巻き込まれたので、ハジメさんの立場(原作の)を簒奪する事にしました。   作:背の高い吸血鬼

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おはようございます。
昨日は投稿できず、申し訳ありませんでしたm(;∀;)m


19話 三階層

補充を済ませると、晴香は休むことなく探索を開始する。晴香はハジメのように生き急いでいる訳ではないが、出来るだけ同じペースを守って探索する事にしている。その理由は、出来るだけ史実と同じ様な流れでトータスの歴史を進ませたいからである。既にハジメが奈落に落ちていない為に、歯車は大いに狂っているが。

 

それは兎も角、諸事情により一時中断せねばならない時以外を省いて晴香は動き続けた。

 

諸事情とは―――

 

「ホッホーッ!!」

 

散弾となり飛翔する鋭い羽が晴香を捉える。が、事前に察知していた晴香は縮地で回避。夜目による暗闇アシストのお陰で、暗黒世界の二階層を縦横無尽に飛び回り、当てられるモノなら当ててみろと言わんばかりに散弾フクロウへと急接近。高速移動による翻弄と挑発行為により怒りに染まり、冷静さを欠く散弾フクロウは、晴香が縮地の失敗によって姿勢が狂ったのを好機とみて攻撃を仕掛けた。

 

実際には姿勢を崩したように見せるフェイントであり、こんな単純な罠に簡単にかかってしまうものなのかと呆れた表情で、普段よりも3割増しの魔力を込めた縮地にて、散弾フクロウの視界から消えた。縮地は素早く移動できるが、距離や速度を一瞬で出す為に魔力を多く消費してしまうので、普段は1割程度しか魔力を込めない。全力で発動すれば、地面が陥没してソニックブームが発生するかもしれない。

 

もしそうなれば激しい衝撃波による服地効果も見込めるだろうが、周りに味方がいる場合などでは巻き込んでしまうので、注意しなければならない。

 

閑話休題。

 

(―――こっちだよ!)

「っ!?」

 

消えた敵が自身の真横に出現する。今までに見せていない視界から消える高速度の晴香に、咄嗟に反応し対処行動を行おうとする散弾フクロウは、流石、奈落の魔物を言えよう。しかし、晴香の方が圧倒的に早かった。

 

「風爪」

 

スッと伸ばされた手から、三本の風の刃が出現する。何時かの爪熊が保有していた固有魔法だ。

 

晴香と散弾フクロウが交差する。風爪の切れ味は折り紙付きであり、散弾フクロウを四枚卸に仕立て上げた。

 

―――こんな時である。

 

気になっただろうが、何故晴香が06式などを使用しないかというと、次に進む三階層だが、ちょっとした火種で3000℃の灼熱地獄に早変わりしてしまう火気厳禁階層なのである。勿論、その階層では銃器やレールガンに用いる纏雷などの使用が出来ない。

 

であるならば、高温を発さず、されど高威力を繰り出せる【風爪】を用いるのが持って来い。なので、熟達鍛錬中なのである。因みに、晴香愛用シュタルナイフを使用するとも考えたが、次階層の鮫型の魔物には物理攻撃を緩和する皮膚を有している為、不採用とした。史実ハジメは【風爪】で魔物を討伐しているので、問題はない。

 

この様にして戦闘を繰り返し、時々鉱物採取な一時を数時間繰り返した晴香だったが、漸く階段を発見した。

 

勿論、何ら躊躇い無く飛び込んだ。

 

 

       *   *   *   *   *

 

 

その階層は、地面がどこもかしこもタールのように粘着く泥沼のような場所であり、このタールの正体こそが【フラム鉱石】である。フラム鉱石とは艶のある黒い鉱石であり、熱を加えると融解しタール状になる。融解温度は摂氏50℃ほどで、タール状のときに摂氏100℃で発火する。その熱は摂氏3000℃に達する。燃焼時間はタール量による。

 

(うへぇ~歩きにくい・・・)

 

足を取られるので凄まじく動きにくい。事前に用意していた長靴を履いている為、靴内部にタールが侵入する事はない。が、身動きがとりずらく、鮫型に奇襲攻撃を仕掛けられたら咄嗟に対応できないとして、晴香はせり出た岩を足場にタールから抜け出した。

 

【天歩[+空力]】にて空中に足場を形成し、それに乗ったままフラム鉱石の壁に穴を空け、内部に入る。隣に三畳ほどの空間を設けると、晴香は【異界収納】より椅子と棒状の物、そして魔物肉を取り出した。

 

「ほいっ」

 

細い線により括り付けられた魔物肉が、棒状の物体より繋がった糸を伝ってタールの中へと落下する。

 

棒状のソレ―――釣り竿の針に魔物肉を括り付けた、対鮫型捕獲用に用意した物である。鮫型は【気配遮断】という固有魔法を用いている為、晴香がもつ【気配感知】に引っかからず、タール状の界面より飛び出て奇襲攻撃を繰り出す。それを相手にするよりも先に【気配遮断】を習得しておきたいと思った晴香は、魚(?)相手なのだから釣りでしょ!と言う事で、釣り竿を制作したのだ。

 

鮫型は非常に鋭い歯を有している為、並みの糸では噛み千切られる―――否。切断されてしまう為、そうならないように特殊なワイヤーを用意した。用いられる金属は晴香の装備品に数多く用いられている【シュタル鉱石】であり、1mm程の金属線を束ねてワイヤーとしたものだ。魔力を込めてある為、どれ程の強度を有するのかと言う実験がてら【風爪】したら、一度は耐えた。

 

それくらい高い強度を風しており、一度の釣りしか行わないのだったら十分な性能だろう。

 

ぽちゃんっ・・・では無く、どぼっと言った表現が正しいか、肉がタールの中へと沈む。ゆらゆらさせたり、振動を加えたり。晴香は釣りというスポーツをした経験が殆ど無く、あっても小学生低学年時代に叔父さんに釣り竿を握らせてもらった程度。やり方は釣り番組でやってる人達の技術の見様見真似だ。

 

適当であるので、地上の魚であれば釣れないであろう。しかし、この階層の魔物達には釣りという概念が存在しないはず。変な肉片が浮いてる程度に思われるかもしれないが、それだけでも良い収穫だ。釣れない野であれば、他のやり方で行えばいいのだから。

 

・・・ボジャッ!!

(早っ!?)

 

なんて思って居ると掛かってしまった。まだ五分も経過してないのに・・・

 

と、若干呆れた晴香であったが、直ぐに気を引き締める。掛かった獲物である鮫型がタール内で暴れ出したからだ。何故か沈んでいた肉片に喰らい付いたら、異物が口内の何処かに突き刺さり、取れなくなって慌てたのだろ。晴香はそう推測すると、竿を大きく引き上げた。シュタル鉱石製の竿が撓る。しかし、魔力を大量に込められているお陰で折れるなんてことは無さそうだ。

 

奈落の魔物なので力が強く、タールの底へと引きずりこもうとするが、晴香の力は鮫型よりも強かった。

 

「うりゃぁっ!!」

 

腰に力を入れて引き上げる。逃げようと抵抗する鮫型あったが晴香のステータスには無力で有り、その努力も虚しくタール中より引き釣り出された。鮫の一本釣り。そう表現するのが妥当だろう。空中につるされた状態でバシャバシャと暴れ、表面に付着したタールが飛び散る。

 

三畳ほど設けた空間に鮫型を誘導すると、錬成で鮫型を固定した。気配を消す固有魔法しか有していない鮫型は抵抗できず、歯ぎしりしながら晴香を恨めしそうに睨みつけている。

 

晴香はその視線に微笑み返すと、笑顔で

 

「死ねっ」

 

【風爪】で真っ二つに切断した。抵抗らしい抵抗も出来ずに、鮫型はその生涯の幕を閉じる。

 

無力化された鮫型を取り出すと、シュタルナイフで皮を剝ぐ。物理攻撃を緩和する皮膚は何らかの防具になるかもしれないので、この階層での鍛錬序に狩りつくす勢いで採取しようと心に決めた晴香は、醤油が欲しいと思いながら刺身を口にする。まるでゴムにでも齧り付いているかのような、噛み応えがあり過ぎて疲れる感触に、魔物肉特有の不味さ、そしてタールの何とも言えない工業廃ガスの様な香り。

 

醤油が有っても絶対不味いし、返って余計に酷くなりそうだなんて感想を抱きながら、全て食した。

 

 

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綾瀬春香  17歳 女 レベル:22

 

天職:錬成師

 

筋力:800

体力:910

耐性:680

敏捷:850

魔力:1210

魔耐:1210

 

技能:錬成

   [+鉱物系鑑定][+鉱物系探査][+イメージ補強力上昇]

   [+鉱物分離][+鉱物融合][+精密錬成]

   弓術

   [+命中率補正]

   火属性適性

   [+効果上昇]

   土属性適性

   [+効果上昇]

   全属性耐性

   魔力操作

   魔力感知

   胃酸強化

   纏雷

   天歩

   [+空力][+縮地]

   風爪

   夜目

   気配感知

   気配遮断

   石化耐性

   言語理解

   異界収納

   [+重量無制限][+内部時間停止]

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漸く、此処まで来た・・・次回は多分、登場です。
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