巻き込まれたので、ハジメさんの立場(原作の)を簒奪する事にしました。 作:背の高い吸血鬼
魔物肉を喰らって人間の皮を被った化け物になった日から三週間が経過した。史実では、今日から一週間ほど前にハジメさんが落ち、魔物肉を求めるのだが、晴香はフライングで先に魔物肉を食し覚醒。その日からずっと魔物肉と川から汲んで来た水だけの食生活で、錬成や他技能の鍛錬に打ち込んでいた。
常人であれば、一日もせずに病みそうなことをずっと続けられている晴香であるが、どうしても叶えたい願いの為なら人間、何でもすることが出来ると感心してたりする。
さて。どの技能も鍛錬しているが、やはり自身の”才能”である天職【錬成】の成長率が著しい。なんと、また新たに派生技能を取得出来た。それは【錬成[+鉱物分離]】と【錬成[+鉱物融合]】である。これで鉱物の純度を上げる事ができ、更に混ぜ合わせて合金を作れるようになる。鍛錬内容は鉱物の純度を99%に引き上げる事とと、鉱物の融合比率の微調整。
そして、最後に【錬成[+精密錬成]】である。
自身の才能の伸びを、目視で確認できるのはやる気に繋がる。才能と記された錬成が、鍛錬して行く事にメリメリと成長して行くのを見ていると嬉しくて、だんだん鍛錬が楽しくなり、没頭して行くようになった。その影響で更に細かいミリ単位の錬成を、寸分違わず同じサイズのパーツを、物差しやコンパスを用いて徹底的な規格化を・・・と、求めるがままに突き進んだ結果、精密錬成を取得するまでに至った。
これのお陰でミリ単位は無論、更に集中すれば0.1ミリ単位の錬成も可能となり、細かなパーツを寸分違わずに製作できるようになった。
そうして、とうとう例の物に手を出す・・・
* * * * *
構造上の欠陥、金属の強度不足、耐摩耗性の逓減、耐熱性の低さによる金属融解・・・数々の失敗を量として、制作に成功した。それは、燃焼時に発生した高圧ガスにより、流線型の金属体を音速を超える速度で解き放ち、対象物に風穴を穿つ現代兵器。日本では警察や自衛隊、許可された民間人以外に持つ事が許されない、ただ引き金を引くだけで一つの命を簡単に奪える凶悪な武器。
銃である。
制作したのは、史実ハジメさんが製作した物に近い、六連の回転弾倉を備えたリボルバー。見た目は似ているが、ハジメさん作よりも簡素的なデザインをしており、ステータス的に言えば実用性に全振りした見た目。その分、壁に思いっ切り打ち付けても問題無く動作し、構造も簡潔なので誤作動も無ければ整備性も高い。50口径(12.7mm)の銃身から放たれるタウル鉱石製フルメタルジャケット弾やその他特殊弾頭の威力も申し分ない。
さらにこれも史実同様、纏雷によるレールガン化にも成功している。その威力は、唯でさえ強力な12.7mmを更に凶悪化。対物ライフルの軽く10倍は上回り、20mmのタウル鉱石製金属板を5枚撃ち抜くという衝撃的な結果をもたらした。
因みに名前はドンナーやシュラークでは無く、【06式回転式拳銃】とした。ドイツ語による命名も格好良いが、日本式の名付け方の方が個人的に好みな為に、この様な名前となった。余談だが、数字は歴ではなく完成した時間である。緑光石を利用したソーラー発電で電力を賄っているスマホの時計から、正確な時間を取り出しており、完成時間が15時06分であった為、06を取って【06式】としたのだ。
そして、何故自動拳銃(ハンドガン)ではないかというと、単純に強度が落ちてしまうからである。それに、回転式拳銃に比べて部品数が多く、複雑化しやすいため、メンテナンスに時間が取られ、万が一戦闘中に故障してしまうことを危惧すると、部品数は少なく強度も申し分ない回転式拳銃の方が実用的だと判断したためだ。
「ふふふ・・・今まで頑張った甲斐があったよ!」
反動は大きいが、問題無く扱えるのはステータスの恩賜。弾丸一発を作るだけでもかなりの時間を有するが、その集中した分が全て経験値として錬成技能を熟達させてゆく。撃って、作って、また撃って。制作と射撃双方の熟練度の上昇の為に、晴香はまたもや没頭する。
ただ、剣や防具を上手く作るだけ。そんなありふれた天職【錬成師】の技能【錬成】が、剣と魔法の世界に兵器を産み落とした瞬間だった。
* * * * *
―――ドガアァァァァアアアンッ!!
―――ギュゥゥゥッ!?!?
【06式回転式拳銃】をこの世に産み落としてから数日。数ある現代兵器を再現する為に、やはり没頭していた晴香は、外から突如として響いた爆発音と何らかの魔物の悲鳴を耳にして、意識を現界に向けた。晴香は最近、集中し出すとそれが完成するOR魔力が尽きるまで鍛錬を止めることを知らない人となった。もしステータスに【称号】なる表記でも存在すれば、その隣には【仙人】や【集中厨】とでも記されてあるに違いない。
「ん・・・掛かったみたいだね。確認しに行こっ」
先程の爆発は、晴香が仕掛けた罠の一つ。二尾狼の革で製作されたホルスターに【06】を固定し、拠点を出発する。
向かった先は、数か所仕掛けた罠が存在す地点の一つ。本来であれば大小凸凹の正に天然洞窟な地形であったが、今でその面影はなく、大小様々な瓦礫と、周りの岩壁には無数の小穴、そして被害にあった魔物が転がっている。如何やら掛かった魔物は蹴りウサギであった。
蹴りウサギが掛かってしまった罠とは、晴香が現代兵器を参考にして制作した兵器の一つ。その名を【54式指向性対魔物地雷】。地球に現存する指向性対人地雷で有名なものといえば【クレイモア】であろう。それを参考に、魔物にも良く効くように高威力化を図った逸品である。周辺に無数の小穴が開いているのは、爆発と同時に飛び出したタウル鉱石製と鋼製の金属球700個の痕跡だ。
本来であれば全てタウル鉱石製としたかったが、タウル鉱石は銃本体などに需要が高い為、コストダウンと妥協策として鋼球を使用している。
「ぎ、ギュゥ・・・」
まだ息をしている。見ると、片足が消失しており、もう片方の足も有らぬ方向に折れ曲がっている。散弾が耳に当たったのか、片耳も無く、身体には無数の赤点が確認できる。奇跡的に頭部への損傷は無く、既に満身創痍な有様。なのだがその眼付は険しく、命尽きる最後まで晴香に殺気を向け続けた。晴香は【06】を向け、頭部に照準を定めると、躊躇い無く引き金を引いた。
ドパンッ!!
乾いた発砲音が、第一階層内部に反響する。
既に動けない状態であったが、油断せずレールガンとして弾丸を放つ。赤い線として弾道の残像が確認できる程の速度で放たれた現代・・・否、近未来の破壊は、照準通りに蹴りウサギの頭部へと命中。頭部が文字通り消滅すると、蹴りウサギは完全に沈黙した。
「兎は初めて食べるなぁ~」
死体と【54式指向性対魔物地雷】の残骸を【異界収納】へ収納し、拠点へと帰還した。
* * * * *
「・・・美味しい魔物を食べて見たい・・・」
なんて、人間として可笑しい(既に可笑しいが)ことを述べながら【纏雷】で丸焼きになった蹴りウサギを食す。ハジメさんが記述していたが、やはり兎肉も不味かった。この不味さを乗り越えた先には魔物の固有魔法を習得できるので食べる分には、むしろバッチコーイ!!である。しかし、やはり食べるなら美味しいものが良い。
香辛料や地上の食材解禁は、ユエを開放してから、と心に定めているのでフライングはしない。楽しみは後に取っておこう。
「ちゃんと取得してるかな・・・?」
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綾瀬春香 17歳 女 レベル:10
天職:錬成師
筋力:470
体力:510
耐性:400
敏捷:520
魔力:930
魔耐:930
技能:錬成
[+鉱物系鑑定][+鉱物系探査][+イメージ補強力上昇]
[+鉱物分離][+鉱物融合][+精密錬成]
弓術
[+命中率補正]
火属性適性
[+効果上昇]
土属性適性
[+効果上昇]
全属性耐性
魔力操作
魔力感知
胃酸強化
纏雷
天歩
[+空力][+縮地]
言語理解
異界収納
[+重量無制限][+内部時間停止]
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うん。取れてるね
コロナお気をつけて( ;∀;)