巻き込まれたので、ハジメさんの立場(原作の)を簒奪する事にしました。   作:背の高い吸血鬼

3 / 52
必須タグに【アンチ・ヘイト】を

タグに【ハジメはモブ】を追加しました。

これからも増えるかもしれませんので、ご迷惑をおかけします・・・


3話 勇者参上っ!(w)

「お気持ちはお察しいたします・・・しかし、あなた方の帰還は不可能です」

「「「「「っ!?」」」」」

 

 場に静寂が満ちる。重く冷たい空気が全身にのしかかってくるようだ。私以外、誰もがいま言われた事を理解できない・・・否、理解を拒んでいるのか、なにも分からないと言った表情でイシュタルを見つめる。

 

「ふ、不可能ってどう言う事ですか!?呼べたのなら返せるでしょう!?」

 

愛ちゃん、渾身の叫び。

 

「先程言ったように、あなた方を召喚したのはエヒト様です。我々があの場に居たのは、単に勇者様方を迎える為と、エヒト様へお祈りを捧げる為。人間に異世界へと干渉する様な魔法は使えませんのでな、あなた方が帰還できるかどうかもエヒト様のご意思次第ということですな」

「そ、そんな・・・」

 

愛ちゃん、KO。燃え尽き、力無く椅子に座り込んだ。某ボ〇サーのように、るる~って効果音が流れそう。

 

 帰れないことがわかっている私からしたら、別に慌てる事なんて無いのだけど、この様な事に遭遇するのは初めての人達(私もだけど)はそうもいかない。急に訳わからん宗教組織に拉致られて、返してくれません。立派な犯罪だと騒ぎ立てる。

 

「うそだろ?帰れないって何だよ!!」

「いやよ!なんでもいいから返してよ!!」

「戦争なんて冗談じゃねぇ!ふざけんなよ!?」

「なんで、なんで、なんで・・・」

 

 まぁぶっちゃけ、某赤い国に拉致されたような状態だからね。こうなるのは仕方ないよ。この聖教教会のコ〇ギョ(讃美歌)でも歌えば解放もワンチャンあるかもよ!

 

なんて冗談いって、内心笑ってられるのは、如何やら私だけらしい。周りの生徒たちは一部を省いて殆どがパニック状態に陥った。あのハジメさんは冷や汗を掻いてるだけで、パニックには陥っていない。何故なら、召喚物のいくつかのパターンの内、最悪を引いていなかったからだったっけ。たしか、最悪なパターンは召喚者を奴隷扱いするパターンだった気がする。それからしたら、まだ人道的だよね。宗教に合わせて『コ〇ギョ!コ〇ギョ!』歌ってたら勇者でいられるのだから。

 

ここでかたくなにエヒトや聖教教会を否定するのは得策じゃない。だったら、嫌でも合わせるが宜し。

 

現に、イシュタルが私達の事を冷めた目で見ている。その瞳の奥には【侮蔑】の色が濃く現れており、「何故、エヒト様に選ばれておいて喜べないのか」とでも思っているのだろう。

 

 一部以外のほぼ全員が狼狽える中、我らが勇者様(笑)が立ち上がり、テーブルをバンッ!っと強く叩いた。その音にビクリと正気を取り戻した生徒たちが、笑勇者光輝に注目する。光輝は、全員の視線が集まった事を確認すると、徐に話し始めた。

 

「皆、ここでイシュタルさんに文句を言っても意味がない。彼にだってどうしようもない事なんだ。・・・俺は、俺は戦おうと思う。この世界の人類が滅亡の危機に有るのは事実なんだ。それを知って、放っておくなんて俺には出来ない。それに、人類を救う為に召喚させたのなら、救済させ終えれば返してくれるかもしれない。・・・イシュタルさん、如何ですか?」

「そうですな。エヒト様も救世主の願いを無下にはしますまい。」

 

しらっと言っているが、するんだなぁ~それが。殺しに来るよ?

 

「俺達には大きな力が有るんですよね?ここに来てから妙に力が漲っている感じがします」

「ええ、そうです。ざっと、この世界の者と比べると数倍から十数倍の力を持っていると考えても良いでしょう。」

「うん、なら大丈夫。俺は戦う!人々を救い、皆が帰れるように。俺が、世界も皆も救って見せるっ!(キラッ☆彡)」

 

ギュッと握り拳を作り、そう宣言する阿保な勇者様w。

 

わぁーかっこいいー(棒)

 

 それと同時に、彼のカリスマは遺憾無く効果を発揮した。絶望の表情だった生徒たちが活力と冷静さを取り戻し始めた。光輝を見る目はキラキラ輝いており、正に希望を見つけたと言った表情だ。女子生徒の半数上は熱を孕んだ視線を向けている。勿論、私は冷めた目で見ている。

 

「へっ、お前ならそう言うと思ってたぜ。お前ひとりじゃ心配だからな・・・俺もやるぜ?」

「龍太郎・・・」

「今の所、それしかないわよね・・・気に食わないけど・・・私もやるわ」

「雫・・・」

「え、えっと、雫ちゃんがやるなら私も頑張るよ!」

「香織・・・」

 

何だろう。文章で見ているだけでも下手な芝居見たいって思ってたけど、リアルに見ると、何と言うか、居た堪れない。

 

 いつものメンバーが彼に賛同を示せば、後は当然の流れと言う様にクラスメイト達が賛同していく。愛ちゃんはおろおろしながら「ダメですよ~」と涙目で訴えているが、光輝が作った流れの前では無力。そして、不自然なほど自然な流れで戦争参加が満場一致で可決。憲法9条を守ろう!戦争反対!って、この光景を見た自称平和団体や野党が騒ぎそうな光景だ。

 

 恐らく、大半のクラスメイトは、本当の意味で戦争をするということがどういう事なのかを理解していないだろう。本当の戦争は、理性の鎖が千切れた獣達による、同種同士の殺し合いであり、そこには光輝の思う正義など存在せず、有るのは、人の臓腑が辺り一面に散らばる酷い戦場後のみ。だから、こうなる事の知っている私がストッパーとなるのが最善手かもしれないけど、それは出来ない。なぜなら、私は知っていて、ハジメさんは気付いたのだから。

 

 イシュタルが事情説明をする間、それとなく光輝を観察し、どの言葉に、どんな話に反応するのかを確かめていた事を。正義感の強い光輝が、人間族の悲劇を語られた時の反応は実に分かりやすかった。その後は、ことさら魔人族の冷酷非情さ、残酷さを強調するように話していた。おそらく、イシュタルは見抜いていたのだろう。この集団の中で誰が一番影響力があるのかを。

 

世界的宗教のトップなら当然なのだろうが、油断ならない人物だよね、あのアへ顔おじさん。このトータスでの危険人物トップ10入り確実の相手だからね。

 

『しかし・・・彼の戦う相手が、人間と同じ知性を持つ人と同じ存在である事に後で苦しみ、結局殺すことが出来なくて苦悩するのは知ってるけど、ご都合主義な彼にはいくら言っても聴きはしないだろうし、イシュタル等の監視が入ってる事から、私は何も言わずに唯、彼の演説に乗った様な体を振舞う。その方が、この場合だと安全だと知っているから。』

 

そんな事を、意味深に微笑むアへタル視界に入れて思った。




私、最近【プリ〇ス・ミ〇イル】に嵌まってますw
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。