巻き込まれたので、ハジメさんの立場(原作の)を簒奪する事にしました。   作:背の高い吸血鬼

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おはようございます!

ちょっぴり魔が差し、勢いで書いてしまった。その事に対して反省や後悔はしないですけど、r15程度で収まる・・・様な(?)百合表現が含まれます。


34話 神代魔法

魔法陣が淡く輝き、部屋を神秘的な光で満たす。

 

中央に立つ晴香たちの眼前に立つ青年は、よく見れば後ろの骸と同じローブを着ていた。

 

「試練を乗り越えよくたどり着いた。私の名はオスカー・オルクス。この迷宮を創った者だ。反逆者と言えばわかるかな?」

 

大迷宮の創設者ということで、ユエが驚きに僅かながら表情筋が動く。

 

「ああ、質問は許して欲しい。これはただの記録映像のようなものでね、生憎君の質問には答えられない。だが、この場所にたどり着いた者に世界の真実を知る者として、我々が何のために戦ったのか・・・メッセージを残したくてね。このような形を取らせてもらった。どうか聞いて欲しい。・・・我々は反逆者であって反逆者ではないということを」

 

そうして始まったオスカーの話とは、要約すると。

 

【それは狂った神とその子孫達の戦いの物語】

 

であった。

 

話が終わり、オスカーは穏やかに微笑む。

 

「君が何者で何の目的でここにたどり着いたのかはわからない。君に神殺しを強要するつもりもない。ただ、知っておいて欲しかった。我々が何のために立ち上がったのか・・・君に私の力を授ける。どのように使うも君の自由だ。だが、願わくば悪しき心を満たすためには振るわないで欲しい。話は以上だ。聞いてくれてありがとう。君のこれからが自由な意志の下にあらんことを」

 

そう話を締めくくり、オスカーの記録映像はスっと消えた。同時に、晴香とユエの脳裏に何かが侵入してくる。ズキズキと痛むが、それがとある魔法を刷り込んでいたためと理解できたので大人しく耐えた。

 

やがて、痛みも収まり魔法陣の光も収まる。晴香はゆっくり息を吐いた。

 

「ユエ、大丈夫?」

「・・・ん。問題無い。それより、凄い事聞いて、魔法貰った・・・どうする?」

 

ユエがオスカーの話を聞いてどうするのかと尋ねる。

 

「ユエは気になる?」

 

元よりユエが最大の目的である為、エヒトとか興味ないし・・・と、オスカーの話を切って捨てた。お前たちの世界のことはお前達の世界の住人が何とかしろ、と。晴香とハジメは目的が違えど心情は同じだった。

 

とはいえ、ユエはこの世界の住人だ。故に、彼女が放っておけないというのなら、晴香も色々考えなければならない。オスカーの願いと同じく簡単に切って捨てられるなど、晴香からしたら有り得ない。仮にハイリヒ王国やヘルシャー帝國を滅ぼしてとでも頼まれたら、晴香は何ら躊躇い無く引き金を引くだろう。そう思って尋ねたのだが、ユエは僅かな躊躇いもなくふるふると首を振った。

 

「私の居場所はここ・・・他は知らない」

 

そう言って、晴香に寄り添いその手を取る。ギュッと握られた手が本心であることを如実に語る。ユエは、過去、自分の国のために己の全てを捧げてきた。それを信頼していた者たちに裏切られ、誰も助けてはくれなかった。ユエにとって、長い幽閉の中で既にこの世界は牢獄だったのだ。

 

その牢獄から救い出してくれたのはどんな理由があろうと晴香だ。だからこそ晴香の隣こそがユエの全てなのである。

 

「・・・そっか」

 

若干照れくさくなりながらも、晴香はユエを抱き締めた。

 

「生成魔法を授かったけど、ユエは使えそう?」

「・・・難しい」

「適性とか有りそうだもんね。私にとっては大当たりな魔法だけど」

 

そう、生成魔法は神代においてアーティファクトを作るための魔法だったのだ。まさに【錬成師】のためにある魔法である。実を言うとオスカーの天職も【錬成師】だったりする。子供の頃に文献を読み、自前で神結晶を作っちゃうくらい凄い錬成師なのだ。

 

なお、自爆はロマンな模様。

 

「ふぅ~それじゃあ、オスカーさんを埋めますか」

「ん・・・畑の肥料・・・」

 

ユエには慈悲はなかった。

 

風もないのにオスカーの骸がカタリと項垂れた。

 

オスカーの骸を畑の端に埋め、墓石も立てた。流石に、肥料扱いは可哀想すぎる。

 

線香は無ければ、黙祷だけの埋葬が終わると、晴香とユエは封印されていた場所へ向かった。序でにオスカーが嵌めていたと思われる指輪も頂いておいた。墓荒らしとか言ってはいけない。その指輪は部屋に掛けられた封印を解除するに必要なのだ。

 

まずは書斎。

 

重要視はしてないが、地上への道は探らなければならない。晴香とユエは書棚にかけられた封印を解き、めぼしいものを調べていく。すると、この住居の施設設計図らしきものを発見した。通常の青写真ほどしっかりしたものではないが、どこに何を作るのか、どのような構造にするのかということがメモのように綴られたものだ。

 

「あ、あったよ」

「んっ」

 

設計図によれば、どうやら先ほどの三階にある魔法陣がそのまま地上に施した魔法陣と繋がっているらしい。オルクスの指輪を持っていないと起動しないようだ。

 

工房には、生前オスカーが作成したアーティファクトや素材類が保管されている。なので、有り難く使用させてもらう。

 

「ハルカ・・・これ」

「うん?」

 

晴香が設計図をチェックしていると他の資料を探っていたユエが一冊の本を持ってきた。オスカーの手記のようだ。かつての仲間、特に中心の七人との何気ない日常について書いたもののようである。その内の一節に、他の六人の迷宮に関することが書かれていた。

 

「・・・他の迷宮も攻略すると、創設者の神代魔法が手に入るということ?」

「・・・かも」

 

手記によれば、オスカーと同様に六人の【解放者】達も迷宮の最深部で攻略者に神代魔法を教授する用意をしているようだ。生憎とどんな魔法かまでは書かれていなかったが・・・

 

晴香は知って居るので問題ない。

 

「・・・帰る方法見つかるかも」

 

ユエの言う通り。実際、召喚魔法という世界を越える転移魔法は神代魔法なのだから。

 

「そうだね。今後の指針は、地上に出たら七大迷宮攻略を目指そう」

「んっ」

 

明確な指針ができて頬が緩む晴香。思わずユエの頭を撫でるとユエも嬉しそうに目を細めた。

 

それからしばらく探したが、正確な迷宮の場所を示すような資料は発見できなかった。だが、晴香は知っており【グリューエン大砂漠の大火山】【ハルツィナ樹海】【ライセン大峡谷】【シュネー雪原の氷雪洞窟】その他も大まかな場所は記憶にある。しかし、攻略を進めるにあたって、晴香は史実のハジメが歩んだ道のりで進もうとしている。

 

そうしなければ、これから起こる数多くの出来事のキーパーソン獲得につながらないからだ。

 

しばらくして書斎あさりに満足した二人は、工房へと移動した。

 

工房には小部屋が幾つもあり、その全てをオルクスの指輪で開くことができた。中には、様々な鉱石や見たこともない作業道具、理論書などが所狭しと保管されており、錬成師にとっては楽園かと見紛うほどである。

 

「・・・ねぇユエ。ここを、当分の間は拠点にしない?」

「・・・ハルカと一緒ならどこでもいい」

「ユエ・・・」

 

何と言うか知って居ても、実際に言われると照れくさい。

 

そして、二人はここで可能な限りの鍛錬と装備の充実を図ることになった。

 

 

       *   *   *   *   *

 

 

その日の晩、晴香とユエは温泉にやって来た。脱衣所にて服を脱ぐと、天井の太陽が月に変わり淡い光に照らされる風呂場に入る。湯気の上がる湯船が淡く輝き、場所も改まって何処か西洋の幻想的な絵画のワンシーンの様だ。

 

晴香の脳内にはテルマエ・ロマエの例の映画の情景が浮かんだが、なんとなく雰囲気は似ていると思う。

 

「ユエ、お先にどうぞ。洗ってあげる」

「・・・ハルカが先。一番の功労者」

「そう言ったら、止めを刺したユエはMVPだよ」

 

結局押し切られる形で晴香がバスチェアに座ることとなる。

 

「・・・ハルカ、気持ちいい?」

「ん~、気持ちいい~」

「・・・ふふ。じゃあ、こっちは?」

「あ~、それもいい~」

「・・・ん。もっと気持ちよくしてあげる・・・」

 

小さな手で背中を洗ってくれていたユエが、ぴとっとくっ付いた。晴香がビクッと震える。何故なら、押し付けられる事でむにゅりっと変形したマシュマロが背中に当たっているから。コリッと感じるのはアレだろう。これだけでも晴香的に凄いご褒美なのだが、あろうことか、ユエはその状態で上下左右に動いたりして、胸で洗ってくれる。

 

レズ風俗とは、このような事をするのだろか・・・蕩けそうになる意識の中、そんなことを思ってしまった。

 

しかし、気持ち良い。前にある鏡に映るユエが、妖艶な微笑みを浮かべながらやってくれるものなので、やられている側としては変な気分になって来るし、ちょっぴり恥ずかしかった。

 

「・・・どう?」

「・・・凄く、気持ち良かったです///」

「んっ♡」

 

訂正。凄く恥ずかしい。

 

シャワーで洗い流されると、選手交代で晴香がユエを洗う番となる。特に、なんかスゴイことをするでもなく、あくまでも平常心を心がけながら、ユエの肌を傷つけぬよう慎重に、そして優しく洗っていた晴香だったが、

 

「・・・ハルカは、してくれないの・・・(潤んだ瞳)」

「・・・お望みとあらば(決死の覚悟)」

 

むにゅりっ

 

そんな目で見られては覚悟を決めなければならない晴香は、自分の胸をユエの背中に押し当てた。ユエがやった様に、真似て上下左右に動かす。自分のがユエの背中でぬるぬると擦れる感覚が兎に角ヤバい。

 

鏡に映る自身の顔が真っ赤なのに対し、ユエは対照的に凄い余裕のある表情で、晴香の感触を楽しんでいるようだった。

 

「ど、どうだった・・・?」

「・・・またやって」

「・・・了解、です///」

 

追記。やる方がもっと恥ずぃ・・・

 

そんなこんなありつつも、髪をタオルで巻いた二人は湯船に浸かった。

 

「ふぁぁ~・・・」

「んっ・・・気持ち良い・・・」

 

気の抜けた声が風呂場に響く。これからしばらくは、だらんとしたままボーとしている。

 

全く、お風呂は命の御洗濯とはよく言ったものである。拠点に帰れば毎日はいっていたお風呂でも気持ち良かったが、どうして、温泉の場合とこうも違うのだろうか。お風呂と温泉の不思議だ。効能でも関係しているのだろうか。

 

(―――いや、それも有るだろうけど・・・)

 

ちらりとユエに視線を向ければ、晴香にぴとっとくっ付き、右肩に頭を傾けて半身を預けて、目を細めて脱力するゆるゆるなゆるユエがいた。

 

「・・・はるか?」

「ん、いや。ユエと一緒に温泉って気持ち良い、って思ってね・・・」

 

湯船の中で手を握れば、ユエが握り返してくれる。何気ないこの行動で、温泉とは別の暖かくて心地い幸せが、心を満たしてくれる。こんな幸せが、ずっと続く様に。ユエとの一蓮托生の生活を、何人にも壊させはしない。絶対守らなければ。

 

まどろむ意識の中、ユエの手を握ってそう思った。

 




改めて見ると、うんっ!問題ないね(多分)
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