魔女に向かって言った。

 

 「明けねェ夜なんざ存在しねーんだ・・・・・・そろそろお天道さんの顔拝ませてもらうとしようじゃねーか」

 

 銀時の頭に嘗ての師、吉田松陽の声が聞こえた。

 

 それは、子供のころに教えてくれた言葉ーー。

 

 ――敵を斬るのではない、弱き己を斬るために。

 

 ――己を護るのではない、己の魂を護るために。

 

 「ウオオオオオオォォォォォォォォォォォォ!!」

 

 鞘から抜いた木刀は、刀と寸分違わぬ輝きを発していた。

 ただ、その輝きは鈍く光る銀色の刃独特のものではなくーー。

 

 まどか達のソウルジェムの輝きがまざった、銀色の輝きだった。

 

 持てる力のすべてを使い、最後の斬撃を放った。

 

 その途方もない力を秘めた一刀は、銀時の斬撃によって空を覆っていた厚い雲が切り払われ、隙間から太陽の輝きが零れ出し、吹きすさぶ嵐を止ませた。

 

 「これで・・・・・・シメーだァァァァァァァァァァァァァ!!」

 まどか達が鍛え上げた木刀に銀時が振るう一撃をワルプルギスに与えようとした。

 

 しかし、伝説の魔女はただ斬られるままでは無かったらしい。

 

 ワルプルギスは、浮遊する瓦礫を操り何重にも重ねていき壁にしたのだが、それでも銀時の斬撃を止めるには至らなかった。

 

 そして、ワルプルギスは炎の槍を飛ばし斬撃を受け止めた。

 

 ワルプルギスは本能的に銀時が振るっている刀の力に気付いたのかーー。

 力は拮抗していた。

 

 ほむらは、まどか達にテレパシーを送った。

 

 (みんな!! 私たちの魔力を木刀に・・・・・・!)

 

 ((((了解!))))

 

 ほむら達は体に装着されているソウルジェムを取り外し、魔力を送り込んだ。

 

 すると、黒く濁ったソウルジェムの輝きから銀色の光があふれ出した。

 ソウルジェムの輝きは、それぞれの色に、銀色の輝きが宿っていた。

 

 銀色を帯びた魔力を木刀に集中させていき木刀は、真剣さながらの輝きが宿った。

 

 六人が結束して生み出した一撃を魔女は炎の槍を砕かれ、躱すことなくその身に受けた。

 

 あの笑い声をあげる暇もなかったらしい。

 

 宙に浮かぶ魔女の身体は真っ二つに二分され、銀色の光があふれだすかのように爆発する様に輝きが増し、そしてーー。

 

 銀色の光は、見滝原だけでなく天空へとのびていった。

 

 ワルプルギスを切り裂いた途端、空を割るその銀色の光の帯は、やがて拡散し、見滝原を、世界を覆いつくしてーー。

 

 

 

 

                      ***

  

 

 

 ある国の地ーー。

 

 ある集落の片隅に、倒れ伏している少女が居た。

 

 その少女は、息絶え絶えと呼吸をしていた。

 

 「はあっはあっ・・・・・・」

 

 少女の左手には、黒く染まった卵上の宝石が手のひらにあった。

 

 その宝石、ソウルジェムには呪いが蓄積され、ヒビが入っていた。

 

 魔法少女として戦い、心に絶望が支配され、魔女が生まれそうになっていた。

 

 「・・・・・・っ!」

 

 少女は自分が魔女になることを悟って、瞳から涙が流れた。

 自分はもうすぐ、呪いを振りまく魔女(存在)へと変わってしまう事への恐怖、そして悲しみがあふれていた。

 

 そんな時だった。

 

 突如、呪いで満たされたソウルジェムから、銀色の輝きがあふれ出していた。

 

 少女は何が起こったのか分からず、自分のソウルジェムから出た銀色の光を見たーー。

 

 すると、この国とは違うかの地で自分と同じ魔法少女と、白髪の天然パーマの男と過ごしている映像(ヴィジョン)が見えた。

 

 少女は、その侍が自分と同じ魔法少女達と魔女との戦いに巻き込まれながらも、魔女に立ち向かっている光景に戸惑っていた。

 

 その男は、魔法少女を救うために、自分に契約を持ち掛けた存在をぶん投げ、魔女の顎に放り込み、戦った映像に、少女の涙が引っ込むほど唖然とした。

 

 その後、信じられない映像の連続だった。

 

 魔法少女ではない普通の人間の男と、魔法少女達との変なやり取り、バカバカしい日々ーー。

 

 魔女を生み出して命を落とした魔法少女を救うために諦めずに立ち上がり続けた姿にことばを失った。

 

 そして、魔女のグリーフシードがソウルジェムに戻り、魔法少女は息を吹き返したことに驚愕した。

 

 その後に、今まで以上に強大な魔女と戦っている孤軍奮闘の魔法少女のもとにその男は重傷にもかかわらず、その魔法少女のために駆けつけた姿に、少女の瞳にまた涙が流れた。

 

 それだけではなく、他の魔法少女達が天然パーマの男のもとに駆けつけ、立ち向かっている姿に少女の心に暖かいものがあふれていた。

 

 そして最後に、魔法少女達の間で語り継がれた魔女を、魔力の束で集めた木刀の一振りで倒されたーー。

 

 しかし、少女に訪れた奇跡はこれからだった。

 

 銀色の光は、少女のソウルジェムを包み込み、穢れと呪いで満たされた魂が、浄化されていった。

 

 次に起こったのは、銀色の光の柱が天に立ち昇り、そこからある人物たちが現れた。

 

 それは、ワルプルギスと戦っていた五人の魔法少女と、白髪の天然パーマの男だった。

 

 魔法少女達と男は、驚いてみている少女を見つけると、自分の状況を確認していた。

 

 『オメー、魔法少女か?』

 

 男は少女に尋ねた。

 

 少女は、外国の言葉が分からなかったが、意味は理解していた。

 

 男の言葉に、少女は頷いた。

 

 すると、男は魔法少女達と共に、少女の前に駆け寄った。

 

 魔法少女達は少女を取り囲むよう立ち、男は円の中心になっている少女の前に立っていた。

 すると、腰に差していた木刀を抜き、少女のソウルジェムに掲げた。

 

 魔法少女達は祈る様に、魔力を男が持っていた木刀に注ぎ込んだ。

 木刀から、銀色の光が流れこみ、ソウルジェムを包み込んだ。

 

 少女は、何が起こったのか分からずじまいだったが、直ぐに分かったーー。

 ソウルジェムは、宙に浮きあがり、仰向けになった少女の胸の前に止まり、ソウルジェムは光となって、少女の胸の中に吸い込まれるかのように体の中に入っていった。

 

 それだけでなく、銀色の光に包まれ、体の傷も癒えていっていることに、少女は驚いていた。

 

 まるで、体から病が取り除かれているような感覚だった。

 

 『これで、オメーは普通の人間だ』

 

 少女は自分が魔法少女ではなく、普通の人間に戻ったことに驚いていた。

 

 『オメーは、魔法少女として人を救って、ボロボロになって戦って、その分、人間の嫌な部分や、自分(てめー)自身の醜さを知っちまったわけだけどよ、人間だれしも難儀なモン抱えてるもんだ。 自分じゃどうしようもない事や、ずっと続くかと思った日常がいきなり壊れるなんてごまんとあらァ』

 

 男の言葉に、少女は聞くことしかできなかった。

 

 言っていることは分からなかった。

 

 しかし、思いは伝わっていた。

 

 『それでも、どんな世界だろうとよ、どんな場所だろうとよ、どんな境遇だろうとよ、太陽(おひさん)はあるんだぜ。 神様でもねェ、キュゥべえでもねェてめーの太陽(おひさん)がよ、 雲に隠れて見えなくなっちまうこともよくあるがよ、それでも空を見上げれてりゃ必ず雲の隙間から、面を出す時がやってくる、だからよォ、人間(俺達)も、魔法少女達(オメーら)もそいつを見失わねーように、空を仰ぎ見ることをやめちゃいけねーんだ』

 

 少女は、ただ自分を、いや・・・・・・。

 

 ・・・・・・魔法少女達を助けている訳ではないことをーー。

 

 『背筋しゃんとのばして、お天道様まっすぐ見て生きていかにゃならねーんだ』

 

 人間として生きていくために、前を向けるようにーー。

 

 そして、少女を包み込んだ銀色の光は、徐々に薄れるのと共に、魔法少女達と天然パーマの男は消えていった。

 

 それぞれの、微笑みを見せてーー。

 

 少女は、魔法少女と天然パーマの男が消えるまで見届けた後、空を見上げていた。

 

 魔法少女だった時は、空は青空なのに、ただの風景でしか感じられなかった。

 

 だけど、自分を、魔法少女達を救ってくれた男に言われた通りに空を見ると、空はまた違ったように見えた。

 

 そして、少女は決意する、助けてくれた魔法少女達(あの子たち)天然パーマの男(あの人)の様に空を見失わないように、生きていこうと。

 

 そう少女は、青空を見上げていた。

 

 少女を助けたのは、まどか、さやか、マミ、杏子、ほむらの五人の魔法少女と、天然パーマの男、銀時は、今助けた少女と同じように、過去、現代、未来の魔法少女を助けていた。

 

 そして、キュゥべえに願わざるを得なかった出来事を消滅させて、普通の人間として生きていくように時間軸と因果律を少しづつ変質させながらーー。

 

 歴史上、名を遺した魔法少女達はその結果を見て、希望が絶望に染まらず、呪いもまき散らさず、祟らず、人間として、最後まで生き抜いた結果へと変質していった。

 

 キュゥべえの干渉を必要とせず、人間自身で歴史を紡ぎ、未来へと歩んでいった世界へとーー。

 

 

 

                      ***  

 

 

 「テメーも、自分の人生って名の舞台で踊り続けな、自分(てめー)自身のためにな」 

 銀時は、真っ二つに断ち切られたワルプルギスにそう言葉を送った。

 ワルプルギスは不気味な笑い声をあげなかった。

 むしろ、穏やかな笑い声をこだまさせ、光の粒子となって消滅した。

 

 ーー今、この瞬間を持って。

 

 ーー決戦は終わったのだ。

 

 「・・・・・・・・・・・・・」

 

 銀時は消えゆくワルプルギスを見届けていた。

 

 その時、聞き覚えのある声が聞こえた。

 

 「まさかそんな方法でワルプルギスの夜を倒せるとは思わなかったよ」

 キュゥべえだった。

 

 「個人的にはワルプルギスを倒せずに、まどか達全員が絶望して魔女化してくれたほうがよかったんだけど・・・・・・僕たちの『魔法少女システム』を破壊するだけでなく、僕たちが干渉し続けた歴史を君たち人類の力で切り開いた世界にするなんて、訳が分からないよ」

 

 キュゥべえは、まどか達が魔女化する際のエネルギーを期待していたような口ぶりでワルプルギスの戦いの結果を、キュゥべえ(インキュベーター)の『魔法少女システム』を破壊したことに困惑していた。 

 

 「失せろコノヤロー・・・・・・テメーの面なんざ見たかねーよ」

 銀時はキュゥべえの方に木刀の切っ先を突きつけた。

 

 「・・・・・・じゃあ、君の望み通り僕はこの場から立ち去ることにするよ、僕の目的である『エネルギー回収』の意味もなくなったからね・・・・・・それに今のではっきりしたよ、僕たちは君たち人類の『感情エネルギー』は利用するには危険すぎることがね」

 

 キュゥべえは、まどか達と銀時が行った世界と時間の干渉に驚愕していた。

 まどかの力の方が恐らく決めてであろうとは思っていた。

 まどかの因果律の集中は、ほむらの魔法に関係していたことに気付き、まどかの魔女化によるエネルギーを目論んでいた。

 

 事実、まどかのソウルジェムのエネルギーは祈りに比例して、ひとつの宇宙を作り出すに等しい希望が遂げられる、それはすなわちひとつの宇宙を終わらせるほどの絶望をもたらすことを意味していた。

 それから生じる、相転移のエネルギーを回収することで宇宙の寿命を延ばそうとしていたからだ。

 

 しかし、それはキュゥべえ(インキュベーター)に制御できるのかという疑問も生まれた。

 キュゥべえがそう思った理由が、銀時の存在だった。

 

 さやかを魔女から魔法少女に戻した力を解明すれば、無駄に魔法少女を増やさずに、魔女を魔法少女に戻せば、宇宙を延命し続ける事ができると踏んでいた。

 

 だが、その考えもワルプルギスの戦いの結果で考えが変わっていた。

 

 まどか達のソウルジェムが、穢れと呪いで満たされているのにグリーフシードに変化せず、穢れと呪いは浄化され、まどか達は魔法少女ではなく人間に戻ることによって、できなくなってしまった。

 

 その上、過去、現在、未来の魔法少女達の運命を変えたことによって、『魔法少女システム』は否定されていた。

 

 事実上、魔法少女の犠牲にせず宇宙の寿命は途方もないぐらいに伸びていた。

 

 つまりは、下手をすれば簡単に寿命を減らすことが出来ることなのだ。

 キュゥべえは途方もない結果をたたき出した目の前の銀時(存在)に危機を覚えたのだ。

 

 無縁の可能性と危険性を目の当たりにしたキュゥべえは、この宇宙からの撤退を視野に入れていた。

 

 「・・・・・・でもね、一つだけ言っておくよ」

 「・・・・・・?」

 ただ、キュゥべえは銀時が行なった改変に代償があると確信していた。

 

 「確かに君たちはワルプルギスの夜を倒してこの世界を救った、魔女という存在自体を消滅させた、それによって過去と未来の魔法少女達の運命を変えられたわけだけど・・・・・・」

 

 キュゥべえはそのまま銀時の方に顔を向けて告げた。

 

 「君たちの行なった改変がすべて正しかったと思うのは大きな間違いだ」

 

 「・・・・・・」

 

 それだけ言うと、キュゥべえはどこへともなく立ち去っていく。

 言葉の意味するところを問いただしてもよかったがそれはしなかった。

 多分、仮に契約したきっかけが消えたとしても、必ずどこかで起こるかもしれないという事も入っているのだろう。

 最も、銀時は訊かずとも大体の意味は分かっていたからだ。

 

 「せ、先生」

 すると、銀時の背後からまどかの声がした。

 「よう、気が付いたか」

 銀時は振り返ると、体を起き上がらせたまどかがいた。

 魔力の使いすぎで、まどか達は気を失っていたのだ。

 そのため、まどか達は魔法少女の姿ではなく、杏子の私服以外、制服の姿に戻っていた。

 「あれ・・・・・・私たち・・・・・・?」

 「魔力を使い過ぎて・・・・・・意識を失っていたみたいね・・・・・・」

 さやかとマミも後で気が付き起き上がっていた。

 

 「そんなことより、あの魔女は・・・・・・!」

 杏子は気が付いて早々、ワルプルギスの姿を捜していた、気を失っていた後どうなったのかが気がかりだったのだがーー。

 「ああ、何とかなったわ、うん」

 「いや・・・・・・あれだけ苦労させられて何とかなったわ、の一言かよ・・・・・・」

 銀時の言葉で、脱力気味で答える杏子。

 「つーかこれ銀さん英雄だよホント、王様から表彰とかされたりしねーの?」

 銀時は、ワルプルギスを倒した手柄の話をしていた。

 「あはは、それはないんじゃないかな・・・・・・」

 「ていうか全部自分の手柄みたいに言ってんなよ!」 

 まどかは苦笑い、杏子は怒りながらも苦言した。

 「ま、まあまあ・・・・・・」

 さやかは杏子を宥めた。

 

 「・・・・・・・・・・・・」

 そんな中、ほむらは銀時たちのやり取りを見ていた。

 何でもないような言い合い、くだらないことで笑いあう仲間たち。

 それは代えがたく尊いもので・・・・・・戦いの日々が終わりを迎えたことを、まどかを救う旅が終わった事を意味していた。

 

 「うっ・・・・・・うう・・・・・・」

 ほむらの目から零れ落ちた涙、それは決して悲しみのものでも、絶望のものでもなく・・・・・・。

 まぎれもない、喜びの涙だった。

 杏子はそんなほむらの姿を見て気付きーー。

 「ったく・・・・・・ボロボロ泣いてんじゃねーぞ」

 「私・・・・・・私はやっと・・・・・・!」

 杏子は茶化すように笑いながら、ほむらの涙を止めようとしたが、それは無理な話だった。

 「だから・・・・・・泣くなって言ってんだろ・・・・・・馬鹿・・・・・・・」

 ほむらの涙につられて杏子ももらい泣きしてしまった。

 「ほむらちゃん」

 

 すると、まどかがほむらに話しかけていた。

 「私ね、最初は全ての魔女を生まれる前に消し去りたい、すべての宇宙の過去と未来のすべての魔女を私自身の手で消そうって願おうとしたの」

 まどかの言葉に、ほむら達は言葉を失った。

 「鹿目さん・・・・・・その願いは」

 「はい、未来と過去とすべての時間で戦い続けるつもりでした」

 その言葉の意味をマミは悟った。

 「そうなればきっとあなたという存在は個体を保てなくなる、死ぬなんて生やさしいものじゃない、未来永劫に終わりなく魔女を滅ぼす概念としてこの宇宙に固定されてしまうわ」

 マミの説明に、ほむらと杏子とさやかは背筋を凍らせた。

 それはつまり、まどかの人生に終わりも始まりもないこの世界に生きた証もその記憶からもどこにも残さない概念に成り果て、誰にも認識されず、まどか本人も干渉できない存在になってしまうという事だった。

 

 しかしーー。

 

 「でも、私のママが、坂田先生とあっていたんです」

 「まどかのママが?」

 まどかがとんでもない願いの話をした途端、突如自分の母親の話をし始めたことに驚いた。

 「先生、ご両親いないんですよね、ママから聞きました」

 まどかの言葉に四人は驚愕し銀時の方を向いた。

 銀時に至ってはバツが悪そうな顔だった。

 「ママが言ってました。 両親がいるわたしが大事にしているつもりが、結局は気付いていなかったって、そして、その話で、今までのことを思い返せたんです」

 まどかは魔法少女のことを知ってから今日までに至るまでのことを思い返していた。

 

 銀時が魔法少女と出会ってからの日々、マミを救い、魔法少女の秘密を知りながらも人間として扱って、さやかを魔法少女に戻した時のことを、杏子が利害関係なく純粋に力を貸していた奇跡を起こしていった。

 それは、生きて足掻いた銀時の行いからだった。

 

 それは、絶対にあきらめずに立ち向かい、約束を護り抜き、希望をつなぐという事をーー。

 

 その意味を、考え直した結果。

 

 「だから、今までの願いを変えることができたんです。 そして、違う願いで魔法少女になって、坂田先生がワルプルギスの夜を斬った時に、光の帯に包まれた際に、ほむらちゃんの記憶が流れたんです」

 

 そう言ってまどかは、ほむらの方を向いた。

 

 「いくつもの時間でほむらちゃんが私のために頑張ってくれたこと、何もかも・・・・・・何度も泣いて傷だらけになりながら、それでも私のために・・・・・・ずっと気づけなくてごめん、ごめんね」

 その言葉で、ほむらは気付いた。

 「まどか、もしかして・・・・・・」

 

 「うん、ほむらちゃんの家で言っていた意味が、願いを変えたことで今の私になったから本当のあなたを知ることができた、私にはこんなにも大切な友達がいてくれたんだって・・・・・・」

 その言葉にほみらの涙はまたあふれていた。

 「だから嬉しいよ、ほむらちゃんありがとう、あなたはわたしの最高の友達だったんだね・・・・・・」

 そう言いながら、まどかはほむらを抱きしめた。

 「私を、助けようとしてくれて、ありがとう」

 その言葉を聞いて、ほむらは号泣した。

 「うううううううぅぅぅぅ」

 それにつられて、マミもさやかももらい泣きした。

 「・・・・・・・・・・・・・」

 その様子を静かに見守った銀時はこの空気を換えるように言った。

 「ま、とりあえずは世界の危機ってのも終わったみてーだし、ひとまずはよかったんじゃねーか」

 その言葉を聞いて、涙を流しながら微笑み銀時のほうに向く一同。

 

 「うん・・・・・・みんな先生のおかげだよね」

 喜びの涙を流しながらまどかはそう言った。

 

 「それじゃあ、避難所に帰ろう、みんな待ってる」

 「ああ・・・・・・そうだな・・・・・・」

 さやかの提案に全員が同意した。

 ただーー。

 

 ――一人を除いて。

 

 「じゃあな、てめーら」

 「・・・・・・え?」

 銀時の言葉に全員が耳を疑った。

 今一体何を言っているのか?

 そんな表情で、まどか達は銀時を見ていた。

 「な・・・・・・何を言っているの・・・・・・?」

 ほむらは銀時が何を言ってるのか分からなかった。

 「何って・・・・・・言葉そのままの意味に決まってんだろ、俺とお前らはここでお別れだ」

 「お、オイ・・・・・・それってどういう・・・・・・!」

 杏子は銀時に問い詰める様に近づこうとしたが、その意味を目の当たりにすることになる。

 

 「・・・・・・説明している時間もほとんど残ってねェらしいな」

 「せ、先生!?」

  

 目を疑う光景だった、目の前に銀時の足の先から光の様に消えていってることにーー。

 

  

 全員、一瞬頭の中が真っ白になっていたが、銀時が何者であるかを思い出すことになる。

 

 銀時がどこから来たのかをーー。

 

 ワルプルギスを倒した時、銀時の別れが近づいていることをーー。

 

 

  

 

 

 

 

  

 




 はい、今回はフィルムメモリーズ少々、エレファント速報とオリジナルをマシマシに添えました。

 ようやく、ここまで来ました、最後に銀時の別れが来ました。

 僕は、エレファント速報でのワルプルギスの夜の最後の決戦を自分の解釈で同架空の悩みなました。

 より分かりやすく、尚且つ納得のいく決戦の流れを悩みなした。

 その答えが、まどかの原作の願いとエレファント速報でのまどかの願いをどう引き立たせるのかという結果に注目して書きました。


 その流れで、他の魔法少女をどうやって救うのかをーー。

 ただ、救われて終わりでいいのかと思い書きました。

 人間は感情と思考が割り切れない生き物ですので、悩み、苦しみ、妬みなどいろいろありますので、魔法少女が戦った時と人間に戻った時はまた違ったように見えるかもしれません。

 それでは、次回は銀時とまどか達の別れの話を書かせてもらいます。

 最後まで、お付き合いいただいてありがとうございます。

 ご意見ご感想お待ちしております。

 
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